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zoom RSS 2014年度の英国アカデミー賞(EE BAFTAs)受賞結果は“unexpected!”

<<   作成日時 : 2014/02/17 16:30   >>

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2014年度の英国アカデミー賞(EE British Academy Film Awards)受賞結果は、要約すると、“予想外”であり“英国らしい選出を強調した”ものであり、“BAFTAの結果がオスカーの選出に直接的に影響を与えることはほとんど無いだろう”というものだったと思いますね。

先にちょっと嫌なことを書いてしまいますけど、今回のBAFTAの受賞結果は、もうサ〜〜プラ〜〜イズ♪♪の繰り返し。ぶっちゃけ、ここ数年、オスカーがBAFTAの選出結果の真似っこばかりするので、ツンデレでへそ曲がりな英国人は、オスカーの方のアカデミー会員の連中が予想する(期待する)であろう結果の、あえて裏ばかりかいたんだろうねえ(含み笑)というような内容でした。

でもさ。

でも、オレはこういう驚きがいっぱいの選出結果って、アリだと思う。大アリ。他の映画賞とは一味も二味も違う、バラエティに富んだ結果って楽しいじゃん。英国アカデミー独自の色がちゃんと出てる。それに、“自分達は本当はこういう作品にこんな賞をあげたいんだー!”という気持ちに正直になって出した結論だというのが、凄くよく伝わってくるもの。受賞セレモニーを見ていても気持ち良かったですよ、本当に。



2014年度英国アカデミー賞受賞結果 EE British Academy Film Awards 2014

・脚色賞 Adapted Screenplay in 2014
「あなたを抱きしめる日まで Philomena」
スティーヴ・クーガン、ジェフ・ポウプ Steve Coogan, Jeff Pope

・アニメーション映画賞 Animated Film in 2014
「アナと雪の女王 Frozen」
Chris Buck, Jennifer Lee

・英国短編アニメーション映画 British Short Animation in 2014
『Sleeping With The Fishes』
James Walker, Sarah Woolner, Yousif Al-Khalifa

・英国短編映画 British Short Film in 2014
『Room 8』
James W. Griffiths, Sophie Venner

・撮影賞 Cinematography in 2014
「ゼロ・グラヴィティー Gravity」
エマニュエル・ルベツキ Emmanuel Lubezki

・衣装デザイン賞 Costume Design in 2014
「華麗なるギャツビー The Great Gatsby」
キャスリーン・マーティン Catherine Martin

・監督賞 Director in 2014
アルフォンソ・キュアロン Alfonso Cuarón
「ゼロ・グラヴィティー Gravity」

・ドキュメンタリー映画賞 Documentary in 2014
「殺人という行為 The Act Of Killing」
Joshua Oppenheimer

・ライジング・スター賞 EE Rising Star in 2014
ウィル・ポールター Will Poulter

・編集賞 Editing in 2014
「ラッシュ/プライドと友情 Rush」
ダン・ヘンリー、マイク・ヒル Dan Hanley, Mike Hill

・フェローシップ賞 Fellowship in 2014
デイム・ヘレン・ミレン Dame Helen Mirren

・作品賞 Film in 2014
「それでも夜は明ける 12 Years A Slave」
スティーヴ・マックィーン監督 Anthony Katagas, Brad Pitt, Dede Gardner, Jeremy Kleiner, Steve McQueen

・外国語映画賞 Film not in the English Language in 2014
『The Great Beauty』
パオロ・ソレンティーノ監督 Paolo Sorrentino, Nicola Giuliano, Francesca Cima

・主演男優賞 Leading Actor in 2014
チュイテル・エジオフォー Chiwetel Ejiofor
「それでも夜は明ける 12 Years a Slave」

・主演女優賞 Leading Actress in 2014
ケイト・ブランシェット Cate Blanchett
「ブルー・ジャスミン Blue Jasmine」

・メーキャップ&ヘア賞 Make-Up And Hair in 2014
「アメリカン・ハッスル American Hustle」
イヴリン・ノラ、ロリ・マッコイ=ベル、キャスリン・ゴードン Evelyne Noraz, Lori McCoy-Bell, Kathrine Gordon

・作曲賞 Original Film Music in 2014
「ゼロ・グラヴィティー Gravity」
スティーヴン・プライス Steven Price

・オリジナル脚本賞 Original Screenplay in 2014
「アメリカン・ハッスル American Hustle」
エリック・ウォーレン・シンガー、デヴィッド・O・ラッセル Eric Warren Singer, David O. Russell

・英国映画界貢献賞 Outstanding British Contribution to Cinema in 2014
ピーター・グリーナウェイ Peter Greenaway

・英国映画賞 Outstanding British Film in 2014
「ゼロ・グラヴィティー Gravity」
アルフォンソ・キュアロン、デヴィッド・ヘイマン、ホナス・キュアロン Alfonso Cuarón, David Heyman, Jonás Cuarón

・新人賞(脚本家、監督、製作者) Outstanding Debut By A British Writer, Director or Producer in 2014
キーラン・エバンズ Kieran Evans
『Kelly + Victor』

・美術賞 Production Design in 2014
「華麗なるギャツビー The Great Gatsby」
キャスリーン・マーティン、ビヴァリー・ダン Catherine Martin, Beverley Dunn

・音響賞 Sound in 2014
「ゼロ・グラヴィティー Gravity」
グレン・フリーマントル、スキップ・リーヴセイ、クリストファー・ベンステッド他。 Glenn Freemantle, Skip Lievsay, Christopher Benstead, Niv Adiri, Chris Munro

・特殊効果賞 Special Visual Effects in 2014
「ゼロ・グラヴィティー Gravity」
ティム・ウェッバー、クリス・ローレンス、デヴィッド・シュリック他。 Tim Webber, Chris Lawrence, David Shirk, Neil Corbould, Nikki Penny

・助演男優賞 Supporting Actor in 2014
バーカッド・アブディ Barkhad Abdi
「キャプテン・フィリップス Captain Phillips」

・助演女優賞 Supporting Actress in 2014
ジェニファー・ローレンス Jennifer Lawrence
「アメリカン・ハッスル American Hustle」


詳しい与太話はまた夜にでも。今日は、ハリウッドに押し寄せる、非アメリカンなのに下手なアメリカンより押しが強いアジアン新興勢力とブリティッシュ勢力に、スコセッシ監督とディカプリオ氏がついにブチ切れて作った“これがアメリカだ”映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」と3時間ガチンコ勝負してきたので、正直疲れて眠いので。…とりあえず、皆さんも、胸をキングコングみたく叩きながら、【んーんー♪うーうー♪】ってお経ソングを唸りましょう!さあ、ご一緒に!【【【んーんー♪うーうー♪】】】


私も以前ここに書いたことがあるのですが、昨年から今年にかけて、映画界では特にブラック・ピープルの躍進が目立ちました。「それでも夜は明ける」のスティーヴ・マックィーン監督、主演のチュイテル・エジオフォーの2トップだけではなく、『Mandela: Long Walk to Freedom』で故ネルソン・マンデラ氏の若き日を演じた我らがイドリス・エルバ然り、今回助演男優賞に輝いた「キャプテン・フィリップス」のバーカッド・アブディ、「フルータブル駅で Fruitvale Station」の新星マイケル・B・ジョーダンも業界の注目を大いに集めました。

映画界のそんな空気を反映してか、主演男優賞部門は、ようやくチュイテル・エジオフォーの熱演が正しく評価された形になったのではないかと思います。「ウルフ・オブ・ウォールストリート」での勇姿は充分賞賛に値するものの、多分オスカーは逃すだろうレオナルド・ディカプリオと、オスカーにはノミネートもされなかった「キャプテンフィリップス」のトム・ハンクス、「アメリカン・ハッスル」では肩の力が抜けた演技に余裕すら垣間見せたクリスチャン・ベイルも、チュイテル受賞に大きな拍手と声援を贈っていたのが、なんというか、このたびのBAFTAという映画賞を象徴するような一場面だったのではないでしょうか。オスカーとは違うんだぞ、というアナーキーな反骨精神がちらっと見えたような気がします。

Chiwetel Ejiofor wins Best Leading Actor Bafta


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チュイテルの受賞スピーチをどうぞ。彼の勇姿を見てやってくだされ(涙)。

12 Years a Slave wins Best Film Bafta

もういっちょ、作品賞を受賞した「それでも夜は明ける」チームを代表して、スティーヴ・マックィーン監督の受賞スピーチも併せてどうぞ。

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スティーヴの表情にどっしりと落ち着いた大物の風格が出てまいりましたね。泣ける。

「それでも夜は明ける」のチュイテルとスティーヴと共にブラック・ピープルの躍進を印象付けたのが、「キャプテン・フィリップス」で助演男優賞を受賞したバーカッド・アブディでした。しかし彼の受賞は、はっきり申し上げて誰も、ご本人ですらも予想していなかったはず。彼の名前がアナウンスされた瞬間の、バーカッドの心底びっくりした表情がすごく可愛かったです(笑)。

Barkhad Abdi wins Best Supporting Actor Bafta

主演のトム・ハンクスが大喜びしていたのがね、いいもんですね。本編では、始終怖ろしい表情のハイジャック集団のボスに紛していたバーカッド、受賞スピーチではめっちゃ笑顔満開で、笑うとあどけない表情になることがよく分かりました(笑)。おめでとう、バーカッド。

Alfonso Cuaron wins Bafta film awards 2014

それから、映画賞という映画賞で、今季監督賞を総ナメし尽くしている「ゼロ・グラヴィティー」のアルフォンソ・キュアロン監督は、おそらくオスカーでも監督賞を獲得すると思います。

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しかし今回、この作品自体が“英国映画”として賞を与えられたことに、わたしゃBAFTA選考メンバーの良心を感じましたね。製作も配給もワーナーだし、正直、今作を英国映画と捉えるのはさすがに無理があるとは思いますが、そうして無理をしてでも、この作品そのものへの評価を具体的に表したことこそ、BAFTAの密やかなプライドなのでしょう。

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オリジナル脚本賞に「アメリカン・ハッスル」を選んだことも実に英国人らしいセレクトですよね(笑)。この作品の、予想以上にほろ苦い結末と、“世の中は白と黒に分かれるのではなくて、灰色が限りなく続くんだ”という名セリフ一発で、私はこの「アメリカン・ハッスル」という映画を私の心の中の殿堂に加えたものです。こういうリベラルな思考が書かせたこの映画のストーリーは、今の私自身の精神状態に一番寄り添ってくれます。だって事実、今の世の中ときたら、どこまで行っても薄暗いグレーの曇天しか見えませんもの。
「アメリカン・ハッスル」には、そのほかにも名セリフが満載なんです。エイミー・アダムズのエロエロ演技、クリスチャン・ベイルの既に特殊メイクレベルに到達した肉体改造演技、ブラッドリー・クーパーのパンチパーマ・キレキレ演技、ジェニファー・ローレンスの傍迷惑唯我独尊ブチ切れ演技が話題になりやすいのですが、今作を劇場でご覧になれる機会があったら、アクの強いキャラクター達それぞれが発する、含蓄あるセリフの応酬をぜひともご堪能あれ。セリフを聞いてるだけでも本当に面白い作品ですから。思わず真似したくなるフレーズがいっぱいですよ。

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そして脚色賞に、御大デイム・ジュディ・デンチを担ぎ出したドラマ「あなたを抱きしめる日まで」を選んだ英国人スピリットに拍手を。今年の映画賞レースで話題になっている作品は、小粒ながらも質の高い作品ぞろい。脚本関連部門にしても、正直どの作品が選ばれても不思議はない状態ですね。

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オンラインでの投票で決められる“明日のスターは君だっ!”部門は、この子でした。この子…この子…どっかで観たことがある顔…うーうーうーどこで観たんだっけ…と悩むこと1時間。思い出しました。「ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島 The Chronicles of Narnia: The Voyage of the Dawn Treader」で、ペベンシー兄弟たちのいけ好かないいとこユースチス・スクラブを演じていた子ですね。途中、ドラゴンに変身しちゃうね。ああ、英国名産美青年俳優の次世代スターはユースチス君なのか。この子の将来に幸あれ。彼の今後の活躍にも期待しましょう。


最後に。まあこの方もおそらく今年のオスカーで主演女優賞を確実に取るであろうと思われる、ケイト・ブランシェット姐さんの主演女優賞受賞スピーチをどうぞ。いまだに亡くなってしまったことが信じられない、名優フィリップ・シーモア・ホフマンへの追悼にもなっています。

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“I would like to dedicate this to an actor who has been a continue profound touchstone for me. A monumental presence who is now sadly in absence, the late, great, Philip Seymour Hoffman. Phil, your monumental talent, your generosity and your unflinching quest for truth, both in art and in life, will be missed by, not only me, but by so many people, not only in this room and in the industry but the audiences who love you so dearly. You raised the bar continually so very, very high. And I guess all we can do in your absence is to try and raise it continually through our work. So, Phil, buddy.. This is for you, you bastard. I hope you’re proud.” ― Cate Blanchett's acceptance speech at the ceremony of BAFTAs 2014.


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