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zoom RSS AFIが推奨する2014年度のベスト映画とベスト・テレビ番組各10選…(+1)

<<   作成日時 : 2014/12/12 21:48   >>

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これも毎年恒例の行事ですな。アメリカ映画協会AFI(American Film Institute)が選出する、“今年の優れた映画10作品”と“今年の優れたテレビ番組10作品”、2014年度のラインナップは以下の通りです。


Top 11 Movies of 2014

*今年は同点選出作品があり、11作品選出と、変則的な結果になっています。


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 「アメリカン・スナイパー American Sniper」 (2015年2月21日日本公開予定)
まだ当分くたばりそうにない、世界最強の爺ことクリント・イーストウッド監督の最新作ですね。今だから正直に告白しますが、例の、爺初めてのミュージカル映画は、映画としてもミュージカルとしてもどっちつかずの半端な仕上がりだったと思います。素材も出演陣も音楽も最高なのに、もったいない。いかな職人監督といえども、ジャンルに関してはやはり向き・不向きがあるんじゃないかなあ。爺は過去に、モダン・ジャズの祖にしてビ・バップの父であるサックス奏者チャーリー・パーカーの伝記映画「バード Bird」を撮ったり、自身も作曲をてがけたりして、音楽には深い造詣があったはずなんですが。うーん。
そしてこの新作。昨年2013年2月2日、PTSDに苦しむ元海兵隊員のため射撃訓練に付き添っていたところ、突然その元兵士に射殺されてしまったクリス・カイルの伝記映画です。このクリス・カイルは、海軍からネイビー・シールズに抜擢され、優秀な狙撃手となった人物。2003年イラク戦争勃発に伴い、2009年の除隊までに都合4度も激戦地に派遣され、公式発表だけでも合計160名にのぼる武装勢力側の兵士を射殺しました。アメリカ軍にとっては“アメリカ最高のスナイパー”であり、イラク武装勢力にとっては“ラマディの悪魔(シャイターン・アル・ラマディ)”であったという、イラクにおけるアメリカ国家の立場を象徴したかのような、相反する二面性を抱えていました。
そのカイル氏は除隊後、回想録「ネイビー・シールズ最強の狙撃手 American Sniper」を執筆したり講演を行ったり、民間のセキュリティ会社を興したりして精力的に活動しました。彼自身も重いPTSD症状に悩んでいたことから、戦場から生還しても社会復帰できない元兵士たちを助けるため、NPO団体を発足。PTSDを患った元兵士たちに冷淡な社会に抗議しつつ、慈善活動に奔走していたのですが…。世界最高の狙撃手が元兵士に撃たれて死ぬなんて、砂を噛むような無力感に苛まれますね。
イーストウッド爺の新作は、カイル自らが生々しい戦場の記憶を書き綴った「ネイビー・シールズ最強の狙撃手 American Sniper」を原作にしたもの。こないだ第二次世界大戦戦車悲惨物語映画「フューリー Fury」を観にいったとき予告編が流れたのですが、予告編だけでも充分胃が痛くなるような緊迫感で、本編観賞後にはゲロ吐きそうな予感大(苦笑)。わたしゃ「フューリー Fury」ですら、観た後で鉛でも飲み込んだような鬱に落ち込み、今だに精神的ゾンビ状態を引きずっている体たらくなのに(トホホ)。

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既に読まれた方も多いと思いますが、原作の回想録は凄いですよ。実際に地獄を見てきた人間にしか書けない内容です。本当の戦場とはどういうものかを、これでもかこれでもかこれでもかこれでもか…と、現実の凄まじさを鼻先に突きつけられますからね。どっかの国の政治家達に踊らされ、やれグンタイだぁーやれセンソウだぁーうひょーとか騒いでるバカどもに声を大にして言いたい。映画「フューリー Fury」を観て、「ネイビー・シールズ最強の狙撃手 American Sniper」を読んでみ?映画版が来年公開されたら、映画も観てみるといいよ。実際の戦場がどういう状況なのか、実際に戦うということが何を意味するのか、嫌になるぐらい理解できるから。特に男の子達は、将来自分らがどんな地獄に送られることになるか、今から予習しておいても損はないと思うよー。ねー。

進んでも地獄、戻っても地獄。一旦奈落まで落ちたら最後、二度と生きては出られない無間地獄。これが戦争の現実だわね。そういう場所に、日本の男の子たちは皆、近い将来ぶち込まれることになる。覚悟しておいた方がいい。私のように息子を持っているお母さん方が、現在日本政府に対して怒り狂っているのはそのためなんです。

で、話を元に戻しましょう。これは個人的な意見ですが、クリント爺はやっぱり、行き場を失った男のドラマをシンプルにドライに描くと本領を発揮する映画作家だと思うんですわ。女性の視点や感性を物語に織り込むのは、ぶっちゃけ苦手なタイプ(笑)。あと、ストーリー展開の風呂敷を広げすぎるのも禁物な(笑)。複雑で繊細な伏線を回収するのも、爺苦手だから(笑)。でもね、爺はもうそれでいいよ。爺にしか描けない世界、爺にしか扱えない話法は現実にあるんだもの。


 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance) 」 (2015年春日本公開予定)
こないだ発表されたゴールデン・グローブ賞ノミネーションでは、主演のマイケル・キートンがコメディ・ミュージカル部門の主演男優賞にノミネート、エドワード・ノートンも同部門で助演男優賞にノミネートされました。これで私の野望の一つ、“キートン&ノートン Keaton & Norton”が実現できたのでめでたい限りですな(笑)。


「6才のボクが、大人になるまで。 Boyhood」
この作品についてはここで詳しく触れています。この作品と同時代に生き、リアルタイムでこの作品を目撃することができて幸せでした。


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 「フォックスキャッチャー Foxcatcher」 (2015年2月14日日本公開予定)
「カポーティ Capote」(2005年)、「マネーボール Moneyball」(2011年)の2作で、私の“暑苦しく愛してる映画監督リスト”入りしたベネット・ミラー Bennett Miller監督。親友でもあった「カポーティ」の主演俳優フィリップ・シーモア・ホフマンの突然の訃報は、彼に計り知れない衝撃を与えたそうですが、新作「フォックスキャッチャー Foxcatcher」は喪失の悲しみを払拭する素晴らしい出来映えに。世界中の映画祭で評価され、各地の映画賞でも必ずといっていいほど候補に挙げられるまでになりました。アメリカきっての大富豪がレスリング競技の金メダリストを殺害したという、実際に起こった不可解な事件を映画化したものです。ミラー監督の真骨頂である繊細で丁寧な心理描写により、人間の深層心理の闇を解きほぐす映像が堪能できそうですね。


 「ジ・イミテーション・ゲーム(原題) The Imitation Game」 (未)


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 「インターステラー Interstellar」
製作:エマ・トーマス&クリストファー・ノーラン&リンダ・オブスト
製作総指揮:ジョーダン・ゴールドバーグ&ジェイク・マイヤーズ&キップ・ソーン&トーマス・タル
脚本:ジョナサン・ノーラン&クリストファー・ノーラン
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
プロダクションデザイン:ネイサン・クロウリー
衣装デザイン:メアリー・ゾフレス
編集:リー・スミス
音楽:ハンス・ジマー
出演:マシュー・マコノヒー(クーパー)
アン・ハサウェイ(ブランド)
ジェシカ・チャステイン(マーフ)
エレン・バースティン(マーフ)
マイケル・ケイン(ブランド教授)
マッケンジー・フォイ(マーフ)
ティモシー・シャラメ(トム)
ジョン・リスゴー(ドナルド)
デヴィッド・オイェロウォ(校長)
声の出演:ビル・アーウィン(TARS)他。

クリストファー・ノーラン監督の諸作品は、特に「ダークナイト The Dark Knight」以降、賛否両論に分かれて喧々諤々たる論争を引き起こしてしまうようですね(笑)。私自身は正直なところ、処女作品「フォロウィング Following」(1998年)を除けばそんなに興味をそそられない監督さんなのですが、このSF大作は結構気に入っています。彼の作品が嫌いな人達にしてみれば、この作品もまた独特の説教臭さ、映像に関しては最新技術に頼らない“リアル”志向の完全主義を貫いている割に、科学的検証という点は杜撰なのが気に食わないでしょうけどね。
でもこの作品の基調であり、大命題は、主人公クーパーと娘マーフの間の絆です。親と子の間にある引き離せない絆なんですね。父親は、我が娘を含めた地球上のすべての子供達に未来を与えるため、文字通り命懸けのミッションに挑みます。生きては帰れないだろう道を進みます。例え科学的に妙な描写があったとしても、親が子に必死になって大切なものを伝えようとする姿の前では、取るに足らない疵であるように私には思えますよ。
小さいお子さんをお持ちの方なら尚一層切実ではないでしょうか。クーパーの行動の原動力も理由も目的も、全てが娘への愛情です。あれほどまでに、スタイリッシュでクールであることにこだわっていた、完全主義者でエエ格好しぃのノーラン監督が(笑)、なりふり構わず父と娘の絆を描こうと頑張った。SF的背景はあくまでも、父娘の絆の喪失と回復を描くために使われた道具でしかありません。ご本人が再三言及しているように、スタンリー・キューブリック監督の名作「2001年宇宙の旅 2001: A Space Odyssey」へのノーラン監督なりの返答作品だということは容易に察せられます。しかしノーラン監督はそれを、映像技術や哲学的屁理屈、小手先のアイデアに頼るのでなく、“親子の愛情”という多分に人間臭くて古臭くてちっともクールでない要素で、真っ正面からやり抜こうとしたのですね。それが、私の共感をも呼んだ結果につながったのですよ(笑)。
キューブリック監督の「2001年宇宙の旅 2001: A Space Odyssey」は確かに前人未到の地平を目指し、見事その最果てに到達しました。が同時に、多くの凡々たる観客を置いてきぼりにもしてしまいましたね。「インターステラー」のクーパー=ノーラン監督は、そんな置き去りにされた観客全てを拾い上げ、一緒に別の領域を目指したかったのかもしれません。


 「イントゥ・ザ・ウッズ Into the Woods」 (2015年3月14日日本公開予定)


 「ナイトクローラー(原題) Nightcrawler」 (未)
これが初メガホン作品となるダン・ギルロイ監督の現代のフィルム・ノワール。ロサンジェルスの犯罪世界に呑み込まれていく主人公のルイス・“ルー”・ブルームを、大幅な減量で熱演したジェイク・ジレンハールが各映画賞で候補に挙げられています。これも日本上陸が待ち遠しい作品です。


 『Selma』 (未)


 『Unbroken』 (未)
今作は、先に発表になったゴールデン・グローブ賞候補から完全に無視された結果になりました。その理由は全く分かりません。監督であるアンジェリーナ・ジョリーへの嫉妬や彼女の政治的見解、並びに人道主義活動への誤解が原因ではないことを祈るばかりです。戦時中の日本軍による外国人捕虜への暴行や非人間的扱いが描かれているこの作品において、果たして作品そのもののテーマがどこに向けられているのか、私も見るのが恐ろしい気持ちではありますよ。でも、映画は所詮映画であり、政治や社会活動の道具にはなり得ません。歴史を変えるものでもないんです。映画はただ歴史を映すだけ。それだけなんです。


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 「ウィップラッシュ(原題) Whiplash」 (未)
ニューヨークの有名音楽学校に入学したドラマー志望の青年アンドリューが、1人のインストラクターと出会いました。このインストラクター、フレッチャーは、自身も才能豊かで新しい才能の原石を見分ける感覚にも秀でた男なのですが、絵に描いたような性格破綻者。ジャズを愛するあまり、生徒の指導も明々後日の方向に逸れてしまう恐怖のスパルタ教師なのでした。あの「フルメタル・ジャケット Full Metal Jacket」のハートマン軍曹の如く、見込みのあるアンドリューを罵詈雑言で叩きのめし鍛えていきます。そうやって生徒を追い詰め、狂気の中から本物の才能を開花させようとしているのですが、指から血を流しながら必死にフレッチャーの常軌を逸した指導に食らいついていたアンドリューが、ついにメンタル・ブレイクダウン。全編に渡って、アンドリューとフレッチャーの戦いが描かれ、密室に2人だけ閉じ込められたような逃げ場の無い緊迫感、2人の関係が刻々と変化し、ストーリーが何処に転がっていくのか読めない、スリリングな心理戦作品だそうですよ。こーーーーれはーーーー見ーーーーたーーーーいーーーーなあああああああああああ(魂の絶叫)!!!!!狂気のフレッチャー先生を演じたJ.K.シモンズが、様々な映画賞で助演男優賞候補になっています。


Top 10 TV Shows of 2014

『The Americans』
『Fargo』
『ゲーム・オブ・スローンズ Game of Thrones』
『How to Get Away with Murder』
『Jane the Virgin』
『The Knick』
『マッド・メン Mad Men』
『Orange is the New Black』
『Silicon Valley』
『Transparent』

映画部門でも、アンジェリーナ・ジョリーの「Unbroken」をリスト入りさせているのに、ウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブダペスト・ホテル Grand Budapest Hotel」を除外するのはおかしいという批判が寄せられていました。そうですねえ、「グランド・ブダペスト・ホテル Grand Budapest Hotel」は確かにとても良く出来た映画でしたもんね。

ですが、このテレビ番組部門のラインナップについては、映画部門以上に納得いかない人が多かったみたいです。某有名映画サイトのコメント欄に批判コメが押し寄せ、荒れ放題になっていたほど(疲笑)。をいちょっと待てや、「トゥルー・ディテクティヴ True Detective」もなし、「ハンニバル Hannibal」もなしかよと。いやいや、「トゥルー・ディテクティヴ True Detective」はともかく、「ハンニバル Hannibal」選出はちょっと無理があると思うよ(笑)?テレビ界も、古いドラマ・シリーズが次々と終了を迎え、新しい番組が始まっています。ちょうど世代交代の時期に差し掛かっているわけで、この手のリストに選ばれる番組も流動的になってしまうのは仕方がないでしょう。

……でもな、ショーン・ビーン主演の『Legends』が選ばれちょらんのは納得いかんぞ、わたしは!!!放送局のTNTは先日、今シリーズの第2シーズン続行を正式決定したばかりだというのに!!! (←わーい♪)


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