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zoom RSS 2016年度の映画賞(オスカーって誰よ?)レース予想。...Who's Oscar? Part3

<<   作成日時 : 2015/08/03 15:15   >>

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"Never surrender, never give up the fight."

SUFFRAGETTE Official Trailer (2015)

『Suffragette』
監督:サラ・ガヴロン Sarah Gavron
製作:アリソン・オーウェン Alison Owen、フェイ・ウォード Faye Ward
脚本:アビ・モーガン Abi Morgan
音楽:アレクサンドル・デスプラ Alexandre Desplat
撮影:エドュアルド・グラウ Eduard Grau
編集:バーニー・ピリング Barney Pilling
製作会社:Ruby Films、Pathé、Film4 Productions
配給会社:フォーカス・フィーチャーズ Focus Features
出演:ケイリー・マリガン Carey Mulligan(モード・ランチェスター Maud Lancaster)
ヘレナ・ボナム=カーター Helena Bonham Carter(イーディス・ニュー Edith New)
メリル・ストリープ Meryl Streep(エメリン・パンカースト Emmeline Pankhurst)
ベン・ウィショー Ben Whishaw
ブレンダン・グリーソン Brendan Gleeson他。

公開日:アメリカでは2015年10月23日から限定公開、英国では2015年10月30日から公開予定

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1910年代初頭の英国。女性の権利などないに等しかった時代、劣悪な環境下で長時間の重労働を強いられていた労働者階級の女性が中心となって、女性の投票権、参政権、つまりは女性が社会で声を上げる権利を求め、過激な行動も辞さない運動“The Suffragettes movement”が本格化しました。この運動の歴史的背景については、『The Suffragettes: history & the progression of women’s struggle for their right to vote』に詳しく解説されています。興味のある方はどうぞ。
女性参政権運動そのものは、実は18世紀には既にフランスで始まっていました。しかし、産業革命以降、工場内で低賃金・長時間の重労働を課されていた労働者達が、彼ら自身の権利を求めて立ち上がった労働運動と結びつき、19世紀に入ってようやく、世界中に運動が飛び火するほどの盛り上がりを見せるようになったのですね。
世界で最初に女性に参政権が認められたのは、意外にもニュージーランド(1893年)でした。その後、オーストラリア、フィンランドなどで、次々と憲法の下に女性参政権が保護されるところとなります。
1890年代後半から英国でも組織化されていた初期の女性参政権運動(British Suffragette Movement)は、女性の投票権獲得のために戦った政治活動家エメリン・パンカーストに率いられ、時に過激な活動(投石や爆破など)をも辞さない覚悟で1910年代初めに最も活発に活動し、ついに1918年、時の政府に30歳以上の女性の参政権を認めさせることに成功しました。ところが、男性と全く同じ条件である、21歳以上の女性全員に参政権が認められたのは、それからさらに10年の歳月を待たねばなりませんでした。日本で婦人参政権が認められた、第二次世界大戦後の1945年12月よりは早く、もちろんそれだけ男女同権への意識が進んでいたと言えるでしょうが、それでも、今では当前だと考えられている“女性の投票権”を獲得するまでに、これほど多くの女性の長きに渡る苦闘の歴史があったことに、改めて圧倒されますね。
この『Suffragette』は、英国で女性が参政権を得るまでに最も激しい戦いを余儀なくされた時代を、British Suffragette Movementに身を投じることになった1人の若き母親モードの目を通して描かれる作品です。

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そして今作は、「SHAME -シェイム- Shame」(2011年)や「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 The Iron Lady」(2011年)、ベン・ウィショー主演のテレビ・シリーズ「The Hour 裏切りのニュース」(2011年〜2012年)等話題作の脚本を手がけてきたアビ・モーガンの脚本、女流監督サラ・ガヴロンのメガホン、主演、助演のキーパーソン全ては女優によって演じられ、プロデューサーも女性ばかりという、“女性の女性による女性のための映画”を実現した作品です。今年10月に開催されるロンドン映画祭 London film festivalのオープニング上映作品に選ばれ、アメリカでは2015年10月23日から限定公開開始、英国では2015年10月30日から公開予定となっております。
今作はまた、ヘレナ・ボナム=カーター、メリル・ストリープ、ベン・ウィショーなど豪華な共演陣に囲まれ、ケイリー・マリガン Carey Mulliganが、妻、母親としての葛藤に苦悩しつつも、確固とした意志で女性参政権運動を戦い抜いた女性を力強く演じており、映画賞レースでも果敢に戦ってくれるのではないかと思うわけです。

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また余談ですが、ヘレナ・ボナム=カーター Helena Bonham Carter演じるイーディス・ニュー Edith Newは、モードらと共に女性参政権運動を戦った女性の1人なのですが、ヘレナ自身の曾祖父にあたるアスキス卿 H. H. Asquithが英国首相を務めていた時代に、ちょうどこの英国女性参政権運動 British Suffragette Movementが盛り上がっていたという因縁があるそうですよ。しかもこのイーディス・ニューという女性は実在した人物で、この運動のさなか、政府への抗議行動として最初に建物に投石をし、ガラスをぶち割った逸話の持ち主だとか。なんという歴史の皮肉。


『The Walk』
監督:ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis
脚本 : ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis、クリストファー・ブラウン Christopher Browne
原作 : フィリップ・プティ『To Reach the Clouds』
主演:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット

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1974年、当時まだ健在だったニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワー間を、なんと綱渡りで渡りきった1人のフランス人大道芸人がおりました。その名をフィリップ・プティ Philippe Petit。当時、ニューヨークのみならず世界中で大変な話題を呼び、クールなニューヨークっ子たちからやんやの喝采を浴びたこの男の無謀な挑戦は、2008年にドキュメンタリー映画として世界に再び紹介されることになりました。ジェームズ・マーシュ James Marsh監督は、プティ本人やこの命知らずの挑戦のために奔走した当時の仲間達、アーカイヴ映像などを織り交ぜ、ドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤー Man on Wire」を完成。今作は、“9.11後”のアメリカで最高の映画賞であるオスカーを獲得しました。


そして、プティを描いた作品というのは、実は絵本にもございましてね。ご存知でしたでしょうか、「綱渡りの男 The Man Who Walked Between the Towers / Tour à tour sur un fil」というタイトルの作品です。

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「綱渡りの男 The Man Who Walked Between the Towers / Tour à tour sur un fil」
文と絵:モーディカイ・ガースティン Mordicai Gerstein
翻訳:川本 三郎

ニューヨークはマンハッタンに建設中の、二つの塔を持つ巨大な世界貿易センターは完成間近であった。その頃、同じニューヨークでストリート・パフォーマンスをしていた大道芸人の青年フィリップ・プティは、とんでもないアイデアを胸に秘め、そのツイン・タワーを睨んでいた。
彼の得意技は綱渡りだ。あの2つの塔の間にロープを張り、そこを渡っていけばさぞかし凄いことになるだろう!地上から400メートルの高さの綱、彼の命を保障する保護ネットなど、もちろんない。しかしそこを渡るのだ。一瞬でもバランスを崩せば彼は死ぬ。だが、その上でパフォーマンスをするのだ。成功すれば、世界中が腰を抜かすに違いない!
…今はなきツイン・タワーの古きよき思い出として、1974年8月7日に起こった信じがたい実話をモーディカイ・ガースティン Mordicai Gersteinが、迫力満点の挿絵で絵本に仕上げました。この作品は、2004年度のコールデコット賞ボストングローブ・ホーンブック賞の「絵本部門」で見事、受賞の栄誉に輝きました。


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そして今回、ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis監督は、この「マン・オン・ワイヤー Man on Wire」、「綱渡りの男 The Man Who Walked Between the Towers / Tour à tour sur un fil」と同じ題材を、3Dを駆使したフィクション映画として再現したわけです。大学時代にフランス語を学んでいたジョゼフ・ゴードン=レヴィットがプティに扮し、度重なる警察からの妨害を潜り抜け、プティがツインタワー間を綱渡りで渡り切るまでのスリリングでエキサイティングなドラマを展開していきます。実はジョーにはもう一本、今年の映画賞レースに絡んできそうな問題作『Snowden』も控えており、主演作『Steve Jobs』『Macbeth』2本を携えたファス男同様、今年の映画賞レース主演男優賞部門を牽引する有力候補の1人になるだろうと考えられていますね。

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しかも、ファス男の『Steve Jobs』がメインに据えられる第53回ニューヨーク映画祭 53rd New York Film Festivalの、オープニング上映作品に選ばれたのが、このジョーの『The Walk』だという因縁付き(笑)。こりゃ、今年のニューヨーク映画祭 NYFFは面白くなりそうよ、ホンマに。そんでもって、今年の映画賞レースもやっぱり、伝記映画 Biopicが多い傾向には変わりないようですね。コンピューター社会を変革した立役者ジョブズが勝つのか、それとも、命がけで突拍子もない伝説を打ち立てた大道芸人プティの実話が勝つのか。今年の映画賞レースは、イコール“伝記映画戦争 Biopic War”になることを予想しつつ、だらだら続いた2016年度の映画賞レース予想記事を終了いたします。


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