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zoom RSS 第74回ゴールデン・グローブ賞 2017 Golden Globe Awards Film

<<   作成日時 : 2016/12/16 14:12   >>

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第74回ゴールデン・グローブ賞受賞式が開催され、受賞者が発表されましたので、太字でハイライトしておきますね。

ハリウッド外国人映画記者協会 The Hollywood Foreign Press Associationが、2017年度のゴールデン・グローブ賞のノミネート作品を発表しました。映画部門とテレビ部門の双方で、今年、観客と視聴者に大きなインパクトを与えた作品が選ばれます。先日、テレビ部門のノミネートをおさらいしました。順番が前後しましたが、本日は映画部門のノミネートを見てみましょう。


第74回ゴールデン・グローブ賞ノミネート一覧 The Nominations for The 74th Golden Globe Awards

受賞者及び受賞作品は太字でハイライトしてあります。


映画部門 Film


【作品賞/ドラマ Motion picture, drama】

"Hacksaw Ridge"
"最後の追跡 Hell or High Water"
"マンチェスター・バイ・ザ・シー Manchester by the Sea"
"ムーンライト Moonlight"
"ライオン Lion"


【作品賞/ミュージカル、コメディ Motion picture, musical or comedy】

"20th Century Women"
"デッドプール Deadpool"
"マダム・フローレンス!夢見るふたり Florence Foster Jenkins"
"ラ・ラ・ランド La La Land"
"シング・ストリート 未来へのうた Sing Street"


【作品賞/アニメーション Motion picture, animated】

"ズートピア Zootopia"
"My Life as a Zucchini"
"モアナと伝説の海 Moana"
"シング Sing"
"Kubo and the Two Strings"


【作品賞/外国語映画 Motion picture, foreign language】

"Divines" (France)
"Elle" (France)
"Neruda" (Chile)
"The Salesman" (Iran)
"Toni Erdmann" (Germany)


【ドラマ映画主演女優賞 Actress in a motion picture, drama】

エイミー・アダムス Amy Adams in "メッセージ Arrival"
ジェシカ・チャステイン Jessica Chastain in "Miss Sloane"
イザベル・ユペール Isabelle Huppert in "Elle"
ルース・ネッガ Ruth Negga in "Loving"
ナタリー・ポートマン Natalie Portman in "Jackie"


【ドラマ映画主演男優賞 Actor in a motion picture, drama】

ケイシー・アフレック Casey Affleck in "マンチェスター・バイ・ザ・シー Manchester by the Sea"
ジョエル・エドガートン Joel Edgerton in "ラビング:Loving Loving"
アンドリュー・ガーフィールド Andrew Garfield in "Hacksaw Ridge"
ヴィゴ・モーテンセン Viggo Mortensen in "Captain Fantastic"
デンゼル・ワシントン Denzel Washington in "Fences"


【ミュージカル、コメディ映画主演女優賞 Actress in a motion picture, musical or comedy】

アネット・ベニング Annette Bening in "20th Century Women"
リリー・コリンズ Lily Collins in "Rules Don't Apply"
ヘイリー・スタインフェルド Hailee Steinfeld in "The Edge of Seventeen"
エマ・ストーン Emma Stone in "ラ・ラ・ランド La La Land"
メリル・ストリープ Meryl Streep in "マダム・フローレンス!夢見るふたり Florence Foster Jenkins"


【ミュージカル、コメディ映画主演男優賞 Actor in a motion picture, musical or comedy】

コリン・ファレル Colin Farrell in "ロブスター The Lobster"
ヒュー・グラント Hugh Grant in "マダム・フローレンス!夢見るふたり Florence Foster Jenkins"
ライアン・ゴズリング Ryan Gosling in "ラ・ラ・ランド La La Land"
ライアン・レイノルズ Ryan Reynolds in "デッドプール Deadpool"
ジョナ・ヒル Jonah Hill in "War Dogs"


【助演女優賞 Supporting actress in any motion picture】

ヴィオラ・デイビス Viola Davis in "Fences"
ナオミ・ハリス Naomie Harris in "Moonlight"
ニコール・キッドマン Nicole Kidman in "Lion"
オクタヴィア・スペンサー Octavia Spencer in "Hidden Figures"
ミシェル・ウィリアムス Michelle Williams in "Manchester by the Sea"


【助演男優賞 Supporting actor in any motion picture】

マハーシャラ・アリ Mahershala Ali in "Moonlight"
ジェフ・ブリッジス Jeff Bridges in "最後の追跡 Hell or High Water"
サイモン・ヘルバーグ Simon Helberg in "マダム・フローレンス!夢見るふたり Florence Foster Jenkins"
デヴ・パテル Dev Patel in "Lion"
アーロン・テイラー・ジョンソン Aaron Taylor Johnson in "Nocturnal Animals"


【映画部門監督賞 Director, motion picture】

デイミアン・チャゼル Damien Chazelle "ラ・ラ・ランド La La Land"
トム・フォード Tom Ford "Nocturnal Animals"
バリー・ジェンキンス Barry Jenkins "Moonlight"
メル・ギブソン Mel Gibson "Hacksaw Ridge"
ケネス・ロナーガン Kenneth Lonergan "Manchester by the Sea"


【脚本賞 Screenplay, motion picture】

ケネス・ロナーガン Kenneth Lonergan "Manchester by the Sea"
デイミアン・チャゼル Damien Chazelle "ラ・ラ・ランド La La Land"
トム・フォード Tom Ford "Nocturnal Animals"
バリー・ジェンキンス Barry Jenkins "Moonlight"
テイラー・シェリダン Taylor Sheridan "最後の追跡 Hell or High Water"


【オリジナル作曲賞 Original score, motion picture】

ジャスティン・ハーウィッツ Justin Hurwitz "ラ・ラ・ランド La La Land"
ヨハン・ヨハンセン Johann Johannsson "メッセージ Arrival"
ニコラス・ブリッテル Nicholas Britell "Moonlight"
ダスティン・オハローラン Dustin O'Halloran & ハウシュカ Hauschka "Lion"
ベンジャミン・ウォールフィッシュ Benjamin Wallfisch & ファレル・ウィリアムス Pharrell Williams & ハンス・ツィマー Hans Zimmer "Hidden Figures"


【オリジナル楽曲賞 Original song, motion picture】

"How Far I’ll Go" from "モアナと伝説の海 Moana"
"City of Stars" from "ラ・ラ・ランド La La Land"
"Can't Stop the Feeling" from "Trolls"
"Faith" from "Sing"
"Gold" from "Gold"


オスカーへの影響を鑑みつつ、ゴールデン・グローブ賞の選出作品にも注目が集まっていましたが、ノミネート一覧をザーッと見た感じでは、既にトレーラーが公開されているマーティン・スコセッシ Martin Scorsese 監督の「沈黙 Silence」とクリント・イーストウッド Clint Eastwood 監督の「ハドソン川の奇跡 Sully」がノミネートから締め出された格好になりました。この結果に不快感をもっている人も勿論たくさんおられるでしょうが、個人的にはこの2つの作品は賛否両論分かれると予想していましたので、仕方がない面もあるかなあ。ただ、私がもし作品賞候補を選ぶとすれば、『Hacksaw Ridge』を外して「沈黙 Silence」を入れます。“外国人映画記者協会 The Hollywood Foreign Press Association”が選出する賞ならば、その選択をして欲しかったとも思いますね。

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作品賞以外の部門における選出は、ゴールデン・グローブらしさが見られ、総じて良かったですよ。作品賞/ミュージカル、コメディ Motion picture, musical or comedy部門で、オスカーの主演女優賞候補になるかもしれないアネット・ベニングが主演する『20th Century Women』や、同じくオスカー常連のベテラン、メリル・ストリープの壮絶な歌唱(大笑)が忘れたいのに忘れられない「マダム・フローレンス!夢見るふたり Florence Foster Jenkins」、ダブリン発、現在30代から40代、果ては50代になっている“かつての洋楽ファン(笑)”を感涙にむせませたモダン・クラシック modern classic「シング・ストリート 未来へのうた Sing Street」、今年度のオスカー作品賞の本命とうたわれる「ラ・ラ・ランド La La Land」といった佳作に紛れ、何と我らがでっぷーちゃんことデッドプールの記念すべき単独作「デッドプール Deadpool」がこっそり選出されたことに、思わず笑みがこぼれました。しかも、主演のライアン・レイノルズは、“ミュージカル、コメディ映画主演男優賞 Actor in a motion picture, musical or comedy”にもノミネートされたし。毎年、その選出基準を巡って揉めるゴールデン・グローブ賞ですが、こういうファンキーなところは私は好きよ(笑)。個性的で面白いし。

ヴィゴ・モーテンセン Viggo Mortensenがインディペンデントのコメディ作品という不利な状況を跳ね返し、彼自身の素顔を彷彿とさせる『Captain Fantastic』で主演男優賞にノミネートされたのは嬉しかったなあ。こんなところにもゴールデン・グローブの柔軟さというか、あるいはファンキーさ(笑)が現れていて良いと思うのよ。

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それから、いささか気が早いのですが、オスカーの外国語映画賞 Motion picture, foreign languageをおそらく受賞するであろう作品を予言しておきます。ドイツの女流映画作家マーレン・アーデ Maren Ade監督の『Toni Erdmann』 (ドイツ Germany)です。これがオスカーを制すると思いますよ。

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しばらく前に「マダム・フローレンス!夢見るふたり Florence Foster Jenkins」を見に行ったのですが、ジャズとクラシック・ミュージックのメロディにのったスティーヴン・フリアーズ Stephen Frears監督の流麗な演出に心地よく感心すると同時に、メリル・ストリープ Meryl Streepの壮絶なド下手歌唱っぷりに、もう少しで死ぬところでありました(笑)。あれですよ、本来歌の上手い人が、わざと下手くそに歌うというのも、大変な技術が必要だということがよく分かりました(涙目)。メリルは、ゴールデン・グローブ賞でセシル・B・デミル賞 Cecil B. DeMille Awardを授与されますが、長年に渡って培われた高度な演技力をこんな風に変則的に駆使する技は、さすがは名女優だと感心せざるを得ません。

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ニューヨークの上流社会に属していた実在の人物フローレンス・フォスター・ジェンキンス Florence Foster Jenkinsの伝記映画です。このお方、莫大な財産を父親から受け継いだお金持ちで、一度目に結婚した夫は梅毒で死去、病をうつされてしまった彼女は後遺症と戦いながら、二人目の夫シンクレア・ベイフィールドをマネージャー役に、ソプラノ歌手になる夢を追っていました。彼女は戦時中の苦しい時にもニューヨークの音楽界が廃れないよう、積極的に保護活動を行うなど、ニューヨークの文化面に大きく貢献した人物であったのですが、いかんせん、彼女自身に歌手の才能がこれっぽっちも無いことに気付いてはいませんでした(笑)。夫のシンクレア自身、才能に恵まれたとは言い難い売れない俳優だったため、せめて妻にだけは夢を見続けさせようと、金をばらまいてマスコミを買収し、近しい友人や信奉者だけを集めて小さなリサイタルを開催していたんですね。新しい伴奏者として雇われた、これまた売れないピアニスト、コズメ・マクムーンを得たフローレンスは、シンクレアが愛人と週末旅行に出かけた間に、コズメを引きずってレコードを録音しにスタジオに突撃。この自家版のレコードはフローレンスの知り合いたちにプレゼントとして無理矢理配られましたが、ある日、これがラジオでかかってしまい、爆笑と共にリスナーに受け入れられちゃったわけです。評判を聞きつけたカーネギーホール支配人は、目の前で大金を積まれたこともあり、フローレンスのソロ・リサイタルをカーネギーホールで開催することに同意。かくして、旅行から戻ったシンクレアが慌てて事態の収拾に走り出す前に、フローレンスの身の程を無視したカーネギーホール・ソロリサイタルは決定事項となってしまったのです。さあ、一世一代のピンチ晴れ舞台が目の前に迫ってまいりました。フローレンスのリサイタルはどうなってしまうのか?

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才能ゼロのソプラノ歌手、売れない無名のピアニスト、そして元大根役者。この3名は言ってみれば同じ穴の狢であったわけで、それでも夢だけはでっかく持ち続けたい、いつの日か夢を実現させたいと願い続けていました。ある意味、“その他大勢”の凡人、一般ピープルである私たちと同じ側の人たちなんですね。ええ、映画中盤までは確かに、金だけは持っているフローレンスが、無邪気に金と迷惑を周囲にばら撒きつつ、がに股でドスドスと夢を追っていく姿に、苦笑を禁じ得ません。おまけに、フローレンスが金切り声を張り上げて調子っぱずれに歌うシーンときたら、これは観客の聴覚に対するテロ行為と呼んで良いと思う(涙笑)。
フローレンス本人に全く悪意がないので、彼女の周囲の人間も観客も、息も絶え絶えに溜息をつくしかないのですが、映画がクライマックスを迎える頃になると、私ら観客もフローレンスの心情にすっかり入れ込んでしまっているんですよ。今や伝説となった、フローレンスのカーネギーホール爆笑ソロ・リサイタルのシーンでは、私らもすっかりフローレンス応援団になってしまっているんですよ(笑)。フローレンスという人は、こんな人が実際に近くにいたら振り回されて大変な思いをするだろうことは分かり切っているけれど、それでも憎めない不思議な魅力の持ち主ですね。あまりに素直な性格、自分の才能と愛する夫、音楽を愛する気持ち、そして自分の夢を信じて全く疑わない強さ。私なんざ、彼女のその思い切り良い生き様を羨ましいとすら思いました。
スティーヴン・フリアーズ Stephen Frears監督らしく、理想を追い続ける同志カップルであるフローレンスとシンクレア夫妻の関係と、シンクレアとその愛人キャサリンの関係を対比させ、人の“愛の形”についてのほろ苦くもいとおしい考察を示し、アレクサンドル・デスプラ Alexandre Desplatの軽快且つ粋なスコアと一体化した演出で、ラストまで一挙に魅せます。さすがはベテランでございますなあ。まあ、オスカーの作品賞にノミネートされるような作品ではないことは分かっていますけど、ギミックたっぷりの遊園地型大作映画、見ているうちに鬱を発症しそうなシリアスな作品に疲れたら、こんな“大人のためのファンタジー映画”で神経を休めるのも良いかもしれませんねえ。

本当はクセのない澄んだ高音で見事に歌うメリル・ストリープの、聴覚破壊歌唱演技はいろいろな意味で凄かったですし(笑)、もう見るからに黒子人生を歩んでいそうな、伴奏者コズメ役のサイモン・ヘルバーク Simon Helbergの演技も繊細で良かったわあ(助演男優賞 Supporting actor in any motion pictureに見事ノミネート!)。そして、この小品の一番の収穫はお懐かしや、ヒュー・グラント Hugh Grantのダメ男演技ですね。これでこそヒュー・グラント Hugh Grant、ヒュー・グラント Hugh Grantの十八番、キャリアの浮き沈みを乗り越えてきたヒュー・グラント Hugh Grantの集大成的な演技で、本当に素晴らしかったですよ。ミュージカル、コメディ映画主演男優賞 Actor in a motion picture, musical or comedyにノミネートされて良かった、良かった。フリアーズ監督に出演した俳優陣は皆さん、素晴らしい仕事をしてくれますよね。

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「マダム・フローレンス!夢見るふたり Florence Foster Jenkins」(2016年)
監督:スティーブン・フリアーズ Stephen Frears
製作:マイケル・カーン、トレイシー・シーウォード
製作総指揮:キャメロン・マクラッケン他。
脚本:ニコラス・マーティン
撮影:ダニー・コーエン
美術:アラン・マクドナルド
衣装:コンソラータ・ボイル
編集:バレリオ・ボネッリ
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:メリル・ストリープ Meryl Streep(フローレンス・フォスター・ジェンキンス)
ヒュー・グラント Hugh Grant(シンクレア・ベイフィールド)
サイモン・ヘルバーク Simon Helberg(コズメ・マクムーン)
レベッカ・ファーガソン(キャサリン)他。

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フローレンスの人生に興味を持たれたら、これを読んでみてもいいかも。“騒音の歌姫”とは言い得て妙(笑)。ニューヨーク・ポスト紙の記者は、カーネギーホールでのフローレンスのパフォーマンスを指し、“史上最低の歌姫”と書いて憚りませんでした。

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