House of M

アクセスカウンタ

更新情報

zoom RSS 「エイリアン Alien」―シリーズ第1作目が最高かな。

<<   作成日時 : 2012/07/09 14:39   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

欧米ではすでに劇場公開されている、リドリー・スコット監督が原点回帰したSF悪夢譚「プロメテウスPrometheus」。日本では公開が少し遅れて8月24日全国公開の運びとなりました。…その頃は、日本全体がうだるような暑さでヘロヘロにへたばっている時期ですから、この恐い恐いSFホラー・サスペンス映画を観て、急速冷凍されてみるのも乙なものかもしれませんよ(笑)。

日本では「プロメテウス」上陸まで今しばらく時間があるので、これを機会に、同作品がその世界観を受け継いでいるというSFホラー映画の名作「エイリアン」シリーズを駆け足で振り返ってみましょう。…興味のある方、あるいは昔観たけど内容を忘れたという方は、各自DVDを紐解いてください。館長は、ホラー好きのクセにビビリなので(笑)、「エイリアン」シリーズ復習もできるかぎり手早く、恐いシーンやグログロなシーンを凝視しないように目を向けつつ(再笑)、パッパッと振り返っていきますよ。


“In Space, No One Can Hear You Scream...宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない”
「エイリアン Alien」(1979年)
監督:リドリー・スコット
脚本:ダン・オバノン
原案:ダン・オバノン&ロナルド・シャセット
製作:ゴードン・キャロル&デヴィッド・ガイラー&ウォルター・ヒル
製作総指揮:ロナルド・シャセット
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影:デレク・ヴァンリント
クリーチャーデザイン:H.R.ギーガー
クリーチャー造形:H.R.ギーガー&ロジャー・ディッケン
クリーチャー効果:カルロ・ランバルディ
出演:トム・スケリット(ダラス)
ハリー・ディーン・スタントン(ブレッド)
ジョン・ハート(ケイン)
ヤフェット・コットー(パーカー)
イアン・ホルム(アッシュ)
シガニー・ウィーバー(リプリー)
ヴェロニカ・カートライト(ランバート)

貨物の運搬を行う宇宙船ノストロモ号は、地球へ帰還する途中、未知の文明、しかも異星人らしきものからの信号をキャッチした。人類が宇宙へ飛び出してから長い年月が経つものの、いまだ異星人とのコンタクトには成功していない。ノストロモ号乗組員は、人類で初めて異星人と遭遇するかもしれない可能性に賭け、急遽信号発信源である惑星LV-426に航路を変える。
惑星LV-426は荒涼とした廃墟のような星で、朽ち果てた巨大な宇宙船と、その内部で化石化していた宇宙人“エンジニア”を発見するに留まった。ところが宇宙船内には、不気味な卵状の物体がびっしりと並ぶ部屋があった。航海士ケインが不用意にその巨大な卵に近づくと、中から殻を破って粘液に包まれた蜘蛛状の生き物が飛び出した。それはケインのヘルメットに張り付き、酸を吐き出して防御ガラスをあっという間に溶かすと、ケインの顔にしっかりと張り付いた。
ノストロモ号へ急ぎ退却した乗組員達は、キャッチした信号が、結局宇宙人からの警告を促すメッセージであったことを知らされる。しかし、時既に遅く、ケインの顔に張り付いた蜘蛛だかサソリだか得体の知れない生物は、ある目的を果たすと、ケインの顔から剥がれ落ちて死んだ。その後しばらくして、仲間と一緒に食事していたケインが突如苦しみだし、彼の胸を突き破って不気味な寄生生物が飛び出した。乗組員が唖然とする中、生物はすぐさま姿をくらましてしまう。ケインは未知の怪物によって、その幼体を自分の体内に産み付けられていたのだ。幼体は寄生した人間の体内で成長し、一定の大きさになると宿主である人間の胸から外へ出るというわけだ。
乗組員が右往左往する中で幼体は急速に成長して成体エイリアンとなり、他の乗組員達を犠牲にするべく闇にまぎれる。乗組員達は科学、医療担当のアドバイザー、アッシュに従い、エイリアンをエアロックから船外へ放り出すことにする。ところがアッシュの見通しが甘く、作戦を担った船長ダラスはエイリアンの犠牲になった。リプリーは有効な手立てを示さないアッシュの態度に不審を抱き、ノストロモ号のマザー・コンピューターに直接アクセスした。コンピューターは驚くべき回答を示した。アッシュは実は、ノストロモ号を雇用するウェイランド・コーポレーションから派遣されたアンドロイドであり、LV-426に眠る生物兵器エイリアンを生きたまま採集する密命を帯びていたことが分かる。ノストロモ号がLV-426に着陸してエイリアンと遭遇し、乗組員がその幼体に寄生されることまで、あらかじめ計算されていたことだったというのだ。加えて、高度な科学を誇った宇宙人エンジニアですら制御できなかった“エイリアン”を打ち負かすことは、人類には不可能だとも。ウェイランド社は、“生きたエイリアンの個体の捕獲”を最優先事項としており、乗組員の安全は二の次であった。真相を知ったリプリーを始末しようとアッシュが襲い掛かるが、ランバート達に阻止され、裏切り者のスパイは破壊された。
残された乗組員達は、ノストロモ号本体をエイリアンもろとも爆破し、脱出用の緊急シャトルで地球に逃れるプランを立てる。しかし、おびただしい機材や物資の影に紛れ、俊敏に動くエイリアンの行方を掴むのは難しく、ランバート、バーカー、リプリー以外の乗組員達が次々と襲われていった。
たった一人生き残ったリプリーは、ノストロモ号乗組員のアイドルだった猫のジョーンズを連れて脱出用シャトルに向かう。その通路上にエイリアンが潜んでいることを発見したが、それが姿を消したことを確認し、シャトルに戻ってノストロモ号を自爆させる。ジョーンズと共にハイパースリープに入ったリプリーは、無事地球に帰還できるのであろうか?

エイリアン [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2010-10-08

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by エイリアン [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


【FOX HERO COLLECTION】エイリアン DVD-BOX(4枚組)(初回生産限定)
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (FOXDP)
2012-07-18

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 【FOX HERO COLLECTION】エイリアン DVD-BOX(4枚組)(初回生産限定) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ホラー映画お決まりの、“敵を倒し、全ては終わったかに見えたけれど実は……”という、物語はまだまだ続くぞ的な(笑)、嫌〜な後味を残してエンドマークが入るこの作品、1979年製作とは思えないほど、今見直してもやっぱり面白いSF譚ですね。
今製作されているような、3Dはデフォルト、おまけに無限に金を食うビッグ・バジェットな大作映画と違い、そこここに低予算ならではのアイデアが生かされた、妙に手作り感のある映画でもあります。…でも、天才ギーガーがデザインしたエイリアンには、ハンドメイド感とか、ぬくもりとか、そういったものはただの一片もありゃしませんけどね(泣笑)。このエイリアンほど、独創性に富み、かつまた弱点とか盲点がない、最強最悪の化け物は他に例を見ません。あまりに強すぎる生物なので、人間では全く歯が立たず(立ったのはリプリーぐらい・笑)、仕方がないのでターゲットをプレデターに変更せざるを得なくなるほどでした(違)。

脚本と元祖となるアイデアは、ジョン・カーペンター監督の愛すべき「ダーク・スター」の脚本を書いたダン・オバノンですが、隠されたサイドストーリー(そもそもエイリアンの卵を搭載していた宇宙人は何者なのかとか)はともかくとして、本編のストーリーそのものは“密室内に最強の化け物が入り込み、一人、また一人と人間を襲っていく”という、非常にシンプルな内容であります。その分、途方もないパワーを持つ敵とどうやって戦い、どうやってサヴァイヴするのかという細かいアイデアや、“やるか、やられるか?!”という緊迫感と恐怖感をどうやって最後まで持続させ、観客の目を釘付けにするのか等、そういった部分にこの作品の運命が託された訳ですね。完成した作品は、今後ここから、延々とヒット・シリーズが作られていくことになった程、低予算を逆手に取った大胆な構図と発想、逃げ場のない舞台で、観客の予想を小気味良く裏切りつつ進行するサスペンス構成がぴたりとハマり、実にお見事。

今作に関しては、リプリーという“強大な敵とたった一人で戦う女性”像が、非常に鮮やかに世界に向けて示された作品でもあります。まあそのせいで、『エイリアン=レイプする側の象徴、リプリー=レイプされる側でありそれと戦うフェミニズムの象徴』…といった解釈が、映画公開直後から、かなり大々的に議論されてきたわけですね。
私自身は、以前の記事でも書いたように、この「エイリアン」シリーズに隠されたフェミニズム礼賛論は確かに存在するだろうけれど、スコット監督自身が意識して織り込んだモチーフではないと考えています。監督の頭の中には常に、“社会のあらゆるシーンで(宇宙船の中でさえも)虐げられる立場の女性像”というものがあって、その女性達が本能的に持つ強さや、彼女達が溜めに溜めた怒りをいつの日か爆発させるだろうという予感に、恐れに近い感情を抱いていたのではないかと思っています。監督は、“女性の反乱”を罰として受けるはずの全ての男性の身代わりとして、彼女達の目の前に、“エイリアン”という虐殺者(人類の社会では、虐殺者は大抵男性である)を登場させたわけです(笑)。
監督のインタビューにおける発言などを見ていると、元々かなりのフェミニストであったようですしね。彼の映画の中に登場する女性たちが、総じて強く、凛々しく、賢く、自立したキャラクターを纏っているのも、監督のフェミニスト精神と無関係ではなさそうです。加えて、企画がどこまで進んでいるかは不明ですが、名作「ブレードランナー」の続編までできるのではないかという噂もありまして、この企画に関して監督は、“もし「ブレードランナー」の続編を作るとしたら、主役には、自立した強いリーダーシップをとるような女性がいい”と意見していたそうですよ。

この作品はまた、当時全くの無名だった大女優シガーニー・ウィーヴァーをはじめ、これ以降、数々の作品で名脇役っぷりをみせることになる名優ハリー・ディーン・スタントン(「パリ、テキサス」が最も有名)や、英国の実力派ジョン・ハート、イアン・ホルム等々、綺羅星のごとくの演技派俳優達を世に送り出しました。ドラマが進んでいくにつれ、キャラの立った登場人物たちが織り成す人間関係が刻々と変化していく、群像劇としての面白さも今作の大きな見所ですね。特にやはり出色なのは、下着姿まで披露するフェミニンな美女でありながら、同時に研ぎ澄まされた鋼鉄のような強さを覚醒させていく、複雑な役どころを熱演したウィーヴァーでしょう。

「プロメテウス」では、オリジナル「ドラゴン・タトゥーの女」のリスベットを演じたノオミ・ラパスに、リプリーをもっとナイーヴにしたようなイメージのキャラクターを演じさせており、彼女の女優としての成長振りも非常に楽しみ。その、科学者でありながら一方では運命論的なスピリチュアルな思考にも強く惹かれるエリザベス・ショウと、呼応する役割の“進化するロボット”ことデヴィッド8には、昨年大躍進した目下人気沸騰中の若手ミヒャエル(マイケル)・ファスベンダーが扮します。さすがに今ノリにノッている俳優さんを起用するのですから、ミヒャ演じるデヴィッド8が単なる脇役だとは考えにくく、彼のドラマの中での一挙手一投足が、登場人物の運命に大きな波紋を広げてしまうと思われます。シリーズ1作目のアッシュ、2作目、3作目のビショップ、4作目のコール(シリーズ初の女性アンドロイド、当時人気絶頂だったウィノナ・ライダーが演じた)ときて、「プロメテウス」ではデヴィッド。アンドロイドの名前の頭文字がアルファベット順に並んでいるという噂は本当だったみたいですね(笑)。

さて。
「エイリアン」シリーズには、エイリアンを興味深い研究対象として、生きたまま採集しようとするコングロマリット、ウェイランド・コーポレーションが登場し続けます。「プロメテウス」でもウェイランド社総帥が登場しますし、デヴィッド・フィンチャーが製作した「エイリアン4」では、はっきりと、当時アメリカから不興を買っていた日本の大企業をイメージした“ウェイランド・ユタニ(湯谷なんですって・笑)”という会社名がバンバン画面に登場しました。その「エイリアン4」でのウェイランド社は、よりによって放射性廃棄物を収める装置を、刑務所惑星に住む囚人たちに作らせているという、今思うと全然笑えない、欝になりそうな設定でしたしね(苦笑)。

まあ、シリーズを通じて登場するという意味では、リプリーと並ぶオリジナル・キャラクターだといえないこともありませんが、よく考えてみれば、リプリーの終わりなき戦いの真の相手とは、エイリアンではなく、そのエイリアンを生きたまま捕獲すべしという社命に不気味なほど固執する、このウェイランド社ではないかとも思えます。

大企業ならではの人命無視の企業方針が、結果的にリプリーをしてエイリアンとの絶望的な戦いに追い込んでしまいました。「エイリアン3」でエイリアン・クィーンもろとも自殺したはずのリプリーが、やっぱり“大企業による血も涙もない資本主義精神”によって再び安眠を妨げられ、今度は忌むべき宿敵エイリアンと、遺伝子レベルで融合させられるだなんてね(「エイリアン4」)。悪趣味といおうか、どこまでも品性下劣な大企業根性であることよ。
今現在、放射能と原子炉を巡って、某大企業をはじめ、資本主義の奴隷と成り果てた政治家の方々が、見るもおぞましい狂乱劇を演じておられますが、放射能という人間の手が生みだした“エイリアン”と永遠に終わらない戦いを強いられているのは、他でもない私たち一般人だということを嫌でも思い出してしまいますね…。

“Alien” (1979) Trailer


“Aliens”(1986) Trailer


“Alien3”(1992) Official Trailer


“Alien: Resurrection”(1997) Official Trailer


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村
“エイリアン Alien”にはもう一つ、外国人だとか、相容れないもの、人といった意味も含まれています。この人はハリウッドとはおよそ相容れない、孤高のエイリアン Alienですね。


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

にほんブログ村

「エイリアン Alien」―シリーズ第1作目が最高かな。 House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる