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zoom RSS トロント国際映画祭閉幕、最高賞は12 Years A Slaveに。

<<   作成日時 : 2013/09/16 06:37   >>

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追記しました。

トロント国際映画祭が閉幕し、観客からの投票で選ばれるBlackBerry People's Choice Award for TIFF13を受賞した作品がアナウンスされました。

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我らが愛すべきテディベア、スティーヴ・マックィーン監督(「Hunger」「Shame」)の力作「12 YEARS A SLAVE」でした!!やったね!おめでとうございます、スティーヴ&キウェテル・イジョフォー(主演)!!
これで、現時点においては、今作がめでたく今年の賞レースの目玉作品となったことが分かりましたね。マックィーン監督の前作2つでは主演を務めた盟友マイケル・ファスベンダーは、今回はキウェテル演じる主役ソロモンの敵役に廻っております。「シェイム -Shame-」で狙っていたであろうオスカーの主演男優賞部門では、惜しくもオスカー直前にレースから脱落する苦い経験も味わっただけに、今度はオスカー助演男優賞部門でノミネートされることを願っているでしょう。その可能性も同時に高くなりました。


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主役のソロモン・ノーサップを熱演したキウェテル・イジョフォー。「堕天使のパスポート」「キンキー・ブーツ」などで知られる英国出身の俳優さんです。そうそう、先日ここでとりあげた「ラブ・アクチュアリー」でキーラ・ナイトレイと結婚するピーター役で覚えておいでの方もいらっしゃるかな。
お父上はお医者様というインテリの家庭に生まれ、1997年のスティーヴン・スピルバーグ監督の「アミスタッド」で映画デビューを果たしております。舞台出演を積極的に行っていて、現在36歳の若さで既にローレンス・オリヴィエ賞を受賞するなど、英国演劇界で大いに活躍する演技派俳優ですね。「12 Years A Slave」で映画界での飛躍も期待されます。

“The history of slavery and the complication of slavery is that it is an international concept. It is something that effected people who were our people. For example there were people from the west of Nigeria who were taken by the hundreds of thousands and brought to Louisiana. I’m Igbo, my family is Igbo. So it is a story that I’m connected to. Steve McQueen is from the West Indies. The slave trade in the West Indies was huge, it was vast, it was vicious, it was brutal. We are connected in the diaspora through this experience. We’re not separated by it, we are connected through it.” ―キウィテル・イジョフォーのインタビューから。スティーヴ・マックィーン監督について語る。


Jake Hamilton's "12 YEARS A SLAVE" Interviews with Chiwetel Ejiofor and Michael Fassbender


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2013年度トロント国際映画祭でのプレミアに登場した、監督と主要キャストたち。

この「12 Years A Slave」を含む19世紀アメリカの奴隷制度に言及した映画全般に共通して言えることは、これらが描く奴隷制度の根本的な問題は、なにも前世紀の遺物になったわけではないことでしょう。悲しいかな、“奴隷制度”の精神は形を変え、名前を変えて今だに世界中に横溢していると思います。適切な教育も受けられず、養育も放棄されて長時間労働を強いられている子供達然り、まだ年端もゆかぬ少女に大人の男性との結婚を強制するチャイルド・マリッジ然り、子供に武器を持たせ、紛争地の最前線で戦わせる子供兵士の問題然り。過去に“奴隷制度”の仕組みを支えることになった社会の歪みは、解消されるどころか、資本主義の極端な二極化に伴ってますます酷くなる一方です。つまり、奴隷制度という名前こそ消えたものの、その根本的な問題はなんら変わらず今の世界に存在し続けているのであります。だからこそ、「12 Years A Slave」のように奴隷制を鋭く告発、批判する映画が後を絶たないわけでね。奴隷制度の実態を映像にする試みは、とりもなおさず、今現在の私達の社会が抱える病巣を照らすことになるのです。

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2013年度トロント国際映画祭でのプレミアに登場した、監督と主要キャストたち。

…とはいえ、テルライド映画祭からこのトロント国際映画祭までの道のりで、映画自体が劇場公開されるのはまだ先であるにも拘らず、今作は既にいろいろな立場の人たちの間で活発な議論を呼んでいるようです。上に貼り付けたキウェテルとファスへのインタビューにあるように、この映画は、奴隷制度を作った原因である“異分子への差別意識”を人間はなぜ排除できないのかといった問題を、己自身の胸に問い直すことを促します。とにかく自分の目で観てみて、異なる意見を持つ他者と議論を戦わせることを要求しているようですね。私自身は、単なる娯楽の一要素にすぎない映画が、こういう形で現実世界とリンクし、社会を刺激するのはきわめて健全なことだと思っています。たまにはそんな映画も観て、一生懸命てめえの頭で考えなきゃね。


The People's Choice Award

TIFF Audience Award : 「12 Years A Slave」
次点 : 「Philomena」スティーヴン・フリアーズ監督
    「Prisoners」Denis Villeneuve監督

The People's Choice Midnight Madness Award : 「地獄でなぜ悪い Why Don't You Play in Hell?」園 子温監督

The People's Choice Documentary Award : 「The Square」Jehane Noujaim監督(エジプト革命を市井の視点から描いたドキュメンタリー。監督はエジプト系アメリカ人)

The NETPAC Award for World or International Asian Film Premiere : 「Qissa」Anup Singh監督

The Prize of the International Critics (FIPRESCI Prize) for Special Presentations : 「IDA」Pawel Pawlikowski監督

The Grolsch Film Works Discovery Award (FIPRESCI) : 「The Amazing Catfish」Claudia Sainte-Luce監督

The City of Toronto + Canada Goose Award for Best Canadian Feature Film : 「When Jews Were Funny」Alan Zweig監督

The best Canadian Short Film Prize : 「Noah」Walter Woodman & Patrick Cederberg監督

The Award for Best Canadian First Feature Film : 「Asphalt Watches」Shayne Ehman & Seth Scriver監督

The Grolsch Film Works Discovery Award : 「All the Wrong Reasons」(テレビドラマ「グリー Glee」の人気俳優だった故Cory Monteithの遺作)

…各部門の受賞作品発表は、映画祭のディレクターであるピアース・ハンドリング氏とキャメロン・ベイリー氏両名によってThe Intercontinental Hotelにて行われました。



当館内の「12 Years A Slave」関連記事はこちらこちらこちらこちらに。

いよいよスティーヴ・マックィーン監督の時代がやってくるのかどうか。これから来年初頭までの映画賞レースが見物ですわいね。

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新作への確かな手ごたえに大満足のご様子のマックィーン監督。プレミアの席で、盟友ファスに感謝のぶちゅうー♪

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「…な〜んつって〜♪♪えへへのへ〜♪♪」
妙にテンションの高いスティーヴに若干引き気味のファスという、普段あんまり見られない珍しい光景も飛び出しましたとさ(笑)。


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