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zoom RSS Gone Bill gone…デヴィッド・キャラダイン David Carradine

<<   作成日時 : 2016/02/06 12:54   >>

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“Don't think, feel !”

映画「燃えよ!ドラゴン Enter the Dragon」からの名台詞。いましばらくの間、この台詞を己が肝に銘じておこうと思います。

さて、映画の世界に“カンフー Kung Fu”をもたらし、衝撃を与えたのがブルース・リー Bruce Leeだったとしたら、そのカンフーをアメリカのお茶の間レベルにまでポピュラーにした功労者は、やっぱりデヴィッド・キャラダイン David Carradineだと思いますね。

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どうやってもアメリカ人男性にしか見えない俳優が、強引に自らを“Kwai Chang Caine”と名乗り、アメリカンなアクションにエキゾチズムを付加した不思議なTVシリーズ「燃えよ!カンフー Kung Fu」(1972 - 1975)。ひょろりとした体躯、不器用そうに見えてしょうがない長い手足、ぬぼーっとした顔立ち。それまで映画やテレビの世界で描かれてきた“東洋人”のイメージ…小柄、出っ歯、猫背、眼鏡…を大きく裏切るルックスながら、そのアンバランスな配役はかえって彼の新鮮な魅力を浮き彫りにしたようですね。
「燃えよ!カンフー」でブレイクしたデヴィッド・キャラダインは、主に70年代に量産されたB級アクション映画に多く出演し、70年代映画のイコンとなりました。出演作品に恵まれない時期もありましたが、そんな彼をリスペクトする若手映画人の支持により、老齢の域に達しても尚様々なジャンルの作品で、燻し銀の存在感を見せつけてきました。その息の長い活躍ぶりといい、どんな映画に顔を出しても、ちょいとばかりスレた親父の危ういフェロモンを発揮するタフネスといい、オスカーには縁がないキャリアだったかもしれませんが、非常に充実した俳優人生を全うしたと断言できるでしょう。


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デヴィッド・キャラダイン David Carradine

1936年12月8日生まれ
2009年6月3日没
アメリカ、カリフォルニア州ハリウッド出身

本名はJohn Arthur Carradine。名優ジョン・キャラダインを父に持ち、全米各地の劇場で仕事をする父親の姿を見て育った。しかし、不安定な俳優家業のせいで、一家の生活は経済的に厳しく、デヴィッドは15歳から家計を助けて農場で働くようになった。両親の不和、家庭崩壊を経験し、10代の頃は荒んだ生活を送ったようだ。両親が離婚すると彼は母親の元に落ち着き、サンフランシスコ大学に進む。在学中に熱中していたのは音楽で、当初はミュージシャンになることを夢見ていた。しかしかえるの子はかえる、血は争えず、やがて父親と同じ演劇の道を志すようになる。地方劇団に参加したことをきっかけに大学を去り、アルバイトをしながらお定まりの下積みを経験した。
1960年から2年間アメリカ陸軍に従軍し、除隊後、ようやく「アパッチ大襲撃」でスクリーン・デビューを飾る。一児をもうけたバーバラ・ハーシー、実父ジョンと共演したスコセッシ監督作品「明日に処刑を…」と、続くテレビ・シリーズ「燃えよ!カンフー」でブレイクを果たした。「ロング・ライダーズ」でも義兄弟と共演し、“俳優一家キャラダイン”の名前は強く印象付けられることになる。遅咲きの俳優は、その後もジャンルを問わないフットワークの軽さで活躍し、タランティーノ監督の一大リスペクト映画「キル・ビル Vol.1」「キル・ビル Vol.2」では黒幕ビルに扮し、御年67歳にして再ブレイクするという粘り強さを見せた。おまけに、往年の西部劇にオマージュを捧げた「キル・ビル Vol.2」の方では、昔取った杵柄か、登場シーン全てにおいて画面を引き締める役割を果たし、ゴールデン・グローブ賞の助演男優賞にまでノミネートされた。その姿は、彼が映像世界の中で演じてきたタフガイそのままであり、まるで映画を観るがごときの鮮やかな逆転劇であった。

●フィルモグラフィー Filmography

2008年「デス・レース」声の出演
2008年「ヘルライド」
2008年「カンフー・キングダム」(TVムービー)
2008年「ガン・トラスト」(未)
2007年「鉄板英雄伝説」
2007年「ストリート・レーサー アルティメット・バトル」(未)
2006年「チェックメイト」(未)
2006年「マスター・オブ・ザ・ドラゴン」(TVムービー)
2006年「UNDERWORLD ラスト・セクト」(未)
2005年〜2006年「ミディアム2霊能者アリソン・デュボア」(TVシリーズ)ゲスト出演
2005年「デスペラード・イン・ウエスト」(未)
2005年「リンガーズ〜ロード・オブ・ザ・ファンズ〜」(未) 
2004年「キル・ビル Vol.2」
2004年「ホテルゾンビ」(未)
2004年「パラドックス・ハプニング」(未)
2003年〜2004年「エイリアス(シーズン3)(TVシリーズ)ゲスト出演
2003年「キル・ビル」
2002年〜2003年「エイリアス2」(TVシリーズ)ゲスト出演
2002年「格闘大全」(未)
2001年「レッド・ロック」(TVムービー)
2001年「バルト 新たなる旅立ち」(OV)声の出演
2001年「クイーン・オブ・ソード スネーク・バンディッツ」(TVムービー)
2000年「ナイトフォール 夜来たる」(未)
2000年「キル・エビル」(未)
1998年〜1999年「チャームド〜魔女3姉妹(シーズン1)」(TVシリーズ)ゲスト出演
1998年〜1999年「プロファイラー3/犯罪心理分析官」(TVシリーズ)ゲスト出演
1998年「ロスト・ゾーン」(未)
1997年「デストラクション/制御不能」
1997年「叫びの家」(未)
1993年「マッド・チェイサー」(未)
1992年「アニマルインスティンクト/不倫願望ジョアンナ」(未)
1992年「カンフー/L.A.外伝」(TVムービー)
1992年「クレイジージョー」(未)
1992年「戦場のライオン」(未)
1992年「ナイト・リズム/セクシーDJ殺人事件」(未)
1992年「プレデターゲーム」(未)
1992年「ワックスワーク2/失われた時空」
1992年「復讐は俺がやる」(OV)
1991年「コップ・キラー」(未)
1991年「サンダウン」
1991年「蜃気楼ハイウェイ」
1991年「セクシー・デビル/悪魔はTバックがお好き」(未)
1991年「デューン・ウォリアーズ/砂漠の勇者たち(未)
1991年「バーバリアン刑事(デカ)」
1991年「フィールド・オブ・ファイヤー(TVムービー)
1991年「ホリスター」(TVムービー)
1990年「キング・オブ・ソルジャー(未)
1990年「処刑コップ」(未)
1990年「バード・オン・ワイヤー」
1990年「ハード・リベンジ」(未)
1990年「メガロコップ」(未)
1990年「ワイルド・ボーイ」(未)
1989年「ウィザード/魔法の王国」(未)
1989年「クライム・チェイス」(未)兼製作
1989年「サイボーグ刑事(デカ)」(未)
1989年「レプスキー危機一発/ロシア皇帝の秘宝」
1988年「トロピカル・スノウ」(未)
1988年「ビューティ&デニス」(未)
1988年「真夜中にベルが鳴る」(TVムービー)
1988年「無法地帯サバック」(未)
1988年「新・世にも不思議なアメージング・ストーリー2」(TVシリーズ)
1988年「烈火のヒーロー」(未)
1987年「アルカトラズ刑務所・暴動大脱獄」(未)
1987年「ハートビート」(未)
1986年「地獄の武装都市/復讐のターミネーター」(未)
1986年「第27囚人戦車隊」
1986年「爆発!海底大油田/ファイヤー・インフェルノ」(TVムービー)
1986年「ブランドン・リーのカンフー・ファイター」(TVムービー)
1986年「世にも不思議なアメージング・ストーリー5」(TVシリーズ)
1985年「死の天使レイチェル」(TVムービー)
1985年「P.O.W.地獄からの脱出」(未)
1985年「南北戦争物語 愛と自由への大地」(TVシリーズ)
1984年「SFカインの剣」(未)
1984年「オン・ザ・ライン」(未)
1984年「超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ(シーズン1)」(TVシリーズ)ゲスト出演
1983年「テキサスSWAT」
1982年「空の大怪獣Q」(未)
1982年「爆笑!サファリ3000」(未)
1982年「ハロウィーン・夜の罠」(未)
1981年「アメリカーナ」(未)兼監督&製作
1980年「真昼の決闘2」(未)
1980年「ロング・ライダーズ」
1979年「ビッグ・ウィング」(未)
1978年「原子力潜水艦浮上せず」
1977年「サイレントフルート」
1977年「ランナウェイ」
1977年「蛇の卵」(未)
1976年「ウディ・ガスリー/わが心のふるさと」
1975年「さらば愛しき女よ」
1975年「デス・レース2000年」
1975年「爆走!キャノンボール」
1973年「ミーン・ストリート」
1973年「ロング・グッドバイ」
1973年〜1975年「燃えよ!カンフー」(TVシリーズ)
1972年「明日に処刑を…」
1972年「燃えよカンフー」(TVムービー)
1970年「西部番外地」
1969年「悪党谷の二人」
1969年「国境のかなたに明日はない」
1969年「マクマスターズ」(未)
1969年「夕陽の対決」
1966年「泥棒がいっぱい」
1966年「シェーン」(TVムービー)
1965年「帰郷」
1964年「アパッチ大襲撃」

こうして改めて彼のキャリアを俯瞰すると、俳優として最も脂がのっていた時期は70年代だとわかりますね。私自身、彼の出演作品でよく観ていたものも、70 年代製作作品に集中しています。実は「燃えよ!カンフー」も結構好きで、隠れて(笑)観たものでした。あの、飼い主に叱られたわんこのようなルックスのせいで、かなり長い間、チャック・ノリスとデヴィッドの印象がごっちゃになっていたことは内緒ですが(笑)。
しかしながら、キャラダイン一家と聞くと、真っ先に思い出すのはやはりキースの方で、デヴィッドは初見の頃から“老けてる上になんとなくぱっとしない”と感じておりました。彼はあくまでも脇役で個性を発揮するタイプであり、主役を張らせるのはちょっとねえ…とか(冷や汗)。ファンの方に大目玉を食らいそうですな。いや、デヴィッドの燻し銀的魅力、年齢を重ねれば重ねるほど味わい深くなる男臭さといったものは、若い小娘にはわからんのですよ。こちらもある程度人生経験を積まねば、まるで年輪のように彼の顔に刻み付けられた皺の意味は理解できないのですね。

“B級アクション映画の常連”とみなされることが多いデヴィッドですが、この膨大な数の出演作の中で、実はバラエティに富んだ役柄を演じ分けております。また、低予算映画であっても、なかなか面白い作品に取り組んでいたりもしますね。70年代低予算映画の鬼であり、その後のアメリカ映画界を支えた優秀な映画人を多数発掘したことでも知られるロジャー・コーマン製作「デス・レース 2000 Death Race」(1975年)も、後年カルト化した出演作品のひとつです。

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「デス・レース2000 Death Race」(1975年)

西暦2000年、恐怖の独裁国家となったアメリカで、政府後援のもと、大陸横断カーレースが開催されていた。それは、走行中に人を轢き殺していくことでポイントを稼いでいくという、殺戮レースであったのだ。一癖も二癖もある出場者たちは、皆自慢のマシンに奇怪な改造を施し、ポイント稼ぎに病院に入院中の老人を轢くことも厭わない。覆面を被ったレーサー、通称フランケンシュタインや、下品でおバカなレーサー、マシンガン・ジョーなど、5組のレーサーたちの中で、生き残りを賭けた戦いが始まる。

もちろん今作が大好きなタランティーノ監督は、自作「デス・プルーフinグラインドハウス」で、今作からの強い影響を隠そうともしませんでした(笑)。タラちゃんは、大方の予想通り(笑)、「ロッキー」でブレイクする直前の若きスタローンが演じたキャラクター、マシンガン・ジョーに心底惚れ込んでいたそうです。くだんの「デス・プルーフ」でカート・ラッセルが扮したシリアル・キラー役には、当初スタローンをキャスティングしたがったとか。それが実現しなかったのはかえすがえすも残念ですが、70年代に量産された低予算B級映画の中でも、そのキッチュかつブラック、風刺性に富んだ独特の世界観を持った今作へ、再び注目を集めた功績は大きいと思われます。

なにしろロジャー・コーマン映画ですから、低予算、ウルトラ早撮りは当たり前。上映時間も、客の集中力を切らさんがため90分にも満たない短さ。娯楽に徹するため、とにかく客が喜びそうな要素−クラッシュ、殺人、お色気等々−をふんだんに盛り込み、高尚なテーマだのは二の次。結果として、最初から最後まで異様にテンションが高い作品に仕上がりました。全米が熱狂する殺戮レースだというのに出場者が5人しか見えないとか、夢のハイテク近未来改造車がへっぽこだとか、意味もなく胸が膨らんでいるねーちゃんが意味もなく露出しているとか、主ストーリーそっちのけで、キャラ立ちまくりの登場人物の織り成すサブ・ストーリーを描くのに時間を割いているとか、老人を轢き殺したらポイントアップなど、モンティ・パイソンのスケッチみたいなえげつない設定満載だとか、ツッコミどころは多々あります。しかしながら、とっくの昔に“2000年”を過ぎてしまった今観ても面白がれるということは、今作が当時の世相のみならず、暴力や独裁に簡単に屈してしまう人間の本質的なサガをあざ笑っているからでしょう。理不尽で非道な暴力を憎むのも人間なら、恐怖のあまり加害者側に寝返ってしまうのも人間。映画の中では、勧善懲悪、暴力反対といったお決まりのアジテーションで締められている今作も、結局暴力によってしか巨悪を倒せない運命を描いて、観客を含めた全ての愚かな人間による暴力の連鎖を風刺しているのです。

今作でのデヴィッドは、ヒーローであるにもかかわらず、覆面を被ってさっぱり顔が見えやしない(笑)フランケン役。その雰囲気からしてパンキッシュで、反体制的なんですわ。そう、素顔のデヴィッド本人を彷彿とさせますね。マシンガン・ジョーのぽにょぽにょバカっぷりとは好対照で、とってもクール。そんな彼が、新作を撮影中のタイで急死してしまったのは、非常に残念であります。残された遺族をはじめ彼の周囲の方々は、大きな衝撃を受けたことでしょうね。
その死因を巡っては、後になっていろいろなことが取り沙汰されたデヴィッド・キャラダイン。真実はどうあれ、とにかく彼は映画ファンの脳裏に鮮やかな記憶を残してくれました。今はただ、その魂に安寧が訪れることを祈るばかりです。

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