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zoom RSS 2つの「王子と踊り子 The Prince and the Showgirl」物語。

<<   作成日時 : 2017/05/23 12:57   >>

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誰にも言わないが、実は密かに愛しているロマンティック映画の一つがこれ。

ロマンティック系の映画は苦手であると以前告白したことがあります。いわゆる“ロマコメ romantic comedy”と称される作品を観ると尻が痒くなるんですわ(←もういい・笑)。でもまあしかし、なにをもって“ロマンティックな映画”と考えるか、その判断基準は人それぞれ。私にとってのそれは、マリリン・モンローが出演する映画すべてを指します。


“ Better luck next time, only not with me, of course.”

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「王子と踊り子 The Prince and the Showgirl」(1957年)
監督:ローレンス・オリヴィエ Laurence Olivier
製作:ローレンス・オリヴィエ Laurence Olivier、マリリン・モンロー Marilyn Monroe
原作戯曲:テレンス・ラティガン Terence Rattigan
脚色:テレンス・ラティガン Terence Rattigan
撮影:ジャック・カーディフ
音楽:リチャード・アディンセル
出演:ローレンス・オリヴィエ Laurence Olivier (チャールス大公)
マリリン・モンロー Marilyn Monroe (エルシー)
ジェレミー・スペンサー Jeremy Spenser (幼王ニコラス)
リチャード・ワティス Richard Wattis (ノースブルック)
シビル・ソーンダイク Sybil Thorndike (皇太后)他。

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息子である幼王ニコラスの戴冠式のため、皇太后と共にロンドンを訪れたカルパチア国摂政のチャールズ大公。彼らを接待するために、エルシーたち踊り子は彼らの前で歌や踊りのレビューを披露した。大公のお気に入りとなったエルシーは、特別に屋敷に上がることを許される。大公は彼女を二人きりの晩餐に招待するが、彼の時代がかった口説き文句に、思わずエルシーは吹きだしてしまう。下町育ちで、マナーは知らないが大らかなエルシーは、上手い酒と料理にすっかりいい気分だ。相手が大公だということも忘れて大いに楽しむ。

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酔いつぶれた挙句屋敷にやっかいになってしまったエルシーだが、皇太后はそんな彼女をいたく気に入り、従者として召抱える。やがてエルシーは、持ち前の明るさで大公とニコラスの間のギクシャクした親子関係も解きほぐしていくのだった。エルシーは従者として、戴冠式が無事に終わるのを見届けた。これで彼女の役目は終わり。大公一家の心に暖かいものを宿したエルシーは元の踊り子に戻り、大公一家もまた、彼女とロンドンの思い出に後ろ髪を引かれながらカルパチア国に帰ってゆく。

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王様(大公ですが)と踊り子の恋。ありがちなストーリーではありますが、ラティガンの原作戯曲は、対照的な彼ら2人をなかなか上手く描き分けておりスマートです。マリリンの役柄は、残念ながら、彼女が得意とする“黄金のハートを持った娼婦(イメージとして。本当は踊り子ですよ)”の域を出ないもの。そういう意味ではいささか食い足りないのですが、大公との 2人きりの晩餐シーンで、オリヴィエと交わされる演技の駆け引きは見ものですよ。考えてみればこのシーンは完全なる室内劇。スカートを風でまくるわけにもいかないし、裸でプールから上がるわけにもいかない。しかも相手はシェイクスピア俳優のローレンス・オリヴィエ。マリリンはセクシーという武器に頼らず、オリヴィエに比していささかの遜色もない見事な演技を披露したと言えるでしょうね。まあその分、この作品を製作する過程において彼女が味わった緊張感や重圧は、相当のものであっただろうと思われます。

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オリヴィエを監督にも担ぎ出して、マリリン自らのプロダクションでの製作ということで、かなり力の入った作品でした。しかし衣装も地味ですし、マリリンの歌も1曲だけですし、彼女のフィルモグラフィーの中ではあまり目立たない作品になってしまいましたねえ。でもまあ、私はこれが大好きです。大公とエルシーの別れのさりげなさも、感傷的になりすぎず余韻を残してくれますから。なにより、マリリンの放つ柔らかい綿毛のような愛くるしさが、いかめしいオリヴィエの硬質さに反射して、一層輝く作品であるのですよ。


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日本でも公開された映画「マリリン 7日間の恋 My Week With Marilyn」(2011年)は、この「王子と踊り子 The Prince and the Showgirl」製作の際の秘話を扱った、いわゆるバックステージものであります。
「王子と踊り子」の撮影のために初めて渡英したマリリンと、監督も務めたオリヴィエの助手コリン・クラークのひとときの恋を描いたもの。当時の撮影現場では、プロデュースも兼ねていたマリリンの躁鬱状態が酷く、撮影が難航したのだそうです。その彼女のお守り役をおおせつかったのがコリンでした。女盛り、30代のセクシーな女性と初心な青年が恋に落ちるのに、時間は必要ありませんでした。
コリン・クラークは、マリリンとの短い恋が終わり、彼女がその後自身の短い一生を終えて天国に旅立った後、『Prince, the Showgirl and Me』と『My Week with Marilyn』という二冊の回顧録を発表しました。2004年には、BBCがこの回顧録を元にドキュメンタリー番組を制作しましたが、長編映画となった「マリリン 7日間の恋 My Week with Marilyn」も、同じくコリンの回顧録を忠実にトレースした内容になっています。

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コリン・クラーク Colin Clarkを瑞々しく演じたのは、「エリザベス:ゴールデン・エイジ」や「レ・ミゼラブル」等の若手注目株俳優から「博士と彼女のセオリー The Theory of Everything」でオスカーを獲得し、今や英国を代表する俳優の一人となったエディ・レッドメイン Eddie Redmayne。ミシェル・ウィリアムズMichelle Williamsが、ノイローゼの所以でイノセントと邪悪の間を不安定に行き来していた時期のマリリン・モンロー Marilyn Monroeを繊細に演じ、ケネス・ブラナー Kenneth Branaghが、気難しく厳めしいローレンス・オリヴィエ Sir Laurence Olivierを近寄りがたい存在感で好演し、共にオスカー候補になりました。興味を持たれた方は是非とも、こちらの“もう一つの「王子と踊り子」物語”もご覧になって見てください。


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