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zoom RSS 思い出と今をつなぐピアノ。―「The Piano」

<<   作成日時 : 2012/07/08 14:55   >>

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一人でピアノを爪弾いている老人。彼が鍵盤に指を滑らせると、今は亡き妻が静かに彼の隣に座り、かつてそうしていたように二人分の音が重なる。

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彼女の陽炎が消えた後、老人の脳裏に蘇ったのは、あの地獄のような戦場での出来事だった。最前線で戦っていた仲間が撃たれ、彼の腕の中で静かに息を引き取った。あのときに感じた無力感は、底知れない悲しみとなって老人の心を侵食し、彼に永遠に消えない傷を残していった。

The Piano by Aidan Gibbons


だがふいに老人の記憶は、遠く自身の子供の頃に飛んでいく。誕生日のプレゼントに木馬のおもちゃをもらったのだ。それは、子供用のおもちゃといえど大変に立派なもので、彼はカウボーイよろしく木馬に乗り、夢中で家中を走り回ったものだ。

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その木馬は今、老人が初めて手にしたときと寸分たがわぬ力強さで、孫のカウボーイごっこの相手を務めている。老人によく似た面差しの少年は、おじいちゃんの木馬でひとしきり遊んだ後、大好きなおじいちゃんの隣にやってきた。ピアノの最後の音は、老人と少年の二重奏となった。

日本でも大ヒットしたフランス映画「アメリ」で印象的だったのが、ヤン・ティールセンによるメランコリックで美しいピアノの音色でした。私なんぞは、この映画を観た当初、大好きなジョージ・ウィンストンが弾いているのだと錯覚したほど(笑)。「アメリ」からは、クレーム・ブリュレの表面のカラメルをスプーンで割るなど、いかにもフランス的な日常の情景にスポットライトが当てられて随分流行ったものですが、私自身はティールセンの音楽に最も心を動かされたクチですね。

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そのティールセンの物悲しくも美しいピアノ曲“Comptine d'un Autre Été”にあわせて、エイダン・ギボンズというアーティストが、これまたメランコリックにして美しいCGアニメーションを制作しました。それが上記した「The Piano」というタイトルのショート・ムービーです。消えていく命もあれば、失った命への悲しみを乗り越えたからこそ、新しい命も育まれていくのだというシンプルなメッセージが、楽曲のイメージを上手く生かして過不足なく伝えられていますね。

最近、いろいろなショート・ムービー―しかもYou Tubeによって初めて名前を知ったような、在野のアーティストの作品―を観るようになったのですが、凡庸な長編映画よりよっぽど見事な出来栄えの作品が多く、感心させられます。ひょっとしたら、未来の映画界を担うような逸材がここから出てくるかもしれない。You Tubeによって、世界中に埋もれている無名の作家の発見が容易になりましたが、未来のアーティスト達にとっては、チャンスが増したと同時に、業界に安く使い捨てられる危険性もまた増したことを肝に銘じておいて欲しいものです。

それでは、こんなに素晴らしいショート・ムービーを作ったエイダン・ギボンズとは一体何者?!ということになるのですが、それは彼自身のサイトAidan Gibbons work blogを見れば一目瞭然であろうと思われます。興味のある方は、ぜひ飛んでみてください。元々はシンガポール在住のVFXアーティストだそうで、彼のサイトにはこれまで彼が制作した作品(その多くはCMの動画)がたくさん収められていますよ。


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