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zoom RSS 「メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー Metallica Through The Never」追記完了!

<<   作成日時 : 2018/09/05 18:02  

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 0

第41回International Emmy Awards(国際エミー賞)でうちのショーン・ビーンが価値ある最優秀男優賞を獲得した時、私はといえば、IMAXシアターでこっそりヘドバンの真っ最中でありました(笑)。


“生きてるか?”
“生きてるってどんな感じだ?”


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「メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー Metallica Through The Never」(2013年製作)
監督:ニムロッド・アーントル
製作:シャーロット・ハギンズ
製作総指揮:ダグ・メリフィールド他。
脚本:ニムロッド・アーントル&ジェームズ・ヘットフィールド&ラーズ・ウルリッヒ&カーク・ハメット&ロバート・トゥルージロ
撮影:ギュラ・パドス
プロダクションデザイン:ヘレン・ジャーヴィス
衣装デザイン:カーラ・ヘットランド
編集:ジョー・ハッシング
音楽:メタリカ
音楽プロデューサー:グレッグ・フィデルマン
出演:デイン・デハーン(トリップ)
ジェームズ・ヘットフィールド(メタリカ)
ラーズ・ウルリッヒ(メタリカ)
カーク・ハメット(メタリカ)
ロバート・トゥルージロ(メタリカ)他。

現在のHR/HM界で最も有名なバンドの一つ、メタリカのライブが行われることになった。まだ客の入っていない会場では、たくさんの機材と大掛かりな舞台装置を準備中のスタッフが右往左往している。その中にメタリカのメンバーの姿も見える。スケボーで会場に到着した青年トリップは、彼らの熱狂的なファンだったが、それが高じて遂にローディーにまでなった。まだ下っ端ゆえ、メンバーの姿も遠巻きに、あるいは通路ですれ違いざまに見ることしかできないのだが。

チケットはとっくの昔にソールドアウトになっていた今日のライブ。会場には続々とメタリカ・ファンが詰めかけ始めた。360度の方向に開けている楕円形のステージを中心に、放射線状に広がる客席が、メタリカのTシャツを着込んだ若者や、体中にピアスした男女、古参のファンらしき輩達などであっという間に埋まっていく。

長身にさっぱりと刈上げた金髪、皮のベスト、タイト・ジーンズがトレードマークのフロントマン、ジェームズ・ヘットフィールドがオーディエンスを煽りながらステージに登場した。小柄な身体に秘められたパワーで、メタリカの音楽の重心を守るドラムのラーズ・ウルリッヒ、ラーズとともに黙々と重低音リズムを刻み続ける鋼鉄製ベース・マシーン、ロバート・トゥルージロ。クールに容赦なくリフを切り刻むジェームズとは対照的な、メロディアスでエモーショナルなギタープレイでメタリカの音に多彩さを付加するギタリスト、カーク・ハメット。たった4人だけで演奏されるメタリカの音は、しかし世界一の重さと速さとハードさで、他者の追随を許さない。オープニングの楽曲から、おとなしく客席に座っているオーディエンスなど一人もいない。会場に出てきてしまったトリップも、彼らと一緒になって拳を突き上げた。
唸りをあげるような歓声の中で、会場はヒートアップし始める。お楽しみはこれからだ。…だがそこへ、トリップを雇ってくれたスタッフが、彼を探しに走ってきた。仕事だ。

トリップは不貞腐れるものの、ローディーである以上、給料分は働かねばならない。なんでも、メンバーたちがどのツアー先にも大切に持ち歩いているカバンを運んでいたトラックが、会場に来る途中でガス欠になり、立ち往生しているらしい。トリップの仕事は、ライブが終わるまでにそのトラックを見つけ、給油するなり何なりして、とにかくそのカバンをメンバーの元に届けることだった。トリップは、会場周辺の地図と給油用のガソリンを持たされ、自分のおんぼろバンに乗り込んだ。こうなったら仕方がない。ハイになれるクスリを1錠口に放り込んだ彼は、“マスター・オブ・パペット”人形を相棒に、夜の街に走り出した。

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巨大なライブ会場をソールドアウトに出来るビッグ・バンドでありながら、メタリカのライブはオーディエンスとの間の距離が小さく、アットホームな雰囲気すら感じるのが特徴だ。ファンは皆メタリカのアルバムを聴き込んでいて演奏される楽曲は全部歌えるので(笑)、ライブではいきおい、メタリカの名曲の合唱状態になる。メタリカの名曲は、多くがハードでエッジの効いたパワフルなナンバーで、オーディエンスはジェームズと一緒に死や暴力、孤独、怒り、絶望、狂気を綴った暗黒の歌詞世界に埋没していく。

一方、バンドの宝物であるというカバンを求めて夜の街を彷徨うトリップ。繁華街にはなぜか人気がなく、ボンヤリしていたトリップは赤信号をうっかり見落としそうになる。慌ててブレーキを踏んでことなきを得たが、その直後、何かに追われるように暴走してきた車に追突されてしまった。トリップの頭の中でメタリカのナンバーが走馬灯のようによぎる。バンは横転して大破したが、トリップ自身は何とか無事であった。相手の車も乗っていた運転手もボロボロになっていたが、彼はトリップの呼びかけに応じず、怯えた形相で慌てて走り去って行く。訳が分からないトリップは、予備のガソリンと相棒の人形と地図を手に持って歩き始めた。メタリカのナンバーの歌詞そのままの、信じ難い地獄絵図が彼の行く先に待っているとも知らず。



〜以下、ストーリーのネタバレを含む記述がございます。閲覧はご自身の責任においてなさってください。〜

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ライブ演奏を録画した映像作品というのは、まあ昔から数多くあったわけですが、メタリカはおそらく、HR/HM界の中でも早くから映像という表現方法に関心を寄せ、音楽と映像の融合を試みていたバンドだったと思います。彼らが最も脂の乗っていた80年代後期から90年代初期にかけて、HR/HMがもてはやされていた時代に、MTVの盛り上がりと時を同じくして、楽曲を宣伝するための単なるプロモーションビデオとは一線を画した、音と映像を融合させた新しい作品作りに積極的に取り組んでいました。この懐かしき我が青春時代に(笑)、私が一番心血を注いでいたバンド、クィーンズライチもそうですが、ことHR/HM系の楽曲は、歌詞に一連の物語性が色濃く備わっているものが多いのです。そこで、HR/HM系のバンドの多くは、ストーリー性の強いPVをよく制作していましたね。

メタリカの場合は、ソングライティングの要であり、社会性が高く、シリアスでシビアな歌詞を書いてきたジェームズや、常に好奇心いっぱいのドラム担当ラーズが、新しい映像表現に挑戦するチャンスを窺っていたようです。この「メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー」制作の裏話などに興味のある方は、公式サイト掲載のインタビュー映像や関連ニュースを読んでみてください。

「アーマード 武装地帯」や「プレデターズ」という、B級オタ精神丸出しながら小気味良いアクション映画で知られるニムロッド・アーントル監督は、限られた予算内で効率よく、またテンポよくアクション・シーンを撮ることに長けたアイデアマン。潤沢な予算をかけてゴージャスな大作を作るというタイプの監督さんではなさそうですが、夢と現を危うく彷徨うような、メタリカ独特の陰鬱な歌詞世界と、聴く者を少し突き放すイメージのクールなへヴィネスをひとつの“物語”として表現するのなら、アーントル監督の手際のよさが最適だったのかもしれません。

まあ確かに、熱心なメタル・ファンの中には、せっかくのメタリカのライブ映像なのに、トリップの物語が途中で度々挿入されるので、ライブの興奮がそこで分断されてしまうと不満に思うむきもあるでしょう。純粋にバンドの演奏のみに耽溺したい人には、ちょっぴり不向きな作品かもしれません。しかしながら、メタリカが表現しようとする世界観は、音のみの領域に留まっていられるような柔ではないのも確かです。そこを飛び出して、異なる領域までも侵食していくリアリティと毒っ気に満ちているのがメタリカの真骨頂だと思いますよ。だからこそ、彼らは常に新しいものにチャレンジできるのだろうし、進化し続けられるのでしょう。たとえ、昔からのファンが彼らの変化についていけなくなったとしても。
ですから、私自身は、ドラマ部分とライブ映像が何の接点も持たないまま並行して進むのではなく、度々相互に作用しあってそれぞれの世界観が脅かされるという流れは刺激的だと感じました。

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バンドは、この作品のためだけに行われたライブのため、観客を実際に会場に入れたド派手な演出のライブを敢行。その模様を計24台のカメラで360度あらゆる角度から撮影し、バンドのローディーである青年トリップが夜の街の中で遭遇する世紀末的地獄絵図を同時進行で描くという筋書きです。トリップ役を演じるのは、「クロニクル」や「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」など出演作品が目白押しの若手俳優デイン・デハーンとあって、トリップがメインとなるドラマのパートも、やはり単なるプロモーション・ビデオを超えた引力があったと思いますよ。
デイン君は、そこに突っ立ってるだけで周囲を圧倒するような、存在感確かな俳優さんですね。偶然勃発した暴動に巻き込まれ、とんでもない目に遭ってしまうトリップの恐怖と生還への執念が、それはもう見事に表現されていましたよ。彼の活躍する世界とメタリカのライブを交錯させ、融合させる今作の試みが実現したのは、ひとえにデイン君のカリスマ性と演技のおかげだったと思います。

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面白いと感じたのは、このトリップの災難譚が、バンドが会場で演奏する楽曲の内容と呼応している点です。バンドの演奏に従って、その楽曲の歌詞が描いている世界が、トリップの物語に直接反映されていくわけですね。ジェームズの書く歌詞は、暴動や戦争など、争いが絶えない社会への鋭い批判、そんな社会の病根を結果的に支えることになっている人間の狂気、怒り、絶望、死といったネガティヴな感情を、 赤裸々に描くもの。従って、トリップの遭遇する出来事も、あのロス暴動の狂気を思い起こさせ、陰惨を極めます。

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ところが、血に飢えた暴徒と化す人々の狂気の具現化、スチームパンク風の馬上の騎士に因縁をつけられたトリップは、その死神と対決をせざるを得なくなりました。バンドのカバンを探すため、それまでは暴力から散々逃げ回っていたトリップは、目的のものを見つけて実際に中を見た結果、腹を括ります。メタリカのナンバーにあるように、“覚悟を決めた”トリップが反撃に転じ始めると、今度は逆に、会場で行われているバンドのライブが彼の行動の影響を受けるようになるのですね。

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ライブ序盤では、楽曲の世界観にトリップの行動が支配されていましたが、彼が自分の意思を持って“メタリカの世界”から脱出すると、逆にライブステージの方のご大層な“作り物”の世界が崩されてしまい、バンドの演奏も、最後には楽器とアンプだけというライブの基本に立ち戻ることを強いられます。メタリカが支配するライブの世界と、トリップの生きる世界の力関係が、次第に逆転してゆく構図には思わずニヤリ。そりゃそうだ、やっぱりライブは、楽器とアンプのみで行うという基本が一番良いに決まっている。そして、人生にどんな苦難があろうとも、自分自身が生きている限り、腹さえ括れば厳しい状況を打破できる可能性だってある。映画を観ることもそうですが、ライブに足を運び、ほんのひととき現実の憂さから逃れるのは、あくまでも一時的な避難措置に過ぎません。立ち止まって少し休んだら、再び前に進まなくては。現実から逃げるために、映画や音楽の作る幻想世界に埋没し続けていてはアカンよな?そんなことをつくづく感じましたね。

…それにしても。

ライブが終わり、会場から人っ子一人いなくなってから、再びバンドのもとに戻ってきたトリップは、一体何を見たのでしょう。…バンドがいつも公演先に持っていく程大切にしている“カバン”に何が入っていたのかは、結局明かされず終い。これについては色々な解釈ができそうですが、メタリカの歩んできた悲喜こもごものドラマチックな道のりを踏まえると、このカバンには、バンドが始動し始めた頃の、まだまだ売れる前の下積みの頃の各メンバーの思い出が詰まっていたんじゃないのかという気もしますね。

…初期の頃のメンバーだったデイヴ・ムステイン(現メガデス)との確執、旧メンバーだったベーシスト、クリフ・バートンの衝撃的な事故死など、メタリカにもいろんなことがありましたものね…。

戦いを終え、一回り大人びて戻ってきたトリップ。大好きなメタリカのライブは見られませんでしたが、彼にはそれ以上に得るものの大きかった体験だったとも考えられますね。


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さて。懐かしい我が青春の思い出を飾るメタリカのライブ映像を久しぶりに観たわたくしめ、遠い昔に封印したはずのメタル魂に再び火が点きましたですよ(笑)。

今回、IMAXの3Dで観賞したのですが、そこはそれ、やはり映画館内ですから、なんぼ観客が数えるほどしかいなかったとしても、リズムに合わせて立ち上がったりヘドバンしたり客席にダイブしたりしてはいけません(笑)。

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スクリーンの向こう側からジェームズが盛んに我らを煽っていても、それに応えることができません!!!フラストレーションがめちゃくそ溜まるので、自分が座ってる席がVIP席で客がいないのを良いことに、その場ヘドバンしておりました(笑)。

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足でザクザクズガズガとリズムをとるわたくし(笑)。一応ご注意申し上げますが、良い子の皆さんは、他の映画では決して真似しちゃダメですよ。怒られます。

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しっかし、メンバー全員もう50歳になろうかというのに(2003年にバンドに加入したロバート・トゥルージロは辛うじてまだ40代w)、皆若いよなあ。まあ、ジェームズは若い頃からおっさんみたいな容貌だったので(ファンの方々ごめんちゃい)、ホンマもんのおっさんになった今では、一度も出っ張ったことのないスリムな腹筋、黒ジーンズ&黒Tシャツが映えまくる長い手足が目立つようになり、かえって若々しく見えるほど。昔、ライブで生ジェームズを見ましたが、彼は変わんないよ、ほんと。格好良いわ。

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バンドのスポークスマンでいつもエネルギッシュなラーズ。この人は昔から童顔でして(爆)、童顔はそのままに年をとって、めっさキュートなおっちゃんになった印象です。この人の外面的な雰囲気からは予想も出来ない、重くてパワフルなドラミングは健在でした。個人的にラーズのドラミングを“ラーズ暴れ太鼓”と呼んでいるのですが、この作品で至近距離から暴れ太鼓っぷりが見られて幸せです。

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ジョー・サトリアーニの愛弟子だったカーク・ハメットの、エモーショナルなギターソロも健在だったわ〜。嬉しい〜。昔から密かにファンだったわたくしめ、エンドクレジットで、彼のWhite Zombieギターが大写しになったのに狂喜いたしましたです、はい(笑)。
それから、お詳しい方に質問ですが、この方も確かに50歳代であるのに、大昔生で見たときからほとんど老けていないのはなぜなんですかっ?!?!カークのアンチエイジング振りは、既に常識を超えています。ぜひぜひその若さの秘訣をっわたくしにもっご教授願えませんかっ!!!!!

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スイサイダル・テンデンシーズのメンバーだったことは覚えているのですが、ロバートが加入してからのメタリカのライブを見たことがないので、彼がメタリカとして演奏している様子を今回はじめて見ました。

もうサイコーぢゃよ(涙笑)!!!!

他のメンバーと大して年齢変わんないのに、何なんだろう、“そうっすねっ先輩っ!自分もそう思いますですっ!”とアテレコしたくなる朴訥とした謙虚な佇まいは!
絶対良い人に決まってるよ、彼。あんな低い位置でベースを構える人、久しぶりに見たわ(涙笑)。ステージでのランニングシャツ&短パンスタイルってさ、確かに一時期音楽界を席巻したよなーと、これまた懐かしい感慨が湧きましたわ。

あー、楽しかったわー!


スルー・ザ・ネヴァー
ユニバーサル インターナショナル
2013-09-25
メタリカ

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