Don’t steal my posts. All posts on this blog are written by me.

House of M

アクセスカウンタ

zoom RSS オールラウンド・ミュージックの快感―TOTO Part1

<<   作成日時 : 2015/12/29 11:35   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

「X-MEN フューチャー&パスト X-Men: Days of Future Past」(2014年)の宣活で、英国の人気トーク・ショー、グレアム・ノートン・ショー The Graham Norton Show Season15 Ep5 (2014年5月2日BBCで放映)に出演したファス男とヒュー・ジャックマンさん、ジェームズ・マカヴォイ先生のエピソードをボーっと見ていたら、ファス男がやたらTOTOのヒット曲“アフリカ Africa”を連呼してましてね。へぇー、ファス男がTOTOを聴くって意外な組み合わせだなあと感心した次第(笑)。そんなわけで、懐かしさのあまりTOTOについて書いた記事をサルベージしてみました。


2008年、バンドの出発点ともいえるボズ・スキャッグズ Boz Scaggsと一緒の来日公演を最後に、ついに正式に解散が発表されたアメリカン・ロックバンドTOTO。私の青春時代を彩るバンドのひとつだ。

尤も、2008年7月にいったん解散を表明したものの、筋萎縮性側索硬化症を罹患したメンバー、マイク・ポーカロ Mike Porcaro(ベース)の救済目的で、2010年7月にリユニオン・ツアーをヨーロッパにて行っている。残念なことに、マイク自身は2015年3月15日に死去した。2011年には、東日本大震災に見舞われた日本のため、TOTOの根強いファンが多かった日本で再度特別公演を行った。その後も、かつてのメイン・ボーカリストであったジョセフ・ウィリアムズ Joseph Williams(映画音楽作曲家ジョン・ウィリアムズ John Williamsの実子)が戻ってライブを行ったり、2015年には久々にオリジナル・アルバムをリリースしたりと、バンドとしての活動も断続的に続いているようだ。

画像

彼らに関しては、リアルタイムで全盛期の彼らの音楽を聴いていたことから、言葉に語りつくせない思い入れがある。今までまともな記事が書けなかったのは、思い入れが強すぎるせいだ(笑)。なにしろ、兄がオリヴィア・ニュートン・ジョンやらアバやらに血道をあげるのを尻目に、初めて自分の選択で好きになったバンドだったのだ。1970年代後半のロサンジェルスで、売れっ子スタジオ・ミュージシャンとして活躍していた故ジェフ・ポーカロ Jeff Porcaro(ドラム)とデヴィッド・ペイチ David Paich(ピアノ、キーボード)を中心に、オリジナルのバンド・メンバー―スティーヴ・ルカサー Steve Lukather(ギター)、スティーヴ・ポーカロ Steve Porcaro(キーボード、シンセサイザー)、デヴィッド・ハンゲイト(ベース)、ボビー・キンボール Bobby Kimball(ボーカル)―が、「シルク・ディグリーズ Silk Degrees」リリース当時のボズ・スキャッグズ Boz Scaggsのバックバンドを務めたことがきっかけで結成されたロック・バンドだ。しかし、元々彼らはともに旧知の仲であり、友人同士だった(ルカサーは、ペイチやジェフと同じ高校出身で彼らの後輩にあたり、スティーヴ・ポーカロとはクラスメート)。

改めて指摘するまでもなく(笑)産業ロックの王道と半ば蔑まれる彼らだが、その音楽性は、ハード・ロックからプログレ(特にデビュー・アルバム「TOTO〜宇宙の騎士〜」、3枚目のアルバム「ハイドラ」がそう)、ポップス、ジャズ、フュージョン、R&B、ワールド・ミュージック(彼ら最大のヒット曲である「Africa」はアフリカン・リズムの楽曲)にまで広がっていくオールラウンダーである。メンバー全員が優秀なスタジオ・ミュージシャンであり、どんなジャンルの音楽でも巧みに演奏できたことから可能になった、真のクロスオーバー・ミュージックだと思っている。

実は、私が実際に彼らをリアルタイムで追っていたのは、ジェフが亡くなる前にリリースされたスタジオ・アルバム「The Seventh One〜第七の剣〜」(1988年)まで。このアルバムと、もう一つ前のスタジオ・アルバム「FAHRENHEIT」(1986年)でボーカリストを務めていたジョセフ・ウィリアムス(映画音楽作曲家ジョン・ウィリアムスの実子)が脱退し、8枚目のオリジナル・アルバム「Kingdom of Desire〜欲望の王国〜」(1992年)完成後にジェフ・ポーカロが急逝すると、自然と私の関心もバンドから離れてしまった。

TOTOは、デビューから4枚目の最大のヒットアルバム「TOTOW〜聖なる剣〜」(1982年)まで、リード・ボーカルとして活躍したボビー・キンボールをはじめ、「Isolation」(1984年)1作のみの参加となったファーギー・フレデリクセン、「FAHRENHEIT」(1986年)と「The Seventh One〜第七の剣〜」(1988年)で素晴らしいボーカルを聴かせてくれたジョセフ・ウィリアムス…と、ボーカリストが何度も交代した(定着しなかった)バンドだった。その理由の一つには、ビートルズのようにメンバーのほぼ全員がリード・ボーカルを取れる技量を持っていたこともあるだろう。前述したヒット曲「Africa」はデヴィッド・ペイチのボーカルだし、特筆すべきは「Kingdom of Desire〜欲望の王国〜」以降、実質的なリーダーとしてバンドを引っ張ってきたルカサーのボーカルの味わい深さ。若い頃は、柔らかく、高音が軽やかに伸びる声で、しっとりとしたバラード系の楽曲は、ボーカリストを差し置いて必ず彼がマイクを占領をしたものだ。その優しげなボーカルスタイルは、年をとって太いだみ声に変わったために若干イメージが変化してしまうのだが、歌が上手いことには変わりがない。本業の楽器の演奏以外にも、TOTOには様々な才能を併せ持ったメンバーがいたわけだ。
残念なことだが、ボーカリスト以外にもTOTOは幾度かメンバーチェンジを経験している。「TOTOW〜聖なる剣〜」(1982年)リリース直後に脱退したハンゲイトの代わりに加入したのが、バンドの中心人物だったジェフの弟でスティーヴの兄にあたるマイク・ポーカロだ。ジェフと共にバンドの黄金時代を築き、作曲等のクリエイティヴな側面でもバンドを支えたペイチは2004年以降、ライブ活動からは引退(レコーディングには参加)したし、派手でテクニカルなキーボードで、80年代TOTO最盛期の音楽スタイルを決定付けてもいたスティーヴは、「FAHRENHEIT」以降、正式なメンバーとしてクレジットされていない状態だ(最後のアルバムまで全ての作品にゲスト参加し、作曲、演奏面で多大に貢献はしている)。メンバー全員が優秀なスタジオ・ミュージシャンであり、器用な人たちなので、バンド活動にこだわらなくてもよいという一面が、逆に“器用貧乏”という有難くないイメージを彼らに与えてしまうのかも知れない。

さて、TOTOのコアなファンの中には今だに、ジェフ・ポーカロこそが真のバンド・リーダーであると主張して譲らぬ人も根強い。私自身も、実はそう考える人間の一人ではある。

画像

イタリア系アメリカ人の家庭に生まれ育ち、著名なドラマー兼パーカッショニストであったジョー・ポーカロを父親に持ったジェフは、7歳の頃から父親によってドラム・テクニックを叩き込まれた。10代には既に立派なプロ・セッション・ミュージシャンとして活動していたというのだから驚く。TOTOのオリジナル・メンバーだったマイク、スティーヴは実弟だ。なんとも、才能豊かな音楽一家である。
彼は、1992年の忘れもしない8月5日に心不全で亡くなった。自宅の庭で殺虫剤散布の際、アレルギーを起こして…と発表されたが、当時から死因に疑問を投げかける声が多かった。その後、彼の体内からコカインが検出されたことから、実際にはドラッグ中毒による死だったのではないかと噂されもした。だが、死因が分かったところで亡くなった人が生き返るわけでもない。むしろ、死者を鞭打たないでくれと私なら考える。

画像

とにかく、自身もスーパー・ギタリストと認められているスティーヴ・ルカサーをして、“彼と一緒にプレイしていると、メトロノームが必要ないんだ”と言わしめるぐらい、正確無比なリズムが身上だった。手数の多い、華麗にしてハイ・テクニカルなプレイをみせつつも、絶対にリズムだけは外さない。それは、著名なドラマーであった父親の教えの実践であっただろうし、また、売れっ子スタジオ・ミュージシャンとして培われた経験のなせる業でもあったろう。
38歳で亡くなる間での間に、200とも300とも言われるレコーディング(しかも多岐にわたるジャンルの音楽で)に参加したという、超人的なスタジオワークを遺した(日本人ミュージシャンの作品も含まれる)。その全てにおいて、一点の曇りもない完璧なドラミング・テクニックを披露した彼を、多くのミュージシャンが“グルーヴマスター”とリスペクトするのもうなずける話だ。とりわけ、そのグルーヴマスターっぷりが伺えるのが、やはり活動母体となったバンドTOTOでの演奏だった。有名なところでは、ヒット曲「Rosanna」の間奏におけるリズム・パターン“ハーフタイム・シャッフル”。これなどは、他の優れたドラマーの技術を自身の演奏に大胆に取り入れていた、ジェフ・ポーカロという天才ドラマーを語る上で欠かせないテクニックだ。

●ディスコグラフィー

1978年「TOTO〜宇宙の騎士〜」
1979年「ハイドラ Hydra」
1981年「ターン・バック Turn Back」
1982年「TOTO IV〜聖なる剣〜」
1984年「Isolation」
1986年「FAHRENHEIT」
1988年「The Seventh One〜第7の剣〜」
1992年「Kingdom of Desire〜欲望の王国〜」
1995年「TAMBU」
1999年「MINDFIELDS」
2006年「Falling in Between」
2015年「TOTO XIV (TOTO XIV〜聖剣の絆〜)」

これから何度かに分けて、TOTOのお気に入りアルバムをご紹介したい。とはいっても、私自身は1992年の「Kingdom of Desire〜欲望の王国〜」以後の作品には興味がないので、年代的には1988年の「The Seventh One〜第7の剣〜」までになってしまうが。


Blu-spec CD TOTOIV~聖なる剣
SMJ(SME)(M)
2008-12-24
TOTO

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

フェイバリット・アルバム「TOTOW〜聖なる剣〜」
●収録楽曲
1. ロザーナ
2. メイク・ビリーヴ
3. ホールド・ユー・バック
4. グッド・フォー・ユー
5. イッツ・ア・フィーリング
6. アフレイド・オヴ・ラヴ
7. ラヴァーズ・イン・ザ・ナイト
8. ウィ・メイド・イット
9. ユア・ラヴ
10. アフリカ

バンド最盛期の作品「TOTOW〜聖なる剣〜」からは、“ロザーナ”(一説によると、メンバーの1人スティーヴと女優ロザンナ・アークェットとの恋愛模様を歌ったものだとも)、 “アフリカ”などの大ヒット曲が生まれた。練りに練られた楽曲の集合体としてアルバムも素晴らしいセールスを記録し、グラミー賞にも輝く(1982年度グラミー賞6部門受賞)。いかにも80年代のTOTOサウンドらしい、複数のジャンルに渡る音楽的経験を素地にした、軽やかで親しみやすいロック・ナンバー、よく聴き込むと複雑な音楽的資質が隠されていることに気づくゴージャスなポップ・ソング、これぞバラードのお手本と呼びたい、美しいバラード・ナンバー、テクニカルかつドライブ感抜群のハードな楽曲。個人的には、アルバム全体の流れはいささか悪いとも感じるが、このアルバムで見せる分厚いサウンドと、徹底したアレンジ力は、ここに至るまでの3枚の作品での試行錯誤が見事に結実したものだろう。

むしろ、その後の来日公演で披露されたように、ヒット曲をジャズ的なアレンジで解釈し直して即興風に演奏したり、メンバーがその卓越したテクニックをこれでもかと見せつけてくれた演奏に心底しびれた次第。今、彼らのデビューアルバム「TOTO〜宇宙の騎士〜」(1977年)から順を追って作品を聴き返しているのだが、私にとってTOTOの音楽は、グラミー賞を獲得して全盛期の勢いのまま来日公演を果たした武道館でのライブ(1982年)然り、アルバムで聴くよりも実際に生で聴いた方が格段に素晴らしいと感じるのだ。特に、初期のアルバムからの楽曲は、ライブで演奏されるとその真価を存分に発揮する。ライブ会場で、知らず鳥肌を立てていた昔を思い出す。つまり、それぐらい彼らの演奏は凄まじかったのだ。

下の動画は、このアルバムからのヒット・チューン“ロザーナ”のライブ演奏(1990年パリ公演)だ。このときのボーカルは、TOTOの公式サイトにも名前が記載されていない(苦笑)ジャン・ミッシェル・バイロンという、南アフリカ出身のボーカリスト。私はこの人はあんまり好きじゃないので、本当ならこのライブの動画は貼りたくなかったんだが仕方ない。映像の状態もいいし、バンドの演奏もタイトに決まっているし、なによりまだジェフが健在だし(涙)、ライブ動画としてはなかなか良い部類に入るからね。
このジャン・ミッシェル・バイロンは、1990年にリリースされたベスト・アルバムに収録された新曲のみに参加したのだけど、どうやら、レコード会社からの強引なゴリ押しでTOTOに入り込んだそうな。メンバーの了承もなく決定した人事であり、かわいそうに、彼はこのツアーの後即行でバンドを辞め(させられ?)た。高音が出ないわけではないけど声が細い。特に初期のTOTOのロックンロール・ナンバーなんか、パワー不足で聴けたものじゃなかった。唯一彼の声が残っている曲(“Animal”)は、ダンサブルな楽曲だったからまだ良かったのだが。

“Rosanna” Live in Paris 1990



にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
オールラウンド・ミュージックの快感―TOTO Part1 House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる