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zoom RSS Short Film (animated): 人類の伝説はなぜ書き換えられたのか―「Legacy」

<<   作成日時 : 2013/04/03 00:45   >>

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“Legacy”

Legacy from grzegorz jonkajtys on Vimeo.



“Legacy”
shared from MadArtistPublishing

「Legacy」(2009年)
Produced by “Uplift Universe” Cgtalk Challenge
Animated & Directed by Grzegorz Jonkajtys (Greg Jonkajtys)
Sound & Music by Adam Sukora

Winner of the “Uplift Universe” Cgtalk Challenge, featured in the Collectible & Interactive Art Book Vol.1: “Contests” & Vol.8 “Animation Stories”.

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宇宙から、一隻の探査用宇宙船が地球に向かっていた。

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宇宙に点在する知的生命体の生態を調査し、サンプルを収集する任務についているエイリアン・パイロットは、地球から発せられた強力な電波を受信したのだ。予め得ている情報では、この青い惑星には“人類”という名前の高次知的生命体が住んでいるはず。

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パイロットは難なく地上に降り立ち、早速調査と生命体のサンプル収集にとりかかった。

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…ところが、彼の目の前には一面の焼け野原が広がるばかり。生きたものどころか、動くものさえないようだ。まだあちこちで、消えそびれた炎が揺らめいている。パイロットはいささかうんざりしながら、周辺を探って廻った。

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彼は“人類”によく似た形状のものを発見した。これは確か、人類の頭部だったはずだ。

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ではこの辺りに、人類の身体の他のパーツもあるだろう。ふと見渡すと、パイロットの周りには、焼け焦げた人類らしき生き物の残骸が散らばっていた。

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この様子では、人類の生きたサンプルは手に入りそうもないだろう。長い間宇宙を旅していると、時折、こうした事態に出くわす。何も珍しいことではない。

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従って、彼は特別何かを思うことなく極めて事務的に、人類らしきサンプルの肉体のパーツを一通り拾い集め、それをまとめて丁寧に梱包した。彼の任務はサンプル収集であって、その対象の生死は問われない。全宇宙に存在する生命体のサイクルはそれぞれバラバラであるし、彼らエイリアンと比較しても相当異なっている。

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…そう、時には、彼ら生命体の輝ける命の歴史が、パイロットの“生命体サンプル回収”に間に合わないこともあるのだ。彼は、情報ポッドの中の“人類”の項目に、“収集済み”のマークを記入した。これで彼の仕事は終わりである。

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…ただ非常に遺憾なことに、彼が人類のサンプルだと信じて持ち帰ったものは、実は人類そっくりに似せて作られた“人形”であった。つまり、彼が上司に報告することになるその肉体組織情報は、本物の人類とは似ても似つかぬものなのだ。しかしながら、核爆発が全人類の肉体をことごとく破壊してしまった後では、ベテラン調査員たるパイロットがうっかりミスを犯しても、まあ無理からぬことだろう。


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Grzegorz Jonkajtys (Greg Jonkajtys)
1972年生まれ
ポーランド、ワルシャワ出身

●フィルモグラフィー(as Visual Effects Artist)
2014年『Noah』 (post-production)
2013年『Pacific Rim』
2013年『Now You See Me』 (post-production)
2012年「クラウド・アトラス」
2012年「バトルシップ」 (CG Sequence Supervisor)
2012年『Red Tails』 (Digital Effects Artist)
2011年「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」
2011年「ランゴ」 (Digital Effects Artist)
2010年「アイアンマン 2」
2010年『The 3rd Letter』 (short)
2009年『Legacy』 (short) (CG Animator)
2009年「サロゲート」
2009年「トランスフォーマー/リベンジ」
2009年「ターミネーター 4」
2009年「スター・トレック」
2008年「ハプニング」 (CG Artist)
2008年「幸せの1ページ」 (CG Animator)
2007年「ミスト」 (Lead Animator)
2007年『Ark (aka Arka)』 (short)
2006年「スネーク・フライト」 (Character Animator) 2006年「パンズ・ラビリンス」 (Lead Animator)
2005年「シャークボーイ&マグマガール 3-D」 (Digital Effects Artist)
2005年「シン・シティ」 (3D Animator)
2004年「ブレイド 3」 (Lead Animator)
2004年「ヘルボーイ」 (Digital Artist)
2003年「ゴシカ」 (Digital Effects Artist)
2003年「スパイキッズ3-D:ゲームオーバー」 (Digital Effects Artist)
2003年「リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い」 (Animator)
2003年『Superprodukcja』

●フィルモグラフィー(as Director)
2010年『The 3rd Letter』 (short)
2009年『Legacy』 (short)
2007年『Ark (aka Arka)』 (short)

「Legacy」でアニメーションの全ての作業工程と脚本及び監督を担当したのは、ポーランド、ワルシャワ出身のフィルムメーカーGrzegorz Jonkajtys(名前の方はおそらく“グレゴワール”さんとお呼びすればいいと思うのですが、姓の方の発音が分かりません)です。以前ここで「ARK」というショート・アニメーションをご紹介しましたが、実はそれも彼の作品でありまして(彼にとってのオリジナル・ショートフィルム第1作目にあたるそうです) 、コマーシャルやアニメーション、キャラクター・デザインなども手がける才人であるようです。現在はILM(Industrial Light and Magic)に籍をおき、「シン・シティ」「ヘルボーイ」「パンズ・ラビリンス」「ターミネーター4」「ミスト」などなど、ここ10年の間にハリウッドで製作されたメジャーな大作、ヒット作でヴィジュアル・エフェクト・アーティスト、アニメーターとして働いています。

Grzegorz Jonkajtysの公式サイトjonkajtysfilmには、彼がこれまでに手がけた諸作品が掲載されていますので、興味をもたれた方は、ぜひぜひ彼のサイトも併せてご覧になってみてください。アニメーションばかりではなく実写のショートフィルム「The 3rd Letter」、監督としてのデモリール、また、ヴィジュアル・エフェクト用のデモリール、他の映画のためのデザイン画など、いずれもクオリティは高いものに仕上がっています。

そして、全ての作品に共通して言えることは、Grzegorz Jonkajtysにとっての未来のビジョンというのは、絶望的だということですね。デストピア。黙示録。彼が描く未来では、そしておそらく現在でも、例外なく人類の希望は予め潰えているのです。…重いテーマとモチーフに鬱々となる作品群ですが、その語り口は大変巧み。また編集も鮮やかで、映像の中に絶妙のタイミングで伏線、トリックを仕込み、観客をミスリードするのも得意とみえます。彼の製作した作品や、キャラクター・デザイン用のスケッチ、スタッフとして彼が関わってきたメジャー作品の傾向等から鑑みるに、「ヘルボーイ」や「パンズ・ラビリンス」などのギレルモ・デル・トロ監督のテイストを受け継ぐクリエイターかもしれません。デル・トロ監督同様、独特のアクの強さを感じさせる映像は、好き嫌いという次元を超えて観る者の五感を支配してしまいますね。それほど強力な個性の持ち主だと思います。

うーむ…。

オリジナル・ショートフィルム第3作目の「The 3rd Letter」(実写)でも、数々の映画賞を受賞しているGrzegorz Jonkajtys氏。そう遠くない未来、…もちろん人類がまだ映画を観る余裕のある未来には(笑)、彼がメガホンをとる長編映画を観られる日がやってくるかもしれませんね。アニメでも実写でもどっちでもいいや。どなたか彼に、クリエイティヴな企画と製作費をあげて下さい(笑)!!

VimeoでのGrzegorzのページ:grzegorz jonkajtys on Vimeo
FacebookでのGrzegorzのページ:Grzegorz Jonkajtys on Facebook


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