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zoom RSS You Tube's Your Film Festivalの最優秀作品が決定―ヴェネチア国際映画祭

<<   作成日時 : 2012/09/03 22:32   >>

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さてさて、既にあちこちの映画サイトで速報として伝えられていた、Your Film Festival(当ブログ内の紹介記事はこちらから)の最優秀作品が、9月2日、協賛していたヴェネチア国際映画祭のステージ上で発表されました。

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最優秀作品は、スペイン出身の新進映画監督デヴィッド・ヴィクトリ・ブラヤ監督が2010年に製作した短編映画『The Guilt (La Culpa)』に決定いたしました。
このYour Film Festivalという企画、もう一度簡単にご説明しますと、You Tubeとリドリー・スコット監督、そして監督が率いる製作会社スコット・フリー・プロダクションが、若いクリエイターに作品発表の場を与えようという目的で、今年初めて行われた試みです。つまり、世界一の動画共有サイトであるYou Tubeに、我こそはと思わん人が自分で製作したオリジナル作品(上映時間15分以下のショート・フィルム)を投稿すると、スコット監督や俳優のマイケル・ファスベンダーも含めたプロの審査員が全ての応募作品に目を通して作品を厳選し、さらにYou Tubeの視聴者の投票にかけられ、厳選された10作品がヴェネチア国際映画祭に出品され、審査されるという過程を辿ります。
今回は、You Tubeとしても初の世界的スケールで行われたフィルム・フェスティバルとなり、合計1万5千もの作品が世界中から投稿されたそうです。そこから審査員が50作品を選び出し、一般のYou Tube視聴者の投票を経て10作品がファイナリストとして残りました。それらが、協賛しているヴェネチア国際映画祭でさらに審査されたという次第です。

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『The Guilt』は、妊娠した妻を殺害された男が復讐に執り憑かれ、苦悩する姿を描いた短編映画です。スペイン映画らしい、重いカルマを背負った登場人物、闇が支配する静寂の中から、突如血なまぐさい暴力と死の匂いが立ち込めるノワール作品ですね。キリスト教のモラルが与える“罪”と、現実世界で幾通りにも解釈を変えていく“罪”の意味の違いを思うと、考えさせられる内容です。

FINALIST Your Film Festival - THE GUILT - A Short Film by David Victori (LA CULPA)
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観客に奇妙な不安感を与える、冒頭の螺旋階段のシーン。闇に消えていくような螺旋階段を主人公がひたすら降りて行く様子は、彼が自らの復讐のために罪を犯し、そのために地獄に堕ちていく様子を暗示するかのよう。
…私は、映画とは、冒頭のシーンでどれだけ観客を惹きつけることができるかで、その後の作品の行く末まで見通せると考えています。その法則からすると、この『The Guilt』という作品、初っ端からひんやりしたテンションを観る者に強いるパワーをもった、なかなかの逸品だとわかりますね。

かねてからの予告どおり、Your Film Festival優勝者には、処女作製作資金として50万ドルが与えられました。実は以前、この賞金金額について、映画の製作予算が膨れ上がる一方の近年の傾向を踏まえ、“映画の製作資金としてはちょっと少ないのでは?”という指摘を受けたスコット監督は、自分も新人の頃は少ない予算でなんとか立派な作品を作ろうとアイデアを考え抜いたものだと答えました。特に新人の頃は、予算は少ない方がいい。自分で頭をひねり、アイデアを出そうと努力するから、と。なるほど。SFXやCG、3Dに金を吸い取られるばかりで、まるで最新映像技術の見本市のようになっている最近のハリウッド映画関係者には、一度初心に帰っていただきたいもんですなあ(笑)。

ヴィクトリ監督は、スコット監督がプロデュースし、ファスベンダーもエグゼクティヴ・プロデューサーとしてサポートする次の企画に挑むことになります。しかし、実弟であるトニー・スコットが亡くなった直後ということもあり、スコット監督のスケジュールが未定で(ファスベンダー主演の「ザ・カウンセラー」も撮影がストップしたまま)、ヴィクトリ監督の新作の詳しい内容はまだ明らかにされていません。ただ、ヴィクトリ監督自身は、既に次の作品のアイデアをスコット監督とファスベンダーに提示してあるそうで、それが実現するのが楽しみでありますね。

第1回Your Film Festivalファイナリストの10作品が、審査のためヴェネチアで上映され、最終的にヴィクトリ監督に優勝の盾が手渡されると、マイケル・ファスベンダーは『The Guilt』に手放しの賛辞を贈りました。

“作品冒頭から映画の世界に引き込まれた。新人監督の作品とは思えないほど、成熟し、確信を持って撮りあげられたものだ”

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“やりたいことはたくさんあるんだけどね。明日にでも撮影を始められれば、僕にとっては最高なんだけど…”―デヴィッド・ヴィクトリ監督談

デヴィッド・ヴィクトリ・ブラヤ監督は、ヴィガス・ルナ監督のアシスタントを数年にわたって務め、スペイン製作の映画で脚本家として参加、近年では、2008年に製作した短編『Reaccion』でスペイン国内のみならず国外でも評価を得るに至りました。興味のある方は、彼の公式サイトへどうぞ。『Reaccion』も視聴できます。

David Victori // Director y Guionista

ヴェネチア国際映画祭公式サイト内の紹介記事はこちら。Your Film Festivalに関する詳しい記事が掲載されています。

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shared from Michael Fassbender Online on Tumblr
そして上の画像は、惜しくも優勝は逃したものの、ファイナリスト10作品まで残った監督の一人であるKevin Slackさんと、ファスベンダーが撮ったツーショットです。Michael Fassbender Online on Tumblrさんからお借りしました。まあ最終審査に残った10作品、それぞれに甲乙つけ難く個性的で、短編だからこそのテンションもあったかもしれませんが、未来の優秀な映画作家の卵達をみた思いです。うーん、未来の映画業界もなかなか捨てたもんじゃないかもしれませんよ?


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