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zoom RSS ロックは腹の底で聴け−Finger Eleven

<<   作成日時 : 2013/04/25 12:39   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

ロックー!!!!!!ぎぶみー・ろっけんろー!!!!!!ハード・ロック、へヴィメタル、スラッシュメタル、デスメタル…(はあんまり好きじゃない)なんでもいいから、めっさハードで血沸き肉躍るロックを聴かせやがれってんだー!!!!!!

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ここ数日、20年間厳重に封印してきたロック魂が解き放たれてしまい大変困っている館長です、皆さんこんにちはお元気ですか。今のドーパミン逆流気分に最もフィットしているのは、実はSeether(南アフリカ出身のオルタナティヴ・ロックバンド)の名作アルバム「Finding Beauty In Negative Spaces」なんですが、あいにく当館ではSeetherの記事をまだ扱っていないので、地団太踏みつつ別のバンドのお話を。


“僕らは、ひとつの楽曲に様々なテンポやカラフルな色合いを組み込むのが好きなんだ。でも一番大切なのはメロディだよ。僕らはただ良い曲を書きたいだけなんだ”−ジェームズ・ブラック

“Paralyzer”のシングル・ヒットで知られるFinger Elevenをご存知だろうか。腹の底に響くようなパワフルなリズムと、ザクザクと切り刻むようなエッジの利いたギターサウンド、その上をダミ声のボーカルがうねっていく。メランコリックなメロディと、思わず頭を振りたくなる力強さが同居した不可思議な音楽だ。彼らは、カナダのオンタリオで1989年に結成されたオルタナティヴ・ロック・バンドである。元々はRainbow Butt Monkeysと名乗っており、アグレッシヴかつサイケデリックなニュー・メタル的イメージを持ち味として、地道に活動していたという。アルバムを発表するごとに独自の進化を遂げていく彼らの音楽性は、地味ながら驚くほどユニークであり、泥臭さ満点の怒れるハードコア・パンクといった外見を裏切る繊細さと、起伏に富んだ楽曲の豊かさに感心させられる。それはおそらく、バンドの基本コンセプトたる“メロディ第一主義”が、頑ななまでに守られている結果だと思うのだ。

“君を取り巻くあらゆる状況が、君をひとつところに押し込めようとするとき、君の本能は知らず別の世界を夢見るはず…。言ってみれば、その本能がFinger Elevenなんだ”−スコット・アンダーソン

バンドが新たな方向性を探りつつ、野心的な変化を遂げる一方で、彼らの頑固一徹な職人気質も相変わらず健在だ。熊のようなルックスの、野太いマッチョなボーカルを信条とするスコットは、たとえアルバムの方向性がメインストリームに傾こうとも、汲めども尽きせぬ怒りのパワーを歌詞と声に込め、ヘッドバンガーたちの信頼を裏切らない。セールス的には爆発的なヒットとは縁のないバンドかもしれないが、確かな演奏技術とセンス、男臭いパフォーマンスでオーディエンスを魅了し、着実に中堅バンドの地位を固めているといえよう。通算3枚目のアルバム『The Greyest of Blue Skies』でメインストリームに浮上。4枚目のセルフタイトルの作品『Finger Eleven』からは、シングル“One Thing”がチャート16位まで上昇するヒットを記録し、アルバムはアメリカのマーケットでも50万枚以上を売り上げた。現在のところ、スタジオ録音のアルバムとしては最新作にあたる『Them vs. You vs. Me』からは、シングル“Paralyzer”がヒットチャート10位以内に食い込む健闘を見せ、カナダの権威ある音楽賞Juno Awardで2008年度最優秀ロックアルバム賞を獲得した。

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Finger Eleven are ……

James Black(lead guitar)
Scott Anderson(lead vocals)
Rick Jackett(rhythm guitar)
Sean Anderson(bass)
Rich Beddoe(drums)
・Rob Gobberman−former member

●ディスコグラフィー

1995年『Letters from Chutney』
1997年『Tip』
2000年『The Greyest of Blue Skies』
2003年『Finger Eleven』
2007年『Them vs. You vs. Me』

Finger Elevenは、高校の同級生だったメンバーが集まって結成されたのだが、バンドが形になるまでには紆余曲折を経た。彼らの初めてのライヴは、高校で行われたクリスマス・コンサートだったという。その頃のバンド名はRainbow Butt Monkeys。オンタリオのラジオ局が主催する新人発掘コンテスト“Southern Ontario's Best Rock”で勝ち取った賞金で、彼らは初めてのスタジオ録音によるデビュー・アルバム『Letters from Chutney』を制作する。それが1995年のこと。翌1996年には、バンドは早くも新しいマネージメントを見つけることに成功する。この時期の彼らの音楽はまだまだ垢抜けないもので、ダイヤの原石ではあったものの、荒削りで奇をてらったサウンドには既に限界が見え始めていた。メンバーはバンドの方向性を変える必要性に気づき、オーディエンスにもっと受け入れられるよう、バンド名もRainbow Butt MonkeysからFinger Elevenに変更した。

バンドの明確な“音楽性の変革”の意志の下、制作・発表されたセカンド・アルバム『Tip』は、カナダのレコード・レーベルMercury Recordsから1997年にリリースされた。翌1998年には、アメリカでもWindup Recordsから再リリースされている。このアルバムのプロデュースにはArnold Lanniが当たったが、楽曲の質が格段に向上しているのがわかる。当時流行っていたオルタナティヴ・ロックの流れを汲みつつも、彼ら独特の個性でもある、転調に次ぐ転調の変幻自在のリズムと、哀しげなメロディラインが絶妙に融合した複雑な音世界が広がっている。ライヴでは、腹の底から響くがごとくのリズムと、時にゆらゆらと空間に漂っていくようなギターサウンドが不思議な酩酊感を誘い、バンドの名声を高める一助となった。

Tip
Wind-up
1998-09-15
Finger Eleven

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●収録曲
1. Quicksand
2. Tip
3. Shudder
4. Awake and Dreaming
5. Above
6. Condenser
7. Thin Spirits
8. Glimpse
9. Costume for a Gutterball
10. Temporary Arms
11. Swallowtail

Finger Elevenが、初めてメジャー・シーンに殴り込みをかけた作品がこれ。実は、私はこのアルバムから彼らの音楽を知ったが、どの楽曲も地味ながらきちんと聴かせどころを押さえているのに感心した覚えがある。基本的には、“ヘッドバンギング・ソング”なのだが、ただの絶叫には終わっていない。ロックやパンク、メタルだけでなく、ジャズやファンクといった異種ジャンルの音楽からも強い影響を受けたと思しき複雑なメロディラインは、時に美しくさえあるのだから驚く。個人的に一聴して耳に残った楽曲は、ドラムの激しい“Tip”、気だるげな出だしからメランコリックなサビまでの盛り上がりがいい“Awake and Dreaming ”、早回しのようなPVも面白かった“Above”、軽やかなリズムが心地よい“Thin Spirits ”、不安感をあおる不協和音から始まり、孤独な人間の強烈な飢餓感を歌う“Temporary Arms”、ヒートアップした心を静めるように、深く沈みこんでゆく哀しげなメロディが美しい“Swallowtail”辺り。
この手のオルタナティヴ・ロック・バンドは、往々にして、へヴィネスを追求するあまり肝心のメロディを犠牲にしてしまいがちだ。そのせいで、結局全ての楽曲が単調になってしまう。その点Finger Elevenの音楽は、メロディとへヴィネスのバランスは上手く取られているといえるだろう。Alice In Chainsの大ブレイク以来、腹の底からうねるグルーヴィーなリズムはお約束になってしまったが、彼らは1つの楽曲のうちにも微妙にカラーの異なるメロディを乗せており、聴き飽きることはない。
正直、ボーカルのスコットの声は、楽曲ごとに歌い分けが出来るような器用さはあまりないと思う。泥臭いダミ声でタフなバンド・サウンドを牽引するタイプだが、繊細なメロディに乗るとなんともいえない艶を醸し出す。私は疲れてくると、彼のような声を無性に聴きたくなるが、ささくれだった気持ちに妙にフィットする声なのだろう。

『Tip』リリース後、ドラマーのRob Gommermanがバンドを去る。代わりに加入したのがRich Beddoeで、彼はJames Blackの知り合いであったそうだ。出会いの場も、Alice In Chainsのコンサート会場であったというから運命か。新しい布陣となったバンドは、再びプロデューサーにArnold Lanniを迎えて『The Greyest of Blue Skies』を制作する。2000年にリリースされた今作は、ホームグラウンドのカナダのみならずアメリカでもバンドに注目を集めるきっかけとなった。

Greyest of Blue Skies
2009-03-03
Finger Eleven

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●収録曲
1. First Time
2. Drag You Down
3. My Carousel
4. Sick of It All
5. For the Ocean
6. Broken Words
7. Suffocate
8. Bones + Joints
9. Famous
10. Walking in My Shoes
11. Stay and Drown

実は私自身が最も気に入っている作品は、このアルバムと前作の『Tip』である。今作に収められた楽曲はすべからく、『Tip』より重量感のあるリズムになっており、バンドが今作のテーマに“リズム”を掲げていたことはたやすくうかがえる。ドラムの音はより重くなり、ベースの音がフィーチャーされてもいる。アルバムタイトルやジャケットデザインから予想できるように、悲痛なメロディと陰鬱なイメージが作品全体を覆っている。

冒頭の “First Time”から、歪んだ和音とうねるメロディを切り裂くようにスコットの力強い声が響き渡る。しかし、黒雲のごとき陰鬱なリズムの中から、突如キャッチーなサビが飛び出したりするので油断がならない。“First Time”や“For the Ocean”などでは、転調も鮮やかだ。個人的に大好きな“Broken Words”は、彼らお得意の物憂げなメロディと、腹の底に響くへヴィネスが見事に合体。この曲の最後から続く効果音を振り切るように始まる “Suffocate”は、サビのメタルっぽい盛り上がり方が実に快感。ライヴでは頭の振り甲斐のある楽曲だろう。重く停滞した耳を開放するかのような “Bones + Joints”は、ポジティヴなメロディが美しい。このキャッチーなメロディラインは、バンドがより洗練されてきたことを意味するが、だからといって彼らの音楽性がソフィスケートされたと解釈するのは性急だ。それは、胸を打つサビと鮮やかな転調が印象的な“Famous”でも同様である。“Walking in My Shoes”はDepeche Modeのカバーソング。Finger ElevenとDepeche Modeの組み合わせは一見すると異色ではあるが、Finger Elevenのオリジナルかとみまごう程消化されている。ラストを飾る“ Stay and Drown”は、悲痛なメロディと歌詞がスコットの泣きのこぶし回しによって、忘れがたい余韻を聴く者に残してゆく。

『The Greyest of Blue Skies』の成功から試行錯誤を経て、およそ3年のインターバルを置いてリリースされた4枚目のアルバムには、バンド名が冠された。通算4作目のアルバムでバンドの名前をタイトルにしたことからも、メンバーの今作への思い入れの深さと決意の程がうかがえるだろう。プロデューサーには新しくJohnny Kという人材を迎え、バンドは更なる進化の方向性を探るべく“生みの苦しみ”と闘うことになる。
2年以上かかったレコーディングの末、今作は、従来の路線を踏襲しつつ、一部のコアなファンの支持からより広い層のオーディエンスにアピールする作品になった。シングルカットされた“One Thing”は一層キャッチーなメロディラインを持ち、バンドに初めてのシングルヒットをもたらした。バンドの新機軸を象徴するこの楽曲は、人気テレビシリーズの『Scrubs』『Smallville』『Third Watch』でも取り上げられ、結果的に、作品がゴールド・アルバム(アメリカ国内)とプラチナム・アルバム(カナダ国内)を獲得する原動力となった。更には、2007年にEvanescenceのAmy Leeとデュエットしたバージョンがレコーディングされてもいる。今作を引っさげ、バンドは2003年から2年間かけてヨーロッパ、オーストラリア、北アメリカなどをツアーして廻った。

Finger Eleven
Wind-up
2003-06-17
Finger Eleven

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●収録曲
1. Other Light
2. Complicated Question
3. Stay In Shadow
4. Good Times
5. Absent Elements
6. Thousand Mile Wish
7. Conversations
8. Last Scene of Struggling
9. Panic Attack
10. Therapy
11. One Thing
12. Obvious Heart

バンドが新しい局面を求め、音楽性をより柔軟に変化させたいとする心情はよくわかる。どんなアーティストであれ、より多くの支持を獲得したいという欲求こそが、彼らの成長を促すのだから。だが正直なところ、今作を初めて聴いたときの私の印象は、“音の色合いが薄くなったなあ”というもの。なんというか、前作には明確にあったアルバム全体を貫く核が見えてこないのだ。重いリズムと深遠を覗き込むがごとくの陰鬱なメロディ、そのところどころからマグマのように噴き出す激情が、乾いた荒削りなタッチで描かれるという彼らの特徴が薄められているように思う。しかしながら、個々の楽曲の質が落ちたわけではない。音とリズムが密集しているようであった前作に比して、サウンドの抜けが良くなった分、逆にキャッチーなメロディとかみ合うようになったということだ。
“Good Times”までの流れは、前作のイメージを踏襲してかなりグルーヴィーかつアグレッシヴだが、後のヒット曲“Paralyzer”を思わせる心地よいサビを持つ“Good Times”でアルバムの色合いが変わる。ここからメリハリの効いたメロディが印象的な楽曲が続くのだ。アコースティック・ギターが美しい “Thousand Mile Wish”は、メランコリックというバンドのもうひとつの顔を象徴する楽曲でもある。私自身は、これと“Therapy”の持つ内省的な雰囲気がとても好きだ。肩の力を抜いたスコットのボーカルにも、なんともいえない色気がある。

次のアルバム『Them vs. You vs. Me』は、プロデューサーに再びJohnny Kを迎え、前作の方向性を更に押し進めた作品となった。2007年3月にリリースされたアルバムからは、シングル“Paralyzer”がバンドにとって初のトップ10入りを記録するヒットとなり、続けて“Falling On”“I'll Keep Your Memory Vague”“Talking to the Walls”がシングルカットされた。“Paralyzer”の成功は、バンドにジェイ・レノのトゥナイト・ショーへの出演やNHL awards show出演を可能にした。バンドは他にも様々なイベントに招待され、2007年12月には彼らのキャリアを総括するDVD『Us-vs-Then- vs-Now』が発売された。
アルバム『Them vs. You vs. Me』は、2008年3月にアメリカの市場でゴールド・ディスクを獲得した。今作のツアー中には、ショーのラストにフランツ・フェルディナンドやレッド・ツェッペリン、ピンク・フロイドなどの楽曲をメドレーで聴かせる演出も見せ、バンドの音楽性が多方面に広がっていることを暗示した。彼らはまた、ラスヴェガスで行われた2008年度のミス・アメリカ・コンテストで“Paralyzer”を演奏するという奇妙な経験にも恵まれた。
アルバム『Them vs. You vs. Me』は、2008年度のJuno Awardで最優秀ロック・アルバム賞を授与された。カルガリーで開催された授賞式では、バンドはカルガリー・ユース・オーケストラと共演している。彼らは、ニューヨークでもSteve Wilkos Show Tourで“Talking to the Walls”“One Thing”“Paralyzer”を演奏するチャンスに恵まれ、勢いを買って2008年の夏にはヨーロッパ・ツアーを計画する。英国のDownload FestivalやドイツのRock Am Ring、Rock Im Parkといったフェスティヴァルへの出演も決定していたが、スコットの首の故障でキャンセルされた。2008年12月、万全の態勢を整えた彼らは、キッド・ロックをサポートに従えてハマースミス・アポロでのライヴを含むヨーロッパ・ツアーを敢行した。

Them vs. You vs. Me
Wind-up
2007-03-06
Finger Eleven

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●収録曲
1. Paralyzer
2. Falling On
3. I'll Keep Your Memory Vague
4. Lost My Way
5. So So Suicide
6. Window Song
7. Sense of a Spark
8. Talking to the Walls
9. Change the World
10. Gather + Give
11. Them Vs. You Vs. Me
12. Easy Life
13. Sacrifice

ファースト・カット・シングル“Paralyzer”は、聴き覚えのある方が多数おられるだろうと思う。シンプルながら力強いリズムと、泥臭さも感じられるギターリフ、スコットのマッチョな歌声が相まった、なかなかにご機嫌なロックンロールである。しかし今作は、“Paralyzer”以降の流れはキャッチーなロック、あるいは繊細なアコースティック・ソングに統一されているように感じる。アルバム全体の構成はより洗練され、サウンドも上品になり、どの楽曲も流れるように耳に心地よい。…よいのだが、あまりに心地よすぎて、初期の彼らの音楽を知っている方には、かなり物足らないのではあるまいか。彼ららしい意表を突く転調、瞬時にして聴く者の耳を惹きつける力を持ったメロディなど、魅力的な部分はいくらもあるし、決してつまらないアルバムだというわけではないのだが。
思い切って言ってしまうと、今作を聴く限り、これは何もFinger Elevenでなくてもよい作品のような気がする。いい意味での屈折、変な言い回しだが充分に計算されたカオスといったバンドの特徴が、前作以上に薄まってしまっている。ソフィスティケートされたロックという感じで、なんだかとても丸くなった印象だ。また、突出した楽曲が“Paralyzer”以外ないのも辛い。カナダ出身のミュージシャンが持つ朴訥さ、誠実さが全面に押し出されているのはいいとしても、ごくごく普通のロック・バンドのアルバムになっている。バンドのメジャー化と引き換えに、彼ら自身が失ったものは案外大きかったのではあるまいか。

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