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zoom RSS さよなら、超芸術の老人力。―赤瀬川原平氏死去。

<<   作成日時 : 2014/10/27 11:14   >>

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父豆へ。赤瀬川さん、亡くなってしまったよ。原平さんの本、好きだったよね。


知的なひねりに満ちた前衛美術作品を手がけ、「老人力」「超芸術トマソン」などの著作、芥川賞受賞でも知られた画家・作家の赤瀬川原平(あかせがわ・げんぺい、本名赤瀬川克彦〈かつひこ〉)さんが、26日午前6時33分、敗血症のため東京都内の病院で死去した。77歳だった。通夜、葬儀は近親者のみで行う。喪主は妻尚子さん。作家の赤瀬川隼(しゅん)さんは実兄。
朝日新聞digitalより

私が拝読した原平さんの著作は、「超芸術トマソン」も「老人力」も含めて全て父豆から借りたもの。ちょうど子豆1号を妊娠中の時期でいつも以上に暇だったので(笑)、それをよいことに、当時は原平さんの著作を片っ端から読み倒しておりましたなあ。

超芸術トマソン (ちくま文庫)
筑摩書房
赤瀬川 原平

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氏の名前を一躍ポピュラーにしたのがこのエッセーですね。日常生活の中で身近に潜んでいるアート“超芸術”―(何のために存在しているのかさっぱり理解できない摩訶不思議な建物や、建物の一部と化した物体)―を探索しようというテーマの下、一般人を巻き込んで日本中の“もはやアートすら超越した物体”を探してまとめたのがこの本です。もう随分前の作品ですが、今読んでも抜群に面白い。未読の方には、ぜひ読んでくださいとお勧めします。読後は、自分でも周囲の日常風景を違った目で観察するようになること請け合い(笑)。当館内ではここでちょろっと触れています。

老人力 全一冊 (ちくま文庫)
筑摩書房
赤瀬川 原平

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おそらく原平さん史上最大のヒット作となったのがこのエッセーでしょうね。既に読まれた方もたくさんおられると思います。当館内では映画「RED/レッド」をご紹介したときに、どうしても触れておきたかったので少しお話しました。いかにも原平さんらしい、“そこを突くのかよ?!”とツッコミたくなるような斬新な着眼点とユニークな発想の転換が冴え渡る名エッセーでした。まだまだ老人からは程遠い世界にいる若い方にも、既に老人海にどっぷり浸かっている方にも、社会の底辺でしゃかりきになって働いている中年世代の方にも、老若男女を問わず皆さんに読んでいただきたい程面白かったのですが、原平さんのエッセーの真意が誤って伝わってしまった残念な点もありましてね。当記事でもその辺りに触れています。

画像

ご自身のご病気のこともあり、食に関する興味深いエッセーもありました。それに、あの“韮ハウス”―自宅を新築した際に屋根一面に韮を植え、エコ生活に近づこうと試みた―建立の顛末を記録したエッセーも面白かったなあ。

新解さんの謎 (文春文庫)
文藝春秋
赤瀬川 原平

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そうそう。全日本人にとってのバイブルともいえる、あの超有名な辞書“新明解 国語辞典”に潜む、シュールかつアバンギャルドな語句世界を徹底分析、解説したエッセー「新解さんの謎」も最高でした。“新解さん” vs. “原平さん”の前衛的な知恵比べという壮絶な戦いを、ユーモアを交えて実況中継しているようでした(笑)。

原平さんの面白さを追及しはじめたら、それこそキリがありませんね。

斬新な発想と奇想天外な思考というのは、原平さんご自身が、旧式モラルと固定観念からの脱却に挑戦し続けたアーティストであったという出自が大きく影響しているでしょう。生前の温和な表情からは容易に想像できませんが、原平さんの世界を見つめるまなざしは常に鋭いですし、情け容赦もない。氏の眼前で一生懸命体裁だけを取り繕おうとしても、何の意味もありゃしません。偽者や嘘、中身が空っぽな者は瞬時に見抜かれてしまうのですからさ。亡くなる前、原平さんの目には今の日本社会がどのように映っていたのでしょうね。原平さんの死が、日本社会から“精神的余裕”という名前の超芸術トマソン物件が消えていくことを象徴するのではないことを祈るばかりです。

原平さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。


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