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zoom RSS TIFF14 choose 'TIG' & 'Maps to the "ALL" Stars'.

<<   作成日時 : 2014/09/16 22:15   >>

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2014年度トロント国際映画祭(TIFF14)における“Maps to the Stars”プレス・カンファレンスとプレミア、レッド・カーペットでの画像、TIFFのまとめと“Maps to the Stars”おさらいを追記しました。


Your Grolsch People's Choice Award for 2014 goes to 'THE IMITATION GAME' at Toronto International Film Festival 2014

...and Show must go on...

さてさて、長かったトロント国際映画祭も、現地時間で14日の夜、日本時間では15日未明に最高賞であるYour Grolsch People's Choice Awardの受賞作品を発表して、無事閉幕しました。


・Grolsch People's Choice Award

2014 Winner: “The Imitation Game”
(この賞は、映画祭で実際に作品を観た観客からの投票によって決定します。)

過去、トロント国際映画祭でPeople's Choice Awardを受賞した作品、つまり映画を実際に観た多くの観客が“一番良い映画だった”と感じた作品は、後に発表されるアカデミー賞でも主要部門で受賞する確立が非常に高いというジンクスがありました。昨年の例では、People's Choice Awardに輝いたスティーヴ・マックィーン監督の名作「それでも夜は明ける 12 Years A Slave」は、アカデミー賞の作品賞のみならず助演女優賞、脚色賞等々複数の部門での受賞を勝ち取りました。

今年は、英国の歴史に埋もれてしまった悲劇の天才アラン・チューリングの半生を描いた「The Imitation Game」が受賞。これから先どうなるかは分かりませんが、テルライド映画祭でも大変な反響を呼んでいたことを鑑みても、今作がオスカー戦線(こういう言い方は心底嫌いですが)で一歩リードしたことは確かです。テレビ「シャーロック」シリーズのベネディクト・カンバーバッチ氏の演技に対する賞賛は、大方のメディアで出されていた共通の見解でしたし、オスカー直前に彼への評価が唐突に覆ってしまった、なんて事態はまずあり得ないと思いますよ。

そして、話を蒸し返すようで申し訳ありませんが、「The Fifth Estate」に関して、今作のプロデューサー並びにビル・コンドン監督が今だにだんまりを決め込んでいることには、私は正直腹を立てています。私は元々「God & Monsters」が大好きでコンドン監督の大ファンでしたから、こういうことを書くのは身を切られる程辛いです。辛いですが、「The Fifth Estate」製作に関する問題点、及び作品へのバッシングの責任の所在は、明らかにドリーム・ワークスとプロデューサー、そしてコンドン監督自身にあると考えているので、監督が現在撮影中の作品の仕事が一段落したら、ぜひとも「The Fifth Estate」に関する監督自身の誠意あるコメントを聞かせて欲しいと願っています。


・Grolsch People's Choice Documentary Award

2014 Winner: “Beats of the Antonov”
(この賞は、映画祭で作品を観た観客からの投票によって決定します。)


・Grolsch People's Choice Midnight Madness Award

2014 Winner: “What We Do in the Shadows”
(この賞は、映画祭で作品を観た観客からの投票によって決定します。)


・Canada Goose Award for Best Canadian Feature Film

2014 Winner: “Felix and Meira”
(この賞は、プロの業界人によって選出され、カナダ出身の有望な新人監督に贈られるものです。)


・City of Toronto Award for Best Canadian First Feature Film

2014 Winner: “Bang Bang Baby”
(この賞は、プロに業界人によって選出され、優れた処女作品を製作した新人監督に贈られるものです。)


・Award for Best Canadian Short Film

2014 Winner: “The Weatherman and the Shadowboxer”
(この賞は、プロの業界人によって選出され、優れた短編映画を製作したカナダ人映画監督に贈られます。)


・Award for Best International Short Film

2014 Winner: “A Single Body”
(この賞は、プロの業界人によって選出され、優れた短編映画を製作したカナダ圏を除く国の映画監督に贈られます。)


・International Critics' Prize (FIPRESCI Prize) – Discovery

2014: “May Allah Bless France!”
(このFIPRESCI賞の審査員は、映画批評家国際連盟のメンバーから構成され、新たな才能の発掘を目的とするDiscovery programmeに選出された作品の中から最も優れた作品に贈られます。)


・International Critics' Prize (FIPRESCI Prize) – Special Presentations

2014 Winner: “Time Out of Mind”
(このFIPRESCI賞の審査員は、映画批評家国際連盟のメンバーから構成され、特別企画Special Presentations programmeに選出された作品の中から最も優れた作品に贈られます。)


・NETPAC Award

2014 Winner: “Margarita, with a Straw”
(TIFFは今年、優れたアジア映画を世界に伝えるネットワーク(Network for the Promotion of Asian Cinema)から審査員を迎え、商業用長編映画を初めて手がけたアジア人映画監督、あるいは第2作目の作品を製作したばかりのアジア人映画監督向けに、選出作品中最も優れた作品に賞を贈ることになりました。それがNETPAC賞です。)



電子版The Weekのサイトに、今年のトロント映画祭そのものへの総評と傾向、映画祭の今後の課題についての記事が掲載されました。

Girls on Film: Why the Toronto International Film Festival is the best platform for female filmmakers この記事に、今年のTIFFでは、女性クリエイターや女性監督が中心になって製作された映画が、過去最高の58作品も招待されていた事実が指摘されています。

手前味噌で申し訳ありませんが、当館でもこの記事で、今年のTIFFは映画祭の存在意義や方向性を別のレベルに進化させようとしているのではないかと書きました。まず、TIFFアート・ディレクターのキャメロン・ベイリー氏が中心となって、北米での配給が決まっていないけれども質の高い作品たちが、“映画を通じて世界の見方を変えよう”という大きなテーマの下に世界中からかき集められました。ベイリー氏は中でもとりわけアジア諸国(ご注意:日本はこの“アジア枠”の中には入っていません。あしからず)で製作される映画に注目しており、来年以降は更に多くのアジア映画をトロントに招聘する考えだろうと思いますよ。

映画が作られていることすら知らなかったような国からやってきた映画を目の当たりにし、感激している観客の声もネット上でたくさん目にしました。この試みは、今はまだ試運転段階でしょうから、今年の映画祭の占める役割に大きく影響しなかったかもしれません。しかし今後、おそらくは企画の規模も映画祭における比重も増していくと思われるので、TIFFの先導で、映画の世界が更に広がる未来を楽しみにしております。

そして、私自身も常にフラストレーションを覚えている、女性クリエイターや女性フィルムメーカーの活動状況の厳しさに関しても、TIFFはそこに未来を見出していたようですね。
女性が作った映画について、今だに“女性らしい繊細さ”、あるいは“女性ならではの感性”という偏ったジェンダー思想でしか捉えられない映画市場には我慢がならないし、アイデア枯渇により映画界が衰退する一方であるのは、ひとえに、野郎中心の映画界の古い体質が原因です。この膠着した状況に風穴を開けたいなら、先ずは、女性クリエイター達の創作の機会と場所をもっと広げることだと思いますよ。同時に、LGBT、この世のあらゆるセクシャル・マイノリティーに対して、その愚鈍なるケツをとっとと上げ、広く広く映画市場の門戸を開放しなければ。女性の観客、セクシャル・マイノリティーの観客が本当に観たいと思うような、観る価値があると思う映画を今すぐ作り始めるべきですな。映画に未来があるとするならば、その鍵を握るのは、女性とセクシャル・マイノリティーです。今年のTIFFの招待作品の選考方法と傾向は、それを示唆する内容ではなかったかと思いますね。おそらく、ベルリン国際映画祭(Internationale Filmfestspiele Berlin)、ヴェネチア国際映画祭(Mostra Internazionale d'Arte Cinematografica)、ニューヨーク映画祭(NY Film Festival)やロンドン映画祭(BFI London Film Festival)あたりの主要映画祭も、TIFFが目指す方針に徐々に転換していくのではないかなあ。そんな気がしてなりませんよ。


さて、“Maps to the Stars”についてまとめを。

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 (画像は、ET Canadaの取材に答えるクローネンバーグ監督)
クローネンバーグ監督の信者になりたての頃、監督が新作を発表するたびに起こる不快感、困惑をあらわにした世間の反応に随分心を痛めたものです(笑)。痛感したのは、一般的な映画ファンや“シネフィル”症候群の映画通の方々は、どちら様もこぞって、デヴィッド・クローネンバーグ監督の不条理ホラー、不条理ラブ・ストーリー、不条理家族ドラマや不条理サスペンスなんぞ、ハナっから求めちゃいないという厳粛な事実ですね。

世に映画は数あれど、プロのライターですら碌に熟考もせず拒絶する、あるいは気軽に否定する、そしてそれが暗黙の了解のうちに認められている映画なんて、そうそうないと思います。しかしクローネンバーグ監督の作品群周辺では、そうした映画への敬意に著しく欠ける行為が度々見られます。実に残念ですね。

私も若い頃は、クローネンバーグ監督の映画にこめられたテーマの深遠さを何とか解ってもらおうと、一生懸命いろんな人に説明してまわりました。しかし今は、そんなことをするつもりはありません。全て無駄なあがきだったという結論に至りましたから。他の観客からの理解は求めません。解ってもらわなくて大いに結構。映画への愛情は、そりゃ大勢で共有できるのならば、それはとても美しい経験ですし、映画の持つポジティヴなパワーを感じることにも繋がり、素晴らしいことだと思います。可能な方はどんどん映画の感動を他者と共有してください。私自身は、映画と自分との関係性も映画への思い入れも何もかも、全ては個人が各々心の中で反芻し自らの血肉としていくものだと思っているだけです。私にとってはそれで充分なので。

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 (画像はプレミア、レッド・カーペット上の監督と監督の実娘ケイトリン・クローネンバーグ)
長い間、クローネンバーグ監督の詩品は嗜好性が高く、観る人を選ぶと固く信じられてきました。きっと今も尚、監督への一般的な認識はそんなものでしょう。「スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする Spider」以降、純然たるホラー映画の枠組みから解き放たれ、心理サスペンスや心理ドラマの領域へ緩やかに視界を広げつつ、処女作を作った頃から変わることのないテーマへの探究を続ける監督の姿勢をみれば、世間様の彼への認識や評価なんぞ、どうでも良くなるのですよ。

【トロント国際映画祭における「Maps to the Stars」露出状況】

・記者会見 Press Conference
TIFF Site: http://live.tiff.net
Dailymotion: http://www.dailymotion.com/tiff
You Tube: https://www.youtube.com/user/tiff

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'MAPS TO THE STARS' Press Conference | Toronto International Film Festival 2014
shared from TIFF YouTube Official channel
ジュリアン・ムーアの明確かつユーモラスで当意即妙な回答が目立つプレカンでした。素晴らしい女優です。彼女にこそ今年はオスカーを受賞して欲しいですね。若い娘にオスカー像をくれてやるのも結構ですが、真に才能ある人間に相応しい賞を与えることが大事でしょう?ジュリアンにはぜひこの「Maps to the Stars」で受賞して欲しいと願いますが、もう一つの作品「Still Alice」の方でも構わない。とにかく彼女がいまだアカデミー賞の主演女優賞を手にしていないなんて、はっきり申し上げてオスカーの名を汚すことですよ。

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「Maps to the Stars」は、落ち目のハリウッド女優ハヴァナが、ドラッグで若くして亡くなった母の幻影に悩まされながら、その母の出世作をリメイクして再びメインストリームに返り咲くことを夢見るお話を主軸に、彼女のセラピスト一家、ハリウッドで名を売るチャンスを虎視眈々と狙う俳優志望の若者らのストーリーが、複雑に絡み合っていきます。

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劇中、捻じ曲がった官能シーンや幽霊譚を思わせる描写もあるために勘違いする人も多いのですが、キャスト、製作陣が口をそろえて主張する言葉を借りれば、“この映画は機能不全家族の崩壊について語った悲劇である”ということに尽きますな。それが核となるドラマだということですね。

・北米プレミア North American Premiere
CTV News: http://www.citynews.ca/tifflive/
Etalk at TIFF: http://tiff.ctv.ca/tiff

・プレミア上映 Screening
出席者: Julianne Moore, Robert Pattinson, David Cronenberg, John Cusack, Ewan Bird & Sarah Gadon.
場所: Roy Thomson Hall.
上映後にQ&A開催

TIFF 2014: Julianne Moore, John Cusack & Robert Pattinson on 'Maps to the Stars'
shared from citynewstoronto
City News Torontoのリポーターであるコリン君とジャスティン君が、「Maps to the Stars」のプレミア、レッド・カーペットでキャスト陣に突撃インタビューを敢行。彼らのインタビューを受けるのは、ジュリアン・ムーア、ジョン・キューザック、ロバート・パティンソン、デヴィッド・クローネンバーグ監督です。

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ジュリアン・ムーア

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ロバート・パティンソン

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ジョン・キューザック

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Thanks to boys team.

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オリヴィア・ウィリアムズ

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エヴァン・バード

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ワシの嫁、サラ・ゲイドンちゃん。

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現在、ファッション・カメラマンとして活躍する師匠の愛娘ケイトリンちゃんもプレミアに出席。師匠、超ご機嫌。

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しかし、ケイトリンちゃん自身、モデルさんに負けないすんばらしいプロポーションの持ち主ですよ、ええ。

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Team 'Maps to the Stars', The best team ever!

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私も気になっていた師匠のお召し物の中で、一際目立っていた真っ赤なシューズ。えらいこと派手な靴やね〜と思っていましたら、この映画のための特注品であったことが判明しました(驚)。うわーワシも、ワシもこの靴欲しいー!

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伝説的映画評論家の故ロジャー・エヴァートの未亡人チャズ・エヴァート(写真中央の女性)が主催したパーティに、マーティン・スコセッシ監督と共に出席したクローネンバーグ監督。チャズのお隣は、TIFFアート・ディレクターのキャメロン・ベイリー氏です。

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ベイリーさん、今年も師匠の作品をサポートしてくれてありがとうございました。今年は、あのテルライド映画祭のラインナップと比較して、TIFFの招待作品の傾向を批判するメディアもありましたが、私は未来を見据えたTIFFの舵取りに希望を抱いています。これからも一映画ファンとしてTIFFを見守っていくつもりですよ。

・9月10日水曜日“Maps to the Stars”再上映
場所: Roy Thomson Hall.


師匠の新作「Maps to the Stars」がカンヌに出品された際、主要映画サイトや主だった映画誌が今作に与えた評価、レビューはおおかた出尽くした感があります。TIFFでも新しいレビューが出るかと待っていましたが、目にしたのは素人レベルのお粗末な記事ばかりでしたので、ここでは割愛しますね。「Maps to the Stars」の次の停車地は、ニューヨーク映画祭です。

【2014年度ニューヨーク映画祭 NYFF 2014における「Maps to the Stars」露出状況】

・アメリカ向けプレミア上映 9月27日土曜日 US Premiere on Saturday 27th September 2014.
出席者: David Cronenberg, Bruce Wagner & Julianne Moore.
場所: Alice Tully Hall.
上映後にQ&A開催、クローネンバーグ監督、脚本家のブルース・ワグナー、主演女優ジュリアン・ムーアらが出席。

・9月28日日曜日'“Maps to the Stars”再上映
場所: Alice Tully Hall.

はてさて、ニューヨークでは「Maps to the Stars」はどのように受けとめられることやら。

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Bye-bye, Toronto!...and Show must go on...



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