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zoom RSS I am free!!―「12 Years A Slave」New trailer

<<   作成日時 : 2013/07/16 17:57   >>

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「SHAME -シェイム-」(2011年)のヒットで、主演のマイケル・ファスベンダー共々注目の映画監督となったスティーヴ・マックイーン監督。彼の新作にして、おそらくは自身のルーツへの回帰をも意味するだろう作品「12 Years A Slave」のトレーラーが公開され、話題になっています。

“12 Years A Slave” TRAILER 1 (2013)


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「SHAME -シェイム-」の当館内の記事はこちら。ここをチラッと読んでいただければお分かりになるかと思いますが、この作品に関しては、当館では、巷で散見するような絶賛記事にはなっておりません。もちろん、私が観た劇場でも今作は大ヒットを記録し、批評的にも興行的にも大成功を収めたといってよい快作ではあります。しかしながら、映画監督としてのキャリアはまだこれからであるマックイーン監督が、偉大な巨匠になるためにはまだ何か重要なステップが足らないような気がしてならないということなんです。願わくば、この「12 Years A Slave」がマックイーン監督自身のキャリアにとって、大きな飛躍にならんことを。

今年のカンヌに出品されるかと思われていた、この実話に基づく映画「12 Years A Slave」。しかし結局カンヌでの初お披露目は流れ、今後、おそらくアカデミー賞にがっちり照準を合わせた宣伝活動が展開されていくことでしょう。このトレーラーを見たとき、直感しましたよ。今作はオスカーに対する大きな挑戦状になるだろうと。映画の原作であるSolomon Northupの手記等、内容については当館のこの記事で触れておりますので、興味のある方はどうぞ。自由な身分である北部生まれの黒人を違法に誘拐しては、南部の農場に奴隷として売りさばく輩にだまされ、12年もの間手足に鎖をつけられた奴隷となったSolomonが自由を取り戻すまでの苦難を描いております。

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奴隷制という歴史の暗部をテーマにすることが、映画界で再びブームとなっているのでしょうかね。昨年も、スティーヴン・スピルバーグ監督の「リンカーン」、タラ坊の西部劇「ジャンゴ 繋がれざる者」などなど、奴隷制にからんだ作品が注目を集めていました。映画が繰り返し奴隷制を描く背景には、結局今もなお、似たような状況が世界中に見受けられ、完全な奴隷制度の撤廃には至っていないという悲惨な事実もあるかもしれません。

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「ハンガー」では、無実を訴え、獄中でハンガーストライキを行った末に餓死したボビー・サンズを、そのかたくなにやせ衰えていく姿を、最後には骨と皮だけになった目を背けたくなるような姿を、細大漏らさず緻密にカメラに収めたマックイーン監督。また、くだんの「SHAME-シェイム-」では、誰もが秘密にしておきたくなるようなセックスの問題を、やはり細大漏らさず研究者のごとき熱心さで追い続けたマックイーン監督。「12 Years A Slave」にはRのレイティングが付きましたが、Solomonが理不尽な暴力を受けて屈服させられるシーンを、彼の人間としての尊厳がことごとく否定されていく悲惨なシーンを、真っ向から描いているのだろうことは想像に難くありません。

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「ハンガー」では、最後まで権力に屈しなかったボビーを熱演したマイケル・ファスベンダーが、「12 years A Slave」ではSolomonを虐げる側の南部白人に扮しているようです。単純な悪役ではないと思いますが、観客の共感を得辛い役柄を、彼がどのように演じているのかも興味がありますね。

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そして、Solomonの自由への闘いの前に立ちはだかる南部白人の1人として、私の大好きなポール・ジアマッティが登場。気弱で運が悪くて何をやらしてもダメな中年を演じても、はたまた夢見がちで地に足の着いてないダメな中年を演じても、善良なんだけどちょっぴりダメな中年を演じても、けったくそ悪い(笑)ビッチなダメダメ中年を演じても、ジアマッティは最高です。“ダメ中年”の繊細な五段活用を見事に演じ分けてくれます。今作では、どんなダメ中年っぷりを見せてくれるのか、楽しみで仕方がありませんね。

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現在のフィリップ・シーモア・ホフマン、あるいは前述したジアマッティ先輩が占有している特殊な路線を引き継ごうと、虎視眈々とチャンスを狙っていそうなのがポール・ダノ君のような気がします。常時おびえたウサギのような目をしていながら、それでもひょろ長い身体を精一杯動かして空威張りせずにはいられない情けなさは、同年代の若手俳優さん達の中では抜きん出た個性でしょう。彼が大きくブレイクする日を心待ちにしていますよ。

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他にも、ベネディクト・カンバーバッチ(祝!来日中)や、アルフレ・ウッダード、プロデュースも務めるブラッド・ピットなどなど、魅力的な俳優陣に恵まれた作品「12 Years A Slave」の真の主役はしかし、なんといってもこの人キウィテル・イジョフォー(「堕天使のパスポート」「キンキー・ブーツ」等)であります。役者としての才能にあふれ(歌も上手いですよ)、大きな瞳で見る者を魅了するルックス、佇まいの美しさ、その全てが、彼の代表作の一つになるだろう今作で正しく評価されんことを切に願います。


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