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zoom RSS 英国インディペンデント映画賞British Independent Film Awards 2015

<<   作成日時 : 2015/11/05 13:52   >>

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2015年度英国インディペンデント映画賞 Moet British Independent Film Awards (略してMBIFAs)のノミネート作品が発表されました。

先にコンペ部門受賞者の発表が終了した第59回BFIロンドン映画祭 BFI London Film Festivalでは、ギリシャ出身のAthina Rachel Tsangari監督作『Chevalier』に作品賞が与えられ、映画界での女性クリエイターの活躍を求める時代の要請に応えた格好になりました。“メジャー作品”“インディ作品”の間の境界線がますます曖昧になる昨今、著名な映画祭、映画賞で候補に挙げられる作品はメジャーもインディもごちゃまぜの状態で、両者を隔てる差が何なのか分からなくなっています。また、英語圏以外の国から発信される作品群にも大きな注目が集まっていますので、さらに今後は、“外国語映画”と“英語映画”の区別も曖昧になっていくことでしょう。

そんな中、アメリカでも英国でも、あくまでもインディペンデント映画だけを対象とした映画賞の候補になった作品、映画人には、今まで以上の関心が払われるようになったと思っています。インディ界で高く評価され、その後メジャー会社の作品に抜擢されるというパターンが随分増えましたものね。それに、メジャー、インディ関係なく、良い企画を求める映画人は多いですから、両者の間の行き来が増すことによって、自然と両者間の垣根もなくなっていくでしょう。

今年の英国インディペンデント映画賞 MBIFAsにノミネートされた映画人の中にはフレッシュな顔ぶれもみえます。この中からどれだけの人たちがメジャー、インディ問わず、今後も末永く活躍することになるのか楽しみですね。英国インディペンデント映画賞 MBIFAsの受賞作品、受賞者は、12月6日にロンドンのOld Billingsgateでの受賞式で発表されます。


British Independent Film Awards 2015: the nominations in full (ノミネート一覧はBFI Homepageの記事を参照させていただきました)


最優秀英国インディペンデント作品賞 Best British independent film

'45 YEARS' (プロデューサー) Tristan Goligher, Andrew Haigh
'AMY' (プロデューサー) James Gay-Rees, Asif Kapadia
'EX MACHINA' (プロデューサー) Andrew Macdonald, Allon Reich, Alex Garland
'THE LOBSTER' (プロデューサー) Ceci Dempsey, Ed Guiney, Lee Magiday, Efthymis Filippou, Yorgos Lanthimos
'MACBETH' (プロデューサー) Iain Canning, Emile Sherman, Laura Hastings-Smith, Todd Louiso, Jacob Koskoff, Michael Lesslie, Justin Kurzel


最優秀監督賞 Best director

'45 YEARS' アンドリュー・ヘイ Andrew Haigh
'AMY' アジフ・カパディア Asif Kapadia
'EX MACHINA' アレックス・ガーランド Alex Garland
'THE LOBSTER' ヨルゴス・ランティモス Yorgos Lanthimos
'MACBETH' ジャスティン・カーゼル Justin Kurzel


最優秀女優賞 Best actress

マリオン・コティヤール MARION COTILLARD 'Macbeth'
ケアリー・マリガン CAREY MULLIGAN 'Suffragette'
シャーロット・ランプリング CHARLOTTE RAMPLING '45 Years'
シアーシャ・ローナン SAOIRSE RONAN 'Brooklyn'
アリシア・ヴィカンダー ALICIA VIKANDER 'The Danish Girl'


最優秀男優賞 Best actor

トム・コートネイ TOM COURTENAY '45 Years'
コリン・ファレル COLIN FARRELL 'The Lobster'
マイケル・ファスベンダー MICHAEL FASSBENDER 'Macbeth'
トム・ハーディ TOM HARDY 'Legend'
トム・ヒドルストン TOM HIDDLESTON 'High-Rise'


最優秀助演女優賞 Best supporting actress

ヘレナ・ボナム・カーター HELENA BONHAM CARTER 'Suffragette'
オリヴィア・コールマン OLIVIA COLMAN 'The Lobster'
アンヌ・マリー=ダフ ANNE-MARIE DUFF 'Suffragette'
シエナ・ミラー SIENNA MILLER 'High-Rise'
ジュリー・ウォルタース JULIE WALTERS 'Brooklyn'


最優秀助演男優賞 Best supporting actor

ルーク・エヴァンス LUKE EVANS 'High-Rise'
ブレンダン・グリーソン BRENDAN GLEESON 'Suffragette'
ドーナル・グリーソン DOMHNALL GLEESON 'Brooklyn'
ショーン・ハリス SEAN HARRIS 'Macbeth'
ベン・ウィショー BEN WHISHAW 'The Lobster'


期待の新人賞 Most promising newcomer

アギネス・ディーン AGYNESS DEYN 'Sunset Song'
ミア・ゴス MIA GOTH 'The Survivalist'
アビゲイル・ハーディンガム ABIGAIL HARDINGHAM 'Nina Forever'
ミロ・パーカー MILO PARKER 'Mr Holmes'
ベル・ポーリー BEL POWLEY 'A Royal Night Out'


最優秀脚本賞 Best screenplay

'45 YEARS' アンドリュー・ヘイ Andrew Haigh
'BROOKLYN' ニック・ホーンビィ Nick Hornby
'EX MACHINA' アレックス・ガーランド Alex Garland
'HIGH-RISE' エイミー・ジャンプ Amy Jump
'THE LOBSTER' ヨルゴス・ランティモス Yorgos Lanthimos, Efthymis Filippou


ダグラス・ヒコックス賞(最優秀新人監督賞) The Douglas Hickox Award (best debut director)

'THE HALLOW' Corin Hardy
'KAJAKI: THE TRUE STORY' Paul Katis
'NINA FOREVER' Chris & Ben Blaine
'SLOW WEST' John Maclean
'THE SURVIVALIST' Stephen Fingleton


ディスカバリー賞 The Discovery Award

'AAAAAAAAH!' (プロデューサー) Andrew Starke, Steve Oram
'BURN BURN BURN' (プロデューサー) Daniel-Konrad Cooper, Tim Phillips, Charlie Covell, Chanya Button
'ORION: THE MAN WHO WOULD BE KING' (プロデューサー) Jeanie Finlay
'THE RETURN' (プロデューサー) Oliver Nias
'WINTER' (プロデューサー) Tilly Wood, Paula Crickard, Heidi Greensmith


最優秀ドキュメンタリー賞 Best documentary

'AMY' (プロデューサー) James Gay-Rees, Asif Kapadia
'DARK HORSE: THE INCREDIBLE TRUE STORY OF DREAM ALLIANCE' (プロデューサー) Judith Dawson, Louise Osmond
'HOW TO CHANGE THE WORLD' (プロデューサー) Bous De Jong, Al Morrow, Jerry Rothwell
'PALIO' (プロデューサー) James Gay-Rees, John Hunt, Cosima Spender
'A SYRIAN LOVE STORY' (プロデューサー) Elhum Shakerifar, Sean McAllister


今年のプロデューサー賞 Producer of the year

TRISTAN GOLIGHER '45 Years'
JAMES GAY-REES 'Amy'
PAUL KATIS, ANDREW DE LOTBINIERE 'Kajaki: The True Story'
CECI DEMPSEY, ED GUINEY, YORGOS LANTHIMOS, LEE MAGIDAY 'The Lobster'
DAVID A HUGHES, DAVID MOORES 'The Violators'


Outstanding achievement in craft

ADAM ARKAPAW(撮影監督) Cinematography in 'Macbeth'
MARK DIGBY(プロダクション・デザイン) Production Design in 'Ex Machina'
CHRIS KING(編集) Editing in 'Amy'
FIONA WEIR(キャスティング) Casting in 'Brooklyn'
ANDREW WHITEHURST(特殊効果) Visual Effects in 'Ex Machina'


最優秀英国短編映画賞 Best British short film

'BALCONY' (プロデューサー) Tom Kimberly, Ali Mansuri, Toby Fell-Holden
'CRACK' (プロデューサー) Joseph Taussig, Peter King
'EDMOND' (プロデューサー) Emilie Jouffroy, Nina Gantz
'LOVE IS BLIND' (プロデューサー) Lizzie Brown, Dan Hodgson
'MANoMAN' (プロデューサー) Kamilla Kristiane Hodol, Simon Cartwright


最優秀インターナショナル・インディペンデント映画賞 Best international independent film

'CAROL' (プロデューサー) Elizabeth Karlsen, Stephen Woolley, Christine Vachon, Phyllis Nagy, Todd Haynes
'FORCE MAJEURE' (プロデューサー) Erik Hemmendorff, Marie Kjellson, Philippe Bober, Ruben Ostlund
'GIRLHOOD' (プロデューサー) Benedicte Couvreur, Celine Sciamma
'ROOM' (プロデューサー) Ed Guiney, David Gross, Emma Donoghue, Lenny Abrahamson
'SON OF SAUL' (プロデューサー) Gabor Sipos, Gabor Rajna, Cara Royer, Laszlo Nemes


●リンクを貼っている作品は全て、以前に書かれたこのブログ内の記事です。興味のある方はご笑覧ください。


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今年のカンヌでもトロントでも、およそ世界中の著名な映画祭で話題を掻っ攫っていた、近未来デストピア的憂鬱コメディ(笑)『The Lobster』と、今年の映画市場に出されたもう一つのファス男主演作品『Macbeth』が多くの部門でノミネートを勝ち取っています。

コリン・ファレルが、イマイチ自信に欠けてて頼りなくて孤独な男を、雨の日に捨てられた子犬のような佇まいで(笑)好演している『The Lobster』の方は、日本でも近々劇場公開される予定であるそうです(日にちは未定)。この奇想天外な発想の近未来物語は、コリン・ファレルにとっても久々にヒットをかっ飛ばした感のある作品になりそうです。

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んが。ファス男があのマクベスをどのように解釈し、どのように体現するのか非常に興味深い、ワインスタイン・カンパニー配給の『Macbeth』の日本公開は一体どうなるんでしょうね。以前ちらっとみかけた噂話では、ワインスタイン・カンパニーから優秀な人材が抜け、カンパニー自体の経営の先行きが不透明になっているかもしれないとかで、嫌な予感がしますよ。言われてみれば、昨年度の「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 The Imitation Game」の宣伝活動はド派手にやっていたのに、今年の『Macbeth』については、宣活をやってるのかやってないのか分からないほど静かですもんね。各映画祭に出品はされていましたが。

そして、ファス男については、実はもう一つ不安材料がありましてねえ。彼の期待の新作のはずの(苦笑)『Steve Jobs』が、ダニー・ボイル監督、アーロン・ソーキン脚本、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン助演など、大変豪華な布陣で、且つ評論家からも大きな賛辞を贈られていたにもかかわらず、限定公開から全米拡大公開に移行した途端興行成績が奮わなくなってしまいました。限定公開のときにはチケットの売り上げも上々で、ユニバーサル(配給)はBox Officeでも良い成績を遺してくれることを期待していたでしょうけどね。少なくとも、興行成績に関しては、『Steve Jobs』は尻すぼみの結果に終わりそうです。

まあしかし、だからといって作品自体の質まで下がるわけじゃありませんからね。Box Officeの数字だけ見て、やれ成功しただの失敗しただのギャーギャー囃し立てるリアクションを、世界中の有名映画サイトさんたちには、そろそろやめていただきたいもんですな、本当に。3歳のお子ちゃまが、お菓子買ってくれって駄々こねてるんじゃないのですからさ(笑)。私自身は、ここへきての『Steve Jobs』バッシングは、作品への事前の期待値があまりに高すぎたことへの反動と、評論家からの評価が大変高かったことへのやっかみ、そして、限定公開から全米拡大公開に移行するタイミングを、ユニバーサルが間違えたことが原因だと思っていますよ。あと、昨年度の「6才のボクが、大人になるまで。 Boyhood」への手のひらを返したような悪質なバッシングの恐怖を思い出します。怖い。
映画でも本でも音楽でも絵でもなんでもそうですが、外野からの喧しい騒音をシャットアウトして、作品のみに集中し、その仕上がりがどうか、自分自身が見ていて共鳴できるかどうかなど、作品と一対一の対話をする静寂と時間が欲しいと切実に願いますね。

えーと(笑)。

日頃溜めに溜めていた鬱憤を、思わず爆発させてしまいました。ごめんなさい。英国インディペンデント映画賞British Independent Film Awards 2015に戻りましょう。

…てなわけで(笑)、英国のインディ界では、ファス男はマクベスで勝負するっちゅうことですな。兎に角早いとこ日本でも公開してくれ、頼むから。

『45 Years』も複数部門で候補に挙がっていて嬉しいですね。ピチピチした少年少女も、ケツの青い若造や乳臭い娘さんも出てこない、真の意味での上質なドラマ作品をもっと見たい。社会全体は自然と高齢化していくのですから、映画を見る観客層だって、年を追うごとに年齢が高くなるはず。中高年層からの需要は案外多いのではないかと思いますよ。

今年のノミネート一覧を見ていて面白いと感じたのは、主演男優賞、主演女優賞ともども、若い年齢層の俳優さん達が多くノミネートされていることですね。社会は高齢化していく一方ですが、エンターテイメント業界は活性化のためにも、若い映画人、ベテラン映画人にバランス良く活躍の場が与えられて欲しいですね。

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(ブレンダン・パパ)
また、助演男優賞 Best supporting actorでは、ブレンダン・グリーソン BRENDAN GLEESONが、女性の参政権のために戦った女性の半生を描くケアリー・マリガン主演ドラマ作品'Suffragette'で、その息子さんであるドーナル・グリーソン DOMHNALL GLEESONが、こちらも若い女性が自立する姿を追うシアーシャ・ローナン主演のドラマ作品'Brooklyn'で、それぞれノミネートされており、なんという偶然なのでしょうね。

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(ドーナル・息子)
今のエンタメ業界を巡る空気を反映した作品を、親子で活躍目覚しい俳優2人が揃って縁の下からさりげなくサポートしているようにも見え、微笑ましいですね。

それから、お膝元の英国内でも劇場公開が来年の春になったらしい、J・G・バラード原作小説を映画化した『High-Rise』が、主演男優賞部門 Best actor(トム・ヒドルストン Tom Hiddleston)、助演女優賞部門 Best supporting actress(シエナ・ミラー Sienna Miller)、助演男優賞部門 Best supporting actor(ルーク・エヴァンス Luke Evans)、脚本賞部門 Best screenplay(エイミー・ジャンプ Amy Jump)の計4部門でノミネートされたのは本当に嬉しいです。原作の内容がかなりハードなだけに(簡単なご紹介は当ブログ内のこの記事でご確認あれ)、レイティングも当然高くなり、作品を上映してくれる映画館数を確保し辛くなるでしょう。そういったジレンマを解消するためには、映画賞にノミネートされたりして批評的価値を上げることが有効です。しかしまあ、同じバラード原作の映画「クラッシュ Crash」(デヴィッド・クローネンバーグ監督)はここ日本でも無事公開されました。リスクが高い内容であることを承知で、映画化に踏み切った製作陣の苦労が水の泡にならないよう、出来る限り多くの国で劇場公開されることを祈っております。映画は1人でも多くの観客の目に触れて初めて、存在意義を持つのですから。

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早逝した歌手エイミー・ワインハウスの知られざる素顔、彼女に苦悩をもたらした音楽業界の裏側を、豊富な映像資料で明らかにしたドキュメンタリー映画『Amy』が、純然たるドキュメンタリー作品でありながら作品賞 Best British independent film部門や監督賞 Best director部門など、幅広い部門でノミネートを受けました。このことは、今作に対する英国エンタメ業界からの期待の大きさを物語っているような気がしますね。映画界の中でドキュメンタリー映画が占める重要性の割合が、最近ますます高まっています。かくいう私自身も、下手っぴな長編商業映画を見せられるより、上手く作られたドキュメンタリー映画の方がよっぽど面白いと感じる機会が増えてきました。そのおかげで…と言ってしまっていいのかどうか(笑)、過去に製作されたものの陽の目を見なかった優れたドキュメンタリー映画が、最近になって公開される嬉しい現象も目に付きます。その現象自体は歓迎すべきことですが、逆に、オリジナルなアイデアに基づいた面白い新作フィクション映画が減っている事態は憂わねばなりません。

インディペンデント映画祭が、新しい感性とオリジナルのアイデアを持った未知の才能を発見する場になって欲しいと思います。


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