House of M

アクセスカウンタ

zoom RSS いつの日か、クローネンバーグに食い尽くされよう。―師匠の処女小説『Consumed』

<<   作成日時 : 2014/04/23 23:37   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

consume
【動詞】 【他動詞】
1a〈…を〉消費する,使い尽くす.
b〔+目的語+in+(代)名詞〕〔…に〕〈…を〉費やす.
c〔+目的語(+away)〕〈…を〉浪費する.
2〔+目的語(+away)〕〈火炎が〉〈…を〉焼き尽くす.
3〈人が〉〈…を〉食い[飲み]尽くす.
4〈しっと・憎悪などが〉〈人の〉心に食い入る



"Coming from David Cronenberg, the originality, wit, preoccupation with technology, and uncompromising carnality of Consumed should come as no surprise. He will probably be accused of every sin that can be invented to compensate for human fear of mind and body. This fiercely original book, with the scope and poetic exactitude of Nabokov's best work, has the power to unsettle, disarm, and finally make the reader absolutely complicit."-- by Viggo Mortensen
“真にオリジナリティに溢れ、ウィットに富み、危険なまでのテクノロジーへの傾倒、消費し尽くすことへの飽くなき欲求を表した小説。彼はいつの日か、人間の心と身体に潜む恐怖を和らげるために作り出されたあらゆる罪のため、糾弾されることだろう。この唯一無二の、ナボコフの最良の作品に引けを取らぬ程の詩的な厳格さと視野を持つ小説は、読者を不安の渦に叩き込み、その理論武装を有無を言わせず解除させ、最後には、クローネンバーグ世界の完全なる共犯者に仕立ててしまう力を持っているのだ。”--- ヴィゴ・モーテンセン

"An astonishing, seamless continuation of what I call his peerless novelistic film oeuvres. With Consumed, he has become the definitive heir, not just of Kafka and Borges, but of Cronenberg himself."-- by Bruce Wagner
“私が極めてユニークな小説的映画だと呼んでいる、彼の全作品の延長線上にある驚くべき小説だ。この『Consumed』によって、彼は単にフランツ・カフカやホルヘ・ルイス・ボルヘスの真の後継者になっただけではない。“クローネンバーグ”という才能自身の唯一無二の後継者になったのだといえる。”--- ブルース・ワグナー(クローネンバーグのカンヌ出品映画『Maps to The Stars』の脚本家)

Consumed: A Novel
Scribner
2014-09-02
David Cronenberg

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Consumed: A Novel の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

『Consumed: A Novel』
著者:デヴィッド・クローネンバーグ
Scribner社出版
(全320ページ)
2014年9月2日発売


Erikoさん、お知らせくださってありがとうございます。今年のカンヌ国際映画祭コンペ部門に、新作『Maps to The Stars』が無事招待された我が師匠、デヴィッド・クローネンバーグ監督の処女小説がついに完成、発売されることになりました!嬉しい!結構前から小説を書くぞー書くぞーと言われながらも、師匠の映画製作の方の仕事が絶え間なく続いているおかげで、メガホンをペンに持ち変える時間も取れなかったのだと思われます。

しかし、待った甲斐がありましたぜ。今年9月2日にめでたく出版予定。実はこの師匠初の小説には、映画やドラマ作品と同様に2分少々の“予告編(トレーラー)”なるものが存在していまして、このニュースを報じてくれたThe Playlistという映画サイトでは、その映像も観ることが出来ます。You Tubeに投稿された映像ですので、ここに引っ張ってきて貼り付けることも可能ですが、今回は直貼りは見送らせていただきますね。トレーラーといえども、がっつりR指定を喰らいそうな内容なので。わたしゃ気にしませんが、人によっては不愉快な表現だと思われるむきもあるでしょう。

画像

ことほどさように、また先に引用させていただいたヴィゴ・モーテンセン氏(彼の主演作『Jauja』(リサンドロ・アロンソ監督)もカンヌのある視点部門に招待されています)やブルース・ワグナー氏からの賞賛の言葉を待つまでもなく、『Consumed: A Novel』とは、“絶対クローネンバーグ極限映像世界”をそっくりそのまま文字に変換した作品だと容易に察せられます。
40年以上の長きに渡って連綿と綴られてきた、世界に本当に一つしかない師匠の映像世界に耽溺しておれば、この小説から漂ってくる空気の匂いも嗅ぎ分けられようというもの。一つの欲求に気も狂わんばかりに囚われ続ける人間の愚かさ、汚らわしさ。欲望の虜になった人間の発する、腐る寸前の果実のごとき妖艶さ。目に見える世界と妄想が見せる世界の地平が、いつの間にか繋がっていく不条理さ。そして、テクノロジーの歯車に挟まれて粉々に砕け散っていく人間らしさへの、あえかな憐憫の情。師匠の世界の住人は皆、秘密を知り、共有する熱狂と、真実に裏切られていく恐怖に囚われ、それらと融合する陶酔の瞬間を経て、姿を消してしまいます。彼らにしか見ることの出来ないビジョンを得た途端に、肉体、あるいは精神が消滅してしまうように。後には哀しみの余韻だけが残るのです。
私達観客はと言えば、その哀しみの余韻の中で、いつの間にか師匠の映像世界に完全に飲み込まれていたことに気付き、ただただ呆然と立ち尽くすばかり。

あるフランス人哲学者の死の真相に近づこうとした2人のジャーナリストが、やがて世界規模の陰謀に巻き込まれていく奇奇怪怪な道程のお話。モーテンセン氏やワグナー氏が指摘していた、ボルヘス、カフカ、そして師匠自身、小説家を目指していた若かりし頃に影響を受けたと認めるナボコフのように、彼らにしか理解できない4次元世界を幻視する内容なのだと思います。あらすじをざっと見た感じでは、師匠が映画化した「コズモポリス」のドン・デリーロ、「裸のランチ」のバロウズといった、現代社会を幻視する作家群の系譜にも連なるような作品なのではないでしょうか。個人的には、邦訳版が早く出てくれるよう、心から祈るものであります。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い
いつの日か、クローネンバーグに食い尽くされよう。―師匠の処女小説『Consumed』 House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる