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zoom RSS 夢遊病にはご注意を

<<   作成日時 : 2011/07/11 21:09   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

とにかく人は、大きなストレスを抱えていると熟睡できないものだ。大震災からちょうど4ヶ月経過した今日に至ってもまだ、避難所生活を強いられている3万人以上の人たちの中には、深刻な不眠に悩まされている方も多いと思う。彼らが一日も早く、安心できる場所で日常生活を送ることが出来るように、義援金の迅速な分配等の切実な問題に着手していただきたい。心からそう思う。


いささか古いニュースになる。

2007年10月26日付のロイター通信のサイトに、面白いニュースが載っていた。

英国のホテル業界では、過去1年間の間に、宿泊客が夜中無遊状態でホテル内を徘徊する事件が7 倍に増えているという。そういったケースでは、まあ夜中のことでもあるので、宿泊客はおしなべて全裸に近い状態。しかも圧倒的に男性である場合が多いのだそうだ。彼らは従業員を見つけると、バスルームの場所を訊ねてきたり新聞を欲しがったり、中には仕事に遅れないようチェックアウトしたいと言い出す者もいるとか。
あらゆる面でストレスが多すぎ、気が休まるときがないのだろう。寝ている間の精神まで、翌日の予定や仕事に縛られてしまう現代人の悲哀を感じる。また、いつぞやのニュースでも、日本人の平均睡眠時間がついに過去最短になったと報じられていた。寝る間も惜しんで仕事する現代人→寝不足と疲労→ストレス増大 →夢遊病という図式が頭に浮ぶ。社会が複雑化すればするほど、どこかになんらかの形でしわ寄せがくるものである。
もちろん、訓練されたホテルの従業員とて、最近になって急増した夢遊病宿泊者への対応には慣れていない。そこで急遽、英国内のホテルチェーンでは、こうしたケースでも騒ぎにならぬよう、体を覆うためのタオルをフロントに常備しておくよう義務付けたそうだ。

しかしまあ、もし宿泊客がこんな状態でフロントにフラフラやって来ようものなら、従業員の方々も、タオルを渡す手が一瞬止まってしまうに違いない。

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「あ、あのう…バスルームどこでしょうか…」

いやいやどうして、英国のホテル勤務希望者が逆に増えたりしてな(笑)。


夢遊病とは異なるが、やはり“睡眠”に重大な問題を抱える青年を主人公にしたフレンチ・コメディ映画がある。

「ナルコ! Narco」(2004年製作)
監督:トリスタン・オリエ&ジル・ルルーシュ
製作:アラン・アタル
原案:アラン・アタル&フィリップ・ルフェーヴル
脚本:ジル・ルルーシュ
撮影:永田鉄男
美術:フィリップ・シフル
衣装デザイン:マリ=ロール・ラッソン
音楽:セバスチャン・テリエ
出演:ギョーム・カネ(ギュスターヴ・クロップ)
ザブー・ブライトマン(パメラ)
ブノワ・ポールヴールド(レニー)
ギョーム・ガリエンヌ(ププキン)
フランソワ・ベルレアン(ギイ・ベネット)
ジャン=ピエール・カッセル(ギュスのパパ)
ヴァンサン・ロティエ(ケヴィン)
レア・ドリュッケール(ツイン・スター)
ジル・ルルーシュ(ツイン・スター)他。

いつでもどこでも突如眠りに落ちてしまう“ナルコレプシー”という奇病。ギュスは子供の頃からこの病いと闘っていた。
最愛の恋人パムに恵まれ、めでたく結婚にこぎつけたのはいいが、ナルコレプシーのせいでまともに働くことができない。定職に就けない彼との不安定生活に嫌気が差したパムとの関係もうまくいかなくなる。しかしそんな悲惨な現実とは打って変わって、彼の夢の世界はカラフルでポップ。スーパースターが活躍する、まるでハリウッド映画そのものの楽しい世界なのだ。ある日ギュスは、昔から得意だった絵の才能を生かし、その夢の世界の物語を漫画にすることを思いつく。セラピーを受けていた精神科医ププキンに出来上がった作品を見せたところ、その独創的なアイデアの素晴らしさに目を奪われたププキンは、作品を横取りしようと画策する。果たしてギュスの運命はいかに。

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随分前の話になるが、ハリウッド・スターのデンゼル・ワシントンが、このナルコレプシーに苦しんでいるというニュースを聞いたことがある。なんでも、友人夫妻と会食中に、突如料理の皿の中に顔を突っ込んで眠り始めたとか。その後セラピーを受け、早寝早起きの規則正しい生活リズムを心がけることで、だいぶ症状は軽くなったそうだが。
この映画に登場するギュスの場合はもっと深刻なようだ。とにかくいつ“熟睡”の発作が訪れるか分からない状態。当然定職になど就けるはずがない。愛する人との家庭生活も崩壊の危機に瀕する窮状であっても、ギュスが見る夢は反対に躁状態にある。覚醒している現実がひどければひどいほど、幻の夢の世界がカラフルに楽しくなっていく。とこう書くと、先だって記事にした映画「パンズ・ラビリンス」の現実と幻想の悲劇的な混濁状態を思い浮かべるが、この作品はもっと明るくてキッチュなコメディ仕立てだ。やがてギュスが夢の世界を漫画にし始めるため、悲惨な現実を覆すかのような夢世界=漫画のハジケっぷりが際立つ。ゲスト出演に、ダイアン・クルーガーやジャン・クロード・ヴァン・ダムなども名を連ね、ギュスの夢をゴージャスに彩っている。
ギュスはついに、事故のせいでこん睡状態に陥ってしまい、現実もここに悲惨を極めるわけだが、彼の夢の産物である漫画は世間で大評判をとる。現実と夢のギャップがここまでシニカルにカリカチュアされる映画としては、近作ではガエル・ガルシア・ベルナル主演の「恋愛睡眠のすすめ」(2005年製作)があろうか。奇才ミシェル・ゴンドリー監督の手腕で、こちらも随分悲惨な恋愛模様が、ファンタジックでキュートな物語に仕立て上げられていた。
もちろんシリアスに描けば、「ナルコ」は救いがたく悲劇的なストーリーになるのだが、ギュスの漫画という小道具が暗いトーンを和らげている。このいわくいいがたい摩訶不思議な高揚感。ギュス本人、パムや策士ププキン、その他ギュスを巡る周囲の人々とのドラマがどのように変化していくのか。日本では劇場公開もされ、国内版DVDも発売されている。皆さんも、ぜひその目で確かめられたし。

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ギュスを演じるギヨーム・カネとパム役のザブー・ブライトマンが、とてもフランスらしさを感じさせてくれる。

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ザブー・ブライトマンは、確か以前はザブーという名前で活動していたはずだ。1988年の「変身する女」では、男に幻滅して同性との愛に走る女性を演じて、非常にセクシーだった。ソフィー・マルソーが愛くるしかった「ラ・ブーム2」(1982年)にも登場している。1959年生まれだというから「ナルコ」製作当時は45歳か。顔の皺は隠せないが、“いい女”だという印象を受ける。対するギヨーム・カネはフランスの中堅俳優。「世界でいちばん不運で幸せな私」(2003年)や「戦場のアリア」(2005年)など、寡作ながら出演作品の内容をよくよく吟味するタイプのよう。2006年には『Ne le dis à personne』という初監督作をものにし、なんと処女作にてセザール賞監督賞を受賞した。今やハリウッド・スターとなったダイアン・クルーガーと2001年に結婚したが、結局5年後には離婚に至ってしまったとか。ウ〜ララ。


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