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zoom RSS カンヌは女性と冒険の映画祭になるか? The 68th Cannes Film Festival

<<   作成日時 : 2015/04/18 01:37   >>

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追記と綴りの訂正をしましたよ。

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5月13日から24日まで開催される、第68回カンヌ国際映画祭のラインナップがついに発表されました。パルム・ドール受賞に向けて審査の対象となるコンペティション部門、ある視点部門や、コンペ外部門などなど、現時点での各部門の正式招待作品が発表されたのでメモしておきますね。



第68回カンヌ国際映画祭長編映画部門審査員長
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟 Joel & Ethan Cohen

シネフォンダシォンと短編映画部門審査員長
アブデラマン・シサコ Abderrahmane Sissako

ある視点部門審査員長
イザベラ・ロッセリーニ Isabella Rossellini



The official competition lineup for the 68th Cannes Film Festival



・開幕作品 Opening Film

"LA TÊTE HAUTE (Standing Tall)" dir: エマニュエル・ベルコ監督 Emmanuelle Bercot (コンペ外作品 Out of Competition) 



・コンペ部門 Competition


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"Dheepan" (仮題 working title), dir: ジャック・オディアール監督 Jacques Audiard
ご注意)オディアール兄貴の新作ですが、まだ仮題しかついておらず現在急ピッチで編集作業が行われている状態のようで、画像やら内容に関する情報やらが皆無。「預言者 A Prophet」カンヌプレミア時の素敵兄貴画像でお茶を濁しておきます。ごめんなさい。


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"A Simple Man," dir: ステファン・ブライズ監督 Stephane Brize


"Marguerite and Julien," dir: ヴァレリー・ドンゼッリ監督 Valerie Donzelli


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"The Tale of Tales," dir: マッテオ・ガローネ監督 Matteo Garrone


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"Carol," dir: トッド・ヘインズ監督 Todd Haynes


"The Assassin," dir: 侯 孝賢(ホウ・シャオシェン)監督 Hou Hsiao Hsien


"Mountains May Depart," dir: 賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督 Jia Zhang-Ke


"海街Diary Our Little Sister," dir: 是枝 裕和監督 Hirokazu Kore-Eda


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"Macbeth," dir: ジャスティン・カーゼル監督 Justin Kurzel


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"The Lobster," dir: ヨルゴス・ランティモス監督 Yorgos Lanthimos


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"Mon Roi," dir: マイウェン監督(マイウェン・ル・ベスコ) Maiwenn


"Mia Madre," dir: ナンニ・モレッティ監督 Nanni Moretti


"Son of Saul," dir: ラズロ・ネメス監督 Laszlo Nemes


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"Youth," dir: パオロ・ソレンティーノ監督 Paolo Sorrentino


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"Louder Than Bombs," dir: ヨアキム・トリアー監督 Joachim Trier


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"The Sea of Trees," dir: ガス・ヴァン・サント監督 Gus Van Sant


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"Sicario," dir: ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 Denis Villeneuve



・ある視点部門 Un Certain Regard

"Madonna," dir: Shin Suwon監督 (韓国)

"Maryland," dir: アリス・ウィノクール監督 Alice Winocour (フランス)

"The Fourth Direction," dir: Gurvinder Singh監督 (インド)

"Masaan" ("Fly Away Solo"), dir: Neeraj Ghaywan監督 (インド)

"Hruter" ("Rams"), dir: Grimur Hakonarson監督 (アイスランド)

"岸辺の旅 Kishibe No Tabi" ("Journey to the Shore"), dir: 黒沢清監督 Kurosawa Kiyoshi (日本)

"Je Suis Un Soldat" ("I Am a Soldier"), dir: Laurent Larivere監督 (フランス)

"Zvizdan" ("The High Sun"), dir: Dalibor Matanic監督 (クロアチア)

"The Other Side," dir: Roberto Minervini監督 (イタリア)

"One Floor Below," dir: Radu Muntean監督 (ルーマニア)

"Shameless," dir: Oh Seung-Uk監督 (韓国)

"The Chosen Ones," dir: David Pablos監督 (メキシコ)

"Nahid," dir: Ida Panahandeh監督 (イラン)

"The Treasure," dir: Corneliu Porumboiu監督 (ルーマニア)



・コンペ外部門 Out of Competition


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"マッド・マックス 怒りのデス・ロード Mad Max: Fury Road," dir: ジョージ・ミラー監督 George Miller


"Irrational Man," dir: ウッディ・アレン監督 Woody Allen


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"Inside Out," dir: ピート・ドクター&ロナルド・デル・カーメン監督 Pete Docter and Ronaldo del Carmen


"星の王子様 Le Petit Prince" ("The Little Prince"), dir: マーク・オズボーン監督 Mark Osborne



・スペシャル・スクリーニング Special Screenings


"Oka," dir: スレイマン・シセ監督 Souleymane Cisse

"Sipur Al Ahava Ve Choshech" ("A Tale of Love and Darkness"), dir: ナタリー・ポートマン監督 Natalie Portman

"Hayored Lema'ala," dir: エラド・ケイダン監督 Elad Keidan監督

"Amnesia," dir: バーベット・シュローダー監督 Barbet Schroeder

"Panama," dir: パヴェル・ヴコヴィック監督 Pavel Vuckovic

"Asphalte," dir: サミュエル・ベンシェトリ監督 Samuel Benchetrit

"L'esprit de l'escalier," dir: パブラ・ルカヴィック監督 Pabla Lucavic



・ミッドナイト・スクリーニング Midnight Screenings


"O Piseu" ("Office"), dir: Hong Won-Chan監督


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"エイミー Amy,": dir: アジフ・カパディア監督 Asif Kapadia



5月13日開幕までもう少し時間がありますので、これから招待作品リストに追加が出る可能性も大いにあります。今回選出に漏れてしまった作品を応援していたファンの方々もあまりがっかりしないで、開幕までのカンヌ情報を追っていてください。Indie Wireの記事によりますと、カンヌ総帥ティエリー・フレモー氏(Thierry Fremaux)はこれから開幕までの間にあと8作品ほど招待作品リストに追加されるだろうと明らかにしています。

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現時点では、ベン・ウィートリー Ben Wheatley監督によるJ・Gバラード(J.G. Ballard)原作小説映画化作品『ハイ・ライズ High-Rise』の完成を待っているところだそうで、この作品が無事間に合ってコンペ入りする可能性は高いですね。この『ハイ・ライズ High-Rise』ですが、ダーレン・アロノフスキー Darren Aronofsky監督の作品「ブラック・スワン Black Swan」や「ファウンテン The Fountain」などにスコアを付けていた作曲家クリント・マンセル Clint Mansellが音楽を担当することが決定しています。一種の近未来アポカリプス・ムービーでもあるこの作品に、マンセルが音楽面から多大な貢献をしてくれるだろうことは明白。ますます完成が楽しみです。

また、フレモー氏がコンペ入りを望んでいたスティーヴン・フリアーズ Stephen Frears監督待望の新作『Icon』(例のランス・アームストロング選手の半生を描いた伝記映画です)は、リテイクする必要が出てきたとかで、まだまだ完成フィルムが届きそうにないとのこと。そして、テレンス・デイヴィスTerence Davies監督(「愛情は深い海の如く The Deep Blue Sea」(2011年))の『Sunset Song』のコンペ入りについては、どうなるかはまだ分からないのだそうです。

フレモー氏はまた、カンヌには何度も登場していたフランスの名匠アルノー・デプレシャン監督の新作『My Golden Years』は、コンペ部門ではなく監督週間での上映になると明言しています。実はこれにはフレモー氏自身の葛藤もあったみたいですね。カンヌと相性の良いデプレシャン監督の作品は確かに人気が高いものの、今回また彼の新作をセレクトして、他の女流監督の作品や新鋭監督の作品を無視すれば、“フレモーはリスクを恐れて冒険を避け、安全パイを選んだ”と批判されると予想し(充分ありえますな・笑)、あえてマイウェン監督やヴァレリー・ドンゼッリ監督に勝負を賭けたとか(両者とも女流監督ですし)。また、今回開幕上映作品が女流監督エマニュエル・ベルコ監督 Emmanuelle Bercotの作品(コンペ外)に決定したのも、オレ達が期待しまくっている(笑)B級世紀末クレイジー・アクション・ムービー「マッドマックス 怒りのデス・ロード Mad Max: Fury Road」をコンペ外で出品するワーナーに断られたからだと正直に暴露(爆)。いいのかよ、そんなこと言って(笑)。ずっと前から思ってたんですけどさ、この人、こういうことをベラベラしゃべっちゃうから、方々で批判される羽目になるんですよ、きっと(笑)。しかし、もしワーナーからOKが出ていたら、ひょっとしたら今年のカンヌ国際映画祭は、頭おかしい世紀末アクション・ムービーが華々しく開幕を告げる…なんてことになっていたのでしょうか(大笑)。そりゃある意味、ホンマもんの世紀末的現象だわ。


そんなわけでして、とりあえず、今の時点で私が興味を引かれる作品の画像を貼っておきました。長らくマーティン・スコセッシ監督が温めていた企画、遠藤周作原作小説の映画化がガス・ヴァン・サント監督のメガホンと、渡辺謙氏とマシュー・alright, alright, alright・マコノヒー出演で実現するなど(『The Sea of Trees』)、今年も期待できそうな作品が見られそうですよ。

「プリズナーズ Prisoners」「複製された男 Enemy」と連続して日本で監督作品が公開されたカナダのドゥニ・ヴィルヌーヴ Denis Villeneuve監督の新作も招待され、ヴィルヌーヴ監督の動向に大注目している館長としてはうれしい限り。ヴィルヌーヴ監督については、あの名作SF「ブレードランナー Blade Runner」の続編を3部作で製作するという悪夢のような(苦笑)リブート企画の監督として、白羽の矢を立てられてしまった経緯もあるので、とにかく彼の純然たるオリジナルの新作がカンヌで注目されることに安堵している次第です。

もちろん、既に豆酢館殿堂入りしているジャック・オディアール Jacques Audiard兄貴の新作も、喉から手が出るほど楽しみです(大笑)。なので、兄貴、がんばってカンヌに間に合うように作品を仕上げてください。お願いしますぜ。

また、テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の大ヒットの影響を受け、コスチューム・プレイ作品の流行が映画の方でも復活している昨今ですが、当初スルーしていたマッテオ・ガローネ監督 Matteo Garroneの『The Tale of Tales』にはジョン・C・ライリー、サルマ・ハェックなど人気、実力共に高い俳優が集結しており、お子様は見ちゃダメ♪な方の(笑)トレーラーを見た印象がかなり良かったので、俄然興味がわいてまいりました。

同じコスチューム・プレイ系列の作品で、本当なら昨年度の賞レースに華々しく登場するはずだったジャスティン・カーゼル監督 Justin Kurzel、我らがマイケル・ファスベンダー&マリオン・コティヤール姐御主演の『Macbeth』が無事にコンペ入りしたことを心から喜んでおります。配給元ワインスタイン・カンパニーが、昨年度は「イミテーション・ゲーム The Imitation Game」にかかりっきりだったため、『Macbeth』はこのまま放置されて忘れられてしまうのかと、本気で危惧していましたからね。ワインスタインならそれぐらいのことはやりかねんので。まあ、あくまでも結果論ですけど、『Macbeth』はお披露目が一年ずれて正解だったかもね。

他には、めちゃくちゃ楽しみにしているトッド・ヘインズ Todd Haynes監督(「ベルベット・ゴールドマイン Velvet Goldmine」(1998年)、「エデンより彼方に Far from Heaven」(2002年)、「アイム・ノット・ゼア I'm Not There」(2007年))お久しぶりの新作『Carol』に注目。ルーニー・マーラちゃんとケイト・ブランシェット姐御の共演ということで、女性の描写にも冴えを見せるヘインズ監督ならではの痛鋭いドラマが期待できそうです。

今年のカンヌは、さいぜんから報道されていた通り、映画祭運営側が意識して女流監督の作品を積極的に選出しており、この方針転換がどのような結果をもたらすのか、私も一定の興味はありますよ。吉と出るか、それとも凶と出るのか。実は個人的には、昨年度のカンヌのプレス・カンファレンスで、ジェーン・カンピオン監督が女性クリエイターの置かれた厳しい状況に苦言を呈していたように、女流監督、あるいは女性ライター、女性プロデューサー、とにかくクリエイティヴな立場に立てる女性の数が依然として少なすぎる状況は、さして好転していないと考えています。オスカーでも結局、社会に一石を投じる程の作品を世に問うた女流監督は、軒並み無視されていました。フレモー氏の談話を見ても、なんだか“女性重視”、“女性と冒険する”方針にあまり乗り気ではないようにも感じられますしね…。従いまして、今年のカンヌも昨年に引き続き、私は割りと冷ややかに見守っているのですけどね。

今年の審査員長コーエン兄弟のカラーを反映し、コンペ部門は、インディペンデント系の地味だけど硬派で生真面目なイメージの作品で埋められています。それに対し、メーター振り切ってしまったのがコンペ外部門のようで、かなり笑えますわ。まさか、“マッドマックス”のリメイクがカンヌでプレミア上映されるとは思いもよりませんでした、ええ(涙笑)。こりゃ、日本で劇場公開された暁には、ぜひとも映画館に馳せ参じねばなりませんねえ。

もう一つ面白い選考になっているのが、女優イザベラ・ロッセリーニが審査員長を務める、“ある視点”部門ですね。私の勉強不足で、発音の仕方も分からないような監督さんたちの作品ばかり。カンヌが、無名でも優れた才能を発見し、拾い上げる場でもあることを久しぶりに思い出しました。今年のカンヌのある視点部門は、そんなわけで却って注目度が高い気がします。

特別企画では、ミッドナイト・スクリーニングで上映されるドキュメンタリー作品『エイミー Amy』(アジフ・カパディア監督 Asif Kapadia)が見てみたいなあ。若くして逝ってしまったミュージシャンを取り上げた作品では、今年は他にカート・コバーンのドキュメンタリー映画も待機しています。生き急いだ人達の人生は、亡くなった後も、こんな風にして“消費”されていくのかと思うと、なんとも複雑な心持ちもいたしますが…。


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