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zoom RSS ドイツのメランコリア―Peter Heppner…追記終了

<<   作成日時 : 2012/11/18 09:30   >>

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日本ではほとんど知られていないアーティストかもしれません。ドイツのミュージック・シーンを代表するベテラン・シンガーソングライター、ペーター・ヘップナー Peter Heppner氏のご紹介記事です。…追記しました。

今年の夏も猛暑が続き、日常生活にも支障をきたすほどでした。私も家族も体調を崩したりして、夏の間中、とにかく無事に一日を乗り切ることが毎日の目標となり(笑)、他に余計な神経を使う余裕のない暮らし振りだったように思いますねえ。

幅広く音楽を聴くのが私の趣味の一つではあるのですが、酷暑の夏はさすがに、むさくるしいへヴィー・メタルや暑苦しいハード・ロック系の音楽は耳が拒絶反応を起こしていました(笑)。今年の夏は特に、鼓膜を通過しても神経にあまり負担をかけないような音楽を好んで聴いておりましたね。私も年をとって体力が低下してきているんでしょうなあ。


“Suddenly”

I dont give a fuck
What you say
I dont want to hear no lies
From you today
You wonder why you stand
All alone
But maybe you just reap
What youve sown

And suddenly
You find youre in so deep
The more you try in vain
To free yourself again
The deeper you will fall wont you?

A thousend time Ive lent
A helping hand
Im not asking for a „thanks
Dont misunderstand
But youre hiding from the truth
If you think that you dont need a friend arent you?
A long descending road, Ive been told
Lies out there in the cold
For those alone

And suddenly

All the things that you have done one by one
Are just coming back to you so they do

And suddenly


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―by Peter Heppner from “Solo”


画像

Peter Heppner

1967年9月7日生まれ
ドイツ、ハンブルグ出身

1987年にドイツのエレクトリック・ポップ・バンドWolfsheimに加入し、1991年にはバンドの楽曲“The Sparrows and the Nightingales”を大ヒットさせ、一躍スターダムにのし上がった。Wolfsheimはその後も“Once in a Lifetime”や“Find You're Here”などのヒットソングを生み出し、数々のミュージック・フェスティヴァルでヘッドライナーを務め、国際的に最も成功したドイツ出身のバンドの一つとなった。
バンド活動と平行し、Heppnerがソロでベテラン・ミュージシャンJoachim Wittとコラボレートした“Die Flut”(1998年)も大きな成功を収めている。Heppnerは、ドイツらしい構造的なエレクトリック・サウンドに乗るささやくような独特の歌声で熱心なファンを生み出してきた。その活動は自身のバンドにとどまらず、様々なミュージシャンとコラボレートすることによって広がりを見せていく。


サラ・ブライトマンとのセッションでも知られるアンビエント・ミュージックの作曲家Schillerとは、“Dream of You”(2001年)と“Leben... I Feel You”(2004年)の2曲で組み、いずれもドイツ国外でのヒットチャートを賑わせた。2004年にはもう1曲、人気DJのPaul van Dykとコラボレートした“Wir sind wir”をリリースしたHeppnerだったが、この楽曲は2005年の11月3日、ポツダム市で開催されたDay of German Unityのセレモニーで演奏されている。
その後も、ドイツ赤十字社が進めていたアフガニスタンの難民支援のため、Mila MarとKim Sandersと共に“Aus Gold”をトリオで歌ったり、以前の Wolfsheimのプロデューサーと組んで“Vielleicht”をリリースしたりと、様々なミュージシャンと旺盛な活動を続けている。
そして、Heppner自身の待望のソロ・アルバム“Solo”は、2008年9月12日にワーナー・ミュージックから満を持してリリースされた。プロデューサーはPeter-John Vetteseで、これまでの幅広い活動で培われたキャリアの集大成的内容になっている。アルバムはドイツ国内のチャートで最高位9位を記録し、2008年9月5日にはシングル“Alleinesein”が先行リリースされ、ヒットした。
2010年には、1980年代のジャーマン・ポップスのアイコンであるNena(ネーナ・ケルナー)と“Haus der 3 Sonnen”でデュエットを果たした。

今夏、繰り返し聴いていたのが、このドイツ出身のシンガー・ソングライターPeter Heppner氏でありました。ところがわたくしめ、ジャーマン・ポップス界については全くの不勉強でして…というより、80年代にネーナ・ケルナーやバウハウス、Taco(“踊るリッツの夜”)等が国際的にヒットして、ジャーマン・ポップスが注目されていた時期のことしか知らない状態でしてね。このHeppner氏に関することも、彼が以前所属していたデュオWolfsheimの楽曲も、白状しますと全く知りませんでした。今夏、You Tubeで偶然耳にしたHeppnerのソロ楽曲“Suddenly”に俄然興味を引かれ、彼の他の作品を漁っているうちに、この独特の鼻声を持つミュージシャンの虜になってしまったというわけです。

Peter Heppner最初のソロ・アルバム「Solo」。
Solo
Wea Int'l
2008-09-16
Peter Heppner

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●収録曲
1. Easy
2. Alleinesein
3. Suddenly
4. Vorbei
5. Being Me
6. I Hate You
7. No Matter What It Takes
8. Walter [London or Manchester]
9. Wherever
10. Das geht vorbei...

Wolfsheimの楽曲もいろいろ聴いてはみましたが、昔懐かしいバブリーな80年代ピコピコ・エレクトロニック・サウンドが前面に押し出されているものが多く、さすがにちょっぴり古さも感じます。電子音全開の陰鬱なメロディーラインに、鼻声Heppner氏の歌うというより語りに近いボーカルが乗っかるというパターンは、肝心のメロディーによほどフックがないと、遅かれ早かれ飽きてしまいますね。

ドイツの音楽全般は非常に構造的で、メロディーの起承転結もはっきり組み立てられているものが多いように感じます。この伝統に則ったジャーマン・ポップ・ミュージックも、“法則性から自由であること”を存在意義とするにもかかわらず、一分の狂いもない公式にきっちり基づいて生み出されているのではないでしょうか。Heppner氏の待望のソロアルバム第1弾となったこの「Solo」でも、さりげなく流れていくメロディラインの下には、ロック、ポップス、R&B、クラシック、ジャズ、民族音楽等々様々なジャンルに属する音の命脈がはっきりと息づいているのを感じます。それでいて、完成したメロディがカオスに陥ることなく、Heppner独特のサウンドのクセを上手く拾い上げながら、ゆるぎない定義にきちんと則っているのはやはりお国柄かなとも思いますね。

Wolfsheimではちょっぴり時代を感じてしまったというか、なんとなく垢抜けないサウンドが気になっていましたが、この初のソロアルバムは、全体的に洗練された上品な完成度を誇っています。一つ一つの楽曲もよく練り上げられ、起承転結がはっきりと感じられるメロディと、バラエティに富んだサウンドがちりばめられていますね。それぞれの楽曲は適度な緊張感と距離を保ちつつ、それでいてアルバム全体を一つのトーンにまとめあげていると感じます。クールでどこかメランコリックで、デリケートで。

そして、この“メランコリック”という言葉こそ、Heppner氏の音楽世界とこのアルバムを表現するのにおそらく最も適した形容詞だと思います。Wolfsheim時代を引きずっていたのか、あるいはこのアルバムが制作されていた時期に何かトラブルめいたことがあったかは分からないのですが、ほとんどの楽曲の歌詞が非常に絶望的な内容で、怒りや憎しみすら感じさせるものであることも無関係ではないでしょう。愛する人、あるいは大切な友人の裏切りに遭い、様々な形の“愛情”の喪失を歌うPeter Heppnerは、内省的な歌詞を内省的なメロディに乗せて歌う名手であると思います。

1曲目を飾る“Easy”にしてからが、不穏な滑り出しのメロディで哀しげ。このアルバムの中で最も躍動的で前向きなのは、シングルカットもされた“Alleinesein”ぐらいで(笑)、私がアルバム中で最も気に入っている美しくも哀しいバラード“Suddenly”などは、繊細なメロディに反して上記したように相手を突き放すような厳しい内容で、なんといいますか、“愛のカタチ”の不可思議さに打ちのめされる思いですね。

この作品では、歌詞はドイツ語と英語半々ぐらいの割合で書かれているのですが、やっぱりドイツ語での歌唱の方が、圧倒的に桁違いに凄まじくセクシー(大笑)。わたくしめ、鼻声とドイツ語の相性が恐ろしいほど良いことを、Heppner氏の歌で思い知らされましたよ。でも、“Being Me”(英語歌詞)は歌詞の内容も相まって、そんじょそこらの洟垂れアイドルには出せない壮絶なフェロモンですわ、ええ(笑)。ちょっと80年代ポップスっぽい雰囲気の軽やかな楽曲“I Hate You”は、タイトルからして絶望しますよね(笑)。

“No Matter What It Takes”などを聴き込むとよく分かるのですが、彼のこの作品の中の楽曲は、ボーカルのない間奏部分でも、絶えず様々な楽器の音が鳴っていて、サウンドの処理においてもかなり実験的なことに取り組んでいます。まあそれは、彼の歩んできたキャリアから推測できるのですが、ソロ・アーティストの作品というと、ボーカルのない部分はサウンドが薄っぺらいままで放置されていることもままあるので、この作品が、Heppner氏のソロであろうとも如何に“バンド”サウンドを大切にしているかが分かりますね。

飛行機の通信音と、オーケストラの広がりのあるサウンドでメリハリを効かせた“Walter [London or Manchester]”も美しいナンバーですが、ゆったりしたメロディで“君がどこにいても何を話しても何をしていても、いつも一緒にいるよ…”と囁きボイスで歌われる“Wherever”など、夜中に一人で聴いていると、うっかり腰が抜けそうになりますよ(笑)。アルバムのラストは、やはりドイツ語で〆て欲しいという私の切望通り(違)、印象的なサビが繰り返される“Das geht vorbei...”は、いわゆる“ボレロ”形式で、サビの部分が後半に従って大きく展開していくナンバーなのですが、もうそんな御託はどうでもよろしい(笑)。とにかくPeterの鼻声セクシー・フェロモンが最強だということが伝わればそれでOKでございますよ(大笑)。


実はPeter Heppner最初のソロ・アルバムは、ドイツ国内のみならず、世界市場を視野に入れてリリースされた意欲作でありました。そのため、これまで主にドイツ語で歌われてきた彼の楽曲の多くに、英語詩が採用されることにもなったわけです。「Solo」がドイツ以外の市場でも注目を集めた後も、相変わらずマイペースに独自の音楽世界を追求するHeppnerは、今年2012年に入って5月18日にようやく2枚目のソロ・アルバムを発表しました。それが「My Heart of Stone」(ユニバーサル・ミュージック・ドイツからリリース)です。


2枚目のソロ・アルバム「My Heart of Stone」。
My Heart of Stone
Polyd
2012-05-29
Peter Heppner

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●収録曲
1.Prologue
2.Give Us What We Need (Is Not Truth Key)
3.My World
4.Deserve To Be Alone
5.Pénombre Islandaise
6.God Smoked
7.Whenever I Miss You
8.D'antan
9.I Will not Give Up
10.A Love Divine
11.Letter From Africa
12.Au Large
13.Not ready yet
14.Cry Tonight
15.Epilogue
16.All Clear! - Song for competitions
17.My World (Kids Edit (Bonus Track))

それでは、アルバムに先立ってリリースされていたシングル「My World (Meine Welt)」のPVをどうぞ。

Peter Heppner - "Meine Welt"


前作「Solo」は、Wolfsheimから始まったHeppnerの音楽史の集大成でありました。歌詞の内容が内省的というよりは、いっそのことネガティヴ過ぎることについては、4年後にリリースされたこの「My Heart of Stone」にまつわるインタビューで彼自身も認めており、過去に起こったことについて全てを一度白紙に戻し、新しい心境で新しい境地に立つ創造活動の第一歩をこのアルバムで踏み出せたと、今作のクオリティについて自信をのぞかせました。

今作の大きな特徴は、前作よりいっそう貪欲になった多ジャンルの音楽的要素の取り込みと、そのHeppner独自の応用滑らかさだといえます。プロローグからラストの楽曲まで、インストゥルメンタル・ナンバーとボーカルが入ったナンバーがほぼ交互に収められていて、インストの楽曲と次のボーカル・ナンバーは完全に分け隔てられることなく、間奏でゆるやかに繋がりを保ち、その音が表現する世界を途切れさせることがありません。つまりこのアルバムは、個々の独立した楽曲の寄せ集めというよりは、全体で一つの大きな音世界―Heppnerの“my world”―を描くコンセプチュアルな作品だということですね。

そして、前作より全ての音の棘が取れ、全体的に耳に優しいまろやかな音に変化しています。かといって楽曲にフックがなくなったわけではなく、よりアレンジが洗練され、本当に良いサウンドだけが選び抜かれているという印象です。メロディの傾向は前作を踏襲したものですが、もっと起承転結がはっきりした展開であり、やはりHeppner自身の心境の変化を暗示するように、明るく力強い音が顕著になりました。それによって緩急自在のパワーを得たサウンドが、前作以上のスケールをもって聴こえてくるようになったのですね。インスト・ナンバーのメロディも、よく練り上げられた美しいものになっていますよ。音同様、歌詞の内容も明るくポジティヴなものに変化しました。悲しい曲もいいですが、やはり悲しみの時期を過ぎれば、前向きな歌を口ずさみたいもの。Heppner第2作目のソロアルバムのナンバーは、ちょっと一緒に歌ってみたくなる気持ちを呼び起こしますね。

彼の新たなパワーに包み込まれるような音体験は、沈みかけた心には大変心地よいものです。

Peter Heppner氏に関する詳しい情報は、こちらのFacebook公式ページでどうぞ。


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