House of M

アクセスカウンタ

更新情報

zoom RSS ジャック・オディアール監督の『Dheepan』がパルム・ドールに!受賞者一覧も。

<<   作成日時 : 2015/05/25 08:23   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

めでたーーーい!!めでたーーーい!!めでたーーーい!!俺の兄貴(笑)ジャック・オディアール監督の新作『Dheepan』が、カンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを獲得しましたあっ(感涙)!!祭りじゃあ!皆の者、祭りじゃあ!


…とはいうものの、この選出は、正直私自身も意外に思った程ですので、もちろん各国の映画メディアでも“surprise win”と書きたてられております。ハンガリー出身の新進映画監督ラズロ・ネメスの衝撃的なホロコースト・ドラマ(しかもこれが初長編映画だという正真正銘の処女作です)『Saul Fia / Son Of Saul』という異色作がカンヌの観客、プレス、審査員をも圧倒したというニュースで持ちきりだったので…。

まあ、でもあれですよ、兄貴の場合は、フィルム・ノワールfilm noir映画作家としての頂点を極めた2009年の「預言者 Un prophète / A Prophet」で、本来ならパルム・ドールを受賞するべきだったのに、ミヒャエル・ハネケ Michael Haneke監督という強敵がいたためにそれが叶わなかったという過去がありますからね。今回の受賞は、「預言者 Un prophète / A Prophet」での“残念賞”を鑑みての結果だったのかなあ。それに、今年のカンヌの審査員長がコーエン兄弟(Joel & Ethan Coen)だったことも影響したかもしれません。方や、フランスを代表するフィルムノワール映画作家、方やアメリカを代表するフィルムノワール映画作家(兄弟)と、オディアール兄貴とコーエン兄弟には共通点もありますから。

画像

その後、全く新しい映像表現を求めて作風を大胆に変えた「君と歩く世界 De rouille et d'os / Rust and Bone」での試行錯誤を経て、ヨーロッパ全域で再び深刻な社会問題になっている、戦禍を避けての亡命、移民受け入れにまつわる問題に新たな題材を求めたわけですねえ。戦乱で荒廃した故国を離れ、遠いフランス、パリで人生をやり直そうと苦闘するタミル人元兵士Dheepanのドラマは、世界各地で同じように辛酸を舐める亡命者たちへの深い共感をも表すストーリーです。そして、主演を俳優未経験のタミル人作家が務めたことも手伝い、演技を超えた大変にリアルな映像になっている、と。政治亡命や移民という問題に今ひとつ理解が足らないと言われる私たち日本人でも、外国で心細い思いで暮らした経験があるなら思い当たるだろう、胸が痛くなるようなお話ですよね。

実は、この『Dheepan』の情報を見たとき、咄嗟に頭に浮かんだのがダニス・タノビッチ Danis Tanović監督の「鉄くず拾いの物語 Epizoda u životu berača željeza」(2013年)と『Tigers』(2014年)でした。前者は、移民として異国の地で極限の生活を強いられる一家の物語を、プロの俳優ではない人々を起用してリアルに素描したドラマ、後者は、一介の薬のセールスマンに過ぎないパキスタン人の男が、世界的な製薬会社に隠された重大な犯罪行為に気付き、苦悩するドラマです。この二つの作品の要素が、『Dheepan』にも共通する要素としてありそうだと思ったんですよね。

オディアール兄貴は元来、社会から見放された孤独な人々に寄り添い、彼らが社会の闇にまぎれて必死に生きていこうとする姿を、フィルム・ノワールのタッチで描いてきた映画作家でした。これまで彼が見つめてきた対象が、『Dheepan』では異国からの亡命者という、四面楚歌にならざるを得ない人々に変わったわけです。しかし、“社会の中で孤立する人々へのまなざし”という点では、兄貴のスタンスは以前と同じ。兄貴がどのような切り口で移民問題を斬っているのかという点についても興味が尽きませんね。

今後、『Dheepan』という作品自体への評価、並びに運営に色々問題もあったらしい(あくまでも噂なので真偽の程は分からんけどね)今年のカンヌ国際映画祭全体への評価がどう変わるのか、気になるっちゃなるんですがね。まずは、『Dheepan』の一日も早い日本公開を願いたいものです。

さてさて。

パルム・ドール云々関係なしに書こうと思っていた【オディアール兄貴の新作完成だワッショイ記事】が、急遽【兄貴、パルム・ドール受賞おめでとう祭りだワッショイ記事】になった喜びを表明して(笑)、記事を締め括ろうと思います〜。また後ほど、『Dheepan』プレミア上映の際の画像なんぞを記念に貼っておきますかね(笑)。ああ、楽しい(笑)。

画像
via thegurdian
なにはともあれ、オディアール兄貴、パルム・ドール受賞おめでとう!!

画像

『Dheepan』プレミア上映、レッドカーペットから。中央のオディアール兄貴の向かって右隣の方が、演技未経験ながら圧倒的な存在感で映画を牽引した、タミル人作家Jesthasan Antonythasan氏です。

画像

私、40代の兄貴が素晴らしいフィルムノワールを生み出していたフィルムノワール全盛期から彼をずっと追っかけていますが、60歳をとっくに過ぎたとは思えぬダンディさは、やっぱりフランス男子(笑)ならではのものだと思うの。

画像

Instagramでトロント国際映画祭Toronto International Film Festivalのアーティスティック・ディレクター、キャメロン・ベイリーCameron Bailey氏が、 #TeamDheepan なるハッシュタグを使っていらしたのですが、本当にTeam Dheepanの皆さん、パルム・ドール受賞おめでとうございます。よかった、よかった。…そしてときにキャメロンさん、今年のトロント映画祭に『Dheepan』は招待されるのでしょうか、いかがでしょうか。
(All photos shared from Cannes Film Festival Official Site)

画像

今年のカンヌで功労賞を贈られたアニェス・ヴァルダAgnès Varda監督(写真中央)も、『Dheepan』プレミアのレッド・カーペットに登場。ヌーヴェル・ヴァーグの祖母にして、今活躍する全ての女流監督の大先輩です。


受賞作品・受賞者一覧 Winners List via Cannes Film Festival Official Site
カンヌ国際映画祭の公式サイトは日本語でも表示可能ですが、直球の機械翻訳である上に(苦笑)、受賞一覧ページがいささか見辛いので、書き直しました。悪しからず。



コンペティション部門

・パルム・ドール Palme d’Or
ジャック・オディアール監督 Jacques Audiard's 『Dheepan』 フランス


・グランプリ(パルム・ドール次点) Grand Prix
ラズロ・ネメス監督 László Nemes 『Saul Fia / Son Of Saul』 ハンガリー


・監督賞 Best Director
ホウ・シャオ・シェン監督 Hou Hsiao-Hsien 『The Assassin』 中国


・女優賞 Best Actress (タイ受賞 Ex-aequo)
ルーニー・マーラ Rooney Mara 『Carol』(トッド・ヘインズ Todd Haynes監督) アメリカ
エマニュエル・ベルコ Emmanuel Bercot 『Mon Roi』(MAÏWENN監督) フランス


・男優賞 Best Actor
ヴァンサン・ランドン Vincent Lindon 『La loi du marché / Measure Of A Man』(ステファン・ブリゼ Stéphane Brizé監督) フランス


・脚本賞 Best Screenplay
マイケル・フランコ Michel Franco 『Chronic』 メキシコ


・審査員特別賞 Jury Prize
ヨルゴス・ランティモス Yorgos Lanthimos' 『The Lobster』 ハンガリー


・短編映画パルム・ドール Palme d'Or for Best Short Film
『Waves 98』 Ely Dagher監督 レバノン




ある視点部門 Un Certain Regard (今年は21カ国から19作品がエントリーされた)

・ある視点部門最高賞 Top Prize
『Hrútar / Béliers / Rams』 Grímur Hákonarson監督 アイスランド


・審査員賞 Jury Prize
『Zvizdan / Soleil de plomb / The High Sun』 Dalibor Matanić監督 クロアチア


・監督賞Best Director Prize
黒沢清 Kiyoshi Kurosawa監督「岸辺の旅 KISHIBE NO TABI / Vers l’autre rive / Journey to the Shore」 日本


・ある才能賞 Un Certain Talent Prize
『Comoara / Le Trésor / Treasure』 Corneliu Porumboiu監督 ルーマニア


・期待すべき新人賞 Promising Future Prize (タイ受賞 Ex-aequo)
『Nahid』 アーイダー・パナーハンデ Ida Panahandeh監督 イラン
『Masaan』 Neeraj Ghaywan監督 インド




シネフォンダシオン Cinéfondation部門 (映画界を志す学生たちのための部門。今年は世界中の381の映画学校から、1593作品の応募があり、最終選考には18作品が残った)

・第一位 First Prize
『Share』 Pippa Bianco監督 アメリカ
AFIが女性向けに行っているワークショップで学んでいるピッパ・ビアンコ監督の作品。メリーランド映画祭でも上映され、非常に高い評価を得ています。若き女流監督ビアンコの今後にも注目。


・第二位 Second Prize
『Locas Perdidas / Lost Queens』 Ignacio Juricic Merillán監督 チリ


・第三位 Third Prize (タイ受賞 Ex-aequo)
『The Return of Erkin』 Maria Guskova監督 ロシア
『Victor XX』 Ian Garrido López監督 スペイン




カメラ・ドール Caméra d'Or Award (優れた撮影監督に贈られる賞)
マッテオ・ガズマン Mateo Guzmán 『La Tierra y la Sombra / Land And Shade』 (César Augusto Acevedo監督) フランス



にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

にほんブログ村

ジャック・オディアール監督の『Dheepan』がパルム・ドールに!受賞者一覧も。 House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる