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zoom RSS 人魚王子の憂い―Han at Helsingor

<<   作成日時 : 2012/06/03 15:58   >>

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北欧のアーティスト・コンビ、エルムグリーン&ドラッグセット(Elmgreen & Dragset)が、コペンハーゲン港の人魚姫像にインスパイアされて制作したという男性版人魚像“Han(彼)”。


画像
 from POLITIKEN.DK
映画「ターミネーター2」に出てきたT-2000でしたっけ、液体状の金属でできたロボットを思わせる質感の“彼”が、6月2日とうとうお披露目されたそうです。“彼”は、“彼女”同様、デンマークにある都市ヘルシンゲルの港に置かれることになりました。

この人魚王子こと“彼”ですが、全体のポーズはコペンハーゲンにいる“彼女”とほぼ同じ。うつむき加減の憂いを含んだ表情も似ています。身体だけ男性になって、材質は近未来風にバージョンアップしたような感じですね。
これは私個人の感想ですが、コペンハーゲンの人魚姫より、全身から発散される物憂い雰囲気が一層強まっているような印象を受けました。コペンハーゲンの彼女の身体は、柔らかなフォルムで明らかに女性的であり、一方のヘルシンゲルの彼の方がクールかつ男性的な造形であるにも関わらず、ヘルシンゲルの人魚王子は、何か大きな苦悩に打ちのめされているようにも見えます。

不思議なものですね。

思うにこれって、あの「人魚姫」のお話の男女を逆転させてみたような試みではないでしょうか。「人魚姫」の古風で、少しく理不尽なモラルに縛られたストーリーは、人魚姫が“女性”だからこそ成り立っているお話だと思います。仮にその性別を逆転させてしまえば、本来のお話が伝えたかったであろうニュアンスは意味を為さなくなり、代わってもっと別種のデリケートなジェンダーの問題に足を踏み入れることになるのでは。女性であるがゆえに過酷な運命を辿らざるを得なかった人魚姫より、デリケートで複雑な問題を抱えた人魚王子の方が、より現代的な存在になるのかなあとも思います。

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こちらは原作のデンマーク語から新たに訳出した新「人魚姫」。アンデルセンの手がけたオリジナルのお話の方は、童話として広く知られる内容よりももっとエロティックで生々しいものです。エルフのように永遠の命を持つ美しい生き物、人魚が、有限の命しか持たぬ儚い人間に、なぜに執着するようになったのか。大人には、こちらの人魚姫が辿った、知られざる精神の軌跡の方が興味深いでしょうね。


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