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zoom RSS 史上最低且つ最高にクールな内幕―「トロピック・サンダー/史上最低の計画Tropic Thunder」

<<   作成日時 : 2012/05/21 13:31   >>

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最高に濃くてくどいメンツによる、業界内幕モノ兼業界おちょくり映画。



「トロピック・サンダー/史上最低の作戦 Tropic Thunder」(2008年製作)
監督:ベン・スティラー Ben Stiller
製作:ベン・スティラー&スチュアート・コーンフェルド他。
原案:ベン・スティラー&ジャスティン・セロー
脚本:ベン・スティラー&ジャスティン・セロー&イータン・コーエン
撮影:ジョン・トール
音楽:セオドア・シャピロ
音楽監修:ジョージ・ドレイコリアス
出演:ベン・スティラー(ダグ・スピードマン)
ジャック・ブラック(ジェフ・ポートノイ)
ロバート・ダウニー・Jr(カーク・ラザラス)
ブランドン・T・ジャクソン(アルパ・チーノ)
ジェイ・バルチェル (ケヴィン・サンダスキー)
ダニー・マクブライド(コディ)
スティーヴ・クーガン(デミアン・コックバーン)
ビル・ヘイダー(ロブ・スロロム)
ニック・ノルティ(ジョン・“フォーリーフ”・テイバック)
ブランドン・スー・フー(トラン)
レジー・リー(ビョング)
他、カメオ出演多数。

ロバート・ダウニー・Jrとかジャック・ブラックなど、濃ゆい出演陣が各々の役割をよくわきまえ、全体的に演技陣のチームワークの良さが感じられましたね。例によって、古今東西の戦争映画のパロディも満載。それを言うなら、登場する各キャラクターもどこかの誰かのパロじゃないかと思いますが(笑)。基本は「ホット・ファズ」同様、様々な映画へのオマージュの上に、独自に進化させたお笑いを展開させるという手法。他の映画からの引用をただの引用で終わらせず、もう一捻り加えてあるのがミソかなあ。同時進行で、当初バラバラだった仲間たちが、困難を乗り越えるうちに本当に結束していくようになるという、王道のストーリーも語られます。また、現実と虚構が渾然一体となった映画業界にあって、自分の確固たるアイデンティティを取り戻すことの大切さもさりげなく示され、お笑いとシリアスの配分もちょうど良し。
現実と虚構といえば、本作には、戦争映画を撮りに来た撮影隊が遭遇する本物の戦争(ただし、舞台はベトナムではなく、麻薬生産の三角地帯と恐れられるインドネシア辺りだと思われる)というモチーフがあります。誤解に誤解が重なってストーリーが可笑しな具合いに進むにつれ、虚構であったはずの出来事が現実と一体化し、撮る予定の映画と同じような出来事を各々が実際にトレースしていくわけですね。その強烈な現実世界の中で、虚構世界の住人である俳優たちも自ら被っていた虚飾の殻を脱ぎ捨て、素顔を晒していきます。現実と虚構、その曖昧な境界線の危うさは、面白おかしい描写で弱冠薄められてはいますが、俳優なら誰しも直面するジレンマであるでしょうね。虚構に慣れ親しみすぎ、現実的感覚を失ってしまう危険性は、長い間俳優稼業を続けているダウニー・Jrなら、おそらく洒落になんないくらい実感していると思われますよ(笑)。つまり、今作のモチーフである“現実と虚構の対比”には、2つの意味合いが含まれているということですね。


画像

(今回ダウニー・Jrが演じるのは、オスカー獲得5回という俳優バカ。オーストラリア出身の白人なのに、役のためなら皮膚移植で肌を黒くすることも厭わない。今作の役者バカっぷりも良いですが、彼の別のアルターエゴ、アイアンマンやシャーロック・ホームズも私は好きだなあ。どん底を一度体験している人だけに、演技のそこかしこに、そんな暗い過去の重みが陽炎のように立ち上りますよ)


監督は主演のベン・スティーラーが兼任しておりますが、本作は当たりだったのではないかしらん。彼の人柄のおかげか、その幅広い人脈が駆使されたであろうキャスティングも面白いです。意外な大物があちこちにカメオ出演してました。本編が始まる前に、主人公たち…ダグとジェフとカークとアルパの紹介も兼ねたトレーラーが流れるのですが、これがすこぶる面白い出来。カークの旧作トレーラーには例のあの人とかがいて、それがまた超ド・シリアスな演技で笑わせてくれるのですよ。このトレーラー、それぞれがいろいろな過去作品のパロになっております。油断しないで、よ〜く観ておいてくださいね(笑)。あと、一応ゲスト扱いなんですが、例のあの人とあの人なんかは、かなり本編にも出張っていて怪演を披露してくれます。片や、特殊メイクで誰が誰やらわからんちん状態の変わり果てた姿で。またもう片方は、非常におっとこまえなルックスで、すごくいい奴をコミカルに熱演。このお2方の演技に関しては、本編をご覧になって楽しんでくださいね。そうそう、特殊メイクのあの人の方(笑)は、エンドクレジットで素敵な●×を大真面目に熱演披露!正直、私は正視できませんでした(爆)。ま、このカメオを探す楽しみは、皆様のために内緒にしときましょうね。


画像

(わがまま放題のスターたちと、製作会社の重役の横暴に振り回され、キレる映画監督。そう、“虚構世界の神様”と己を偽ってメガホンを振り回したところで、所詮は映画の奴隷に過ぎない)


昨今の、シリアスになりすぎる映画業界を笑い飛ばし、その非現実極まる実態をおちょくり、それでもオレは映画が好きなのだと叫んでみた今作。こういう、バカ笑いに徹しているようでいて、その実非常に冷静に自分自身の状況を分析できる映画人って好きですねえ。実は2世スターなベン・スティーラーを、ちょっぴり見直した次第。また個人的には、CGに頼らないレトロな爆破シーンもとっても痛快でありました。ま、確かにこの“爆破”は、劇中重大なキー・アイテムとなるものですが、ひょっとしたら、昨今の技術偏重傾向への意趣返しという意味もあったかもしれません。作品の底辺には、過去の映画全般への愛情と敬意と情熱が流れており、おそらくそれが今作の最終目的地であったと思われます。あ、でも、ベースはあくまでも戦争映画ですから、劇中結構グロい描写もあります。内臓とか血だまりとか血飛沫やらが苦手な方は、それなりにご注意を。


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