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zoom RSS 紙の恐竜はなぜ絶滅したか―「Paper Age」

<<   作成日時 : 2013/01/20 13:39   >>

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Vimeoで非常に興味深いアニメ・ショートムービーを発見。ドイツのアーティストの作品です。

新聞紙が描く、恐竜の最期。

“Paper Age”

Paper Age from Ken Ottmann on Vimeo.



“Paper Age”
directed & animated by Ken Ottmann
music "Trailer" by Brian (dasandereselbst.org, zonoff.net)

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新聞紙でできた太古の木々の間を縫い、かつて地球を支配していた最強の恐竜ティラノサウルスが歩いてきた。


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彼の世界は、白地の紙に黒色のインクで印刷された文字で成り立っているが、何も問題はない。ここで彼以上に強い生き物はいないのだから。


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…そう、彼の世界が、黒色のインクで印刷された紙で完結していた間は…。


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紙もインクも必要としない世界―ネットを介し、目に見えない回路を通って直接ダウンロードできる映像や文字などの情報が氾濫する世界―では、紙とインクの印刷物が全てであった彼の王国は存続できないのだ。


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新聞紙のティラノサウルスは断末魔の苦しみにもがき続ける。彼を絶滅に追いやったものは、隕石でもなんでもない。


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タブレットやスマートフォンで世界中が一瞬にして繋がってしまう、ネット世界であった。彼はついに力尽き、タブレットの画面の上で息を引き取ってしまった。


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ネットに繋がる端末があれば、いつでもどこでも充分な情報を得られる現在、紙とインクの印刷物はかさばるばかりで邪魔者扱いだ。書籍も雑誌も新聞も、いつか姿を消してしまうに違いない。太古の地球の王者であった、この新聞紙でできたティラノサウルスのように。


ドイツのアーティストであるKen Ottmann(公式サイトはこちら)の、傑作ペーパー製ストップモーション・アニメ。ほんの2分足らずの短い作品であるにもかかわらず、新聞紙でできたティラノサウルス(折り紙で作られたもの)の動きを、ダイナミックに再現してみせたアニメーションの構成力といい、空撮から地上をのし歩くティラノの視点にまで急降下してくるカメラワークといい、本当に素晴らしい作品だと思います。

Ottmann本人のサイトの中に、このショート・アニメ作品に関する特別解説ページがあるのですが、そこをざっと読んでみますと、この新聞紙でできたティラノ、やれKindleだiPadだスマフォだといったものの浸透で、絶滅の危機に瀕している“印刷物”“紙媒体”を象徴しているのだそうです。恐竜ははるか昔の地球を支配した生き物ですが、何らかの原因で一挙に絶滅しました。ネットで世界中の一人一人の人間が瞬時に繋がり、また情報を共有することのできる今、かさばるばかりの印刷物、紙媒体も、このティラノと同じ運命を辿るのではないかというわけです。

印刷物(新聞紙)でできたティラノサウルスが、奇しくも、Googleで著作権法についての情報を検索中のタブレットの画面の上で息絶えるという皮肉な演出で、紙媒体の絶滅を暗示するだなんて、なんというスマートな表現方法でしょう。このショートフィルムが、Vimeoスタッフによってピックアップされていたのも頷けます。折り紙ティラノの、精密なCG顔負けのリアルな動きも素晴らしく、アニメーションとしての完成度、観賞後の満足度も非常に高いですね。


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