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zoom RSS 12 Years A Slave in 57th BFI London Film Festival

<<   作成日時 : 2013/10/20 23:31   >>

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10月18日、第57回BFI ロンドン映画祭(The 57th BFI London Film Festival)開催期間中に、スティーヴ・マックィーン監督(「Shame -シェイム-」「Hunger」)の問題作「12 Years A Slave」が、ヨーロッパでは初めてとなるプレミア上映を迎え、続いてプレス・カンファレンスが行われました。

12 Years a Slave press conference

BFIのYou Tube公式チャンネルから出されたプレス・カンファレンスのハイライトです。

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監督も主演俳優も、双方共に英国出身なのですから、今回のロンドン映画祭におけるプレミアは、いわば“凱旋帰国”のような意味があったと思います(新人ルピタ・ニョンゴはアメリカ出身、イェール大卒の才媛)。

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他にマイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチという2名の英国俳優も擁したこの作品は、純然たるアメリカの物語であるのに、どこかアウトサイダー的な冷ややかな視点を併せ持っているように思えてなりません。

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この作品は現時点では、今年の賞レースのフロント・ランナーと目されるだけに、プレス・カンファレンスでも様々な質問が飛んだようです。

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マックィーン監督の弁によると、とにもかくにも、アメリカの恥部とされる奴隷制度の実態を、その凶暴性と狂気と残虐さを、ありのままに描くことが作品を製作する上での最大の目的であったと。観客におもねるために、悲惨な現実を砂糖でくるんでしまうぐらいなら、わざわざ映画を撮る意味はないと断言。その結果、この作品はR指定を受けましたが(R指定作品になると、上映できる場所が制限されたり、もちろん一定の年齢以上の観客しか映画を観ることができなくなります)、それによる興行へのリスクを負ってでもリアリティを重視したそうです。

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さらに監督は、ソロモン・ノーサップ役に求められる限りない繊細さと、状況の激変によって次第に鋭く研ぎ澄まされていく強さ、生きることへの執念という、相反する資質を同時に表現できるのはチュウィテル・エジオフォールだけだと、彼の主演俳優に賞賛を贈りました。チュウィテルも、ある日自分の下に飛び込んできた、とてつもなくパワフルでエモーショナル、そして信じがたいほどすさまじいストーリーの脚本にすっかり魅入られたと語りました。

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(スティーヴ・マックィーン監督と、奥様であるBianca Stigterさん、娘さんのアレックスちゃん)

BFI LondonFF: Highlights of '12 Years a Slave' premiere & Steven Knight's 'Locke' premiere, Discussion with Ralph Fiennes.


プレミア上映後、各映画サイトに掲載された今作へのレビューをみると、やはりチュウィテル同様、この作品の持つマグマのようなエモーションに圧倒された者が多かったようです。あるいは、マックィーン監督独特の光と影のコントラストを強調した映像美、ハンス・ツィマーの音楽といった技術的な面での完成度の高さを褒める者、ソロモンを中心として様々な考えを持った人間達の織り成すアンサンブル・ドラマに魅せられた者…。とにかく、映画としての完成度の高さを評価する声が数多く見受けられました。

…にもかかわらず、「12 Years A Slave」の日本公開は、オスカー授賞式が終わったあとの来年3月まで待たねばならないという歯がゆい状況です。Facebookの方の公式ページには、R指定であるが故か、今作を上映する劇場の少なさ、リリース日が決定している国の少なさに不満を爆発させる声も寄せられていました。私も、2013年度の映画界で重要な位置を占めることになる「12 Years A Slave」の出来るだけ早い時期の日本公開を切に願いつつ、本日もこの作品の補筆を行った次第であります。


最後に、時間を少し遡りまして、トロント国際映画祭期間中に行われた「12 Years A Slave」の脚本家ジョン・リドリー、マックィーン監督と長年コンビを組んでいる撮影監督ショーン・ボビットへの30分インタビュー動画を共有しておきます。

DP/30 @ TIFF '13: 12 Years A Slave, screenwriter John Ridley


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ジョン・リドリー (John Ridley) (上の画像は「All Is by My Side」のイモージェン・プーツと)
ウィスコンシン州ミルウォーキー出身

7冊の作品が出版されている小説家。特に、オリバー・ストーン監督によって映画化された『Stray Dogs』が有名。リドリーはまた、ハリウッドで数多くのテレビ・シリーズの脚本家、プロデューサーとしても活躍し、1997年には自身の小説を脚色した「Uターン」とデヴィッド・カルーソ主演の「Cold Around the Heart」の脚本と、デヴィッド・O・ラッセル監督の初期作品「スリー・キングズ」(1999年)、ヒットした2002年製作のコメディ「アンダーカバー・ブラザー」、2012年の「Red Tails」でも脚本を担当している。そして今年に入り、マックィーン監督の「12 Years a Slave」(製作も担当)の脚本で注目を集め、自身初の監督作品となる「All Is by My Side」(兼脚本)も完成した。「All Is by My Side」は、ジミ・ヘンドリックスが有名になる前の時期に想を得たドラマ作品で、イモージェン・プーツ(「25年目の弦楽四重奏」)、ヘイリー・アトウェル(「キャプテン・アメリカ」)、バーン・ゴーマン(「パシフィック・リム」)等が出演。


DP/30: 12 Years A Slave, director Steve McQueen, d.p. Sean Bobbitt


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ショーン・ボビット(Sean Bobbitt)

テキサス州出身の撮影監督、カメラマンで、British Society of Cinematographers (BSC)のメンバーでもある。ドキュメンタリー畑でキャリアをスタートさせ、テレビ映画、テレビ・ドラマ作品で下積みを重ね、近年数々の商業用劇映画で撮影を手がけている。スティーヴ・マックィーン監督とは、彼にとってのデビュー作「Hunger」、「Shame -シェイム-」、そして今年の映画界で大きな話題を呼んでいる「12 Years A Slave」の全ての作品でコンビを組んでいる、名パートナーである。

2014年「Kill the Messenger」 (post-production)
2013年「Oldboy」 (completed)
2013年「12 Years a Slave」 (director of photography)
2012年「ビザンチウム Byzantium」
2012年「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 The Place Beyond the Pines」 (director of photography)
2012年「Everyday」
2011年「ヒステリア Hysteria」 (director of photography)
2011年「Shame -シェイム- Shame」 (director of photography)
2010年「Crack House USA」 (ドキュメンタリー Documentary)
2010年「Africa United」
2009年「The Death of Pentheus」 (短編 Short) (director of photography)
2009年「Unforgiven」 (テレビ・シリーズ TV Series) (3 episodes)
- Episode #1.3 (2009)
- Episode #1.2 (2009)
- Episode #1.1 (2009)
2008年「Hunger」 (director of photography)
2008年「Oxygen」 (短編 Short)
2008年「The Things I Haven't Told You」 (テレビ映画 TV Movie)
2008年「高慢と偏見 Sense & Sensibility」 (テレビ・ミニシリーズ TV Mini-Series) (director of photography - 3 episodes)
- Episode #1.3 (2008) ... (director of photography)
- Episode #1.2 (2008) ... (director of photography)
- Episode #1.1 (2008) ... (director of photography)
2007年「Mrs. Ratcliffe's Revolution
2007年「The Baker」
2007年「Weddings and Beheadings」 (短編 Short)
2006年「The Situation」
2006年「Normal for Norfolk」 (短編 Short)
2006年「Cargo」 (director of photography)
2004年「The Long Firm」 (テレビ・シリーズ TV Series)
2003年「Canterbury Tales」 (テレビ・ミニシリーズ TV Mini-Series) (director of photography - 2 episodes)
- The Man of Law's Tale (2003) ... (director of photography)
- The Knight's Tale (2003) ... (director of photography)
2003年「Second Generation」 (テレビ映画 TV Movie)
2002年「Jeffrey Archer: The Truth」 (テレビ映画 TV Movie)
2002年「Embrassez qui vous voudrez」
2002年「Spooks」 (テレビ・シリーズ TV Series) (director of photography - 2 episodes)
- Episode #1.4 (2002) ... (director of photography)
- Episode #1.3 (2002) ... (director of photography)
2001年「Sweet Revenge」 (テレビ映画 TV Movie)
2001年「Dog」 (短編 Short)
2001年「Lawless Heart」 (director of photography)
2001年「Ladies Night」 (短編 Short)
2001年「The Life and Adventures of Nicholas Nickleby」 (テレビ映画 TV Movie)
2001年「Chunky Monkey」
2000年「Maisie's Catch」 (短編 Short)
1999年「Wonderland」
1998年「Ancient Inventions」 (テレビ・ミニシリーズ TV Mini-Series)
1997年「A Man of Honour」 (テレビ映画 TV Movie)
1994年「Watergate」 (テレビ・ミニシリーズ・ドキュメンタリー TV Mini-Series documentary)


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映画賞シーズンに入り、賞レースで注目を集める作品を紹介するため、ロサンジェルス・タイムスがEpixの協賛で行っている“The Envelope Screening Series”。話題作の監督やスタッフ、キャストたちをゲストに呼んで、作品についてのディスカッションを行うものです。IMDbに、そのハイライトシーンだけを抜粋した動画が掲載されているので、興味のある方はご覧になってみてください。こちらが、動画のページのリンクです。「12 Years A Slave」からはマックィーン監督、ショーン・ボビット、チュウィテル、アルフレ・ウッダード、ルピタ・ニョンゴが参加しています。そして、ここに収められているもう一つの動画は、アレクサンダー・ペイン監督のモノクロドラマ「Nebraska」です。そちらも併せてどうぞ。


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