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zoom RSS 残されたのは友情―「ラッシュ プライドと友情 Rush」

<<   作成日時 : 2014/02/07 10:27   >>

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先行上映には行けなかったわたくしめ、本日は満を時して「ラッシュ プライドと友情 Rush」(ジェーン・オースティンの小説みたいなサブタイつけないで、お願い)で突っ走ってやるぜえええええええええええ!!!!!!

うおおおおおおおおお、また後程!!!!!

“僕がこうなったのは確かに君のせいだ。だが、僕をこのレース場に引き戻したのも君なんだ”

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「ラッシュ/プライドと友情 Rush」
監督:ロン・ハワード
製作:アンドリュー・イートン&エリック・フェルナー&ブライアン・オリバー&ピーター・モーガン&ブライアン・グレイザー&ロン・ハワード
製作総指揮:ガイ・イースト他。
脚本:ピーター・モーガン
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
美術:マーク・ディグビー
衣装:ジュリアン・デイ
編集:ダン・ハンリー&マイク・ヒル
音楽:ハンス・ジマー
出演:クリス・ヘムズワース(ジェームス・ハント)
ダニエル・ブリュール(ニキ・ラウダ)
オリビア・ワイルド(スージー・ミラー)
アレクサンドラ・マリア・ララ(マルレーヌ)
ピエルフランチェスコ・ファビーノ(クレイ・レガッツォーニ)
クリスチャン・マッケイ(ヘスケス卿)他。

ジェームズ・ハントとニキ・ラウダは、F3時代からの宿命のライバルながら、その性格とレーススタイルはまるで対照的。ワイルドで天才肌のハントは、プライベートでも酒と女を愛する享楽主義のプレイボーイ。対するラウダはマシンの設定からレース運びまで全てを緻密に計算して走る頭脳派で、闘志を内に秘めてストイックに生きる優等生レーサー。1976年、そんな2人はF1の年間チャンピオンを巡って熾烈なデッドヒートを繰り広げる。前年度総合優勝を果たして2連覇を目指すラウダは、シーズン序盤から着実に勝利を重ね、ライバルのハントを大きく引き離し、チャンピオン争いを優位に進めていた。そんな中、2人の運命を大きく変える第10戦ドイツGPが幕を開けようとしていた…。
―allcinema onlineより抜粋


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ジェームズ・ハントの物語も、ニキ・ラウダの物語も、彼らの内面に至るまで丁寧に、かつ映画の勢いを落とさない程度にバランスよく本編に盛り込まれていて、非常に感銘を受けました。本編の焦点となっているのは、彼ら2人が年間チャンピオンの座を争って激しいデッドヒートを繰り広げていた1976年シーズンのお話ですね。

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この運命の年、第10戦目のドイツ・グランプリでは、悪天候の中、無理矢理試合が敢行されました。このときニキ・ラウダの車が大破し、ラウダ自身は400度もの高熱の炎の中に約1分間閉じ込められる大惨事が起こってしまったのです。…救助がこれ以上遅かったら、彼は亡くなっていたでしょうね。九死に一生を得たラウダでしたが、特に顔の部分には酷いケロイド痕が残ることになりました。これ以降、彼が公の場に姿を現すときも常に帽子を被るようになったのは、このときの火傷痕を隠すためです。もちろん頭部の皮膚も焼けてしまったので、現在もラウダはスキンヘッドのまま。ゴールデン・グローブ賞授賞式で、彼はプレゼンターとしてクリス・ヘムズワース(ジェームズ・ハント役)と共に壇上に上がりましたが、このとき突然トレードマークの赤い帽子を脱ぎ、驚く人々を前にして、イタズラが成功したときの子供のような笑顔をみせてくれました。彼の大ファンであるわたくしめの目頭が熱くなったのは、申し上げるまでもありませんね。

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1976年度シーズンで最後に勝利を決めたのは、ラウダとハントのどちらだ?!というハラハラドキドキもさることながら、やはり2人の関係性が、単なるライバル関係から、命懸けの戦いを共に戦い抜いた戦友同士の友情に緩やかに変じてゆく過程のドラマがね、もうたまらんのですよ、ええ。クライマックスの日本GP試合開始前、無言で目礼を交わす2人、その後意外な展開を見せる試合の行方。本編ではラウダの回想として最後に語られる、1976年以後の彼らの運命についても、必要以上にウェットにならず、実際の2人のアーカイヴ映像をコラージュして暗示し、F1の古きよき時代へのオマージュともしています。酒もクスリもやり放題の放埓な私生活が祟ったか、ハントは45歳の若さであっけなく世を去ってしまいました。映画の最後に、現在のラウダの姿が1人で映し出された時、“最高のライバルにして唯一の友人”ハントの不在が殊更に強調され、胸に迫るものがありましたね。2人の歴史には、この作品が描く時代よりも実際にはもっと長く、たくさんのエピソードがあるのですが、それを、76年の彼らの戦い振りを丹念に描くことで、あとは観客に暗示させる思い切った話法を貫いたハワード監督の勝利だと思います。時間をかけて描く部分と、バッサリ省略すべき部分のコントラストをはっきりさせることも、映画にリズムを持たせるためには必要なのです。すべての出来事をダラダラ繋げるだけでは、良い映画はできないでしょう。

そんなわけで、最後には、この映画全体がやはり“ニキの物語”に収束していくことが分かり、私は大変嬉しかったのでありますよ。

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また、レースの迫力もレース周囲の状況も、持てる演出テクニックを駆使して一片の嘘クサさもなく描き切ったロン・ハワード監督。さすがでございます。今作を撮る前はF1に興味がなかったなんて、ちょっと信じられんなあ(笑)。私なんぞ、4DXでなくとも、凄まじい臨場感で奥歯ガタガタいわしてましたもん(笑)。監督のベテラン職人技を見せつけられた気もしますな。
ハワード監督は、実際多岐に渡るジャンルの作品を手掛けていますが、そのどれをとっても軽くアベレージを超える仕上がりです。今作ではことの他、エンターテイメントと人間ドラマのバランス配分に演出センスが問われるでしょうから、監督自身のバランス感覚の妙が余計に際立ちますね。
もちろん、お手柄はハワード監督だけではなく、脚色を担当したピーター・モーガンのリズムの良い脚本、頓知のきいた台詞の応酬は出色のできばえだったと思われます。…私は特に、ハントとラウダの憎まれ口の叩きあいが好きだなあ(笑)。相手の悪口を言っているのに、思わず真似したくなる上手い言い回しでね(笑)。

ニキ・ラウダを演じたダニエル・ブリュール君の複雑で繊細な演技が評価されていますが、いやいやなんのなんの、ジェームズ・ハントを演じたクリス・ヘムズワースの陰影深い演技も素晴らしかったと思いますよ!演技者としての評価を得ようと苦闘していた30代の頃のブラッド・ピットを思い出しました。ブラッドも、常人には想像もできないような苦労を経て、40代に入ってからの芳醇な役者人生を手にしました。クリスもこれからの熟成が楽しみな俳優さんになりましたね。

そうそう、それからもう一つ、今作に関して感心したことを挙げておきます。ラウダと、彼の妻になったマルレーヌが、例えば2人だけで会話するシーンなどが、ちゃんとドイツ語の台詞になっていたことですね(画面には英語の字幕が出る)。そんなことどうでもいいじゃねえかと思う方もおられるでしょうが、これ、私の中ではすごく大事なポイントなのです。ドイツ人同士だけで話しているのに、妙ちきりんなドイツ語訛りの英語で会話するなんて、考えてみればおかしな話(笑)。従来のハリウッド映画なら、きっと全て英語の台詞になっていたでしょうが、この作品では、登場人物はきちんと母国語をしゃべってくれます。まあ、そのつど英語字幕が出るわけですが、今作がアメリカ市場で苦戦した理由の一つが、この言葉の問題だったかもしれないと睨んでいます。…世界にはいろんな言語を話す人種がいるのですから、アメリカ人観客にも、そろそろ非英語台詞と字幕に慣れてもらわないと困るんですけどねえ(笑)。

結論として、予想以上に良い仕上がりの作品でありました。劇場には、多分もう一回足を運ぶだろうと思います(笑)。





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