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zoom RSS Wild stars in "Maps to The Stars"! Cannes FF 2014

<<   作成日時 : 2014/05/20 23:37   >>

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追記したーーーーーーー!

“I think I have made nothing else but comedies – divine comedies! …暗い映画ばかり撮ってないで、たまにはコメディでも作ってみたら?と言われることがある。妙な話だ。僕はこれまでのキャリアの中で、どこからどう見てもコメディにしか見えない映画ばかり撮ってきたと思ってるのに(笑)。” by David Cronenberg―“Maps to The Stars”プレス・カンファレンスの席上で。 (Cannes 2014)

第67回カンヌ国際映画祭も佳境に入ってまいりまして、パルム・ドール受賞を狙う有力候補が続々とお披露目されています。コンペティション部門に出品された作品については、連日、映画関係者によるフォトコール、プレス・カンファレンス、夜のレッド・カーペットを経てのプレミア上映直後に、著名な映画サイトによる厳しい批評が出回っております。私も、自分が興味を持っている監督の作品についてはずっと情報を追っていますが、カンヌ後の世界配給を睨んでいる作品関係者たちにとっては、少しでも多くの配給会社からの買い付けを成立させるため、ここ数日が踏ん張りどころだといえましょう。

また、コンペなどに参加していない作品についても、宣伝のために大物スターたちが続々とカンヌ入りし、無数のカメラのフラッシュを前にきらびやかな姿を見せてくれています。カンヌ期間中に取り上げられる映画全てを網羅することは不可能ですし、専門的な情報を仕入れたければ、プロの映画人がSNSや映画サイト等で出すニュースをこまめにチェックする方が確実ですね。ここは、映画バカたる豆酢が1人で大暴れする個人ブログですので、個人ブログにしかできないバカ騒ぎをやらかそうと思っています。

では早速、今年のカンヌ国際映画祭における、我が師デヴィッド・クローネンバーグ監督の新作『Maps to The Stars』についてまとめてみました。どーぞ!


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簡単に結論から先に述べておきますと、師匠の『Maps to The Stars』は、豪華なキャスト陣を贅沢に使った、クローネンバーグ流の“ハリウッド・ナイトメア・ストーリー”です。ハリウッドは、資本主義の精神が最もえげつない形で具現化する場所ですが、そんな夢の街を小道具にして、“アメリカン・ドリーム”という美しく華やかな肉体の内側にある腐乱した醜悪な内臓を、さわやかな笑顔と共に白日の下に曝け出した作品だといえましょうかね(笑)。

作品を観た人の中には、デヴィッド・リンチ監督を引き合いに出して、今作をクローネンバーグ版の「マルホランド・ドライヴ」だと表現する向きも。脚本家ブルース・ワグナーの冷笑的なハリウッド風刺劇を、クローネンバーグ独特の個性と感性で展開した狂騒的コメディ映画だと評価した批評家もいました。この作品を好意的に観てくれた人たちは、その容赦なく冷酷で寓意的な語り口に魅了されたようですね。ガーディアン誌などは、師匠にとって通算21作目の長編映画に当たるこの作品は、これまでの彼のキャリアの中でも最も怒りに満ちた、アグレッシヴな作品だと解釈していました。
…確かにそうかもしれません。40年余に及ぶ映画人としてのキャリア上で初めてハリウッドに足を踏み入れ、これまで近寄りもしなかった(笑)ロサンジェルスでロケを敢行した作品となったのですから。そうするだけの理由が師匠にはありました。今作で引用されている“グラマラスなハリウッドの裏の顔”的イメージは、「サンセット大通り」「イブの総て」という2大クラシック映画と、私も学生時代に傾倒していたケネス・アンガーの「ハリウッド・バビロン」などが下敷きになっています。そうそう、典型的ハリウッド像を象徴する子役スター、ベンジーのキャラクターは、限りなくジャ○ティン・ビ○バーにそっくりなのだそうですよ。そんなこんなで、一見すると、よくあるハリウッド悪夢譚に見えるこの作品で、師匠としては、ハリウッドという巨大な資本主義機構を通じ、資本主義が人間から引き出していく底なしの強欲さ、残酷さ、悪質さといったものが、当の本人を如何に食い潰していくか、を師匠なりに味付けして描きたかったのではないかと推察します。

作品を深く掘り下げる批評がある一方で、まるで正反対の批判も、もちろんありました。“なんてこった!「コズモポリス」は大好きだけど、『Maps to The Stars』は、まるでロバート・アルトマン監督の「ザ・プレイヤー」の粗悪なコピー作品のようだ!”と嘆く人もあれば(笑)、“90年代にタイムスリップしたかのような古臭い価値観に基づいたワグナーの脚本を、悪趣味も露悪趣味、おまけにコケ脅しの陳腐な映像に移し替えただけだ。”と切り捨てた、某ヴァラエティ誌のような映画誌もあり(大笑)。

…ま、つまりは、いつものように、『Maps to The Stars』も賛否両論真っ二つに(本当に綺麗に半分に分かれていました・笑)分かれた問題作だという結論に到達したわけですね(笑)。

OK。グッジョブ、師匠。師匠はそれでいいんです。

クローネンバーグ監督、堂々の平常運転で、わたくしめ、心から安堵いたしました(笑)。下手に大勢の評論家の先生方に褒めそやされると、後で奈落に突き落とされたときのショックがハンパないので、賛否両論だったわーというぐらいの方が、私としては精神衛生上、有難いですね(笑)。

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“Palme d'Or worthy”だと褒めてくれた人もいたことですし、師匠はカンヌ中、終始笑顔が絶えることがなかったし、私はこれで今年のカンヌを終えても満足です。だって、パルム・ドールはどうせまたダルデンヌ兄弟が取るでしょうし、主演女優賞はそのダルデンヌ兄弟の新作『Two Days, One Night』に主演したマリオン・コティヤール姐御が取るでしょうし、男優賞の方は、ひょっとしたらスティーヴ・カレル(『Foxcatcher』)、あるいは『Mr. Turner』のティモシー・スポール辺りが受賞しそうな感じですし、結果はもう大体分かっていますもの……。


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『Maps to The Stars』(2014年)
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
製作:Saïd Ben Saïd&マーティン・カッツ他。
脚本:ブルース・ワグナー
撮影:ピーター・サツシスキー
音楽:ハワード・ショア
プロダクション・デザイン:キャロル・スパイアー
編集:ロナルド・サンダース
衣装:ドニーズ・クローネンバーグ
出演:ロバート・パティンソン(ジェローム・フォンタナ)
キャリー・フィッシャー(本人役)
ジュリアン・ムーア(ハヴァナ・セグランド)
ミア・ワシコウスカ(アガサ・ワイス)
ジョン・キューザック(スタッフォード・ワイス医師)
サラ・ガドン(クラリス・タガート)
オリヴィア・ウィリアムス(クリスティナ・ワイス)
エヴァン・バード(ベンジー・ワイス)
製作会社:Prospero Pictures, Sentient Entertainment, SBS Productions

ハリウッドには夢を叶えるチャンスが転がっていると説く人がいる。ハリウッドで自己啓発セミナーを主催するカリスマ医師スタッフォード・ワイス氏もその1人だ。彼の妻クリスティナは、夫妻の間に生まれた男の子で、子役スターとして何百万ドルも稼ぎ出すベンジーのマネージャーを務めている。夫妻のもう一人の子供でベンジーの姉アガサは、弟とは対照的に内向的で繊細な性格で、つい最近療養所から出てきたばかり。彼女には人には言えない暗い秘密があり、実はたった9歳の頃から麻薬中毒のリハビリ施設に入っていたベンジーも、エンターテイメント業界にスポイルされてしまっている。華やかなハリウッドで、人も羨むグラマラスな生活を送っているように見えるワイス一家の内面は、崩壊寸前の状態だった。

ワイス医師のクライアントの中に、盛りを過ぎた女優のハヴァナ・セグランドがいる。彼女の母親クラリス・タガートは、古きよき60年代に映画スターになったが麻薬で早逝していた。その母親をスターダムに押し上げた作品をリメイクし、母親が演じたのと同じ役柄を演じて再び映画界に返り咲きたいというのが、ハヴァナの切実な願いである。ハヴァナが母親クラリスの作品に固執するのには理由がある。クラリスの亡霊が夜毎彼女の前に現れ、彼女に強迫観念を植え付けていたのだった。母親への執着から逃れるためにも、母親の幻影を乗り越え、リメイク映画を作らねばならない。しかし、40歳を過ぎた女優には仕事のオファーがなくなるというハリウッドの悪しき習慣のせいで、ハヴァナにはあまり時間が残されていなかった。

ワイス家のアガサが、社会復帰のためにハヴァナの個人アシスタントとして働くことになった。アガサの友人でリムジンの運転手をしているジェロームも、アガサを通じてハヴァナに近づく。ジェロームはまだ若いハンサムな青年で、彼もまた俳優になりたいという強い野望を抱いていた。ハリウッドは、自分から望みを叶えようと努める者を選ぶ。ジェロームもまた、自分の野心のために手段を選ぶつもりはなかった。盛りは過ぎたが、業界にコネのある女優の孤独を癒す手伝いをしつつ、その彼女を踏み台にして映画界に入っていく俳優志望者は、星の数ほどいるのだから。

ベンジー、アガサ、ハヴァナ、ジェローム、ワイス夫妻を結ぶ運命の歯車が、動き始める。


'Maps To The Stars' Official Trailer
shared from Prospero P
『Maps to The Stars』のオフィシャルトレーラーですな。


Cannes 2014 : MAPS TO THE STARS - The photocall
shared from TV Festival de Cannes
カンヌ現地時間で5月19日に行われた『Maps to The Stars』のフォトコールで、クローネンバーグ監督、ワグナー、主だったキャスト陣が勢ぞろいし、マスコミの前に姿を見せてくれました。

Cannes 2014 - MAPS TO THE STARS : Interview
shared from TV Festival de Cannes
そしてこちらが、フォトコール後に行われたテレビ・インタビュー。監督とキャスト全員揃っています。

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今年のカンヌはあいにくの天候続きだそうでして、風は吹き荒れるわ挙句の果てに雨も降り始めるわで、フォトコールやレッドカーペットに登場した女優さんやモデルさんたちは大変だったご様子。そりゃ、せっかくバッチリ決めたヘアスタイルや美しいドレスがベロンベロンになっちまいますもんね…。

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ジュリアン・ムーアのぶっちぎり演技も話題になりましたが、ご本人は“リスクのある役を恐れていないだけ”とさらりと受け流しておられました。かっこええ。

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特殊な役柄で出演する、目下人気上昇中のカナダ出身女優サラ・ガドン。近年の師匠作品のみならず、ブランドン・クローネンバーグ監督処女作にも起用され、クローネンバーグ家のミューズとなっております。私も大好きでっせ。

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前回の「コズモポリス Cosmopolis」では、超豪華リムジンを乗り回す大富豪だったパティンソン君。このたびは、そのリムジンを運転する側に回りました。彼は今年のカンヌには、他にもう一つ別の出演作品『The Rover』(デヴィッド・ミショー監督、ガイ・ピアース共演)でも参加しており、そちらの方もリスクを恐れない野心的な作品に仕上がっている模様。ワイルドな役柄も大富豪な役柄も、彼独特の個性でものにしてしまう彼の現在のキャリアの築き方は、理想的な形ではないかと思いますよ。それはミア・ワシコウスカちゃんも同様ですね。どんな役柄でも果敢に挑戦していく姿勢は、大変興味深いものです。

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すっかりベテラン俳優になったジョン・キューザック。作品の重心となる役柄を演じてくれました。師匠の作品には初参加となる彼ですが、私からも謹んでお礼をさせていただきますね。

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素晴らしいキャスト陣に、感謝を。


Maps To The Stars Cannes Press Conference


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フォトコールの後、作品への評価にも影響を与えるプレス・カンファレンス一本勝負に臨んだ(笑)『Maps to The Stars』御一行様。

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“ハリウッドでは、女優はある年齢を境にぱったりと仕事がなくなる。若さこそが最優先されるんだ。だから、ハヴァナのようになってしまう人も後を絶たない。僕に言わせれば、ハリウッド人種達が、異常なまでに“自分の存在価値”をアピールしようと必死になるのもそれが原因だ。ハリウッド式資本主義の悪の根源だね。”

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“でもこの作品は、決してハリウッドだけを悪者にして叩いているわけじゃないんだ。僕が考える資本主義の非情さを、たまたまハリウッドを舞台にして描いているに過ぎない。なんなら、背景をシリコンバレーに変えても、ウォール街に変えたって構わないんだ。要は、資本主義が結局は僕らを追い詰めているんだ。”

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“確かに資本主義は人間を欲望の底なし沼にするし、冷酷にも幼稚にもしてしまうね。でもこの作品が描くストーリーは、やはりハリウッドならではのものだし、僕にはこの描写が大げさに誇張されたものだとは感じられないね。ハリウッドで撮られるべき映画だったんだ。”

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“(クローネンバーグ監督の前作「コズモポリス」では、リムジンの中でジュリエット・ビノシュとのラブシーンがあり、今作でもまたジュリアン・ムーアとリムジンの中でラブシーンを演じることになったことを聞かれて)…どっちの方が良かったか、だって?!なんてこった!…ジュリアンはそりゃ素晴らしい女優だし、(ラブシーンは)素敵な経験になったよ…(顔真っ赤)”
ホンマになんちゅう下世話な質問をするねんな(苦笑)!まだ若いパティンソン君、マスコミからもいじられていて、ちょっと気の毒でした。
“監督からオファーをもらった時、脚本も読まずに即オーケーしたんだ。また監督の世界に参加できて嬉しい。”

……ありがどうございばず(鼻水)……

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“(車の中でのラブシーンが複数の作品中に登場し、「クラッシュ」ではずばりそのものがテーマになっていたことを指摘され)カーセ○クスが趣味なのか、だって(笑)?!「クラッシュ」の時は、作品の北米配給会社の親会社がTBSで、TBSのCEOテッド・ターナーが車内でお楽しみにふける文化を後押ししようと言ったから、あんな作品になったんだ(笑)。でもアメリカじゃ、おおかた全ての世代の人たちが、経験していることだと思うけどね(笑)。それに、性に関する変革は車と深い関係がある。若者の自由こそが性文化に変化をもたらすのだし、若者が親の束縛から脱出して自由を勝ち取るために、相棒となるのが車だからさ。僕自身は、僕の作品が従来のモラルを脅かすものだとは全然思わないけどね。……カッコいい車がわんさとあるのに、君は何故試してみないんだい?”


Cannes 2014 - MAPS TO THE STARS : Montée des Marches (Red Carpet)
shared from TV Festival de Cannes
5月19日夜に行われたプレミア上映に先立ち、レッドカーペットに登場した『Maps to The Stars』御一行様。

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この日は夜も風が治まりませんでしたねえ。

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ジュリアン・ムーア姐さん。

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ミアちゃんとパティンソン君。後ろに師匠も写ってます。

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師匠だけでなく、目下わたくしめの女神でもあるサラ姫。

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大変な一日でしたのに、みんな笑顔。本当にありがとうございました、皆さん。

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……と思っていたら?……

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………ヴィゴ来たーーーーーーーーーーー!

今回、別の作品でカンヌに参加していたヴィゴ・モーテンセン氏が、なんと『Maps to The Stars』のプレミア上映に登場、師匠の応援に駆けつけてきてくれたんです!ぬおおおおおおお、感動じゃあああああ!ヴィゴ、ありがとうううううう!

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…てなわけで、師匠、キャストの皆さん、そして忙しい中を縫って応援にきてくれたヴィゴも、皆さん本当にありがとうございました!そして、お疲れさまです(笑)。

あとは、一日も早く日本で作品が観られるよう、配給会社の方々に頑張っていただきましょうかね(満面の笑み)。

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