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zoom RSS ワルのためのアドバイス―“The Counselor”。

<<   作成日時 : 2013/06/27 01:00   >>

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「プロメテウス」という作品への評価は、特にここ日本で著しく低いような気がしてなりません。“ストーリーが面白くない”、“「エイリアン」シリーズの焼き直し以上の新鮮味がない”等々。まあ確かに、近年のリドリー・スコット御大の作品を観てみても、かつての作品群にはあった独特のアクの強さが薄れ、その神通力も通用しなくなっていると感じてはいました。

「エイリアン」、その前章譚である「プロメテウス」双方の生みの親リドリー・スコット監督は、ビジュアル面により重きをおくタイプの映画監督です。少なくとも、映画監督としてキャリアをスタートさせた頃には、思い通りのビジュアルを描くことに集中するあまり、ストーリーの整合性だの登場人物間のドラマだのは放ったらかしで大暴走していたはず(笑)。むしろ映像に全てを語らせ、俳優に余計なおしゃべりをさせたくないとすら考えていたかもしれません。

彼のフィルモグラフィーの中で最も好きな「デュエリスト/決闘者」にしても、あの言葉に出来ぬほど美しい映像に比して、ストーリーを語ることや、キャラクターの間に錯綜する感情の渦を掘り下げる演出が不足気味。結局、作品全体を見渡すと、あともう一歩、もう少しだけ踏み込んだ描写を入れてくれれば最高だったのになあ!…と、地団太踏むことになるわけです(笑)。

リドリー・スコット御大は、現在もなおビジュアル以外の演出には興味がないのかもしれません。まあ、それはそれで、映画監督としてのひとつの個性でしょうから、良いとも悪いとも断じることはできませんけどね。…ご本人はどう思っていらっしゃるかわかりませんが、彼の作品を観続けてきた観客の立場からスコット御大に一言アドバイスを贈るとしたら、“人間ドラマやコメディなどには手を出さず、SFやサスペンス・アクションものを撮り続けて下さい”と伝えたいかなあ(笑)。

いまや名作の誉れ高い「ブレードランナー」も、陰鬱な近未来SF映画の体裁を借りた、ムードたっぷりのフィルム・ノワールでありました、そういえば。

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さて、そんなスコット監督の新作「悪の法則 The Counselor」は、「ザ・ロード」「ノーカントリー」などの映画化作品でも知られるピューリッツァ賞受賞作家コーマック・マッカーシーが、初めて映画用の脚本を担当したことで話題になっています。長らくお披露目が待たれていた今作は、アメリカでは賞レース真っ只中の10月25日に公開、日本では11月16日に公開されます。

6月25日に、ついにティーザー・トレーラーが公開されました。

The Counselor | 1st Trailer | Michael Fassbender from Michael Fassbender Online on Vimeo.



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20世紀FOXは、マッカーシーの脚本のユニークさ、ストーリーの力強さに加え、弁護士でありながら悪の道に堕ちていく主演のマイケル・ファスベンダー、その悪の片棒を担ぐ相棒ブラッド・ピットという新旧セックス・シンボルの周囲を、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、ハビエル・バルテム、ジョン・レグイザモ、ロージー・ペレスなどの豪華なアンサンブルが取り囲む今作の布陣に大きな自信を持っている模様。

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確かに、下手すると主演のファスより共演陣の方が知名度が上ですもんね。おまけに、脚本はピューリッツァ賞受賞作家とくる。

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セクシーでワイルドな豹のイメージのあるファスには、上記リンクしたティーザー中にもあるように、追い詰められれば泣き崩れてしまうようなデリケートな一面もあります。豪華かつ一筋縄ではいかないクセモノ共演陣を相手に、彼が持てるポテンシャルで拮抗できるかどうか。そんな火花散る演技合戦も楽しみですね。

…ですが、私が今一番不安に思っているのは、映画を構成するそれら全ての要素を統括するスコット監督自身の状態です。「プロメテウス」でもファスの美しさを最大限引き出した監督のことですから、この「悪の法則」でもファスの一挙手一投足は様々なカメラアングルから捉えられ、大きな画面一杯に美しく映えていることでしょう。…しかしながら、監督がファスに固執するあまり、作品全体のバランスを狂わせていなければよいのですが。なにより、優れたストーリーテラーであるマッカーシーの脚本の面白さを、きちんと生かした内容になっているかどうか…。カメラが豪華な俳優陣のアンサンブルに目移りし、ストーリーを忘れてしまわないよう、今はそれを願っている次第です。


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