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zoom RSS The Writers Guild Awards 2013ノミネート発表。

<<   作成日時 : 2013/01/07 23:23   >>

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全米の脚本家組合によって選出されるWGAことWriters Guild Awardsが、現地時間で先週の金曜日に今年のノミネート・リストを発表しました。今週木曜日には、いよいよ映画賞の真打ちアカデミー賞のノミネートが発表されるので、それに向けて各映画賞も動きが慌しくなってきたようです。

脚本家が優れた仕事を成し遂げた同業者に贈る賞なので、基本的に“脚本賞”部門しかありません。私自身は、ここで記事にしていなくとも、毎年このWGAの選出状況を興味深く見守ってきました。やはり“良い脚本”こそが、“良い映画”誕生の鍵を握ると思うからです。

まあとはいえ、映画製作の複雑な作業工程の中で最も重要であるにもかかわらず、脚本家という職業は、プロデューサー、監督、俳優といったポジションに比べると、スポットライトが当たる確立は断然低くなってしまいます。今でこそ、テレビ業界では連続ドラマ・シリーズのクリエイター(脚本も書く場合が多い)は“ショウ・ランナー(Show Runner)”と呼ばれ、ある種のスター的な扱いを受けるようにはなりましたが、それでもまだまだ軽んじられる傾向にありますね。“良い脚本”からは、良質の映画を撮れる可能性がありますけれど、“クズ脚本”からは、所詮クズ映画しか撮れませんのにね(笑)。ぶっちゃけた話、映画監督や俳優なんてサルでも務まりますが、脚本を含めたその他の専門的スキルを必要とする製作部門に関しては、やはり本物の才能がものをいうと思うんですよ。

そんなわけで、誰しも映画における脚本の重要性について異論のないところではありましょうが、何故か脚本家は日陰者の立場に立たされてしまう。そのため、キャリアを脚本家からスタートさせても、後に監督やプロデューサーに転身する、もしくは兼任するケースが非常に多いですね。脚本だけでは食っていけないという悲惨な実情も、先の脚本家組合のストで明らかになりましたし…。

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さて、“脚本家は虐げられる”伝統のせいか(笑)、WGAが毎年選出する作品も、他の映画賞やもちろんオスカーでもさほど重要視されない(つまり、WGAの選出内容が、他の映画賞にほとんど影響を与えない)ことが、これまでは多かったように思います。ところが、脚本家組合による大規模なスト以降、WGAもなんとなく様変わりしつつあるのではないかと感じていました。
ハリウッド・レポーターの記事でも触れられていますが、今年の各部門の選出内容は、従来のようにWGAらしい個性的なラインナップになっているとは言い難いですね。なんというか、“これは実はオスカーのノミネート・リストですよ”と言われてもすんなり納得してしまえるほど、時流に乗っかった、メジャーで無難な路線の選考内容ではないかと思いました。

では、さっそく2013年度のWGAのノミネート内容をみてみましょう。WGAは映画とテレビ両方の部門があり、テレビ部門の方のノミネート・リストも既に発表済みでありますが、当館では割愛させていただきます。リストがハンパなく膨大なので(苦笑)。

●全米脚本家組合賞映画部門

・オリジナル脚本賞 ORIGINAL SCREENPLAY
「フライト Flight」 written by John Gatins; (Paramount Pictures)
「ルーパー Looper」 written by Rian Johnson; (TriStar Pictures)
「ザ・マスター The Master」 written by Paul Thomas Anderson; (The Weinstein Co.)
「ムーンライズ・キングダム Moonrise Kingdom」 written by Wes Anderson & Roman Coppola; (Focus Features)
「ゼロ・ダーク・サーティ Zero Dark Thirty」 written by Mark Boal; (Columbia Pictures)

・脚色賞 ADAPTED SCREENPLAY
「アルゴ Argo」 Screenplay by Chris Terrio; based on a selection from “The Master of Disguise” by Antonio J. Mendez and the Wired magazine article “The Great Escape” by Joshuah Bearman; (Warner Bros. Pictures)
「ライフ・オブ・パイ Life of Pi」 screenplay by David Magee; based on the novel by Yann Martel; (20th Century Fox)
「リンカーン Lincoln」 screenplay by Tony Kushner; based in part on the book “Team of Rivals: The Political Genius of Abraham Lincoln” by Doris Kearns Goodwin; (DreamWorks Pictures)
「The Perks of Being a Wallflower」 screenplay by Stephen Chbosky; based on his book; (Summit Entertainment)
「世界にひとつのプレイブック Silver Linings Playbook」 screenplay by David O. Russell; based on the novel by Matthew Quick; (The Weinstein Co.)

・ドキュメンタリー脚本賞 DOCUMENTARY SCREENPLAY
「The Central Park Five」 written by Sarah Burns and David McMahon and Ken Burns; (Sundance Selects)
「The Invisible War」 written by Kirby Dick; (Cinedigm Entertainment Group)
「Mea Maxima Culpa: Silence in the House of God」 written by Alex Gibney; (HBO Documentary Films)
「Searching for Sugar Man」 written by Malik Bendejelloul; (Sony Pictures Classics)
「We Are Legion: The Story of the Hacktivists」 written by Brian Knappenberger; (Cinetic Media)
「West of Memphis」 written by Amy Berg & Billy McMillin; (Sony Pictures Classics)

なお、この全米脚本家組合賞は、アメリカ西部脚本家組合(WGAW)とアメリカ東部脚本家組合(WGAE)からなる大規模な組織であります。各部門の受賞者発表は今年2月17日に予定されていますが、なにしろ西部と東部にまたがった授賞式となるため、ロサンジェルスとニューヨークの各会場で式典が催されるそうです。


…これは個人的な感想なのですが、このラインナップを眺めていると、昨今の映画界の厳しい“二極化”をここでも思い知らされた感がひとしお。興行成績で勝ち組とならなければ、映画賞で注目を集めることもままならない状況が、より一層あからさまになったと思いますね。メジャー・ストリームにはなかなか這い上がれない独立系映画でも、ユニークで優れた作品はたくさん埋もれているだろうに、この調子では、宣伝に予算をかけることができない映画たちの未来はどうなってしまうのか、暗澹たる思いに駆られます。

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