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zoom RSS センス・オブ・ビター・ユーモア―ジョナサン・アレン Jonathan Allen

<<   作成日時 : 2016/05/27 23:13   >>

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お子ちゃまは天下無敵のビター・ユーモリスト。


画像
(shared from Picture Book Denこの画像は、Picture Book Denのジョナサン・アレン Jonathan Allen氏のページに掲載されていた氏ご本人による自画像です)
ジョナサン・アレン Jonathan Allen

1957年生まれ
イギリス、ルートン出身

13歳の時、家族と共にルートンからケンブリッジに引っ越す。学校に通いながら美術の基礎を学ぶ。その後、セント・マーチンズ・カレッジ・オブ・アートで学位を取得した。現在は猫と一緒にブリクストンに在住。人生でなにより愛するものは、バンドを組むほど入れ込んでいる音楽(ちなみにギター担当)と、相棒の猫、そして蚤の市などでのガラクタ漁り、60年代に発表されたコミック作品群。マンガちっくな画風と、時にナンセンスかつブラックにもなるユーモアのセンス抜群の絵本を数多く上梓している。

●主な著作 Children's Books
「メチャクサ」
ジョナサン・アレン:文と絵 岩城敏之:訳 (アスラン書房)

「大きなわる〜いオオカミがっこう」
ジョナサン・アレン:文と絵 久山太市:訳 (評論社)

「かわいくなんか ないっ!」
ジョナサン・アレン:文と絵 せなあいこ:訳 (評論社)

「こわくなんかないっ!」
ジョナサン・アレン:文と絵 せなあいこ:訳 (評論社)

「はがいたいかいじゅうくん」
ローズ・インピ:文 ジョナサン・アレン:絵 いわきとしゆき:訳 (アスラン書房)

「あかちゃんとおるすばん」
ローズ・インピ:文 ジョナサン・アレン:絵 いわきとしゆき:訳 (アスラン書房)

「ワンちゃんだいすき」
ジョナサン・アレン:文と絵 久山太市:訳 (評論社)

「3びきのコブタとまぬけなオオカミ」
ジョナサン・アレン:文と絵 久山太市:訳 (評論社)

「ネコちゃんだいすき」
ジョナサン・アレン:文と絵 久山太市:訳 (評論社)

「だって ぼくは 犬なんだい!」
アラン・ブラウン:文 ジョナサン・アレン:絵 久山太市:訳 (評論社)

「みにくいアヒルのこ しかけ絵本」
ジョナサン・アレン:文と絵 久山太市:訳 (評論社)

「あかちゃんをおこさないで!」
ジョナサン・アレン:文と絵 きたむらまさお:訳 (大日本絵画)

ジョナサン・アレン公式サイト Jonathan Allen Author Illustrator
ジョナサン・アレン公式ブログ Eclectications


評論社から刊行されているロアルド・ダール・コレクションは、大変な評判を呼んだシリーズですが、その全ての挿絵を担当していたのが私の大好きなイラストレーターの1人、クェンティン・ブレイクです。細いペン先が生み出す飄々としたユーモアは時折ブラックな笑いをもかもし出し、ダールの作風と実によくマッチしているのですね。
ブレイクは英国出身のイラストレーターですが、かの国は独特の自虐系ユーモアの名産地。シニカルなユーモア・センスを売りにする作家を次々と輩出しています。ジョナサン・アレンもその1人でしょう。



「かわいくなんか ないっ! I'm Not Cute!」
ジョナサン・アレン Jonathan Allen:文と絵 せなあいこ:訳 (評論社)

ふわふわ綿毛の小さなフクロウの赤ちゃんフクちゃんは、みんなの平和を守るため、今日も勇敢に森の中をパトロール。
「悪い奴はオレ様が許さないぜ」
木の向こうからウサギのおねえちゃんがやって来た。
「フクちゃん、いつみてもちっちゃくてかわいいわ!」
おねえちゃんは、軽々とフクちゃんを抱き上げると、むぎゅうっ!
フクちゃんは怒る。
「オレ様はかわいくもちっちゃくもないぜ!」
そう、オレ様は怖いものなしのハンターだい。見ろ、この恐怖の翼を!フクちゃんが小さな翼を精一杯伸ばしていると、キツネのおじさんがやって来た。
「おやおや、フクちゃん!飛びはねっこしてるのかい?ふわふわでかわいいなあ」
おじさんはフクちゃんを抱っこすると、思わずむぎゅうっ!
フクちゃんは反論する。
「オレ様はかわいくもふわふわでもないぜ!」
そう、オレ様はでっかくってかっこいいハンターだい。見ろ、この暗闇を切り裂く鋭い目を!フクちゃんがつぶらな瞳をせいぜい見開いていると、リスのおばちゃんがやって来た。
「フクちゃん、まん丸の赤ちゃんおめめ、かわいいねえ!どれ、抱っこさせて」
おばちゃんは、ひょいとフクちゃんを抱き上げると、優しくむぎゅうっ!
フクちゃんはカンカンだ。
「おーれーはー、かわいくなんかないっっ!」
フクちゃんがジタバタしていると、そこへママがやって来た。
「みんなわかっちゃいない。オレのことかわいいだなんて」
「そう、あなたは大きくて怖いもの知らずで鋭い目つきのハンターだもんねえ」
ママはフクちゃんを大きな羽で包み込むと、むぎゅうっ!
フクちゃん、一瞬しーん。
そして手足をジタバタさせながら、わんわん泣き喚きました。
「オレはかわいいよう!かわいいんだい!」
ママはフクちゃんを抱き上げると、ベッドに寝かしつけてお休み前のご本を読んであげた。フクちゃんはスヤスヤ。
「いつ見てもかわいいよ、フクちゃん。大きい怖いもの知らずの鋭い目つきのハンターにしては、ね」
おやすみ、フクちゃん。


かわいくなんかないっ! (児童図書館・絵本の部屋)
評論社
ジョナサン アレン

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全く、お子様ってヤツは(笑)。

自分が子供を持つと、やはり子供ならではの独特な世界観が窺い知れて面白いものです。

親がA と言うと必ずBと言い返す。じゃあBだよねと親が訂正すれば、すかさずやっぱりAだと言い張る(苦笑)。どこかの国の民話に、人の言うことの反対のことばかりを口にしてしまう子供の話があったと記憶していますが、ただいま第一反抗期真っ盛りの我が家の息子らはまさしくそれ。本人達には別に悪気があるわけではなくて、親の言いなりにはなりたくないという自我の芽生えであるのですね。“他者とは違う自分”を確立するためには、まずは身近な人間とは違う考えを持つことだと、幼いながらに理解しているのでしょう。それが、彼らをしていわゆる“反対行動”に走らしめるわけです。

この絵本に出てくるフクちゃんも、今まさに自我が芽生えんとしている時期ですよね。かわいくて、フワフワで、まん丸お目めの赤ちゃんフクロウであるにも関わらず、自分ではいっちょまえのハンターだと思い込んでいます。森のヒーローを演じることが彼の理想であり、また彼の中では、それは根拠不明な絶対的自信に裏付けられ、必ず実現する未来絵図となっています。だから、かわいいかわいいと抱きしめられるたびに、つい反発してしまう。

でも、いざママに“かわいくないね”と同意されてしまうと、ショックを受けるんですからゲンキンなものです(笑)。ま、普段どんなにツッパっていようとも、ママだけにはいつまでも甘えていたいという気持ちを密かに持つのが、子供というやつなのでしょう。また、我が子がいい大人になっても、ついついかわいくてちっちゃかった頃と同じように構ってしまうのが、親の生態であるのです。

ジョナサン・アレンは、子供の反抗期と、それをさらに大きな包容力で見守る大人をユーモラスに描くことにより、今一度親と子の関係の基本に立ち返ろうと訴えているかのようです。社会が混迷し、その基礎単位である家族の関係も崩壊しつつある今、このシンプルな物語はまた違う意味でも印象的ですね。子供の成長の過程を見守る余裕をなくしてしまった親には、このフクちゃんのママのようなおおらかさは望めないでしょうし、昔ながらの家族同士の横のつながりが薄れてしまった現代では、大人がいきなり他所の子供を抱きしめたりすれば、犯罪を疑われかねません。今の子供を巡る環境からは、この絵本のようなほんわかとした雰囲気はあまりないといっていいでしょう。ジョナサン・アレンのイラストがノスタルジックなものであればあるほど、現実の子育て世界の殺伐さを思わずにはいられないのですね。

さて、お子様の生態をリアルに活写した絵本は数多いですが、この作品もかなり鋭い部分を突いていると思われます。状況によってくるくると表情を変えていくフクちゃんが、ママの懐の中でぬくぬくとしながらも、やはり精一杯いきがってみせる様は絶品ですね。まあ考えてみれば、彼にはこんなに子供らしくあれる余地があるというわけで、それはとてつもなく幸福なことではなかろうかと思うのです。だって、ひょっとしたら、今の子供たちには子供らしく振舞える自由すらもないかもしれませんもの。

画像

…さて、上のイラストは、左右の足にそれぞれ違う柄の靴下を間違えて履いてしまった子豆2号さん。それをあくまでも“オシャレ Fashion”と言い張るお子ちゃま。…全く、お子様ってヤツは(笑)。


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