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zoom RSS オールラウンド・ミュージックの快感―TOTO Part3

<<   作成日時 : 2015/10/18 22:14   >>

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Have a good feeling, TOTO.


豆酢館長的、必聴TOTOアルバムベスト5

1.TOTO〜宇宙の騎士〜 (デビュー・アルバム)
2.ハイドラ (セカンド・アルバム)
3.TOTO W (4枚目の大ヒットアルバム)
4.The Seventh One〜第七の剣〜 (7枚目のスタジオ・アルバム)
5.ファーレンハイト (6枚目のスタジオ・アルバム)

異論、反論、一切受け付けません(笑)。

“アメリカのメディアは俺達を正当に評価しなかったから、その意味では、TOTOの活動は闘いの連続だったといえる”―スティーヴ・ルカサー (アルバム「ハイドラ」解説から抜粋)

ハイドラ
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●収録曲
1. ハイドラ
2. St.ジョージ&ザ・ドラゴン
3. 99
4. ロレイン
5. オール・アス・ボーイズ
6. ママ
7. ホワイト・シスター
8. シークレット・ラヴ

“TOTO?ああ、あのセッション・ミュージシャンのバンドでしょ?日本のトイレメーカーから名前付けたんでしょー?ウケルゥ〜”

TOTOというバンドを知っている人の反応といえば、大概こんな感じです(笑)。一時期本気で信じられていたのは、“TOTOのプロダクション会社社長が来日した際、日本のあちこちで“TOTO”という名称を目にしたため、日本で広く知られる単語なのだろうと思って新しく売り出す予定のバンドをTOTOと名づけた”という説。これは、TOTOを売り出すために、当時意図的に流されたまったくのデマです(笑)。本当のところは、映画「オズの魔法使い」に出てくるドロシーの愛犬の名前からとられたものだといわれていますね。ただ、バンド名の由来については他にも諸説あって(イタリア語で“全て、総合”を表すtotaleからとられたとか)、どれが正しいのやら私もよく知りません。

メンバーの年齢に似合わず、異様にハイレベルな演奏技術と、貪欲なまでにジャンルの壁をぶち壊していく幅広い音楽性、ステージ上でも一糸乱れることのない高度なパフォーマンスで、音楽シーンにインパクトを与えたTOTO。しかしながら、優等生がクラスの中であまり好かれることがないように、どちらかというと、TOTOも音楽シーンの中では敬遠されてしまった感が強いですね。結局、たいへん完成度の高い作品ながら、デビュー・アルバム「TOTO〜宇宙の騎士〜」への批評家の評価は、“売れっ子セッション・ミュージシャンによる、スーパー・セッション・アルバム”というものに留まってしまいました。

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そこで、俺達はひとつの“バンド”なんだ、団結したバンドサウンドを聴いて欲しいという悲願の下、一発目にインパクト大のインスト・ナンバーを叩き付けたデビュー・アルバムよりももっとチャレンジングな、ハイブリッド・ロック・サウンドを押し込めたセカンド・アルバムを作り上げます。それが、この「ハイドラ Hydra」です。

Hydra (remastered) by TOTO

上記PVの雰囲気からも分かるように、基本的にこの作品は、ヤマタノオロチみたいな複数の頭を持つ恐ろしいドラゴン、ハイドラ(ヒドラ、ヒュドラ)と戦士(騎士)セント・ジョージの闘いの物語を描く、一種のコンセプト・アルバム形式に則っています。

画像

ハイドラ参考画像。うちの子豆1号が泣いて喜びそうな、ナイスなルックスです。ヨーロッパの民間伝承では、このハイドラが人間の国から生贄を求めるようになり、その横暴に我慢できなくなったセント・ジョージが人間を救うため、自らこの怪物の退治に立ち上がったということになっています。お話の内容もヤマタノオロチと似通っていますね。現在でも、このセント・ジョージは騎士の守護神として信仰されているそうです。
このお話から得られたインスピレーションを元に、あの“子供の凱歌”以上にプログレ色濃厚な、ストーリー性の高いナンバー“ハイドラ”(7分超えの大作)から、このアルバムは幕を開けます。リードボーカルはピアノ、キーボード担当のディッド・ペイチ。癖のあるメロディで複雑に転調する主旋律、多彩な楽器の音色が絡み合う間奏と、長い楽曲であるにもかかわらず聴く者の興味をそらさないアレンジの妙。プログレシッヴ・ロックの秀作をオープニング・ナンバーに据えたバンドの並々ならぬ意欲を感じますね。

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ハイドラ画像その2。ハイドラと戦うヘラクレス。
スケールの大きなプログレ・ロックだったオープニングから一転して、2曲目はセント・ジョージとハイドラの物語を語る“St.ジョージ&ザ・ドラゴン”。ボビー・キンボールの素直なハイトーン・ボーカルが映える、ヨーロッパの古い民謡の雰囲気も感じられるメロディアスなロック・チューンですね。個人的な話で恐縮ですが、私、ボビーとスティーヴ・ルカサーがサビの部分でハモるのが大好きなんですよ(笑)。ハイトーン・ボイスとベルベット・ボイス(当時は・笑)が絶妙のタイミングでハモっているのを聴いていると、懐かしのクリスタル・キングを思い出したりします(古)。

TOTO - 99

元の楽曲は5分を超える長さなので、残念なことに途中で切れてしまいますが、珍しい当時のプロモーション・ビデオの動画を貼っておきますね。…やっぱりルカサーの立ち位置がアイドル!

膨大なTOTO名義の楽曲の中で、昔も今も変わらず一番好きな名曲“99”が3曲目に入っています。実はこの楽曲のタイトル“99”はただの番号ではなく、女性の名前を意味していましてね。ジョージ・ルーカス George Lucasの商業用映画デビュー作「THX-1138」に感銘を受けたペイチが、この映画の世界観を元にして完成させたもの。感情抑制剤を投与された人間が番号で呼ばれ、すべてがコンピューター制御された暗黒の未来社会で、奴隷化しているという設定ですね。この歌の主人公は、禁じられた恋愛感情を番号“99”の女性に抱いてしまい、叶わぬ想いを切々と歌いあげます。心が弱っている時に聴くと、非常にメランコリックな感情に陥ってしまいますね。物悲しいメロディを歌うのはルカサーで、彼の滑らかな声がこのナンバーの雰囲気にぴったり。ラストを締めくくるルカサーのギターソロも、なんだかすすり泣いているようですね。

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ジョージ・ルーカス監督の作品の中では、多分最も印象的なSF映画だと思います。ルーカス監督が学生時代に8ミリで自主制作した短編「THX 1138」(上映時間20分)を観たフランシス・フォード・コッポラ監督が、自らプロデュースに名乗りを上げ、ルーカス監督に35ミリの商業用映画としてリメイクさせたものです。主役のTHX-1138役に名優ロバート・デュバルを起用できたのも、コッポラの威光があってのことでした。
1971年に完成したこの作品では、白一色で統一された地下シェルター社会、その無味乾燥な環境の中でコンピューターに見張られながら、必要最低限のものしか与えられない奴隷生活を強いられる全員丸坊主の人間達…といったデストピア的イメージで、未来予想図が描かれています。そんな暗黒未来の中で、自らの意思でコンピューター制御社会に反旗を翻し、“愛情”という人間ならではの感情を武器に、立ち上がろうとした人間の絶望的な戦いがストーリーの主軸になっていますね。ジョージ・オーウェル原作の「1984」(マイケル・ラドフォード監督が映画化)、テリー・ギリアム監督の名作「未来世紀ブラジル」等々に代表される、デストピア近未来SFの系譜に連なる作品です。
2004年発売のディレクターズ・カット版では、71年当時ルーカス監督の承諾なくカットされたシーンを追加し、また特撮は2004年のバージョンアップされた技術が使用されているので、オリジナルに比べればかなり監督の手が加えられています。未来の暗鬱な地下都市を俯瞰するシーン等、ルーカス監督の美的センスの高さを存分に証明した処女作だと思いますね。私がルーカス監督のフィルモグラフィーの中で最も好きなのも、この作品です。


ペイチのピアノ弾き語りボーカルでしっとり始まる“ロレイン”ですが、すぐに転調してリズミカルなTOTOらしいポップ・ロック調に。TOTOの楽曲には、女の子の名前をタイトルにした作品がやたら多いのですが、そういう楽曲はほぼ間違いなく出来の良い曲でして(笑)。これも一聴すると、彼ららしいゴージャスで明るいポップソングのようですが、聴き込むと非常に絶妙なアレンジが施されている事が分かります。やっぱり、ペイチの作曲センスは凄かったのだと改めて感心してしまいますね。

このアルバムにバンドの並々ならぬ意欲が込められていたのは、今作用に制作されたプロモーション・ビデオが多かったことからもうかがえます。特に、世界観を共有するコンセプチュアルな楽曲“ハイドラ”と“St.ジョージ&ザ・ドラゴン”は、10分を優に超えるショート・ムービー仕立てのビデオが特別に撮影されました。そして“ロレイン”で加速し始めた勢いは、ペイチがボーカルをとるスピーディーなロックンロール“オール・アス・ボーイズ”でさらに増していくわけですが、このナンバーには確か、メンバーが子供に戻ってあちこちで暴れまわるといったコンセプトのPVが存在したと記憶しております。メンバー全員が童心に返りまくり、めっさ可愛かったビデオだったんだけどなあ。どこかに動画の一つも落ちてないかと探し回っているのですが、今に至っても発見できず。どなたか情報をお持ちの方は、メールフォームからお知らせください(笑)。

オレたち男の子だもーん!(笑)なロックンロールナンバーの後は、これまた急にテンポが変わり、ボビー・キンボールのハイトーンヴォイスと高い歌唱力を生かしたブラックなナンバー、“ママ”へと流れていきます。ここでは、グルーヴマスター・ジェフ・ポーカロのドラムに注目…いや注耳か(笑)。よーく聴いていると、複雑にテンポやリズムが変化していることが分かるんです。R&B、ジャズ、フュージョンといった複数にまたがるジャンルの音楽が、渾然一体となって一つの楽曲を構成していますね。こういったジャンル破りの楽曲こそがTOTOの身上。個人的には、TOTOは登場する時代が早すぎたのかなあとも思ってしまいますねえ。
“ホワイト・シスター”は、デビュー作の“ホールド・ザ・ライン”系列の、伝統的なアメリカン・ロック。ちょいとルーツ・ミュージック寄りのロックンロールを歌わせたら、ボビーのボーカルは映えます。ラストの“シークレット・ラブ”は、前半にちょっとしたインストが入った後で、シンプルなピアノの伴奏に合わせて歌いあげる小曲。起伏に富んだ個性的なアルバム「ハイドラ」は、こうして幕を閉じます。

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日本ではデビュー作以上のセールスを記録し、TOTO人気を不動のものにしましたが、本国アメリカのセールスは、残念ながらゴールド・ディスク(50万枚以上を売り上げたアルバムに対して贈られる)に留まりました。豊富な音楽知識を土台にしているからこそ可能な、凝りまくった楽曲構成、デビュー作よりもさらに一体感を増したバンドサウンド、バラエティ豊かな楽曲群を確かに貫く“TOTOらしさ”の確立。バンド・カラーを確立した作品としても、また四半世紀経った今も色あせない素晴らしい楽曲アルバムとしても、私は今もなおこの作品を愛しています。


ターン・バック
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●収録曲
1. ギフト・ウィズ・ア・ゴールデン・ガン
2. イングリッシュ・アイズ
3. リヴ・フォー・トゥデイ
4. ミリオン・マイルズ・アウェイ
5. グッドバイ・エリノア
6. スタンド・ユー・フォーエヴァー
7. ターン・バック
8. ラスト・ナイト

日本のファンが大興奮したセカンド・アルバムの後、しかし本国では予想に反してセールスが頭打ちとなったためか、3枚目のアルバムは、ドライヴ感やノリ重視の、かなりシンプルな楽曲が並ぶことになりました。

うーん。

ライブ映えするノリの良いロックンロールが並ぶ、聴きやすいポップな作品ではあるのですが。日本のファンの中にも、このアルバムが大好きっていう方が多いのではありますが。あの「ハイドラ」を愛聴した耳で聴き返すと、やっぱり作りこみが決定的に足らないことが凄く気になるのです。ペイチの秀逸なアレンジ力が及ばなかったか、“フック”が感じられない楽曲が多く(それでも他のチンケなバンドに比べれば格段に良いナンバーが目白押しですが)、全体的にラフな作りかなあ。ボビーが元気いっぱいに歌う単純なロックンロールばかりかと思えば、“イングリッシュ・アイズ”や“ターン・バック”など、前作の面影を引き摺るようなプログレ的楽曲が飛び出したり、統一感もあんまりないし。まあ、それが良いというファンも多いですから、これはもう個人の好みの問題といった方がいいでしょうね。

“Goodbye Elenore” Studio Live by TOTO(1981)

(冒頭1分50秒少々の映像は、ウォームアップです)

ライブでも頻繁に演奏される“ギフト・ウィズ・ア・ゴールデン・ガン”と“グッドバイ・エリノア”から、私の独断と偏見でこちらの動画を貼ります。ええ、“スーパー・セッション・バンド”の真骨頂、セッションの凄さを見ろ!ってことで(笑)。これが真のプロフェッショナルのセッションっちゅうんだよ!!ど素人に毛が生えたような乳臭いバンドが闊歩する音楽シーンなんて、私には必要ない。本物のプロの音楽を聴かせろっていうんだ!!!



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