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zoom RSS フィリップに電話をかけてみようか―Philip with phone.

<<   作成日時 : 2014/02/13 18:36   >>

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一度も面識がない赤の他人、ましてやあちらさんは天下のハリウッドの映画スター、おまけにオスカーまで獲得してらっしゃる名優とくりゃ、ただの一映画ファンに過ぎない私なんぞ、長い一生の間にご尊顔を拝見するチャンスすらもない違う世界の住人。そんな人が志半ばで逝ってしまったからといって、いつまでも悲しんでいるのは、本来なら異常な現象かもしれません。

しかし、フィリップ・シーモア・ホフマンが46歳で亡くなったという事実は、ただ単に“大好きだった俳優が急逝した”だけではすまないのも確か。まず第一に、わたしゃこの人の実年齢と2歳しか違わないという(爆)、まったくの同世代である点、その同世代の人間の仕事振りを、初期の頃からリアルタイムで見てきたこちらの勝手な思い込みですけれど、連帯感めいたつながりを感じていた人間が急にいなくなった喪失感は、やはり大きいです。

彼が名演を残した作品を観続けているファンが世界中におられると思いますが、その彼の唯一無二の存在感も、時間の経過と共に次第に薄れていってしまうのかなあと思うと、それが自然の摂理であるとはいえ、本当にどうしようもない虚無感に囚われます。

ローリング・ストーン誌のピーター・トラバース氏も言及されておられたのですが、キャメロン・クロウ監督の瑞々しい青春ドラマ「あの頃ペニー・レインと Almost Famous」(2000年)に出演しているフィリップの演技を最高だとしている映画ファンが実に多い。ライター志望の主人公の少年に大きな影響を与えるカリスマ評論家レスターが彼の役どころで、決して出番は多くありません。見た目もいつも通りふっくらお腹が出ているし(笑)。でも、強烈。短いシーンで観客の脳髄に忘れられない刻印を押してしまいます。

Uncool - 'Almost Famous'

相手の姿が目の前になくとも、まるですぐそばにいるかのように、その存在全てを委ねてしまえる絶対的な大きさを感じさせる声の力。声だけで受話器越しの相手の心を動かしてしまう力。フィリップならではの演技力の凄さをこういうところで感じますね。


電話越しにしゃべるシーンで思い出すのは、アダム・サンドラーが主演したポール・トーマス・アンダーソン監督の「パンチ・ドランク・ラブ」での、“Shut, shut, shut, shut, shut up!!”電話バトル・シーンですかいね(笑)。

'Punch Drunk Love' - Adam Sandler and Philip Seymour Hoffman phone scene

アダム・サンドラー扮する男の錯乱気味のクレーム電話に応えたフィリップ。小気味良くスタッカートを刻むShut up!は、何度聞いても本当に気持ちいい(大笑)。こんな風に怒鳴ってみたいよ、私も(笑)。怒鳴りたい人、いっぱいいますもん。「シャッシャッシャッシャッシャッアップ!!」て。映画全体のお話は忘れてるのに、このShut upシーンだけは鮮烈に覚えているというね(笑)。


でも、やっぱり電話シーンといえばこれを挙げないとアカンよね(笑)。

Philip Seymour Hoffman en 'Happiness'

トッド・ソロンズ監督の変態礼賛名作映画「ハピネス Happiness」(1998年)の哀しき変態イタ電魔アレン。それがフィリップの役柄です。本当にただの変態なのに(爆)、彼の変質行為を見続けているうちに、いつの間にかその奥にある孤独な内面を見出し、共感してしまっている自分がいる(笑)。こんな奴、実際に近くにおったら容赦しませんけど(笑)、フィリップが血肉を与えたアレンには言いようのない愛しさを覚えてしまう。不思議ですよねえ。彼が演じるからこその共感であり、愛着であるというね。こんなリスクの高いキャラクターをここまで高次元に引き上げられる役者は、そうそういないと思いますよ。


Philip Seymour Hoffman as Phil Param in the film 'Magnolia'

病で死期が近づいている孤独な富豪パートリッジ氏のそばで、献身的に氏の世話をしている看護士フィル。彼自身の名前と同じ名前を持つ心優しいキャラクターです。フィルは、氏の最期の望みを叶えるため、長年疎遠になったままの彼の息子フランクとコンタクトをとろうと必死に受話器にかじりつきます。上に挙げたのと同じように受話器に向かってしゃべるシーンであっても、明らかにその質も内容も、周囲に張り巡らされる感情の結晶も、まったく異なるシーンですよね。
まるで、受話器がパートリッジ氏の息子その人であるかのように、それはもう涙目になりながら懸命に氏に会ってくれるよう頼み続ける、そのけなげな姿よ(涙)。このシーンを見ているだけで、説明なんかしてくれなくとも、フィルという人間の人柄の良さと、慈愛が溢れてくるようですよね。わたしゃ、フィルが氏の心のうちを思いやって、一緒にわんわん大泣きするシーンも大好きなんですが、この涙目電話シーンも大大大大好き。忘れられませんね。


画像

…電話越しにしゃべるシーンだけでも、これだけ忘れられない印象を残してくれたフィリップ。やはり彼ほどの名優を失った痛手は大きかろうと思うのですよ。


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