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zoom RSS エンタメ業界のマフィア会合賞…もとい、全米製作者組合賞(PGA Awards)受賞リスト。

<<   作成日時 : 2014/01/21 23:15   >>

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現地時間で1月19日、カリフォルニアはビヴァリー・“金持ちの巣窟”・ヒルズで優雅に行われた全米製作者組合賞授賞式も、もう25回目を数えるようになってしまいました(笑)。

別に“なってしまいました”とか言わんでもエエがなとは思いますが(笑)。

しかしまあ、さすがは映画界の行く末を決定する重鎮、やり手連中が出揃う式だけありますよね。セレモニー場所はビヴァリー・ヒルトン・“孫娘はアホだがホテルの格式は高い”・ホテル、テレビ放送もあまりなく、ギャーギャー大騒ぎするミーハー・マスコミをシャットアウトして行われる優雅なイメージ、個人の勝手な印象なのですが、何となく“世界中の名だたるマフィアの上級幹部、親分クラスが年に一度結集して開く会合”のようなですね、そんな恐ろしげな雰囲気もちぃとばかいたしますです、はい。

しかし、私ら素人が迂闊に近寄れぬような、違う意味での“敷居の高い”世界で決定される賞ながら、実は、その年のハリウッドのエンタメ業界の本当の傾向を暗示してくれる賞であり、私はむしろGG賞やオスカーなどより、このPGAと“DGA”こと全米監督組合賞の受賞リストの方を信用しています。

…エンタメ業界のマフィア連中の会合だけどね(まだ言うかw)。


第25回全米製作者組合賞受賞者リスト The 25th annual Producers Guild of America Awards Winners List


・ダリル・F・ザナック賞(今年最も素晴らしかった映画のプロデューサーに贈られる賞) The Darryl F. Zanuck Award for Outstanding Producer of Theatrical Motion Pictures: (今年は同点で2つの作品が同時に受賞 tie)

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「それでも夜は明ける 12 Years a Slave」 (フォックス・サーチライト Fox Searchlight Pictures) アンソニー・カタガス Anthony Katagas, ジェレミー・クライナー Jeremy Kleiner, スティーヴ・マックィーン Steve McQueen, ブラッド・ピット Brad Pitt and デデ・ガードナー Dede Gardner
「ゼロ・グラヴィティー Gravity」 (ワーナー・ブラザース Warner Bros. Pictures) アルフォンソ・キュアロン Alfonso Cuarón, デヴィッド・ヘイマン David Heyman


・ノーマン・フェルトン賞(今年最も素晴らしかったテレビ・ドラマ作品のプロデューサーに贈られる賞) The Norman Felton Award for Outstanding Producer of Episodic Television, Drama
「ブレイキング・バッド Breaking Bad」 (AMC) メリッサ・バーンスタイン Melissa Bernstein, サム・ケイトリン Sam Catlin, ブライアン・クランストン Bryan Cranston, ヴィンス・ギリガン Vince Gilligan, ピーター・グールド Peter Gould, マーク・ジョンソン Mark Johnson, スチュアート・ライオンズ Stewart Lyons, ミシェル・マクラーレン Michelle MacLaren, ジョージ・マストラス George Mastras, ダイアン・マーサー Diane Mercer, トーマス・シュノーツ Thomas Schnauz, モイラ・ウォーリー=ベケット Moira Walley-Beckett


・最優秀ドキュメンタリー映画製作賞 The Award for Outstanding Producer of Documentary Theatrical Motion Pictures
「We Steal Secrets: The Story Of Wikileaks」 (Focus Features) アレックス・ブルーム Alexis Bloom, アレックス・ギブニー Alex Gibney, マーク・シュマガー Marc Shmuger


・デヴィッド・L・ウォルパー賞(今年最も素晴らしかったテレビ映画のプロデューサーに贈られる賞) The David L. Wolper Award for Outstanding Producer of Long-Form Television
「恋するリベラーチー Behind the Candelabra」 (HBO) スーザン・イーキンス Susan Ekins, グレゴリー・ジェイコブズ Gregory Jacobs, マイケル・ポラル Michael Polaire, ジェリー・ワイントローブ Jerry Weintraub


・最優秀スポーツ番組制作賞 The Award for Outstanding Sports Program
「SportsCenter」 (ESPN)


・最優秀子供向け番組制作賞 The Award for Outstanding Children’s Program
「セサミ・ストリート Sesame Street」 (PBS)


・最優秀デジタル配信シリーズ制作賞 The Award for Outstanding Digital Series
「Wired: What’s Inside」 (http://video.wired.com/series/what-s-inside)


・最優秀ノン・フィクションテレビ番組制作賞 The Award for Outstanding Producer of Non-Fiction Television
「Anthony Bourdain: Parts Unknown」 (CNN) アンソニー・ブールデン Anthony Bourdain, クリストファー・コリンズ Christopher Collins, リディア・テナグリス Lydia Tenaglia, サンドラ・ツゥエイ Sandra Zweig


・最優秀アニメーション映画製作賞 The Award for Outstanding Producer of Animated Theatrical Motion Pictures
「アナと雪の女王 Frozen」 (Walt Disney Studios Motion Pictures) ピーター・デル・ヴェッコ Peter Del Vecho


・最優秀コンテストTV番組制作賞 The Award for Outstanding Producer of Competition Television「The Voice」 (NBC) スティン・バッカーズ Stijn Bakkers, マーク・バーネット Mark Burnett, ジョン・ド・モル John de Mol, チャド・ハインズ Chad Hines, Lee Metzger, Audrey Morrissey, Jim Roush, Kyra Thompson, Nicolle Yaron, Mike Yurchuk, Amanda Zucker


・最優秀生放送トークTV番組制作賞 The Award for Outstanding Producer of Live Entertainment and Talk Television
「The Colbert Report」 (Comedy Central) メレディス・ベネット Meredith Bennett, スティーヴン・T・コルバート Stephen T. Colbert, リチャード・ダム Richard Dahm, ポール・ディネッロ Paul Dinello, バリー・ジュリアン Barry Julien, マット・ラパン Matt Lappin, エミリー・ラザール Emily Lazar, タニヤ・ミクネビッチ・ブラッコ Tanya Michnevich Bracco, トム・パーセル Tom Purcell, ジョン・スチュアート Jon Stewart


・ダニー・トーマス賞(今年最も素晴らしかったコメディ・シリーズ作品の制作者に贈られる賞) The Danny Thomas Award for Outstanding Producer of Episodic Television, Comedy
「Modern Family」 (ABC) ポール・コリガン Paul Corrigan, Abraham Higginbotham, ベン・カーリン Ben Karlin, エレイン・コー Elaine Ko, スティーヴン・レヴィタン Steven Levitan, クリストファー・ロイド Christopher Lloyd, ジェフリー・モートン Jeffrey Morton, ダン・オシャノン Dan O’Shannon, ジェフリー・リッチマン Jeffrey Richman, クリス・スミノフ Chris Smirnoff, ブラッド・ウォルシュ Brad Walsh, ビル・ルーベル Bill Wrubel, ダニー・ズッカー Danny Zuker



私達に最もなじみ深い部門賞は、往年の名プロデューサーの名前をそのまま冠したダリル・F・ザナック賞を筆頭に、ノーマン・フェルトン賞、デヴィッド・L・ウォルパー賞、ダニー・トーマス賞…と、個人の名前を拝した賞ですね。重要な部門には個人の名前がついていますから分かりやすくていいです(笑)。…まあ、意地悪なことを言っちゃうと、こんなところにもエンタメ業界の厳格な上下関係のしきたりが見え隠れして、意外な気がしますよね。エンタメ業界なんて売れてナンボの世界、年功序列なんぞ関係ないわー売れたモン勝ちやでーっていうのは確かでしょうが、意外と保守的な世界でもあるのですねえ。

で、今年の全米製作者組合賞(以下PGAと略)では、ダリル・F・ザナック賞―つまり、最優秀作品賞(映画部門)―が二つの作品に贈られたことで話題になっています。「ゼロ・グラヴィティー」と「それでも夜は明ける」の2作品がタイ受賞ということになりました。25周年を迎えたPGA Awardsが始まってから初めての出来事だそうです。

私自身は、「ゼロ・グラヴィティー」と「それでも夜は明ける」が、それぞれジャンルは違えども、偶然同じ年に公開され、共に違った形で映画史に足跡を残すことになったという事実を、他でもない映画製作の最前線にいて映画界を動かしている人達が認めたことに、深く感動しています。
前者は、観客を映画の世界の中に取り込み、最終的に観客一人一人に映画を完成させるよう導く、新しい映画の形を示しました。後者は、今までタブー視されてきた史実―人種差別の最悪の形態である奴隷制―が、今も尚なくなってはいないという事実を、これまでにない描写で容赦なく世界に突きつけました。これもまた、これからの映画の新しい表現方法の祖となるだろうと思っています。そういった意味で、この二つの作品は、映画史にとって“2013年”を忘れがたい年にしたのではないでしょうか。

受賞の壇上では、製作者として多大なリスクを犯し、見事賭けに勝ったブラッド・ピットが、今作の製作に関わったことについて初めて彼自身の言葉で語りました。映画製作は大きな大きな賭けですが、今後ブラッドは「大統領の執事の涙」で女優に復帰し、ゴールデン・グローブ賞等にノミネートもされたオプラ・ウィンフリーと協力して、マーチン・ルーサー・キング牧師の映画を製作する計画も立てているとか。「それでも〜」の前に彼がプロデュースした作品のいくつかは興行的に失敗する結果に終わりましたが、リスクを恐れず、失敗にもくじけず、さらに新しい分野の映画製作に挑んでいく彼の映画人としてのガッツを、私は心から尊敬します。プロデューサー、ブラッド・ピットに実りある未来が開けますように。

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そして、この作品を“黒人のための映画でもないし、白人のための映画でもない”と言い切ったスティーヴ・マックィーン監督へ。揺ぎ無きアーティスト魂は、ひょっとしたらこれから先、いくつかの試練をあなたに与えるかもしれません。しかし、だからといって信念に反した妥協をあなたがするとも思えない。以前は現代美術家であったあなたにとって、映画製作もアート制作も、あなたがあなたであるために行う、自己確認の行為であることを私達は既に知っています。私達はただ、あなたが本当に撮りたいと思っている題材を、望みどおりの形に出来るよう祈るだけです。

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「ゼロ・グラヴィティー」のプロデューサーとして、デヴィッド・ヘイマンと共に壇上に上がったアルフォンソ・キュアロン監督は、“頑固で完全主義者の(キュアロン)監督は、本当に一緒に仕事し辛い奴だったよ…”と今作でメガホンを取った彼自身を評してみせ、会場の笑いを誘っていたそうです。また、ゴールデン・グローブ賞で暴露しちゃったサンドラ・ブロック兄貴の“ヘルペス?!聞き間違い事件”についても再度言及し、“奴はちゃんとブリティッシュ・アクセントで英語をしゃべれるんだけどねえ。今はロンドンに住んでいるんだしね♪”とチャーミングにフォロー。最後は、“いや、奴がなんと言おうと関係ない。サンドラこそ“Gravity”さ!(吸引力という意味でこの言葉を引き合いに出し、サンドラ兄貴の演技力こそが観客を映画の世界に惹きこんでいったことを、映画のタイトルである“Gravity”に引っ掛けて賞賛した)”と、実に実に実に素敵にサンドラ兄貴への賛辞も披露。いやああああ、キュアロン監督かっちょえええええ!惚れたあああああ(笑)!たった今、私の中でキュアロン監督の株が急上昇いたしました。…「トゥモロー・ワールド Children of Men」もう一回観ようかな(笑)。

キュアロン監督はメキシコ出身で、ギレルモ・デル・トロ監督とアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督共々、現在のメキシコ映画界の活性化を牽引する存在です。彼らは、お互いの監督作品の製作を手伝ったりして交流も絆も深いのですが、もう一つ、“フェミニストである”という点においても共通するものを持っています。彼らの作品を観ていても分かりますが、女性性を貶めないんですよね。どのようなストーリーであっても、最終的には女性の持つ底力を尊いものとして表現しているという。だから私は彼らの作品に共感するのかもしれません。

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…復活作「アルゴ」で昨年のハリウッドを賑わせたベン・アフレック監督が、聞かれもしないのにてめぇのチ○コのサイズをジョークで自慢していたのとは大違いだと思いました(苦笑)。君のチ○コのサイズなぞ、、誰も必要としていない情報だよ(笑)。しかも、話の脈絡に全く無関係のマイケル・ファスベンダーを引き合いに出して。かつてのジョージ・クルーニー兄貴の下ネタジョークに倣ったのかもしれませんけど、いくら「Shame-シェイム-」でフル・フロンタルを見せた俳優とはいえ、2011年の作品のことをいまだに稚拙なジョーク・ネタにされるミヒャが気の毒ですよ、ホントに。アフレック兄貴のこのスピーチには、正直かなりがっくりきました。彼自身の中にあるマッチョイズムというのか、“映画界は男の社会だ”という認識が無意識のうちにポロリと出てきちゃったのかな。昨年、君の復活作をあれだけ応援し、オスカーの作品賞を獲得したときには涙ちょちょぎれていた私が、ホンマにアホみたいですわ。私の涙を返してくれ、アフレックよ。

最後に。

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最優秀ドキュメンタリー映画製作賞として、アレックス・ギブニー監督の「We Steal Secrets: The Story Of Wikileaks」がチョイスされていたのには、かなり驚きました。私の想像ですが、ひょっとしたら、製作を担当した会社Focus Featuresを応援する意図もあったのかな…と。ウチの師匠の「イースタン・プロミス」や最上級の英国製サスペンス映画「裏切りのサーカス」等、野心的な作品に果敢に取り組んできたFocus Featuresは現在、経営状態が悪化していると聞きますので。あるいは、“暴露屋”の秘密を暴露したこのドキュメンタリーに賞を与えることで、例のビル・コンドン監督の作品を事実上闇に葬った暴露屋の親分に、意趣返ししたかったのかもね。…だとしたら、グッジョブ、PGA!ってなもんだけど。


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