摩天楼に映画を―55th NY Film Festival

フィルム・ソサエティー・リンカーン・センター Film Society of Lincoln Centerによる映画祭、ニューヨーク映画祭も今年で55回目を数えるようになりました。毎年一度だけ摩天楼が巨大映画館に様変わりする映画のお祭りも、既に長い歴史を刻んでいたんですねえ。NY映画祭の開催期間は、9月28日から10月15日まで。追…

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この、青春の、痛み―エリック・ゾンカと「さよならS Le petit voleur」

空を飛ぶ鳥のように自由で、かごの中の鳥のようにあがき続ける。…たぶん、それを“青春”と呼ぶ。 エリック・ゾンカ Erick Zonca 1956年9月10日生まれ フランス、オルレアン出身 ●フィルモグラフィー 2008年『Julia』(監督、脚本) 2000年「愛撫」(脚本のみ) 1998年「さよなら…

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Three Billboards Outside TIFF 2017 トロント

今年は、映画賞レースに関連した記事を一つも書いておらず―そもそも新しい記事そのものを全く更新できず―、今年の映画界の動向に追いつけていない状態で、今必死に遅れをカバーしている体たらくです。申し訳ない。 北米最大の映画祭であるトロント国際映画祭 Toronto International Film Festivalでは、先に閉幕した…

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ギャングとのクリスマスをブルージュにて「ヒットマンズ・レクイエム In Bruges」

日本では“ヒットマンズ・レクイエム”などという、どこの仁侠映画だと呆れる邦題がつけられた「In Bruges」。このひねくれたアクション人間ドラマ作品を長編処女作とした新鋭マーティン・マクドナー Martin McDonagh 監督の「セブン・サイコパス Seven Psychopaths」が公開された時、彼はまだまだ“知る人ぞ知る”存…

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The Shape of "The 74th Venice Film Festival"

うははははははは。笑いが抑えきれぬわ。 我らがgeekの守護天使であるところのギレルモ・デル・トロ Guillermo del Toro監督の期待の新作『The Shape of Water』が、第74回ベネチア国際映画祭で最高賞にあたる金熊賞 Golden Lionを獲得しました。 既にネット上に出回っているイメージ、ある…

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高齢化社会のアクション映画―「RED/レッド」

以前、故赤瀬川原平氏の「老人力」という本を読んだことがありましてね。この本が発売された当時は随分流行りましたから、今も覚えてらっしゃる方も多いと思います。流行語にまでなった“老人力”という言葉は、創作者(笑)の赤瀬川氏の手を離れ、勝手に独り歩きをはじめました。 しばらく経って赤瀬川氏のエッセーを読むと、この“老人力”という言葉が多…

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ロックバカの魂―「ハードロック・ハイジャックAirheads」

“音がデカイと感じたら、お前はジジイだ” 「ハードロック・ハイジャック Airheads」(1994年製作) 監督:マイケル・レーマン Michael Lehmann 製作:ロバート・シモンズ&マーク・バーグ 脚本:リッチ・ウィルクス 撮影:ジョン・シュワルツマン 音楽:カーター・バーウェル 出演:ブレンダン・フレイザ…

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「ブルー・イグアナの夜Dancing at the Blue Iguana」―マイケル・ラドフォード

踊り子たちの見る夢は、夜の闇に消えてゆく。 「ブルー・イグアナの夜 Dancing at The Blue Iguana」(2000年製作) 監督:マイケル・ラドフォード Michael Radford 製作:ラム・バーグマン&マイケル・ラドフォード他 脚本:マイケル・ラドフォード&デヴィッド・リンター 撮影:エリクソン・…

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存在の耐えられない“曖昧さ”―リチャード・ブルックスRichard Brooks

“脚本さえうまく書ければ、後はなんとでもなるもんだ” リチャード・ブルックス Richard Brooks 本名:ルービーン・サクス Ruben Sax 1912年5月18日生まれ 1992年3月11日没 アメリカ、ペンシルヴェニア州フィラデルフィア出身 1912年5月18日、ペンシルバニア州フィラデルフィア…

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天国のライダー、デニス・ホッパー Dennis Hopper

前立腺から骨に転移した癌と長年戦っていたデニス・ホッパー Dennis Hopperは、2010年5月29日についに帰らぬ人となりました。あの「イージー・ライダー Easy Rider」で乗りこなしていたバイクにまたがり、ニュー・オーリンズではなく、天国を目指して行ってしまったのですね。 デニス・ホッパー Dennis L…

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ラテンの風が再び吹く時。-Nuclear Valdez復活!

何年も前のこと、“南からの風”を感じさせるような、素晴らしい音楽を奏でるバンドがありました。 デビューアルバムが英国でスマッシュヒットを飛ばした、Nuclear Valdezというバンドです。当時日本でも少し紹介されていましたから、覚えておられる方もいらっしゃるかもしれません。 キューバやドミニカ共和国出身者で構…

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Short Film (animated): ノアの箱舟の行き着く果て。―「ARK」

“人生はただ歩き回る影法師、哀れな役者だ。 出場の時だけ舞台の上で、見栄をきったりわめいたり、 そしてあとは消えてなくなる。” ―ウィリアム・シェイクスピア “ARK” (HD) AWARD Winning Animated Film by GrzegorzJonkajtys Feat.in Sketchozine.com Vol…

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岸辺で再び、私は人生と相見える―「岸辺のふたり Father and Daughter」

“家族とは、誰も置き去りにされたり忘れられたりしないということを意味する。 Family means no one gets left behind or forgotten.” -- David Ogden Stiers 「岸辺のふたり Father and Daughter」(2000年公開、日本では2004年に初公開)イギリ…

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誰もが俺たちを見つめてる―「ポリス インサイド・アウト」

それぞれの旅の行き先が見えたとき、その旅は終わるんだ。 「ポリス インサイド・アウト Everyone Stares:The Police Inside Out」(2006年製作) 監督:スチュワート・コープランド Stewart Copeland 製作:スチュワート・コープランド Stewart Copeland コメンタ…

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暗闇を照らす詩の心―ジャック・オディアールと「預言者 A Prophet」

ジャック・オディアール Jacques Audiard監督の「預言者 UN PROPHÈTE (A PROPHET)」が日本で公開されたのは2012年の1月21日から。作品完成時から実に3年越しの、待ちくたびれて諦めかけていた末の、ようやくのランデブでありましたね。数年前、この「預言者」がハリウッドでリメイクされるというニュー…

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美は惜しみなく奪う-「ヴェニスに死す Morte a Venezia」Part2

“ここでは、私の昔からのあこがれを実現することが重要だった。審美的な憧れを持つ芸術家(すでに名声を確立していたが落ち目の音楽家アッシェンバッハ)と、その生活の間に介在する対立。あきらかに歴史を超えたその存在と、彼の中産階級市民の身分(タッジオ少年を取り巻く社会)への接近との間に介在する不調和というテーマは、常に私をひきつけてきた”―ヴィ…

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「セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター The Salt of the Earth」

世界中で頻発するテロや人災。悪意も暴力も騒動も連鎖反応を引き起こし、更なる混乱を招くものですが、ローマ法王が“第三次世界大戦”という言葉を盛り込み、不穏になるばかりの世界情勢に対して強い警告を発したこともありましたね。 そういった世界情勢への日本国内の反応や対応はどうなっているんでしょうね。最近あらゆるメディアから距離を置くように…

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「声をかくす人 The Conspirator」―ロバート・レッドフォード監督

今日は、本国アメリカでは黙殺の憂き目にあったロバート・レッドフォード監督の意欲作「声をかくす人 The Conspirator」のお話をしましょうか。 1865年4月14日午後10時。エイブラハム・リンカーン大統領は、ワシントンのフォード劇場で上演中であった喜劇「われらがアメリカのいとこ」を観劇中、同舞台を公演していた劇団に所…

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