テーマ:ミステリ、サスペンス映画

「暗殺の森 Il Conformista」或いは卑怯者の憂鬱。

デジタル・リマスター版で蘇った、ベルナルド・ベルトルッチ監督の傑作「暗殺の森 Il Conformista」を見てきた。よもやこの作品を、リフレッシュされた美麗映像で、しかも大きなスクリーンで再見できる日が来ようとは思わなかった。普段は何かと、煩わしい厄介事を私たちの日常生活にもたらすデジタルの世ではあるが、こんな時は流石にその凄みを実…
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私からハロウィンの呪いをこめて(笑)―「ハロウィン Halloween」

昔々私が住んでいたマンションには、片田舎に住んでるただの専業主婦だというのに、かなり気位の高いセレブ志向の奥様連中が多数とぐろを巻いておりました。まあ、転勤族ばかりの家庭が入居していましたから、“前住んでたところではああだった、こうだった”と、以前の生活の華やかな側面を再現することに必死だったんですねえ。その気持ちはわからんでもないが、…
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「天使が隣で眠る夜Regarde les hommes tomber」―ジャック・オディアール監督

孤独な魂が寄り添う夜。 「天使が隣で眠る夜 Regarde les hommes tomber」(1994年製作) 監督:ジャック・オーディアール 製作:フランク・ル・ウィタ&マルク・ド・ベイセル 製作総指揮:ディディエ・オードパン 脚本:アラン・ル・アンリ&ジャック・オーディアール 原作:テリー・ホワイト「真夜中の相棒…
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「カッコーの巣の上で One Flew Over the Cuckoo's Nest」 Part 2

「カッコーの巣の上で One Flew Over the Cuckoo's Nest」の感想です。観る度に違った感想が生まれる、重層的な人間ドラマ。私達に深く思考することを求めてくる、真の傑作だと思います。その魅力は、製作から早40年近くの年月が経過しても、一向に色褪せません。 「カッコーの巣の上で」のリバイバル上映を観てきた…
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「カッコーの巣の上で One Flew Over the Cuckoo's Nest」 Part 1

“体制”とそれに反抗する一個人との戦いを、精神病院における非人道的な管理体制と、それに隷属させられる患者とを対比させることにより象徴的に描いた、アメリカン・ニューシネマ最後の傑作。まずはストーリーのご紹介から。 しかしこの映画「カッコーの巣の上で」には、ホロコーストによって家族を喪い、大戦後の故国を覆った全体主義を辛くも生き延びた…
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戦いを捨てた戦士―「ディーパンの闘い Dheepan」

スリランカ内戦 Sri Lanka Civil War(1983年~2009年) イギリス統治下にあったスリランカでは、総人口のうち2割弱を占める少数民族のタミル人住民を優遇する分割統治政策がとられていた。1948年にセイロン(現スリランカ)が独立すると、翌年にはこれまでの反動からタミル系住民の選挙権が剥奪された。1956年、総人…
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信念が正しいとは限らない…「裏切りのサーカス Tinker Tailor Soldier Spy」

最後にゲイリー・オールドマンの面白いインタビュー動画を追記しています。大変に濃い内容のディスカッションになっているので、ぜひご覧になってくださいね。 名古屋における「裏切りのサーカス Tinker Tailor Soldier Spy」の劇場公開は、2012年7月下旬からやっと始まったかと思いきや、たった2週間の上映でとっとと…
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イースタン・プロミス Eastern Promises & The Young Americans

早く書いておかないといけませんねえ…。肝心の感想記事ではないのですよ、ごめんししゃい。 イースタン・プロミス [DVD]Happinet(SB)(D) 2013-09-03 Amazonアソシエイト by 「イースタン・プロミス Eastern Promises」(2007年製作) 監督:デヴィッド・クローネンバーグ D…
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ギャングとのクリスマスをブルージュにて「ヒットマンズ・レクイエム In Bruges」

日本では“ヒットマンズ・レクイエム”などという、どこの仁侠映画だと呆れる邦題がつけられた「In Bruges」。このひねくれたアクション人間ドラマ作品を長編処女作とした新鋭マーティン・マクドナー Martin McDonagh 監督の「セブン・サイコパス Seven Psychopaths」が公開された時、彼はまだまだ“知る人ぞ知る”存…
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高齢化社会のアクション映画―「RED/レッド」

以前、故赤瀬川原平氏の「老人力」という本を読んだことがありましてね。この本が発売された当時は随分流行りましたから、今も覚えてらっしゃる方も多いと思います。流行語にまでなった“老人力”という言葉は、創作者(笑)の赤瀬川氏の手を離れ、勝手に独り歩きをはじめました。 しばらく経って赤瀬川氏のエッセーを読むと、この“老人力”という言葉が多…
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暗闇を照らす詩の心―ジャック・オディアールと「預言者 A Prophet」

ジャック・オディアール Jacques Audiard監督の「預言者 UN PROPHÈTE (A PROPHET)」が日本で公開されたのは2012年の1月21日から。作品完成時から実に3年越しの、待ちくたびれて諦めかけていた末の、ようやくのランデブでありましたね。数年前、この「預言者」がハリウッドでリメイクされるというニュー…
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「声をかくす人 The Conspirator」―ロバート・レッドフォード監督

今日は、本国アメリカでは黙殺の憂き目にあったロバート・レッドフォード監督の意欲作「声をかくす人 The Conspirator」のお話をしましょうか。 1865年4月14日午後10時。エイブラハム・リンカーン大統領は、ワシントンのフォード劇場で上演中であった喜劇「われらがアメリカのいとこ」を観劇中、同舞台を公演していた劇団に所…
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掃き溜めに咲くブリキの花―「第9地区 District 9」

“人間”と“エイリアン”を隔てるものは何か。 「第9地区 District 9」(2009年製作) 監督:ニール・ブロンカンプ 製作:ピーター・ジャクソン&キャロリン・カニンガム 脚本:ニール・ブロンカンプ&テリー・タッチェル 撮影:トレント・オパロック プロダクションデザイン:フィリップ・アイヴィ 衣装デザイ…
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「真夜中のピアニスト」―ジャック・オディアール監督Jacques Audiard

僕の心はピアノの音色に揺れ続ける。 「真夜中のピアニスト Da battre mon coeur s'est arrêté」(2005年製作) 監督:ジャック・オーディアール 製作:パスカル・コーシュトゥー 脚本:ジャック・オーディアール&トニーノ・ブナキスタ オリジナル監督&脚本:ジェームズ・トバック…
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Let's make a movie!!―「アルゴ Argo」

映画界では、相も変わらず“真実の物語を基にした”作品の製作が盛んでありますね。しかし、史実に基づいた映画を作る際には、必ずといっていい程事実と脚色の間に格差が生まれ、それが作品そのものへの評価を左右してしまうジレンマに悩まされることになります。 実は、俳優ベン・アフレックがメガホンをとった「アルゴ Argo」も、史実との違いを指摘…
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おっさん臭さと汗臭さ― 「最後の追跡 Hell or High Water」(2016年).

"俺は生まれてからずっと貧乏だった。貧困はまるで病気だ。祖父から父親へそして俺に受け継がれてきた病だ。だが息子たちは大丈夫だ。これ以上病を受け継ぐことはない。 I've been poor my whole life, like a disease passing from generation to generation. But n…
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調和と情熱―ベルナール・ラップ Bernard Rapp

“監督の仕事は、スタッフとキャストの仕事の全てをうまく調和させること。調和こそがいい作品の条件だと思っている。そして僕の作品のスタッフは、それぞれが自分の仕事だけではなく、常に作品全体に神経をいきわたらせていたんだ” harmonie et passion ベルナール・ラップ Bernard Rapp 1945年2…
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夢のまた夢―「インセプション Inception」

“夢から醒めて、現実と向き合え” 「インセプション Inception」(2010年) 監督:クリストファー・ノーラン Christopher Nolan 製作:エマ・トーマス&クリストファー・ノーラン 脚本:クリストファー・ノーラン Christopher Nolan 撮影:ウォーリー・フィスター Wally Pfi…
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Love or Hate?ー善悪の彼岸。

“自分がどんなひどいことを行うかわかっていても、怒りは抑えられない。人間に最大の禍をもたらすのが怒りである。 I know indeed what evil I intend to do, but stronger than all my afterthoughts is my fury, fury that brings upon m…
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放浪する英国人―マイケル・ラドフォード Michael Radford と「1984」

マイケル・ラドフォードという人は実に不思議な監督さんです。彼を見ていると、いつもここではないどこかへ行こうとしているように見えるのですね。一体全体、彼自身の原風景はどこにあるのでしょうか。 失われた原風景を求めて。 マイケル・ラドフォード Michael Radford 1946年2月24日生まれ インド、ニ…
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常に時代を先駆けたマイケル・クライトンMichael Crichton

「ジュラシック・パーク Jurassic Park」シリーズや「アンドロメダ… The Andromeda Strain」、「タイムライン Timeline」等々、ベストセラー娯楽SF小説を量産し、テレビドラマ「ER緊急救命室 ER」の原案・製作総指揮などを務めてきたヒットメイカー、マイケル・クライトン氏が2008年11月4日、ロサンゼ…
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夢はもうひとつの人生である…―「パンズ・ラビリンスPan's Labyrinth」

…だから少女は幻想の国で、永遠の幸せを探した。 「パンズ・ラビリンス Pan's Labyrinth」(2006年製作) 監督:ギレルモ・デル・トロ Guillermo del Toro 製作:アルフォンソ・キュアロン&ベルサ・ナヴァロ&ギレルモ・デル・トロ他。 脚本:ギレルモ・デル・トロ Guillermo del Tor…
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第74回ゴールデン・グローブ賞 2017 Golden Globe Awards TV

第74回ゴールデン・グローブ賞の授賞式が行われ、テレビ部門の受賞者及び受賞作品も発表されましたので、太字でハイライトしておきますね。 ハリウッド外国人映画記者協会 The Hollywood Foreign Press Associationが、2017年度のゴールデン・グローブ賞のノミネート作品を発表しました。映画部門とテレビ部…
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映画はインディペンデントなスピリットだぜ!

今や、やれインディ映画だの、メジャー映画だのと区別するのもバカバカしくなる程、昨今の映画界はインディ、メジャーの別なく混沌とした様相を呈しております。毎年開催される映画祭でも、むしろリスクを厭わぬインディ映画の中から面白くて優れた作品がたくさん登場する傾向が相変わらず強いですね。 さて。 大きな映画祭がいくつか終了し、オスカ…
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「ロマン・ポランスキーの吸血鬼 The Fearless Vampire Killers」

紆余曲折あった映画人生を歩むロマン・ポランスキー Roman Polanski監督。この小柄なポーランド人映画作家が手がける映画は独特の陰を持つ。それは、彼自身が戦時中に体験したユダヤ人排斥の辛い過去や、これからご紹介する作品にヒロイン役として起用した、かつての最愛の妻シャロン・テート Sharon Tateを異常な殺人事件で喪って…
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汝、引き篭もりて世界を見よ。

汝、引き篭もりて己が深淵を見つめるべし。 他者との“コミュニケート”の意義について非常に敏感になっている。それは、コミュニケートの手段は増えても、その内容が混迷を増すばかりだからだ。 家族内でのコミュニケート、ご近所さんの間でのコミュニケート、友達との間のコミュニケート、あるいは、働いておられる方なら職場でのコミュニケー…
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