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zoom RSS L'uomo Vogueと「世界侵略:ロサンジェルス決戦 Battle: Los Angeles」。

<<   作成日時 : 2011/09/18 23:46   >>

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ベネチア国際映画祭、トロント国際映画祭と、怒涛の映画祭波状攻撃で、情報の山の下敷きになっている館長です。ここ数日で急に空気がひんやりしてまいりましたね。


台風の来襲で、連休の日数が増えた方も大勢いらっしゃると思います。我が家でも、小学校や幼稚園や大学が臨時休校になり、先週の予定はなし崩し的にグダグダになってしまいました(笑)。まあおかげさまで館長も、子豆たちを父豆に預けて今日は久しぶりに映画館に足を運んでみました。


当初観る予定だった作品を直前で変更し、急遽「世界侵略:ロサンジェルス決戦 Battle: Los Angeles」(アーロン・エッカート主演)にチャレンジ。「インディペンデンス・デイ」同様、なんとなくB級映画のオーラ漂う作品ですが(笑)、実は今年の4月劇場公開される予定だったのが、大震災の影響で公開が見送られていたといういわくつきであります。高い科学力を備えた謎のエイリアンが突如地球に来襲し、世界中で侵略攻撃を開始、あれよあれよという間に各国の大都市が壊滅状態に陥ります。エイリアンは冷酷無比にも人間を虫けらのように抹殺していくのですが、その様子は確かにあの3.11の地獄絵図を髣髴とさせるもの。あれからたった半年しか経たない現段階で、この映画が東北地方でどのような扱いになるのか私はよく知らないのですが、直接被災した方々はやはりご覧にならない方がいいと思います。私自身、どうせB級SFドンパチ映画だろうと高を括って観始めたものの、焦土と化した都会の悲惨な状況、逃げ惑う人々が桁外れの未知の力によって淘汰されていく映像の生々しさに、かなり動揺を覚えましたもの。

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「世界侵略:ロサンジェルス決戦 Battle: Los Angeles」
監督:ジョナサン・リーベスマン
脚本:クリストファー・バートリニー
製作:ジェフリー・チャーノフ&ニール・H・モリッツ
音楽:ブライアン・タイラー
撮影:ルーカス・エトリン
編集:クリスチャン・ワグナー
出演:アーロン・エッカート(マイケル・ナンツ二等軍曹)
ラモン・ロドリゲス(ウィリアム・マルティネス少尉)
ミシェル・ロドリゲス(エレナ・サントス技能軍曹)
ニーヨ(ケビン・ハリス伍長)
コリー・ハードリクト(ジェイソン・ロケット伍長)
ブリジット・モイナハン(ミケーレ)
マイケル・ペーニャ(ジョー・リンコン)他。
1942年2月25日。ロサンゼルス上空に日本海軍機と思われる未確認飛行物体が出現、アメリカ軍が応戦し死傷者を出す騒ぎとなった。後に「ロサンゼルスの戦い」と呼ばれたこの騒動は、その後日本海軍機による攻撃でないことは確認されたものの、実態がわからないまま収束されることとなった。その後、同様の飛行物体が1965年にブエノスアイレス、1983年にソウル、1991年にロンドンで確認されるも、その実態は分からないままであった。
2011年。再び現れた飛行物体は、相次いで地上に衝突。中から現れた侵略者たちは世界中の都市に一斉攻撃を開始した。各主要都市が次々と壊滅状態に追いやられる中、ロサンゼルスもまた例外ではなかった。ロサンゼルス近郊にあるアメリカ海兵隊基地所属のナンツ二等軍曹の小隊もロサンゼルスの防衛に投入されることとなる。侵略者の急襲で圧倒的に不利な戦況の中、ナンツ二等軍曹の所属する海兵隊第2大隊エコー中隊第1小隊は、激戦区サンタモニカの警察署へ向かうよう指示されるが……
 ―Wikipediaより抜粋

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この作品、退役を志願していた1人のベテラン海兵隊員を中心にした、海兵隊の戦い振りと彼らの“誇り”について描くドキュメンタリー映画のような内容で、良い意味で予想を裏切られた印象ですね。ハンディ・カメラを多用し、手振れの映像をそのまま映し出すことで臨場感に結びつける手法、あるいは、下手に視座を広げすぎず、一貫して戦場を突き進む海兵隊員たちに寄り添った視点で戦場を描くという演出も、昨今流行の方法論ではありましょうが、リアリズムの再現という意味では有効に働いていたと感じます。時折、混乱状態の戦況を伝えるニュース番組の映像が流されるのも、フェイク・ドキュメンタリーの効果を高めていますね。

また、死角が多く、敵の姿が確認し辛い市街戦ならではの恐怖、なにより、敵がどんな姿かたちをしていて何を欲し、また何が弱点なのかすら未知であるという恐怖、1人また1人と仲間を失っていく恐怖、鉄壁の信頼関係の上に成り立っていたはずの兵士同士の絆が、圧倒的敗北のせいで崩壊することへの恐怖。主人公を中心に、様々な恐怖を乗り越えた7人の若き兵士達が激戦を生き抜き、一回りも二回りも成長していくのも、この手の戦争映画では王道中の王道のストーリー展開ですね。主人公自身も、激戦を潜り抜けることでかつて自らの判断ミスで部下を死なせてしまったトラウマを克服します。

ラストも、“エイリアンを1匹残らずやっつけたったで!バンザーイ!”ってな能天気なオチではなく、人類の生き残りをかけた戦いはまだまだこれからも続くと示唆し、なんともいえない余韻を残しています。主人公達の命懸けの戦いは、あくまでも人類側にとっての1ステップであるという解釈ですね。あらゆるシーンに、過去の戦争映画へのオマージュが感じられるのはご愛嬌。過去の作品からの引用で一つの作品を再構築する手法は、最近の若い世代の映画監督に多くみられる傾向なのですが、セオリー通りとはいえ、全体を手堅くまとめた演出には好感が持てます。

まあ尤も、設定とストーリーがこんな風ですから、“我々海兵隊は、アメリカのために、人間の勇気のために、最後まで誇り高く戦うのだ”といった類の愛国主義臭はふんぷん。それは仕方ないことでしょうね。結局最後まで正体不明のままであるエイリアンという存在も、うがったみかたをすれば、地球の未来、人類の行き着く果てといったものに私たちが抱いている、漠然とした不安感の象徴なのだろうと思います。と同時に、アメリカ国家にとっての未知なる恐怖…つまりテロリズムが姿を変えたものでもあるのでしょう。彼らが一般市民を道路に引きずり出して虐殺行為に及ぶという描写からも、将来繰り返されるかもしれないテロへの恐怖がひしひしと感じ取れます。

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主演のアーロン・エッカートは、仕立ての良いスーツを着こんで熱弁をふるうというイメージが個人的にあったのですが、“酷い現実を見続けて遁世的になっている疲れた中年男”の役柄に意外とハマッておりました。この方は長らく、“ラブコメ、ロマコメのヒロインの相手役”というポジションにいたそうですが(なにしろそのジャンルの映画を観ないので知らない・笑)、今作のベテラン海兵隊員という役どころで、オファーされるキャラクターの幅を広げることができればよいですね。私自身は、彼の特徴的な鼻声が2時間聞き続けられただけで、もう大満足です(笑)。
共演者は無名に近い若手がほとんど。これも戦争映画のセオリーです。大勢の兵士役の中に未来のスター候補がいるやもしれませんね。共演の1人ミシェル・ロドリゲスは、この手のアクションものには必ずといっていいほどキャスティングされる姐御女優さんです(いや、もう兄貴とお呼びした方がいいかも・笑)。今回も、技術系の兵士ながら、最後は1人でロケットランチャー(だったと思う)担いでエイリアンの無人偵察機を撃ち落す大活躍っぷり。いやー、溜飲が下がりました。ミシェル姐御、やっぱり最高。


映画が終わってから某書店に出向き、随分前から狙っていたある雑誌をついに手に入れました。第68回ヴェネチア国際映画祭特集が掲載されたL'uomo Vogue9月号です。新作『A Dangerous Method』を引っさげ、満を持してヴェネチアに乗り込んだデヴィッド・クローネンバーグ師匠と、同作に出演した勇気あるヴィゴ・モーテンセン、ヴァンサン・カッセルが大きく取り上げられていました。

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師匠の作品は、本来カンヌ映画祭で初お披露目されるのが恒例だったのですが、今回は編集作業に時間がかかってしまい、カンヌでのスタートダッシュは幻に。でも、今回のヴェネチアでの手ごたえを鑑みるに、カンヌは見送って正解だったかもしれないなとも思います。それに、今回のカンヌのパルム・ドール受賞作品のことを考えますと、余計にね…(苦笑)。それにしても、こうしてプロのカメラマンさんに綺麗に撮影してもらったものをみると、師匠は日に日にイヴ・サン・ローランに酷似してきているのがわかりますね(笑)。

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ヴィゴの写真はいつみてもいいですな。いくつになってもフェロモン駄々漏れちゅうか、おそらく、いろんなことに興味を持っていつも活発に活動しているせいでしょうか、ヴィゴってホントに老けこまない。不思議な人だわ、みればみるほど。きっと、ヴィゴとクローネンバーグ師匠は彼らにしか理解できない2進法でコミュニケートしているに違いありません(笑)。iPhoneで撮った画像を貼ってあるだけですから、もっと綺麗な画像が欲しい方はErikoさんのLive Journalを参拝なさってくださいね。

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ヴァンサン・カッセルも。フランス人でありますが、英語もイタリア語も達者なマルチリンガル。そういや、雑誌には登場しませんでしたがミヒャエル・ファスベンダーも、ヴィゴも、皆さんマルチリンガルですね。映画界はいよいよ多言語の土壌の上で繁栄する文化形態になるのでしょうか。

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『A Dangerous Method』と同じく、ヴェネチアで大いに注目を集めた『Tinker Tailor Soldier Spy』に主演したゲイリー・オールドマンも取り上げられていましたよ。“a quiet spy with a strong character”ですって。まさにその通り。過去にサー・アレック・ギネスが名演を残しているこのキャラクターは、職業上、己の感情を安々と表には表しません。しかしその心の内には、あらゆる感情が複雑に交錯しています。その辺りの演技の匙加減を、名優ゲイリーがどう表現したのかが大変気になる作品ですね。かつてゲイリーは「ハンニバル」で、レクター博士のせいで顔も崩れ身体も動かなくなってしまった大富豪を演じています。自分の意思で自由になるのは目だけ。そんな状態で、レクター博士への復讐に燃える男を演じるのは至難の業であったでしょう。クレイジーなキャラクターで記憶されることの多いゲイリーですが、彼の演技の真骨頂って、実はこのように“極端に動きの少ない”役柄で最も明らかになると思いますね。


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