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zoom RSS おかえりなさい、クローネンバーグ師匠!―「コズモポリス Cosmopolis」

<<   作成日時 : 2013/04/01 16:07   >>

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名○屋でも4月13日からセンチュリーシネマで公開予定の、デヴィッド・クローネンバーグ監督最新作「コズモポリス Cosmopolis」。ついに本編が明らかになる日が近づいてまいりました。そろそろインタビュー等の宣伝素材が出回り始める頃合でしょうかね。某所で教えていただいた(某様と某様、ありがとうございます!!)師匠インタビュー記事をドヤ顔で記録しておきたいと思います。


“富と女にまみれた若き投資家の、栄光と破滅『コズモポリス』デイヴィッド・クローネンバーグ監督オフィシャル・インタビュー” ―エンタメ〜テレ最新映画ナビ、eo映画ニュース掲載

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(画像は、昨年の第65回カンヌ国際映画祭における「コズモポリス」プレミア上映の際の、師匠と主演パティンソン氏の2ショット。撮影は師匠の実娘ケイトリン・クローネンバーグ)

実はこの作品も、師匠本人の立ち上げた企画ではなく、「ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス」や「イースタン・プロミス」のように、他から発注された“雇われ仕事”です。しかし過去の経緯から鑑みて、こと師匠の場合は、雇われであることが必ずしもマイナスに作用するわけではありません。むしろ、製作費調達などの裏方仕事に煩わされることなく、演出と脚本に専念できる“雇われ企画”は、師匠の演出に鮮やかな冴えをもたらすほどでしてね。私としては大歓迎なんですよ。

以前、外国の映画サイトでも書かれていたことですが、ドン・デリーロの原作小説の脚色作業をたった6日間で終えた師匠。“小説に書かれていた台詞はすべて抜き出してそのまま使用した”というのはホントのことだったんですねえ。俳優さんたちにも、アドリブは一切なしで演技指導した、と。ほほぅ。私は、フランス版DVDで先に本編自体はチェック済みなのですが、台詞の細かいニュアンスへの理解は甚だ心もとない状態。日本語字幕で台詞を再確認する必要が出てきました。まあ確かに、言葉の並びは小説とまったく同じですが、それを俳優さんの口を借りて音声にすることで、言葉の一つ一つに込められる感情や意味合いも変わってしまいますからね。

映画の中でも強いインパクトを放つ“巨大リムジン”は、物語の主な舞台となります。車の中でストーリーが展開してゆくという、師匠らしい一風変わった作品なのであります(笑)。このリムジン、エリック・パッカーという主人公の外的ステータス・シンボル(富の象徴)であると同時に、心の中の空虚を隠そうとするエリックの頭の中そのもの(内的象徴)でもあるのですね。なるほど…。“リムジンの外”では、例のオキュパイ運動が起こって暴動に発展し、エリックをはじめとする株式取引で財を成したウォール街の申し子たちへの憎悪が爆発しています。エリックのリムジンにも、“持たざる者”達からの攻撃が加えられたり。エリックは、外の荒れ様からほうほうの態で逃げ出し、リムジンの中に飛び込みます。全財産を失う身の破滅が迫っていようと、命を狙われる危険が目前にあろうとも、リムジンの中にいさえすれば大丈夫だという奇妙な安堵感を、エリックは持っているようですね。その様子から、私は“リムジン”というのはエリックにとって絶対安全な“子宮”なのかなと思っていました。

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全てのシーンに出ずっぱりの主人公エリックを演じたロバート・パティンソン氏は、まったく異なるカラー、演技形態をもつ複数の俳優さんたちと、限られた空間内で一対一で対峙します。観客である私たちも、1人の俳優の演技が、相手役が変わっていくことによって万華鏡のように変化する様子を見られるわけで、非常に興味深いですね。演技する側にとっても、これはかなりスリリングな経験だったのではないかとお察しします。映画でありながら、“台詞”と“会話”を最重視する限られた空間内での物語は、さながら舞台劇のような緊迫感と閉塞感を観客に与えます。

映画「コズモポリス」公式サイトはこちらから

…うーん。やっぱりクローネンバーグ師匠って、こういう心理サスペンスを撮ると、途端に生き生きするよな(笑)。映像全体の印象も、“あのクローネンバーグ節がかえってきた!”という感じで、“資本主義の滅亡”を暗喩した鬱々たるテーマにもかかわらず、ひどく生々しい。多くのクローネンバーグ信者は、こういう作品を待ってるんだろうなあ…とも思いますよ。


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