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zoom RSS 「Form 17」(short movie)―お父さんの最もツイてない一日

<<   作成日時 : 2014/11/08 21:43   >>

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教訓:年頃の娘を、決して自身の職場に連れて行ってはいけない。


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“Form 17”

Form 17 from Red Giant on Vimeo.


Red Giant Production Presents
『Form 17』
Director: Seth Worley
Executive Producer: Aharon Rabinowitz
Produced by: Neil Hoppe, Shannon Hoppe
Written by: Seth Worley, Neil Hoppe, Aharon Rabinowitz
出演:The Lieutenant: Chip Arnold
The Daughter: Cammie York Hall
Other Officer: Cameron Childs
Unfortunate Pizza Delivery Guy: Micah Lanier
Original Music by: Ben Worley
Associate Producers: Mark Cowart, Cameron Childs
DP/Camera: Mark Cowart
Camera: Jeremy Gonzales
Grip: Brian Ellison
Audio: Matt Hail
Script Supervisor: Jeremy Childs
Art Design: Paul Conrad, Micah Lanier
The Bomb designed and built by: Neil Hoppe

ショート・フィルムを専門に製作しているRed Giantというプロダクションが放つ、“お父さんの、最もツイてない一日”なサスペンス・ショート・フィルムです。いや、面白かったですわ、これ(笑)。

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爆弾処理のプロは、ピザ・デリバリーの車に爆弾が仕掛けられたという通報を受け、現場に急行。しかし今日は、助手に加えてもう一人余計な人物も彼にくっついてやってきた。ティーンエイジャーの娘である。
娘は一刻を争う深刻な状況をさっぱり理解せず、モノホンの爆弾を見てはスラング満載でうろたえまくる。しつけに厳しい父親は、娘がスラングを発するたびに厳格に注意。娘は学校から出された宿題“Form17”をこなすため、集中力を要求される任務の最中の父親に、自身の職業についての質問をぶつけまくる。爆弾が爆発するまで後30分。娘の妨害にイライラさせられながらも、父親は被害に遭ったピザ屋の配達人をなだめつつ、質問に答える。
「お父さんの仕事は何ですか?」―「爆弾処理です」
「それはどのような仕事ですか?」―「爆弾を処理する仕事です」
「あなたはなぜその仕事をするのですか?」―「爆弾は処理しなくてはいけないからです」
父親が自分の質問に真面目に答えていないのは明白。家でも偉そうにふんぞり返っている父親だが、ここでも自分を幼い子供扱いして軽んじる父親にムッとした娘は、緊迫した状況下にもかかわらず友達にメールしたり、ボーイフレンドのことをしゃべったりと、傍若無人。それをいちいち咎めだてする父親は、完全に集中力を殺がれている。
言わんこっちゃ無い、父親は導火線を切る作業中、仕掛けられていたトラップにまんまと引っ掛かってしまった。爆発までの時間を表示するカウンターが急速に回り始め、止めようもなく、爆発まで文字通り一刻を争うことになった。父親は珍しく焦りの表情を見せ、作戦を変更。配達人が座るドライバーズ・シートの下に仕掛けられていた爆弾の接続を切って、配達人を救出することになった。危険な作業中も頭を突っ込んで、その作業の模様をスマートフォンの動画に収めようとする娘。命がけの仕事に従事する父親の苦労を知ってか知らずか、妙に肝っ玉の座った神経の図太い娘である。ついに根負けした父親は、配達人、助手と娘ともども現場から急遽避難した。
寸でのところで爆発から逃げおおせた娘は、間髪入れずに父親にカメラを向け、インタビューを再開。この一大イベントを動画にきちんと収めなくては。これは父親にとっても自分にとっても、記念すべき出来事となるだろう。
「お父さん、お父さんの仕事はどういう内容ですか?」
派手に大爆発を起こして混乱する現場を背に、父親は途方にくれた表情で答えた。
「…時には爆弾を爆発させちゃうこともある仕事です…」

任務には失敗しちゃったけど、自分が命がけで働いている姿を娘にちゃんと見てもらえて良かったね、お父さん♪


…いや、良くないだろ(笑)。ピザ屋の兄ちゃんにとっても、この日は“人生で最もツイてない一日”になってしまいました。

爆弾処理という、観ている側も胃が痛くなるような緊張を強いられるシーン。ここに、お父さんの仕事をレポートするという宿題に追われた、イマドキのティーンエイジャーの娘が紛れ込むとどうなるか。これが、このショート・フィルムの最も大きな命題であります(笑)。

結論:爆弾処理に成功するか否かというハラハラドキドキのサスペンスが、嫌な意味で倍になる(笑)。

状況をさっぱり理解しないおバカな娘が傍若無人に振舞うたびに、“娘、お前、お父ちゃんの任務の邪魔すんなや、ボケ!お前の命もお父ちゃんに掛かってんのやぞ!”と、観ているこちらがお父さんに代わって叫びたくなります(笑)。ただでさえ神経をすり減らす状況が、アホ娘の言動によってさらに悪化するという悪循環が、作品そのもののサスペンスをいや増す結果になっていますね。そこに、“父親と年頃の娘の会話”という、古今東西を問わない不毛なやり取りの繰り返しが、その緊迫感を弛緩させるごとく作用するというわけ。今作のハラハラドキドキは、他のサスペンス映画並みに高いテンションを保ちつつ、絶妙のテンポで交わされる親子のコミカルなやり取りで、緊張と弛緩がいい按配で配分されることになりました。そして、父親と娘の噛み合ってんだか合ってないんだかわからない会話に、父親の助手君が茶々を入れるタイミングもなかなか良いですわ。導火線を上手く切った助手君に、晴れて娘のボーイフレンドになれる権利をあげたお父さんですが、残念ながら彼は既婚者でありましたとさ(笑)。

オープニングからタイマー表示で現れるタイトルといい、娘が手に持っているスマホのカメラ越しに観た手振れの映像で始まる演出といい、王道を行く手法ながら、サスペンスを持続させる工夫はいいと思いますよ。それになにより、父親と娘、助手君という登場人物の間で交わされる会話の妙が面白くてね。ハラハラドキドキとコミカルさが上手く合体した作品です。

…まあしかし、あれですよね、爆弾処理の仕事をしているお父さんを持った娘さんも大変ですよね(笑)。だって、“お父さんの仕事を理解するための課題”なんて学校から出されたひにゃ、爆弾処理の現場に同行しなくちゃいけないんだし(笑)。もちろん、年頃の娘さんを危険な仕事場に連れて行かなくちゃいけないお父さんも大変だろうけど。

お父さんの特殊な仕事を目の当たりにして、最初はオロオロ戸惑うばかりだった娘さんが、散々お父さんの任務を引っ掻き回した挙句、最後にはなんだかお父さんに力勝ちしちゃった印象も。恐ろしい爆発シーンを野次馬よろしく熱心に撮っていた様子から、お父さんの毎日の苦労もなんのその、この後彼女は、友人達と爆発シーン再生でちゃっかり盛り上がることでしょうよ(笑)。イマドキの若い娘のパワーに降参してうなだれるお父さんと、どんな状況であってもへこたれず、自分の思い通りに楽しんでしまう娘のたくましさは、実に対照的ですね。“父親と娘の対立”という、古今東西を問わず連綿と続く命題は、こんな何気ないシーンにも垣間見られます。



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…こちらもまた、お年頃の娘さんをお持ちのお父さんショーン豆男さん。「Form 17」のお父さんが味わうご苦労は、他人事ではありません。心中お察し申し上げますよ。

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