House of M

アクセスカウンタ

zoom RSS 鳥男と少年時代。―The 24th Gotham Independent Film Awards

<<   作成日時 : 2014/12/03 12:46   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

実はこのゴッサム・インディペンデント映画賞の受賞者発表をもって、アメリカでは正式に映画賞レース・シーズンが到来したということになるようですよ。


第24回ゴッサム・インディペンデント映画祭 The 24th annual Gotham Independent Film Awards
受賞リスト Winners List


…なお、今年のゴッサム・インディペンデント映画祭では、女優ティルダ・スウィントン氏、「カポーティ Capote」「マネーボール Moneyball」「フォックスキャッチャー Foxcatcher」の監督ベネット・ミラー氏、映画・ドラマ配信会社Netflixの代表テッド・サランドス氏にトリビュートが捧げられました。



・作品賞 Best Feature

「バードマン Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)」(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)



・ドキュメンタリー賞 Best Documentary

「CITIZENFOUR」(ローラ・ポイトラス監督)

先日のNY映画批評家協会賞でもドキュメンタリー賞を獲得していた「CITIZENFOUR」(スノーデン氏のドキュメンタリー)がまたしても受賞。素晴らしい。実は、ポイトラス監督自身も政府から目をつけられ、勝手に個人情報を盗まれていた恐ろしい経験があったそうです。そんな彼女が、命懸けで国家の犯罪を世に問うたスノーデン氏に興味を持つのも自然な成り行きでしょう。受賞の際に監督は、リスクを冒して「CITIZENFOUR」を共に作り上げたスタッフ達の勇気に感謝すると共に(今作のスタッフ陣は、誰一人として製作から離脱しようとしませんでした)、彼らには、今世界が目を向けねばならない大命題に取り組んだことに誇りを持って欲しかったと語ったそうです。



・ビンガム・レイ新人監督賞 Bingham Ray Breakthrough Director Award

画像

アナ・リリー・アミルポール監督 Ana Lily Amirpour 「A Girl Walks Home Alone at Night」

サンダンス映画祭で見出され、世界中の映画祭や映画賞で話題になっている、ガールズ・ヴァンパイア西部劇映画(モノクロ作品)「A Girl Walks Home Alone at Night」という特異且つ意欲的な作品を世に送り出した女流監督が受賞。素晴らしい快挙です。日本でも公開されることを切に願いますね。

画像

毎夜、1人の少女が“Bad City”という寂れた街を彷徨い歩きます。少女はいつも、イスラム教の教えに則って身体まですっぽり隠れるスカーフを被っていました。そのせいで、街の不良どもは、その儚げな容姿の美しい少女に密かに尾けられていることにも全く気付きません。今夜も不良どもの誰かが命を落としました。…果たして、夜毎街を彷徨う少女の目的とは。

社会の中で抑圧される立場にある女性が、人知を超えた力を持ったとしたらどうするだろう?ジェンダー問題や社会から女性性への抑圧といった問題を、そんなユニークな切り口で見せたのがこの作品です。イラン社会、西部劇、ヴァンパイア、フェミニズムといった要素が組み合わされ、男性と女性の間に依然として横たわる根深い溝を逆説的に炙りだしていきます。

そんな斬新で野心的なアミルポール監督の公式ホームページはこちらです。「A Girl Walks Home Alone at Night」以外の監督作品についても情報が掲載されています。監督のアイドルは女優ティルダ・スウィントン。受賞スピーチの際には、新人監督賞を与えられた驚きと喜び以上に、憧れのアイドルと同席できたことに大興奮するという、なんとも可愛いらしいリアクションを見せていたとか(笑)。



・男優賞 Best Actor

画像

マイケル・キートン Michael Keaton 「バードマン Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)」

マイケル・キートン、遂に主演男優賞を受賞。おめでとうございます!受賞スピーチでは、この映画賞の名称が“ゴッサム Gotham”であることを踏まえたジョークも飛び出しました。“ジョーカーやペンギンが悪さをしているのかい?なら、僕はすぐにウェイン邸に戻らなきゃ!”だって(笑)。

画像

ティム・バートン監督版「バットマン」で蝙蝠のケープとマスクで人気を決定付けたキートン。“バットマン”のケープと仮面は脱いだものの、その後長い間、俳優として低空飛行を続けていました。今作では、昔々“バードマン”という名前のコスチューム・ヒーローものに主演して人気を博したが、ヒーロー稼業をやめた途端に人気が低迷し、今やリアリティ番組にまで出て細々と暮らす落ちぶれた俳優に扮します。……言いたかないですけど、これ以上の残酷な自虐演技が他にあったでしょうか……。わたくしは涙を禁じ得ません。

画像

しかし!今作では、キートン本来の持ち味であるコメディ演技(「ビートルジュース Beatlejuice」のタイトルロールは、何を隠そうキートンその人である)と、実人生での苦労を経た末の渋みと滋味深さを合体させ、言い様の無い悲哀の漂うユニークな“ヒーロー”像を構築しました。大々的にプレミア上映されたNY映画祭でも大好評だった「バードマン」、日本では来年2015年に劇場公開されます。

画像

キートン同様、俳優業の方がなんとなく低迷していたインテリ俳優エドワード・ノートン先生も、助演)登場。こちらもアクの強い、したたかな演技で評判を呼びました。キートン&ノートン Keaton & Norton。なんだかコンビ名みたいで語呂も良いことですし(笑)、オスカーには2人揃ってノミネートされて欲しいなあと願いますよ。

それから、今年のゴッサム映画賞の男優賞を選出した審査員団は、「フォックスキャッチャー Foxcatcher」(ベネット・ミラー監督)の主演スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロのアンサンブル演技に対し、特別審査員賞を贈りました。



・女優賞 Best Actress

画像

ジュリアン・ムーア Julianne Moore 「Still Alice」

ジュリアン姐さん主演女優賞受賞やっとキターーーーーーー!!!!!!
でも、ウチの師匠の「マップ・トゥ・ザ・スターズ Maps to the Stars」での受賞ぢゃなかったわ、コンチクショーーーーーー!!!!!!


ま、でもね、これで良しとしましょう。おめでたいことなんですからさ。今年の主演女優賞候補者の顔ぶれも、男優賞同様に豪華で、どなたが受賞してもおかしくない団子状態です。その中で、ゴッサム映画賞では、ジュリアン姐さんが頭一つ抜け出した…という感じでしょうかね。インディ映画の世界でもメジャーの世界でも素晴らしい実績を残し、長いキャリアを誇ってきた女優さんの中でも、このジュリアン姐さんに比肩できる才能はそうそうおりません。いい加減、姐さんにオスカー像を進呈してもバチは当たらないと思いますよ〜。



・新人俳優賞 Breakthrough Actor

テッサ・トンプソン Tessa Thompson 「Dear White People」

画像

これまたサンダンス映画祭で見出された、レイシズム問題を独特のユーモアでくるんで問うたコメディ作品「Dear White People」。世界屈指の名門私立大学8校からなるアイビー・リーグのうちの一つの大学に入学した4名の黒人の若者達。彼らの日々の奮闘をユーモラスに描きます。現在、アメリカのファーガソンで、白人警察官が黒人青年を射殺した事件をきっかけに起こった暴動が問題になっていますが、今一度、人種差別、偏見という根深い問題に対峙しなくてはならないと思いますね。



・ゴッサム・インディペンデント映画観客賞 Gotham Independent Film Audience Award

「6才のボクが、大人になるまで。 Boyhood」(リチャード・リンクレイター監督 Richard Linklater)

“ありがとう、ゴッサム映画賞とIFP(Independent Filmmaker Project、独立系映画製作者プロジェクト)!この受賞は大変名誉なものであり、僕たちにとって大きな大きな意味を持つものだ”―リチャード・リンクレイター監督


参照記事:'Birdman' and 'Boyhood' Win Big at 2014 Gotham Independent Film Awards via IndieWire


にほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス
鳥男と少年時代。―The 24th Gotham Independent Film Awards House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる