House of M

アクセスカウンタ

zoom RSS 途方に暮れるLlewyn Davisと猫―全米批評家協会賞(NSFC)受賞者発表。

<<   作成日時 : 2014/01/06 23:17   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

速報です!!なかなか日本上陸のアナウンスが聞かれず、館長を心配させていた“Inside Llewyn Davis”が、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」というタイトルで2014年初夏に日本で劇場公開されることになりましたよっ!!…これで安眠できます…。


12月4日、全米映画批評家協会賞(National Society of Film Critics (NSFC))の受賞作品と受賞者が発表されました。


2013年度全米映画批評家協会賞 National Society of Film Critics受賞者リスト



画像

・作品賞 Picture “Inside Llewyn Davis”ジョエル&イーサン・コーエン監督

次点 Runners-up “アメリカン・ハッスル American Hustle” “それでも夜は明ける 12 Years a Slave” “Her”


画像
(演出中のコーエン兄弟)
・監督賞 Director ジョエル&イーサン・コーエン Joel and Ethan Coen “Inside Llewyn Davis”

次点 Runners-up アルフォンソ・キュアロン Alfonso Cuaron “ゼロ・グラヴィティー Gravity” スティーヴ・マックィーン Steve McQueen “12 Years a Slave”


画像

・主演男優賞 Actor オスカー・アイザック Oscar Isaac “Inside Llewyn Davis”

次点 Runners-up チュイテル・エジオフォー Chiwetel Ejiofor “それでも夜は明ける 12 Years a Slave” ロバート・レッドフォード Robert Redford “All Is Lost”


・主演女優賞 Actress ケイト・ブランシェット Cate Blanchett “ブルー・ジャスミン Blue Jasmine”

次点 Runners-up アデル・エグザルコプロス Adele Exarchopoulos “アデル、ブルーは熱い色 Blue Is the Warmest Color” ジュリー・デルピー Julie Delpy “ビフォア・ミッドナイト Before Midnight”


画像

・助演男優賞 Supporting actor ジェームズ・フランコ James Franco “スプリング・ブレイカーズ Spring Breakers”

次点 Runners-up ジャレッド・レト Jared Leto “ダラス・バイヤーズ・クラブ Dallas Buyers Club” バーカッド・アブディ Barkhad Abdi “キャプテン・フィリップス Captain Phillips”


・助演女優賞 Supporting actress ジェニファー・ローレンス Jennifer Lawrence “アメリカン・ハッスル American Hustle”

次点 Runners-up ルピタ・ニョンゴ Lupita Nyong’o “それでも夜は明ける 12 Years a Slave” サリー・ホーキンス Sally Hawkins “ブルー・ジャスミン Blue Jasmine” レア・セドゥ Lea Seydoux “アデル、ブルーは熱い色 Blue Is the Warmest Color”


・脚本賞 Screenplay リチャード・リンクレイター Richard Linklater、 イーサン・ホーク Ethan Hawke、ジュリー・デルピー Julie Delpy “ビフォア・ミッドナイト Before Midnight”

次点 Runners-up ジョエル&イーサン・コーエン Joel and Ethan Coen “Inside Llewyn Davis” エリック・ウォーレン・シンガー Eric Warren Singer、デヴィッド・O・ラッセル David O. Russell “アメリカン・ハッスル American Hustle”


画像

・外国語映画賞 Foreign-language film “アデル、ブルーは熱い色 Blue Is the Warmest Color” アブデラティフ・ケシシュ Abdellatif Kechiche監督

次点 Runners-up “A Touch of Sin” “The Great Beauty”


・ドキュメンタリー映画 Nonfiction “殺人という行為 The Act of Killing”(ジョシュア・オッペンハイマー Joshua Oppenheimer監督)、“At Berkeley”

次点 Runner-up “Leviathan”


画像

・撮影賞 Cinematography ブルーノ・デルボネル Bruno Delbonnel “Inside Llewyn Davis”

次点 Runners-up エマニュエル・ルベツキ Emmanuel Lubezki “ゼロ・グラヴィティー Gravity” フェドン・パパマイケル Phedon Papamichael “ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 Nebraska”


・アメリカでの公開が待たれる優秀作品 Film Still Awaiting U.S. Distribution “Stray Dogs” directed by Tsai Ming-liang and “Hide Your Smiling Faces” directed by Daniel Patrick Carbone


・映画界の遺産と呼ぶべき貴重な作品 Film Heritage

“Too Much Johnson” オーソン・ウェルズのキャリア黎明期の作品

“American Treasures From the New Zealand Film Archive” DVD作品

“Allan Dwan and the Rise and Decline of the Hollywood Studios” Museum of Modern Art主催の回顧展の模様を収めた作品

“The Hitchcock 9” British Film Instituteが修復したもの



姉さん、大変です。“Inside Llewyn Davis”(ジョエル&イーサン・コーエン監督、オスカー・アイザック主演、ジャスティン・ティンバーレイク共演)がここへきて大・爆・発です。

これまで開催されてきた著名な映画祭やアメリカ国内の主要映画賞の結果を見ても、とりあえずの暫定ではありますが、“2013年度英国代表作品「それでも夜は明ける」 vs. 2013年度アメリカ代表「アメリカン・ハッスル」”という構図ができつつあるのかなあと思っておりました。

……それでは納得できねぇっ!という気骨ある映画賞も存在したようです(いや、冗談でなく)。

コーエン兄弟の最新作にして、現在本編が公開されているアメリカではにわかに評価を高めている、音楽の世界に漂うように生きる男の物語“Inside Llewyn Davis”。実はこの通好みの作品を好んでいる批評家が多いということが、今回明らかになりましたね。コーエン兄弟って、作品によって出来不出来の波が結構ありまして、ここ最近はまた少しばかり停滞期に入っていたのかなあという気がしていたのですが。音楽を扱う作品で再び息を吹き返した模様。

Inside Llewyn Davis Theatrical Trailer

イッツ・ザ・Tボーン・バーネット!!!!!!! (←音楽監修)
うおおおおおおお観てぇえぇえぇえぇえぇ!!!!!!! (←魂の叫び)


やばい、すんごい観たい。今年はなんとしても「それでも夜は明ける」を応援しようと決意していたので、しばらく“Inside Llewyn Davis”関連の音楽(やっぱり凄く滋味深くて良いのですよ)は封印していたのですが(笑)。

あかん。

トレーラー見たらやっぱり、“早ぅ日本公開してくれ頼む”病がぶり返してしまう…。

うぐぐぐぐぐ、んがごご。

画像

1960年のニューヨークが舞台。ボブ・ディランも憧れたという実在のフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクをモデルとした主人公、ルーウィン・デイヴィスの1週間を描いた映画。まだマスコミやレコード会社などが発達していなかったこの時期、ルーウィンはグリニッジ・ヴィレッジのライヴ・ハウスで歌を歌い続け、友人や見知らぬ人たちからの協力を得ながら生活をしていく。61年、ボブ・ディランの登場で、全て忘れられていく運命にあるこの60年のグリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンを描いた作品。
 ―Warner Music Japanサイトより抜粋

かつては相棒と組んでレコードを出したこともあったルーウィン。しかし、音楽業界がまだ未成熟だったこともあり、いかな才能があってもフォーク・シンガーとしては芽が出ない。いつまでも“知る人ぞ知る”存在のままの彼に、ガールフレンドは愛想を尽かしてしまいます。ルーウィンは渋々、飼い主がどこの誰かも分からぬ猫だけを相棒に、電車やヒッチハイクで旅に出ることに。

画像

いつの間にかルーウィンに懐いてしまったこの猫。ルーウィンはもちろん名前も知りません。しかし、彼がアパートを締め出された時からずっと彼に寄り添っています。自分の世話も出来ないのに猫の面倒までみておれないと、出会う人全てにこの子を押し付けようとするものの、結局引き取り手は現れず、猫もあくまでもルーウィンについていく所存のようです。ルーウィンの運命共同体となったこの猫の視線こそが観客と同調し、ルーウィンの心の内を覗く役割を果たすかのよう。

ボブ・ディランという天才が世に出たことによって、フォーク・シーンの中心であったグリニッジ・ヴィレッジも急速に廃れてしまいます。この映画で描かれるルーウィンのさすらいと、その陰影深くも儚げな佇まいは、グリニッジ・ヴィレッジの斜陽を象徴しているような気がして切ないですね。

さて、ことほど左様に、この作品は音楽が全ての物語です。映像がメロディを奏で、メロディが映像を促していく。作品の肝である音楽監修を担当したのは、「オー・ブラザー!」でもコーエン兄弟と組んだTボーン・バーネット。前述したワーナー・ミュージック・ジャパンからは、1月15日に“Inside Llewyn Davis”のオリジナル・サウンド・トラック盤が発売されるそうです。詳細はこちらからどうぞ。映画本編の日本上陸はまだか、と気を揉んでいるのにサントラが先に出てしまうのね(笑)。買うけど。

画像

主人公ルーウィンを演じるオスカー・アイザックが、60年代という設定もあり、通常仕様の彼と趣きを異にするメランコリックな雰囲気です。ええ、スチールを初めて見たときは一瞬誰か分かりませんでしたもの(笑)。さすがはコーエン兄弟、年季の入ったスタイリッシュな映像と共に、オスカー・アイザックの本来の美貌も研ぎ澄ましてくれていますねえ。

サントラ盤には、映画で重要な役を担うジャスティン・ティンバーレイクのフォーク・ソング(!)も収録されています。本編でもオスカーと一緒に歌っていますし、これは、本編もサントラも本当に本当に楽しみですよ。他に、マムフォード&サンズのマーカス・マムフォードもゲストとして参加しています。また驚くことに、くだんのボブ・ディランの未発表楽曲“フェアウェル”の正式音源も収録され、ルーウィンのモデルとなったデイヴ・ヴァン・ロンクの貴重なオリジナル楽曲までも聴けるとあっては、一切の妥協なく作られた音楽の充実振りが伺えます。

Inside Llewyn Davis: Original Soundtrack Recording
Nonesuch
2013-11-19
Various Artists

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Inside Llewyn Davis: Original Soundtrack Recording の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

“Inside Llewyn Davis Original Soundtrack (Import)”

●収録曲
1: Hang Me, Oh Hang Me / ハング・ミー、オー・ハング・ミー
2: Fare Thee Well (Dink's Song) / フェア・ジー・ウェル(ディンクス・ソング)
3: The Last Thing On My Mind / ザ・ラスト・シング・オン・マイ・マインド
4: Five Hundred Miles / ファイヴ・ハンドレッド・マイルズ
5: Please Mr. Kennedy / プリーズ・ミスター・ケネディ
6: Green, Green Rocky Road / グリーン、グリーン・ロッキー・ロード
7: The Death Of Queen Jane / クイーン・ジェーンの死
8: The Roving Gambler / ザ・ロヴィング・ギャンブラー
9: The Shoals Of Herring / ザ・ショールズ・オブ・ヘリング
10: The Auld Triangle / ジ・オールド・トライアングル
11: The Storms Are On The Ocean / ザ・ストームズ・アー・オン・ジ・オーシャン
12: Fare Thee Well (Dink's Song) / フェア・ジー・ウェル(ディンクス・ソング)
13: Farewell / フェアウェル
14: Green, Green Rocky Road / グリーン、グリーン・ロッキー・ロード

Inside Llewyn Davis: The Screenplay
Opus Books
Ethan Coen

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Inside Llewyn Davis: The Screenplay の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

こちらは“Inside Llewyn Davis”の脚本(原語)です。


外国語映画賞に輝いた「アデル、ブルーは熱い色」は、初出のカンヌ国際映画祭で、審査員長を務めたスティーヴン・スピルバーグ監督の強力な後押しにより、同性愛をメインテーマにした物語としては初めてパルム・ドールを与えられました。元々はコミックが原作だそうです。

Blue Is the Warmest Color
Arsenal Pulp Pr Ltd
Julie Maroh

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Blue Is the Warmest Color の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

Julie Maroh作のコミックがこちら。

賛否両論を招いたカンヌ直後は、スピちゃんへの批判もかなり強くありまして、この画期的且つ感動的であった受賞が握りつぶされてしまうのではないかと気が気ではありませんでした。しかし彼の慧眼が、ここに至って様々な映画賞で再確認された格好になっています。ざまーみろ(笑)。
スピがアデルにパルム・ドールを授与してくれたときは、私は本当に嬉しくてスピに心から感謝したぐらいですが、その後のトロント国際映画祭では逆にこてんぱんに酷評されたりと、作品への評価は不安定なままでしたね。この作品が世間にもたらした波紋ときたら、アデルが映画の中で辿った激動の運命そのまま。…そうですねえ。真っ正直に描かれた愛情描写の大胆さ(レイティングはR18+)と、同性愛に真っ正面から取り組んだ勇気にとまどう人が今も多いのは確かですね。

オスカーの外国語映画部門にエントリーするフランス代表作品に選ばれたのは、パルム・ドールをとったアデルではなく、全く別のオーソドックスな伝記映画でした。日本で公開されていたので私も観ましたが、まあ、申し訳ないけど、全く印象に残らぬ地味な作品でありましたなあ。これなら、アデルをフランス代表作品にしてエントリーした方が、よっぽど良かったはず。これは明らかに、アデルのテーマ性を嫌ったフランス映画界による政治的陰謀でしょうさ。


…保守に凝り固まるのはホントの政治の世界だけにしておくれ、とブツブツひとりごちる館長でありました。

…やれやれ、“Llewyn Davis”ことオスカー・アイザックの楽曲でも聴くとするかね。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
途方に暮れるLlewyn Davisと猫―全米批評家協会賞(NSFC)受賞者発表。 House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる