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zoom RSS 映画の手帖 Un carnet de cinema, part1。

<<   作成日時 : 2015/03/06 14:33   >>

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現在、我が町の某映画館では、「6才のボクが大人になるまで。Boyhood」と「グランド・ブダペスト・ホテル The Grand Budapest Hotel」がリバイバルなのにめっちゃロングラン・ヒット上映中(笑)。両作品とも、オスカーを受賞したということでリバイバル上映されているのですが、特に「グランド・ブダペスト・ホテル The Grand Budapest Hotel」の方のリバイバルは、何度目なのか既に分からんようになってますよね(笑)。ウェス・アンダーソン監督の作品はどれも日本で大変な人気を誇っておりますが、レイフ・ファインズが初めてアンダーソン・ファミリーに参加した今作の人気はさすがに凄い。

「グランド・ブダペスト・ホテル The Grand Budapest Hotel」(2014年)
監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ウェス・アンダーソン
原案:ウェス・アンダーソン&ヒューゴ・ギネス
製作:ウェス・アンダーソン&スコット・ルーディン&ジェレミー・ドーソン&スティーヴン・レイルズ
音楽:アレクサンドル・デスプラ
撮影:ロバート・D・イェーマン
編集:バーニー・ピリング
出演:レイフ・ファインズ(ムッシュ・グスタヴ・H)
F・マーリー・エイブラハム(ミスター・ムスタファ)
マチュー・アマルリック(セルジュ・X)
エイドリアン・ブロディ(ドミトリー)
ウィレム・デフォー(ジョプリング)
ジェフ・ゴールドブラム(コヴァックス)
ハーヴェイ・カイテル(ルートヴィヒ)
ジュード・ロウ(若き日の作家シュテファン・ツヴァイク)
ビル・マーレイ(ムッシュ・アイヴァン)
エドワード・ノートン(ヘンケルス)
シアーシャ・ローナン(アガサ)
ジェイソン・シュワルツマン(ムッシュ・ジャン)
レア・セドゥ(クロチルド)
ティルダ・スウィントン(マダム・D)
トム・ウィルキンソン(作家シュテファン・ツヴァイク)
オーウェン・ウィルソン(ムッシュ・チャック)
トニー・レヴォロリ(ゼロ)
ボブ・バラバン(ムッシュ・マーティン)他。

「ダージリン急行」「ムーンライト・キングダム」等のウェス・アンダーソン監督最新作。1930年代、仮想の国ズブロフカ共和国にあったとされる、ヨーロッパ随一の格調高いホテル“グランド・ブダペスト・ホテル“を舞台に、ホテルを仕切る伝説のコンシェルジュと彼に憧れるベルボーイが繰り広げる冒険ミステリーを追う。現代、1960年代、そして大戦前夜という3つの時代を舞台にしたアンダーソン監督流の壮大な叙事詩に注目だ。
グランド・ブダペスト・ホテルの名物コンシェルジュであるグスタヴ・Hは、オーストリアの大富豪未亡人マダム・Dと一夜を共にする。その後、帰国したマダム・Dは何者かに殺されてしまう。彼女は遺言で「リンゴを持つ少年」の絵をグスタヴに譲ろうとした。しかし、マダムの息子ドミトリーはグスタヴに母を殺した罪を着せて復讐し、その莫大な遺産全てを我が物にしようとしていた。グスタヴはドミトリーに絵を奪われないように、彼の弟子となったベルボーイのゼロとその想い人のアガサの力を借り、ヨーロッパ大陸を飛び回るのだった。
ーWikipedia、Googleより抜粋、編集

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白状しますと、当館では、以前に「ファンタスティックMr. Fox」ぐらいしか取り上げていなかったウェス・アンダーソン監督ですが(しかもその作品レビューも辛口…笑)、往年のハリウッド映画の風格を備えたこの作品はお気に入りです。
ホテルに集う人々の人生が交錯する様を描いた名作「グランド・ホテル Grand Hotel」(1932年、エドマンド・グールディング監督)の万華鏡のごとききらびやかなドラマの流れ。若くして未亡人となったヒロインが華やかだった昔を懐かしむあまり、かつて舞踏会で踊った男性たちを訪ね歩いて自らの過去を見直していく「舞踏会の手帖 Un carnet de bal」(1937年、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督)が示す人生の皮肉の痛ましさとほろ苦さ。

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これら、古き良き30年代から40年代に生み出されたエレガントにして滋味深い名作群へのオマージュを、アンダーソン監督風味のスクリューボール・コメディ・タッチで描いたのが、この「グランド・ブダペスト・ホテル The Grand Budapest Hotel」です。哀感と可笑しさ、ハラハラドキドキ、時にシュールな恐ろしさ。ハッピーでありほろ苦くもあり、やがては悟りの境地に至るエンディング。以前も書きましたが、今作は、人の持つ多種多様な感情をコミカルにカラフルにコラージュしてゆくアンダーソン監督の、キャリアの集大成的な作品だったとお察しします。

…そうそう、「6才のボクが大人になるまで。Boyhood」と「グランド・ブダペスト・ホテル The Grand Budapest Hotel」では、どちらの方が好きかと質問されたことがありました、そういえば(笑)。そりゃ究極の選択だわな(笑)。私に言えるのは、映画を評価する際に、映画という芸術形態の特徴を隅々まで駆使した、技術的な素晴らしさに重きを置くのであれば、間違いなく「グランド・ブダペスト・ホテル The Grand Budapest Hotel」を挙げるだろうということです。映画的なテクニックを華麗に駆使し、いかにも“作り込んでいます”風なあざとさすら演出の味付けに組み込んでしまう、徹底した“人工美”。その箱庭的世界の中で右往左往する人々の運命の不思議を愛情を込めて描き、最後には、箱庭世界も含めて全てを大きな歴史の流れの中で捉えてカメラを引いていく…。観客をなんともいえない余韻に浸らせるラストまで、こんがらがったストーリーをだれることなく一気呵成に畳み掛けるリズム感。押し引きのさじ加減を熟知した、監督の演出の妙を堪能させてくれますよね。

しかしながら、映画も他のアートと同じで生きものであり、時間の経過と共に変化、進化していくのだと捉えるなら、21世紀のヌーヴェル・ヴァーグ映画だと個人的に位置づけている「6才のボクが大人になるまで。Boyhood」を推すと思います。なぜこの作品を映画の未来形の一つだと考えるのか、その理由についてはこの記事に書いてありますので、ここでは繰り返しません。オスカー直前になって、評論家や評論家気取りの観客から手のひらを返したような今作への批判が噴出した経緯については、ただただ残念だといわざるを得ません。どちらの作品も、多面体である映画の中のそれぞれ異なる一面において、秀でた良作だと私は思っています。


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さてさて、この映画館でも、これから日本で劇場公開される話題作が紹介されています。3月13日からようやっと公開される「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 The Imitation Game」。今作については実際に本編を観てからまた記事を書こうと思っています。


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…鳥か?…

…飛行機か?…


……いやいや、いやいや、あいつの正体は……


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…“鳥男”だったぁあぁあぁあぁあー!!


そう、もういい加減待ちくたびれたので、こちらからアメリカに飛んでいこうかとすら思い詰めていた(笑)「バードマン Birdman」です!今作はこの街では4月10日から公開。まだ1ヶ月以上も先ですが、オスカーでは監督賞、作品賞を制覇した意欲作ですもんね、待つ甲斐があるってもんです。モノクロ、サイレントで黎明期のハリウッドを生き生きと描いた「アーティスト The Artist」が大成功して以降、再び流行の兆しがあるハリウッド内幕モノ、いわゆるバックステージものにカテゴライズされる今作は、しかしながら、イニャリトゥ監督のマジック・リアリズム・イマジネーション大爆発で、従来のバックステージものとは一味も二味も三味も違う仕上がりになっているはずです。トレーラーを見ただけで悶絶してますよ、私なんざ(笑)。楽しみですわい。


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そしてこちらは、念願の劇場公開作品「セッション Whiplash」。この街では4月17日から、狂気の猛烈っ!ドラムしごき教室受講開始でございます(笑)。わたくしめ、両手に包帯を巻いてドラムスティック握り締め、初日に馳せ参じたいと思っておりますぜ(←おやめ・笑)。オスカーでは、J.K.シモンズおいちゃんが見事最優秀助演男優賞を、「6才のボクが大人になるまで。Boyhood」のサンドラ・アデア、「グランド・ブダペスト・ホテル The Grand Budapest Hotel」のバーニー・ピリングといった有力候補者を退けて、若き編集者トム・クロスが最優秀編集賞を獲得しました。…オスカー授賞式を見ましたが、長い間苦労してきただろうベテランが、大きな賞を手にする晴れやかな瞬間を目撃するのは、やはりじーんとくるモンですな。昨年のルピタ・ニョンゴLupita Nyong'oちゃんの初々しい受賞も感涙モノでしたが、今年は、シモンズおいちゃんの晴れ姿が印象に残りました。
処女作にして傑作「君が生きた証 Rudderless」を64歳で初監督したウィリアム・H・メイシーおいちゃんの成功例と共に、“偉業を成し遂げるのに年齢なんぞ関係ない”のだということを、身をもって教えてくれたシモンズおいちゃん。おぼこいフレッシュさで光った“弟子”役の新顔マイルズ・テラー君にとっも、彼と対照的なシモンズおいちゃんにとっても、「セッション Whiplash」は生涯忘れえぬ代表作となったでしょうね。


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