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zoom RSS 2016年度の映画賞(オスカーって誰よ?)レース予想。...Who's Oscar? Part1

<<   作成日時 : 2015/07/30 00:07   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 0

最近ずっと、新しい記事を書けるような心理状態になかったので、古い記事を再投稿しておりました。申し訳ありません。書きかけの記事は溜まる一方なのですが、当館の記事は大体がアホみたいに長いので、なかなかすらっと投稿できないんです。ごめんなさいね。

さて。

夏場のブロックバスター映画どっかんどっかん攻撃が過ぎれば、我ら映画好きの興味は、秋口から立て続けに公開されるオスカー狙いのドラマ作品に向いてまいります。そこで、これから始まる映画賞レースを控え、どの作品がどのような評価を受けるだろうかという予想を、ガーディアン誌の電子サイト版 THEGUARDIAN.com 上の7月21日付けの記事'And the Oscar may go to … 40 key movies in contention for 2016 awards'を基に行ってみたいと思います。

ガーディアン誌の記事では、現時点で話題に上っている作品の中で、めぼしいものがもれなくリストアップされているという印象を受けます。総数40作品。おそらく、これらのリストの中から、各映画賞でノミネートされたり、あるいは受賞したりする有力候補者、有力候補作品は相当数がふるいにかけられていくのでしょうね。

私の個人的な趣味も交えつつ、これから始まる過酷な映画賞レースを勝ち残っていくといいなあと願う作品を列挙してみます。


『Adam Jones』
監督:ジョン・ウェルズ John Wells (「8月の家族たち August: Osage County」)
脚色:スティーヴン・ナイト Steven Knight (「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 Locke」「イースタン・プロミス Eastern Promises」)
主演:ブラッドリー・クーパー Bradley Cooper

4度目の正直なるかしら。「世界にひとつのプレイブック」「アメリカン・ハッスル」「アメリカン・スナイパー」と3作品でオスカー候補に挙げられながらも、いずれも強力なライバルたちに押されてしまっていたブラッドリー。今度こそ主演男優賞でノミネート、受賞と相成るでしょうかねえ。ご本人も“今度こそは”という闘志に燃えていることでしょうが、果たして結果はどう出ますか。
こないだついに映画館で観た「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 Locke」(スティーヴン・ナイト Steven Knight 監督&脚本)は、まるで上質な短編小説を映像で読んでいるという感覚に陥りました。主役のトム・ハーディがたった1人で、車の中で運転しながら色んな人達と電話する、ただそれだけのワン・シチュエーションものなのに、1人の青年の過去と現在が暴かれ、そして交じり合い、彼の人生の運命そのものがどんどん大きく狂っていく様子を一気に見せてしまいます。その中で、アイヴァン・ロックという青年の内面の複雑さ―強さと弱さ―まで語りつくしてしまう脚本の妙技に感動。もちろん、1人芝居で文字通り1人の人間の生き様を演じきったハーディの俳優としての懐の深さにも感心させられました。
その「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 Locke」で監督としても達者なところを見せたスティーヴン・ナイトが脚本を担当し、作品自体への評価は今ひとつでしたがオールスターキャストを率いてよくあそこまでまとめあげたもんだと感心した「8月の家族たち August: Osage County」の監督、ジョン・ウェルズ John Wellsがメガホンをとりました。この2人のコンビに惹かれますなあ。


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『Beasts of No Nation』
監督:キャリー・フクナガ Cary Fukunaga
助演:イドリス・エルバ Idris Elba

わたくしめがこの作品を猛プッシュする理由はいくつかありましてね。第一に、ネット配信で最近急速に力をつけ、今度は商業用長編映画作品(ドキュメンタリーではない、フィクションの方ね)の分野への進出を狙うネットフリックス Netflixの提供であるということです。通称“ネトフリ”の動画(ドラマ、映画)のネット配信というビジネス分野は、これからどんどん大きくなり、やがては映画産業そのものを飲み込んでいくと思います。それが映画の未来にとって良いことなのか、果たして悪いことなのかは分かりません。分かりませんが、今後の映画産業の形態は、動画配信によって大きく変わらざるを得ないでしょう。
それを誰よりも理解していた映画監督のうちの1人、キャリー・フクナガ Cary Fukunagaは、インディペンデントでの小規模な映画製作という形式が、コスト面の問題で早晩息切れを起こすだろうこと、映画界は、マーベルなどに代表される遊園地アトラクション向き大作映画と、動画配信用に製作された映像作品の二極化が一気に進んでいくだろうと予想しているようです。実はその現象については、私も同感なんですね。
あの慧眼の持ち主ブラッド・ピットがNetflixと共同で、大規模な作品を製作する契約を結んだことも随分話題になりましたが、それ以前に既にデヴィッド・フィンチャー David Fincher監督とケヴィン・スペイシー Kevin Spacey主演のコンビで話題になり、シーズン続行中のテレビ・シリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段 House of Cards」もNetflixの製作になる作品でした。そのNetflixがフクナガ監督と共に満を持して製作したのが、この『Beasts of No Nation』だというわけですね。Uzodinma Iwealaの同名小説を映画化したもので、アフリカにある架空の国で少年兵として戦場に送られる子供達を主人公にしたお話だそうです。
私がこの作品に興味を持つ理由第二は、「マンデラ Mandela: Long Walk to Freedom」や「パシフィック・リム Pacific Rim」で英雄的役柄が続いたイドリス・エルバが、反政府軍を率いるカリスマ的指導者という複雑な役どころに扮していること。これまでにない悪役っぷりで、新境地を開いてくれるのではなかろうかと期待しています。Netflixでは10月16日から配信開始、2015年度トロント国際映画祭 Toronto International Film Festivalでもプレミア上映されるとのことで、楽しみですな。


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『Black Mass』
監督:スコット・クーパー Scott Cooper
主演:ジョニー・デップ Johnny Depp

日本ではあまりヒットしなかったようですが、スコット・クーパー Scott Cooper監督の「クレージー・ハート Crazy Heart」と「ファーナス/訣別の朝 Out of the Furnace」はとても好きな作品です。前者は、一世を風靡した栄光の過去を持つものの、時流に取り残されて落ちぶれた初老のカントリー・シンガーのお話、後者は戦場帰りの弟をギャングに殺された兄が、鉄鋼の町で復讐を誓うお話。どちらも、都会の華やかさとは無縁の小さな地方都市を舞台にした、土着感あふれるお話なんですね。派手な展開も何もなし。地味だといわれれば確かに地味。ただ、それだけに、映像のリアリティもまたひとしおで、人生を踏み誤ってしまった人々が迷う姿が、痛ましい程の切実さを伴って迫ってきます。
そのクーパー監督が、最近作品選択を誤ってキャリアに迷うジョニデ(笑)を、再び蘇生させたと評判のギャング映画『Black Mass』を完成させて戻ってまいりました。ボストンに拠点を置き、暗躍した実在のアイリッシュ系アメリカ人ギャングWhitey Bulgerの伝記映画なのですが、トレーラーを見る限りでは、久しぶりにジョニーらしい役柄と作品だなあと感じますね。この作品で、彼はカメレオン俳優としての本来の輝きを取り戻せるのではないかと大いに期待しています。実際に受賞できるかどうかは別にして、オスカー主演男優賞候補にももちろん挙げられるでしょう。助演陣はベネディクト・カンバーバッチ Benedict Cumberbatch、ジョエル・エドガートン Joel Edgerton、シエナ・ミラー Sienna Miller、ケヴィン・ベーコン Kevin Baconという一癖も二癖もある面々。彼らにも興味をそそられます。2015年度トロント国際映画祭 Toronto International Film Festivalではカナダ向けにプレミア上映されますよ。


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『Carol』
監督:トッド・ヘインズ Todd Haynes
主演:ケイト・ブランシェット Cate Blanchett、ルーニー・マーラ Rooney Mara

2015年度のカンヌ国際映画祭 The 68th Cannes Film Festivalで、大きな賞賛を勝ち得たトッド・ヘインズ監督(「ベルベット・ゴールドマイン Velvet Goldmine」(1998年)、「エデンより彼方に Far from Heaven」(2002年)、「アイム・ノット・ゼア I'm Not There」(2007年)等)久々の新作『Carol』。同性愛への偏見が今以上に厳しかった時代に、同性に愛情を抱いてしまった女性のドラマです。今活躍している映画作家の中で、ヘインズ監督ほど女性の持つ複雑さや繊細さを丹念に映像に出来る人は、おそらくいないでしょうね。また、上記した3作品にも共通しますが、女性性と男性性の境界線の危うさをも、ごく自然に描くことが出来る作家です。そういった意味でも非常に貴重な映画監督だと思っていますよ。
さて今作は、タイトル通り、クリスマス・シーズンに公開予定だそうですが、今作でブランシェット姐御、ルーニーちゃんのオスカー・ノミネートは確実なのではないかと早くも予想してしまいますよ、あたしゃあ。カンヌではルーニーちゃんが女優賞を獲得しましたしねえ。熟成されたブランデーのような魅力のブランシェット姐御と、いまだおぼこくて垢抜けない雰囲気のルーニーちゃんの組み合わせが実現した瞬間に、今作は成功を約束されたようなもんです(笑)。


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『The Danish Girl』
監督:トム・フーパー Tom Hooper
主演:エディ・レッドメイン Eddie Redmayne

エディ・レッドメインがオスカー受賞後に選んだのは、1920年代に、男性でありながら女性の名前に改名し、女性の服を着て女性として生きる道を選んだデンマークの画家Einar Wegenerの伝記映画でした。「レ・ミゼラブル Les Misérables」で組んだトム・フーパー監督と再びコラボレート。私自身は、フーパー監督は、端正なたたずまいの映像、丁寧なドラマ作りの伝統的な英国映画監督だと考えていましたが、トランスジェンダーという題材をどのように描くのか、大変興味がありますね。ともあれ、今作も2015年度トロント国際映画祭 Toronto International Film Festivalにて北アメリカ向けプレミア上映されることになりました。


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『Legend』
監督:ブライアン・ヘルゲランド Brian Helgeland
主演:トム・ハーディ Tom Hardy

1950年代から60年代にかけてロンドンを震え上がらせた悪名高きギャング、クレイ兄弟を描いた作品は、過去に「ザ・クレイズ 冷血の絆 The Krays」(1990年)(ピーター・メダック Peter Medak監督)という作品がありました。この作品では、実際に一卵性双生児の兄弟であるゲイリー・ケンプ Gary Kemp、マーティン・ケンプ Martin Kempがクレイ兄弟に扮し、当時話題になりましたね。私も学生時代に見て、アメリカのフィルムノワールものとはまた違った、少しウェットな手触りの作風に面白さを感じた覚えがあります。
トムハが一人二役をこなす今回のクレイ兄弟伝記映画は、いくら名作「L.A.コンフィデンシャル L.A. Confidential」や「ミスティック・リバー Mystic River」の脚色を行った人だと説明されても、私の中ではきっと永遠に“「悪霊喰 The Order」(2003年、ヒース・レジャー主演)の監督の人”のまま(笑)だといっても過言ではない、ブライアン・ヘルゲランド監督によるものです。この方は元々「L.A.コンフィデンシャル L.A. Confidential」や「ミスティック・リバー Mystic River」、「陰謀のセオリー Conspiracy Theory」、「ブラッド・ワーク Blood Work」などなど、サスペンス、アクション、ミステリーの分野にある作品を得意とした脚本家でしたから、クレイ兄弟をどのように描写するのか、なんとなく予想は出来そうな気はしますよね。しかし、それぞれ人格が異なる2人の人間であるにもかかわらず、双子という絆でつながっているという複雑な生い立ちのクレイ兄弟を1人で演じ分けるトムハの演技に、目下大注目している次第であります。
アメリカでは既に10月に劇場公開が決まっていますが、2015年度トロント国際映画祭 Toronto International Film Festivalにも招待され、インターナショナル・プレミア上映されることが決定。トロントでどのような反響を呼ぶのか楽しみですねえ。



記事を分けます……映画賞レースに加わりそうな新作群、実はまだまだありますのよ……。でも私が疲れたのと、記事の分量が多くなるので、ここでいったん切りますね。

後半 Part2 に続く……



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