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zoom RSS 第53回NY映画祭 53rd NYFF 招待作品 Main Slate ラインナップ Part2

<<   作成日時 : 2015/08/18 22:10   >>

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追記完了!フィリップ・ガレル Philippe Garrel監督、Yorgos Lanthimos監督、レベッカ・ミラー Rebecca Miller監督、ミシェル・ゴンドリー Michel Gondry監督、ジャ・ジャンクー Jia Zhangke監督、シャンタール・アケルマンChantal Alerman監督等々の新作がずらりと勢揃い。


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「The Forbidden Room」Canada
ガイ・マッディン&エヴァン・ジョンソン Guy Maddin & Evan Johnson監督
キノ・ローバー Kino Lorber配給

NY映画祭の公式サイトの説明文を読んでも、さっぱり内容が把握できない作品です(大笑)。これぞ本当のアバンギャルド映画。幾重にも入れ子構造になった音楽映画で、4名の潜水艦乗組員が水面下の世界に囚われの身になって、訳の分からん冒険譚を体験するらしく…。詩人ジョン・アシュベリー、ジャック・ノロ、シャーロット・ランプリング、マチュー・アマルリック、伝説的なカルト・ポップ・デュオ、スパークス、ルイ・ネギンやらウド・キアーやら、いわゆるそのようなアーティストに象徴されるようなサブカル大好きなオタが、サプカルにオマージュと暑苦しい愛情とキ印一歩手前の熱烈な信仰心を捧げた映画だそうです(笑)。なんのこっちゃ意味不明ですが、今年のサンダンス映画祭で観客を唖然とさせ、トロント国際映画祭でも上映予定だというから驚きです(再笑)。


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「In the Shadow of Women / L’Ombre des femmes」France
フィリップ・ガレル Philippe Garrel監督 (フランス語上映)
アメリカ・プレミア開催

モ−リス・ピアラ監督等、“ポスト・ヌーヴェルヴァーグ”の映画作家の1人で、その作風からゴダールの再来とも呼ばれるフィリップ・ガレル監督の諸作品には、世界中に熱狂的なファンがついています。実父の俳優モーリス・ガレルや息子のルイ・ガレル、娘のエステル・ガレル、かつての伴侶で早世したアーティスト、ニコ、現在の伴侶であるキャロリーヌ・ドゥリアスなどなど、自分の身近にいる人達を俳優、あるいはスタッフとして起用し、描く題材も自身の体験談に基づいたものがほとんどで、あらゆる作品に自伝的モチーフが散りばめられています。いわゆるミニマリズム作家ですな。
フィリップ・ガレル監督の過去作品では、「恋人たちの失われた革命 Les Amants Réguliers / Regular Lovers」(2005年)と「ジェラシー La Jalousie / Jealousy」(2013年)がNY映画祭に招待されたことがあります。今回招待された「女の影 In the Shadow of Women / L’Ombre des femmes」は、視点はやはり大変ミニマムながら、特別な状況下で自然発生的に起こった不倫の構造を凝視することで、男女間の愛情の不可解さを普遍的に解釈、表現した内容です。フランス人ドキュメンタリー監督のピエールは、戦時下のフランスでレジスタンスとして戦った戦士を追うドキュメンタリー映画を製作中に、スタッフの1人である妻マノンとピエールの愛人との三角関係に陥っていくというお話。男女間の心理ドラマを描き続けてきたガレル監督ならではの作品に仕上がっているそうです。トロント国際映画祭にも出品されています。


「岸辺の旅 Journey to the Shore / Kishibe no tabi」Japan/France
黒沢清 Kiyoshi Kurosawa監督 (日本語上映)
アメリカ・プレミア開催

今年の第68回カンヌ国際映画祭の“ある視点”部門に出品され、黒沢清監督が監督賞を授与されたファンタジックなラブ・ストーリー。湯本香樹実による同名小説を黒沢清監督が映画化したものです。3年前、夫の優介が突如失踪した痛手をようやく克服した妻、瑞希。ところがある日、優介がいなくなった時と同じように突然帰宅します。身体は既に亡くなっており、水の底で蟹に食われてしまったという。優介は瑞希に永遠の別れを告げるため、失踪していた3年間に、彼が世話になった者達を訪ねる旅に瑞希をいざないます。2人が訪ねる先には、生者もおれば死者もいます。3年間に優介が見てきたのは、この世にある日本の情景とこの世ならざる日本の情景をあいまいに隔てる世界でした。
先日、やはりNY映画祭の枠内でご紹介したアピチャートポン・ウィーラセータクン監督のパルム・ドール受賞作品「ブンミおじさんの森 Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives」のように、生きる者と死せる者の魂がゆるやかに混ざり合う空間を舞台にした作品だといえるでしょう。実は私自身は、今この瞬間に目に見えている世界を少し外れた場所に、生者の世界に寄り添うようにしてこの世ならざる者の世界がひっそりと存在していること信じているクチでしてね。この作品は、そんな生きる者と死せる者、存在と非存在が奇跡的に両立する一瞬の美を映し出したものなのでしょう。


「The Lobster」France/Netherlands/Greece/UK
Yorgos Lanthimos監督
Alchemy配給

近未来、社会は人間に“つがい”で暮らすことを強要するようになっていました。パートナーと別れたり、あるいはパートナーを見つけることができずに1人ぼっちになった人々は、海辺に建つ監獄同様のリゾート施設に強制収容されるのですね。そこで、あらかじめ決められた期限内に新たなパートナーを探さねばなりません。それに失敗した人は、なんと問答無用で動物に姿を変えられてしまうのです。最近離婚したばかりのデヴィッドは、かつては人として生きていたものの今は犬の姿になってしまった兄を伴って、この監獄に送られてきました。果たしてデヴィッドは、期日内に新たなパートナーを見つけることが出来るのかどうか。
今年のカンヌ国際映画祭でお披露目され、そのちっとも笑えないダークかつビザール過ぎる世界観、よくよく考えたら今現在の私らが住む社会と本質的には一緒じゃねえかと改めて絶望するデストピアン・テーマっぷりで、かなり話題になった近未来社会暗黒コメディです。実は私も日本上陸を心待ちにしている作品。相手との相性とか無関係、当人同士の意思もガン無視し、とにかく結婚して子供を産めよ増やせよと“結婚”を強制する今の(日本)社会を、丸っきりトレースしたかのような暗鬱な内容ですね。
こうした有形無形の社会からの圧力は、今現在どの社会にも当然存在しています。それが女性と男性の間に差別を生んだり、支配層と被支配層といった目に見えない格差を社会の中に作ったりするわけですな。「Dogtooth」という屈折したドラメディを作った、ギリシャ出身の新鋭Yorgos Lanthimos監督期待の新作で、コリン・ファレル、レイチェル・ワイズ、ベン・ウィショー、ジョン・C・ライリーなど、超豪華キャストがそろいました。今作は今年のトロント国際映画祭にも招待されていますよ。こいつは楽しみですなあ。


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「Maggie’s Plan」USA
レベッカ・ミラー Rebecca Miller監督
アメリカ・プレミア開催

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アメリカを代表する劇作家アーサー・ミラーの娘、そしてあの名優ダニエル・デイ=ルイスの妻として、飛び抜けた血統のよさで知られるものの、実は女流脚本家、映画監督として地味ながら確実に実力を示しているレベッカ・ミラー監督。イェール大卒のインテリ女優でしたが、1995年「アンジェラ Angela」、2002年の「パーソナル・べロシティ Personal Velocity: Three Portraits」、「ザ・バラッド・オブ・ジャック・アンド・ローズ The Ballad of Jack and Rose」(2005年)、「50歳の恋愛白書 The Private Lives of Pippa Lee」(2009年)でカメラの裏側での仕事に転身。脚本家兼監督として、活動拠点としているニューヨークの街を舞台に、ニューヨーカーたちのニューヨーカーたちによるニューヨーカーたちのためのドラマを綴り続けています。「Mistress America」で波に乗るグレタ・ガーウィグを主演に迎えた新作「Maggie's Plan」で、彼女こそまさしく“ウディ・アレン後”の世代を代表するニューヨーク派映画作家だということを証明したのかもしれません。
グレタ・ガーウィグ扮するマギーは、満たされない結婚生活とキャリアに悩む中年の大学教授ジョンに出会った時、ジョンに精子ドナーになってもらって子供を作ることを思いつきます。いささか常識はずれの気がなきにしもあらずなマギーでしたが、天性の明るさと前向き思考でジョンを魅了、ジョンとは違って成功したキャリアを持つ彼の妻と三角関係に陥ってしまいます。さて、このややこしい三角関係の行方は?
従来のラブコメなら“Fin”で終了する地点から、ミラー監督ならではのラブ・ストーリーは始まります。愛くるしいガーウィグの魅力を中心に、へたれでしょぼくれた男を演じさせたら天下一品のイーサン・ホーク、才能豊かでハイ・スペックながらエキセントリック過ぎる中年女性に扮することの多いジュリアン・ムーア、「サタデー・ナイト・ライブ Saturday Night Live」出身の実力派コメディエンヌ&コメディアン・コンビ、マヤ・ルドルフ&ビル・ヘイダーという、本当に豪華なキャスティングで、不器用に生きるカップルを生き生きと描写した今作、トロント国際映画祭にも招待されました。日本でも早く劇場公開されるといいですねえ。


「The Measure of a Man / La Loi du marché」France
Stéphane Brizé監督 (フランス語上映)
キノ・ローバー Kino Lorber配給、北アメリカ・プレミア開催

失業中の男が、職探し中に屈辱的な試練に遭う。


「Mia Madre」Italy/France
ナンニ・モレッティ Nanni Moretti監督 (イタリア語上映)
Alchemy配給、アメリカ・プレミア開催

中年の女流映画監督が、最愛の母親を不治の病で喪おうとしている心理的葛藤と、彼女が国際的規模で撮影している映画に出演しているアメリカ人俳優の気まぐれに振り回される憂鬱に悩まされる。


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「Microbe & Gasoline / Microbe et Gasoil」France
ミシェル・ゴンドリー Michel Gondry監督 (フランス語上映)
アメリカ・プレミア開催

「ヒューマン・ネイチュア Human Nature」「エターナル・サンシャイン Eternal Sunshine of the Spotless Mind」「僕らのミライへ逆回転 be Kind Rewind」「ムード・インディゴ うたかたの日々 L'Ecume des jours」等々、活動拠点フランスはもとよりハリウッドでも、そのぶっ飛びまくったアイデアと斬新な映像表現、ハチャメチャでおちゃらけた楽しいばかりではない、ピリッと風刺の効いたストーリーテリング・センスを遺憾なく発揮し、一目でゴンドリー監督作だとわかるほど個性的で映画への愛に溢れた作品を撮り続けている映像作家、ミシェル・ゴンドリー。その彼の新作が完成したと聞けば、内容はどうあれ、とにかく見せてくれ!と気が逸るのが人情というものです。
しかも!
今回は、ミシェル・ゴンドリー監督自身の若き日を基にした自伝的内容のストーリーだというではありませんか!
あの監督の少年時代だぞ!
きっとあなたや私と同じように、周囲の環境になじむことができず、変わり者扱いされてめちゃめちゃ孤独だったに違いない!
でも想像力と発想力だけは人一倍あって、期せずして素っ頓狂なエピソードてんこ盛りの若き日々だったに違いなかろう!
それをゴンドリー監督自らがリミットレスで映像にするんだぞ!
面白いに決まってるじゃないか!
小柄で引っ込み思案で空想好きで変わり者で孤独なMicrobeと、猪突猛進タイプ、エネルギッシュすぎて空回りするために周囲から浮いているGasoline。ティーンの多感な時期に周囲から孤立した2人はすぐ仲良くなりました。学校でも家庭内でも一人ぼっちの彼らは、大きな車輪のついた折りたたみ式の手作りキャンピングカーを作り上げ、息の詰まるような日常から逃げ出します。パリを出て、一路、Gasolineが子供の頃に行ったことがあったキャンプ地へ。途中、Microbeが一目惚れした女の子を追っかけて寄り道しつつも、2人の手作りキャンピングカーは爆走を続けます。その旅で彼らは何を見つけるのでしょうか。
今回も、手作り感覚、キッチュ感覚溢れる、おもちゃ箱をひっくり返したような映像は健在。監督自身のティーンの頃の思い出が基になっているだけに、怖いもの知らずの子供にだけ許される傍若無人さ、率直さ、二度と戻らぬ時代への郷愁、胸を締め付けられるようなリリシズムは、従来の作品群より強いかもしれませんね。「ムード・インディゴ うたかたの日々 L'Ecume des jours」に主演したヒロイン、オドレイ・トトゥがMicrobeのママ役で友情出演しているそうです。


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「Mountains May Depart 」China/France/Japan
賈 樟柯 ジャ・ジャンクー Jia Zhangke監督 (中国語上映)
キノ・ローバー Kino Lorber配給 アメリカ・プレミア開催

中国映画界第六世代に属する監督の中では、おそらく最も日本映画界との関係が深い映画作家だと思います。そして、最近の中国映画界で活躍する才人たちの中で、私が最も共感を覚え、かつ問答無用で惹きつけられる引力を持っているのが、このジャ・ジャンクー監督であります。ここだけの話、私と同世代の人だというのも大いに関係しているかも(笑)。
昔の彼の短編やドキュメンタリー作品も好きなのですが、やっぱり世界的に知名度を得ることになった長編「罪の手ざわりA Touch of Sin」(2013年)を初めて観たときの衝撃たるや、いまだに忘れられませんね。傑作だよ、この作品は。全く別の場所で起こる小さな事件それぞれを時に接写し、また時に全体を俯瞰しつつ、全ての物語から炙り出される中国社会の光と影を、一つの大きなキャンバスに力強く描いてゆく手法。ミクロ的視点とマクロ的視点の切り替えも好きなのですが、一つ一つのシーンの中のほんの一瞬の間に人間の業の深さ、情念の熱さ、やるせなさが、ろうそくの炎のようにぱっと燃え上がる感覚に魅了されます。特に「罪の手ざわりA Touch of Sin」では、その炎がスクリーン越しに透けて見えるたびに胸をえぐられるような思いでした。素晴らしい作品です。未見の方がいらしたら、ぜひとも見ていただきたい。
そのジャンクー監督の新作が、カンヌ国際映画祭に引き続き、NY映画祭、またトロント国際映画祭 Toronto Internetional Film Festivalにも招待されています。この新作もまた必見ですよ。
1999年から始まった中国社会における急激な資本主義革命によって、一組のカップルの間に起こる悲劇を15年のスパンの中で見つめます。ええ確かに、前作「罪の手ざわりA Touch of Sin」では、“進歩”の名の下に中国社会を支える無数の人々の暮らしがいかに歪に変化を強いられたか、怒りと癒しようのない哀しみと共にスクリーンに叩きつけるような印象が強かったですね。今作では、怒りの拳はひとまず解かれ、現代中国社会をもっと広い視点でその深部まで探り、この数十年の社会の変化による喪失を、少しの諦念と未来への祈りにも似た静かなまなざしで紐解いていきます。


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「My Golden Days / Trois Souvenirs de ma jeunesse」France
アルノー・デプレシャン Arnaud Desplechin監督 (フランス語上映)
マグノリア・ピクチャーズ Magnolia Pictures配給 北アメリカ・プレミア開催

今フランス映画界の巨匠達の間では、“自伝風映画”を撮ることが流行っているのでしょうか。
アルノー・デプレシャン監督の新作もミシェル・ゴンドリー監督の新作と同じように多分に自伝風のストーリー、そして多分に“フランソワ・トリュフォー風”の佇まいだそうです。トリュフォー監督と、彼にとってのアルターエゴであったジャン・ピエール・レオーとの関係性を、中年のマチュー・アマルリックが少年時代の自分自身(新人Quentin Dolmaireが演じます)を回顧するという形で再現。家族関係や家庭に恵まれず、孤独だった思春期の少年が美しい少女と初恋に落ちたものの、やがて辛い別れが待っていた…という、二度と戻らぬ遠い時代への郷愁を瑞々しく、時にほろ苦く描きます。
デプレシャン監督の初英語作品となった前作「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して Jimmy P.」への評価が概して悪く、批評家もファンも失望させたこともあり、今年のカンヌ国際映画祭ではパルムドールを競うコンペティション部門への出品はなくなった今作(監督週間でのお披露目になりました)。実は私、「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して Jimmy P.」は映画館で観ておりました。その時には、一般的な評価は割れるでしょうが、個人的には大変スムーズに作品世界に入り込めた一品だと感じたものです。
フランスに戻ったデプレシャン監督の新作は、カンヌでも監督への信頼を取り戻させる結果になりました。やはり母国語でのストーリーテリングだと、自由度も冒険度も跳ね上がるのでしょうなあ。うんうん、良かった良かった。
NY映画祭公式サイトの中で、フランスのル・モンド紙 Le Mondeがデプレシャン Desplechin監督を称して“the most Shakespearean of filmmakers”と名付けたことが紹介されていました。これは言いえて妙。トリュフォー監督へのオマージュもたっぷりなこの新作が広く公開されれば、人の持つ喜びも哀しみも輝きも絶望も痛みも怒りも、全てを網羅したデプレシャン監督の作品群をシェイクスピアと比肩したル・モンドの真意が分かるでしょう。


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「No Home Movie」Belgium/France
シャンタール・アケルマン Chantal Akerman監督 (フランス語・英語上映)
アメリカ・プレミア開催

正直に言います。私、生きてる間によもやシャンタール・アケルマン監督の新作誕生に立ちあえるとは思ってもみませんでした…。生きてて良かった。【追記】昨日、このアケルマン監督の突然の訃報が飛び込んでまいりました。正直、いまだショック状態から抜け出せません。享年65歳。まるで、この作品を完成させて安堵したかのような、あまりに早過ぎる死でありました。ご冥福をお祈り申し上げます。

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シャンタール・アケルマン監督はベルギー、ブリュッセル出身で、主にアート色の強い実験的作品群で知られます。ヨーロッパでは作家主義の強い女流監督とみなされ、これまでに40本以上の監督作品を製作していますが、そのほとんどは日本で紹介されておらず、ヨーロッパで最も優れた映画作家の一人であるにもかかわらず、日本ではほぼ無名の存在です。

●フィルモグラフィー

1975年『Jeanne Dielman, 23 Quai du Commerce, 1080 Bruxelles』
1982年「一晩中 Toute une nuit」
1984年「新パリところどころ Paris vu par... vingt ans après」オムニバス映画の第一話「おなかがすいた寒い」
1986年「ゴールデン・エイティーズ Golden Eighties」
1988年「アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学 Histoires d'Amérique」
1996年「カウチ・イン・ニューヨーク Un divan à New York」
2000年「囚われの女 La Captive」
2004年『Demain on déménage』
2015年『No Home Movie』(Documentary)

先に開催されたロカルノ映画祭でワールド・プレミア上映されていたドキュメンタリー作品「No Home Movie」は、第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所へ送られてただ1人生還した彼女の母親を取材したもの。死を目前にした母親に、彼女の壮絶な生き様をインタビュー形式で紐解き、ホームビデオで撮影した映像を編集したそうです。
アケルマン監督が、映画作家、アーティストとしてのアケルマン監督自身の基礎を築いたといっても過言ではない、巨大な存在の母親アケルマンを解析する内容。さながら“Akerman on Akerman”といった趣きですね。今作はアケルマン監督の母親の肖像を映し出しながら、同時にアケルマン監督自身の肖像をも描出するのです。やがて、一人の女性の個人史を通じて、観客は世界中の女性に共通する“女の生き様”の重みをも感じ取ります。つまり、非常にパーソナルな記録から始まった今作が、広く、世界中の女性に共鳴する女の歴史の記録になっていくことに気付くわけですね。アケルマン監督の傑作『Jeanne Dielman, 23 Quai du Commerce, 1080 Bruxelles Jeanne Dielman, 23 Quai du Commerce, 1080 Bruxelles』にも比肩する作品かもしれません。これを機に、今作並びにアケルマン監督の過去作群の日本での劇場公開が実現しますように、私からも強くお願いしておきます。


「Right Now, Wrong Then」South Korea
ホン・サンス Hong Sang-soo監督 (韓国語上映)
アメリカ・プレミア上映


「The Treasure / Comoara」Romania
Corneliu Porumboiu監督 (ルーマニア語上映)


「Where To Invade Next」USA
マイケル・ムーア Michael Moore監督
アメリカ・プレミア上映


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