House of M

アクセスカウンタ

更新情報

zoom RSS カンヌ企画:ブランドン・クローネンバーグ君応援記事。

<<   作成日時 : 2012/05/20 11:23   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

画像

前略:ちぃとばか寝込んでいますが、携帯から投稿。

昨日19日、この世に現存するパラダイスの一つカンヌで、ある視点部門に出品されたブランドン・クローネンバーグ監督の処女作がついにお披露目されました。

ブランドンの父君デヴィッド・クローネンバーグ監督の新作がプレミア上映される予定の会場とは別の場所で、ティム・ロスを審査委員長とするカメラ・ドール賞(最優秀新人監督賞)選出委員の評価を待ちます。
ブランドン初の商業用長編映画となった作品「Antiviral」については以前簡単にご紹介しましたが、もう少し詳細な情報がカンヌ国際映画祭公式サイトにも掲載されているので、興味のある方はぜひご覧になってやって下さい。主演は「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」で口からソニック・スクリームを発するバンシーを演じていた男の子(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)、ストーリーも、有名人の肌の上で培養されたウィルス売買に端を発する恐怖譚ということでアングラSFホラー映画の匂いがふんぷんといたします。“プリンス・オブ・ホラー”と呼ばれていた頃のデヴィッド・クローネンバーグ師匠の作風が好きで、トロント土着時代の名作ホラー「ヴィデオドローム」や「ザ・ブルード」などを愛する信者たちにとっては、またとない朗報となるやもしれません。
それらの時代の作品に顕著に現れていた、師匠特有の病的な潔癖性、その副作用的なグロテスク極まる意匠、極端な孤立感、自分自身を何か未知なる悪しき物体に侵食される恐怖といった、飛躍した数々のオブセッションを、ブランドンは父親の仕事を間近に見ながら育った経験を活かして描いているのでしょう。

師匠のキャリアを観客という立場で見つめてきた信者たちと、師匠の息子として生きてきたブランドンの立ち位置は勿論違いますが、反面、ある感覚を共有していることも事実。それは、“デヴィッド・クローネンバーグ”というひとつの巨大なオブセッションを、客観的に観察・解析できるということです。私の想像ですが、師匠自身は、意外とご自身が囚われているものが何なのか分かってらっしゃらないのではないでしょうか。師匠が案外見落としているであろう微細な死角を、観客とブランドンは発見することができる。
ブランドンは、師匠の死角をより詳しく分析することで、彼だけの世界を構築する手がかりを掴めるはず。
ブランドンの映画監督としてのキャリアが、“ウィルス”というミクロな世界から出発したのは、おそらく偶然ではないと思いますよ。“デヴィッド・クローネンバーグ世界の分析者”としてこの世に生まれてきた人間の、これはまあおそらく運命だったのではないでしょうかね。処女作にいきなりマルコム・マクダウェルを招くことができたのは(「A Dangerous Method」「Cosmopolis」に連続起用されたサラ・ガドンちゃんも出演)、やっぱり御父君の七光りっちゅうやつかも知れませんが、僻んだりグレたりしないで素直にキャリアを重ねてね、ブランドン。
カンヌ国際映画祭の“ある視点”部門とは、早い話が新たな才能を発掘する部門であります。真の映画狂と映画業界の人間は、この部門に登場する作家たちをよく観察しています。ブランドン君も彼らの目に留まればいいなあ。

書きたいことはまだありますが、相変わらず酷い鼻水と咳で消耗しているもんで、ここで一旦お休みします。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

にほんブログ村

カンヌ企画:ブランドン・クローネンバーグ君応援記事。 House of M/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる