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zoom RSS 第67回カンヌ国際映画祭受賞者リストCannes 2014 winners!追記。

<<   作成日時 : 2014/05/25 11:51   >>

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追記しました。

第67回カンヌ国際映画祭受賞結果 The 67th Cannes Film Festival Winners List

・コンペ部門 Competition

パルム・ドール Palme d’Or: "Winter Sleep" Director: Nuri Bilge Ceylan

グランプリ(パルム・ドール次点) Grand Prix: "The Wonders" Director: Alice Rohrwacher

監督賞 Prix de la Mise en Scene (best director): Bennett Miller "Foxcatcher"

脚本賞 Prix du Scenario (best screenplay): "Leviathan" Writers: Andrey Zvyaginstev and Oleg Negin

カメラ・ドール(処女作品賞) Camera d’Or (best first feature): "Party Girl" Directors: Marie Amachoukeli, Claire Burger and Samuel Theis

審査員賞 Prix du Jury (jury prize): "Mommy" Director: Xavier Dolan
"Goodbye to Language" Director: Jean-Luc Godard (tie)
審査員賞は、今映画祭最年長の映画監督ジャン・リュック=ゴダールと、最年少の映画監督グザヴィエ・ドランの同点受賞となりました。

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グザヴィエ・ドラン監督

今年のカンヌに出品された作品のうち、観客や批評家からおそらく最も興奮をもって迎えられた作品のうちの一つが、弱冠25歳のケベック出身の監督/俳優が製作した映画“Mommy”(母さん)でした。ドラン監督の作品は、これまでに発表された「マイ・マザー J'ai tué ma mère」(2009年)、「胸騒ぎの恋人 Les amours imaginaires」(2010年)、「わたしはロランス Laurence Anyways」(2012年)、「トム・アット・ザ・ファーム Tom à la ferme」(2013年)全てが世界中の映画祭で評価され、話題を集めており、日本でも劇場公開を果たしています。
私も彼の作品を劇場で観ましたが、彼の年齢でしか言い表せない情念をユニークな表現方法で映像に置換する、オリジナリティ溢れる映画作家だと感じました。自身のセクシュアリティを臆することなく作品に反映させ、家族との軋轢、社会の非寛容、愛のカタチの多様さと不安定さといった、永遠に解答が出ない普遍的な命題に昇華させてゆく手腕は、他の映画作家ではついぞ見受けられない独特なもの。まさしくアンファン・テリブル、恐るべき子供。お父さんが俳優という生活環境で、彼自身ケベックで子役として活躍していた経験があるとはいえ、この若さで映画作家として既にある領域に到達してしまっているドラン監督は、やはり天才だとしか言い様がありません。
彼は既に、初の英語セリフでの長編映画用の脚本を完成しているとか。これだけ濃密でハイレベルな作品を、1年に1本のペースで製作する凄まじいパワー。彼に与えられた創造の泉は、今のところ涸れる様子を見せませんね。「死刑台のエレベーター」で世界中を動揺させた、故ルイ・マル監督のデビュー時を思い出した方も多いのではないでしょうか。久しぶりに登場した本物の天才に、カンヌが熱狂したのも無理はないでしょう。
しかし、受賞作品を選出するにあたっては、カンヌでは殊のほか、様々な国から選ばれた審査員たちとの政治的駆け引きが大きく影響します。上映作品を観た人たちからは一様に“パルム・ドール候補”と絶賛されたドラン監督の“Mommy”に最高賞を与えるのは、難しかったのではないかと思っています。

“僕の受賞が多くの人を力づけますように… I hope this prize will inspire people.”ーグザヴィエ・ドラン監督スピーチ

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ジャン・リュック=ゴダール監督

ドラン監督がルイ・マル監督の生まれ変わりなら、御年83歳のジャン・リュック=ゴダール監督は、ヌーヴェル・ヴァーグを知る最後の生き証人。彼自身の波乱万丈の人生模様と呼応して、そのフィルモグラフィーも進化、変化、発展を目まぐるしく続けており、いまだ“完成形”が予想できない状態です。そして83歳の現在、巨匠久方ぶりのカンヌ・コンペ復帰作は、なんと、ジェイムズ・キャメロン監督の「アバター」以来の驚きをもって迎えられた、巨匠初の3Dによる作品でした。この“Goodbye to Language”というタイトルに、ゴダール監督の“オレは死ぬまで現役”という執念と覚悟、そして長年戦い続けた映画界の商業化への新たなる挑戦が現れているように感じます。

ドラン監督とゴダール監督という対照的な2人の監督の人生が、カンヌで奇跡的に交錯しました。これから先、映画そのものがどのように変わっていくかは分かりませんが、映画界を代表してきた才能とこれからの映画界を牽引するであろう才能が並び立った瞬間が、私達が考える以上に重要なのかもしれませんね。

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女優賞 Prix d’interpretation feminine (best actress): ジュリアン・ムーア Julianne Moore in "Maps to the Stars"
うちの師匠の作品に出演してくれた俳優さんたちが高く評価されたり、賞を取ったりすると、もちろん我が事のように嬉しいであります(咽び泣)。女優賞受賞は、てっきりマリオン・コティヤール兄貴だとばかり思っていたもので。ジェーン・カンピオン審査員長ありがとう!

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男優賞 Prix d’interpretation masculine (best actor): ティモシー・スポール Timothy Spall in "Mr. Turner"
当館の記事で、男優賞はスティーヴ・カレルかティモシー・スポールがとるかも知れないとは書きましたが、本当にスポールおいちゃん、涙の受賞と相成りました。おめでとうございます!

短編パルム・ドール Palme d’Or Court Metrage (Short film Palme d’Or): "Leidi" Director: Simón Mesa Soto


・ある視点部門 Un Certain Regard

ある視点部門賞 Prix d'un Certain Regard
"White God" Director: Kornél Mundruczo

審査員賞 Prix du Jury (Un Certain Regard)
"Force Majeure" Director: Ruben Ostlund

審査員特別賞 Special Jury Prize (Un Certain Regard)
"The Salt of the Earth" Director: Wim Wenders

アンサンブル演技賞 Ensemble Talent Prize (Un Certain Regard)
For the ensemble cast of "Party Girl"

俳優賞 Best Actor (Un Certain Regard)
David Gulpilil in "Charlie's Country"


・Directors’ Fortnight Prize

"Love at First Fight (Les Combattants)" Director: Thomas Cailley


・国際批評家週間賞 International Critics’ Week Prize

NESPRESSO Grand Prize
"The Tribe" Director: Myroslav Slaboshpytskiy

FRANCE 4 Visionary Award
"The Tribe" Director: Myroslav Slaboshpytskiy

Sacd Award
"Hope" Director: Boris Lojkine

SONY Cinealta Discovery Prize
"A Ciambra" Director: Jonas Carpignano

CANAL+ Award
"Crocodile" Director: Gaëlle Denis

GAN Foundation Support For Distribution
"The Tribe" Director: Myroslav Slaboshpytskiy


・Fipresci

Fipresci Prize - Competition Prize
"Winter Sleep" Director: Nuri Bilge Ceylan

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Fipresci Prize - Un Certain Regard Prize
"Jauja" Director: Lisandro Alonso

ヴィゴ・モーテンセン主演、アルゼンチンはブエノスアイレス出身1975年生まれの監督兼脚本家リサンドロ・アロンソ監督の入魂の一作“Jauja”(ハウア)。リサンドロ監督の名前は覚えたおいた方がいいでしょう。アルゼンチン映画界で、納得のいく作品を妥協なく撮ってきた才能が、この作品でいよいよ世界に知られるところとなりました。
アルフォンソ・キュアロン、ギレルモ・デル・トロ、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥのスリー・アミーゴスの作品群をみると分かるのですが、彼らがどの国で撮った作品であっても、彼らのDNAに刻み込まれた南米独特の感性―例えばマジック・リアリズムなど―は健在であり、彼らの映画に特別な個性を付加しています。アロンソ監督の“Jauja”も、デンマークからやって来た父娘が摩訶不思議な国に迷い込む旅路を描き、カンヌで高い評価を得ました。音楽はヴィゴ自身が作曲したものだそうで、こちらの評判も上々。ラテンのマジック・リアリズムは、なぜか日本人の心の琴線に触れ、共鳴する感覚です。ぜひ日本でも公開されるよう、祈るばかりでありますよ。
とにかく、アロンソ監督とヴィゴ、おめでとうございます!

Fipresci Prize - Parallel Section
"Love At First Fight" Director: Thomas Cailley

Ecumenical Jury Prize
"Timbuktu" Director: Abderrahmane Sissako

Ecumenical Jury Prize - Special Mention
"The Salt of the Earth" Director: Wim Wenders
"Beautiful Youth". Director: Jaime Rosales


デヴィッド・クローネンバーグ監督を師と仰ぐ館長としては、師匠のハリウッド風刺地獄絵巻『Maps to The Stars』で落ち目の女優サヴァナを熱演したジュリアン・ムーア大姐御の女優賞受賞に祝杯を挙げたいと思います。

ジュリアン大姐御やったぜワッショイ勝利の舞いは、既に力の限り舞ってまいりましたので(笑)、最後は祝杯で今日一日を締めくくりますね。ジュリアン大姐御、おめでとーございまーす!!!!!


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