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zoom RSS 裸の大将マイケル・ファスベンダーの“お笑い”外伝 in 「エンジェル Angel」

<<   作成日時 : 2012/04/04 00:29   >>

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人気アメコミ・シリーズのプリクェール「X-MEN:ファースト・クラス」や、成人指定をものともせず世界中でヒット中の「SHAME -シェイム-」への出演で、2011年度おそらく最も注目を浴びた若手俳優となったミヒャ君(マイケル・ファスベンダー Michael Fassbenderの豆酢館での愛称)。前回の記事で、彼の簡単なバイオグラフィーとその話題作「SHAME -シェイム-」をご紹介しました。でも、折角の彼のハッピー・バースデー企画なのに、しんみりした調子で終わってしまったのでどこか消化不良気味です(笑)。

皆さんのお笑いに誠心誠意ご奉仕する豆酢館館長として、ここは一発ドカンとおバカな記事をぶちあげておく必要があるでしょう、そうでしょう。

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幸いにもミヒャというお人は、映画の世界を離れれば、ダサいヘルメットを被って鉄を捻じ曲げることもしませんし、隙あらば服を脱いだりもしませんし、精神分析学の父フロイト博士と喧嘩することもありません。非常に愉快で飄々とした、素朴な青年であるようで。ショーン・ビーンを愛でてかれこれ四半世紀近く、“スクリーン上のイメージと素顔との間にかなりのギャップがあり、プライベートでは隙だらけ”という、ショーンと同じような“イジり甲斐のある天然ちゃんキャラ”の匂いが、ミヒャからもプンプンと漂ってくるのですよ(笑)。


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「エンジェル Angel」(2007年)
監督:フランソワ・オゾン
製作:オリヴィエ・デルボス&マルク・ミソニエ
原作:エリザベス・テイラー
脚本:フランソワ・オゾン
撮影:ドニ・ルノワール
美術:カーチャ・ヴィシュコフ
衣装:パスカリーヌ・シャヴァンヌ
音楽:フィリップ・ロンビ
出演:ロモーラ・ガライ(エンジェル・デヴェレル)
シャーロット・ランプリング(ハーマイオニー・ギルブライト)
サム・ニール(セオ・ギルブライト)
ルーシー・ラッセル(ノラ・ハウ=ネヴィンソン)
マイケル・ファスベンダー(エスメ・ハウ=ネヴィンソン)他。

1900年代初頭のイギリス。貧しい家庭に生まれた少女エンジェル・デヴェレル。上流階級に憧れるエンジェルは、その世界を夢想しては文章にしたため物語を紡ぎ出していく。彼女の飽くなき情熱と類い希な文才が、やがて彼女に大きな転機をもたらす。彼女の原稿がセオ・ギルブライトの出版社に認められ、16歳にして念願の作家デビューを果たすのだ。デビュー作『レディ・イレニア』は瞬く間にベストセラーとなり、人気作家となったエンジェルはついに夢見たとおりの暮らしを手に入れるのだったが…。 ―allconema onlineより抜粋


フランスの鬼才フランソワ・オゾン監督は、彼一流の冷徹な人間観察眼によって生み出される独特のドラマ作品で、日本にもファンが多い映画作家です。…実は私自身はちょいとばかり苦手なタイプの監督さんなのですが(苦笑)、彼のあの…鼻で他者をあざ笑うかのような、高慢なシニシズム要素が低い作品…例えば「エンジェル」であるとか「僕を葬る」といった諸作品には、一般に高く評価されている彼の他の作品群とは毛色の違うエモーションを感じますね。なんというか、屈折していない、えらく純粋で素直な彼の素顔が、ちょろりと顔を出してしまっているとでもいうか。完璧に取り繕いきれず、スクリーンの狭間にうっかり飛び出してしまった、秘められた彼の感情の切れ端。それが映像の空気の中に漂っているのを見つけると、私なんぞは逆に安心してしまいますけどね。熱心なオゾン・フリークの方々には、まあ、こんな意見は邪道なのでしょう、多分。

一介の一般ピープルでしかなかった少女エンジェルが、己の妄想だけでものにした通俗的な恋愛小説で成り上がり、人気作家として一世を風靡するも、戦争を挟んで急速に時代に取り残され、人々の記憶からすっかり忘れ去られてしまうまでを描いております。1930年代から40年代にかけて量産された、古きよきハリウッドの名作メロドラマ群に随所でオマージュを捧げつつ、本当はそういったメロドラマが大好きなクセに、わざわざそれらへの皮肉も充分に織り交ぜた、オゾンらしいイヤミたっぷりの演出ですね(笑)。

それでも、この「エンジェル」という作品は、オゾン監督の諸作品の中では、最もオゾン独特のシニカルな要素が薄いものだと思っております。というのも、このエンジェルの人間像とオゾン自身のそれが、物語の深い深いところで一致する部分が多いからです。これすなわち、エンジェルがオゾン監督のアルターエゴではないか、と感じられるという意味ですね。

そういえば、この作品のヒロイン、“エンジェル”も―名前からして既に“妄想だけで生きてきた痛々しい女”を象徴していますが―、己の美学と信念を妄信し、絶対に自説を曲げず、そして誰にも頼ろうとせずに、すべてを所有し、知っているとあくまでも虚勢を張り続ける究極のツンデレ。案外、オゾン監督の素顔に程近いのではないでしょうかね(笑)?エンジェルは小説で、オゾン監督はフィルムで、彼らはそれぞれの妄想とファンタジーを具現化します。惚れ抜いた男にも裏切られ、先立たれ、時代からも背かれて、エンジェルの末路は哀れを極めますが、彼女は最後の最後まで、自分の生んだ妄想世界と信念を手放しませんでした。死の床にあってもなお、自我の拠って立つところであるファンタジーに生きようとしたわけです。その滑稽なほど愚直で、かたくなな生き方は、いっそ誇り高いと称してもいいのではないでしょうか。

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周囲から理解されなくとも、どんなに苦痛を強いられようとも、決して妥協しない人生(すなわち“現実”すべてを否定する生き方)を全うしたエンジェルは、それが傍目にはどんなに馬鹿げた内実であっても、ある意味、一本筋を通した人間だったといえなくもない。オゾン監督は、エンジェルにゾッとするほど哀れで寒々しい最期を演じさせながらも(彼女にとっては自分の死すらも、彼女の夢想した世界を“演じること”に他ならない)、カメラの向こう側ではエンジェルに心から共鳴していたと思われますね。エンジェルを底意地の悪い視線で描いているように見えますが、それは、エンジェルというキャラクターに万感込めて投影した、恥ずかしいほどピュアな自身の内面(素顔)を隠すためのカムフラージュであるように感じます。またおそらく、そんな自分の真の姿をスクリーンに映し出すことで、自虐の快感に浸ってもいるのでは。まー、かえすがえすも、フランソワ・オゾンというプライドの高いツンデレは、扱いにくい困ったちゃんでありますことよ(笑)。

…ここまで書いてきてふと我に返ったのですが、万が一にも、この記事をオゾン監督フリークの方が読んだりしたら、私、明日の太陽を拝めないかもしれませんね(汗)。


そんなわけで、オゾン・フリークの方々を煙に巻くためにも、ミヒャに助けてもらいましょう。

フランスだけでなく、世界規模で公開された「エンジェル」をPRするために、ミヒャも各国で開催されたプレミア上映等に駆り出されました。

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劇中では、売れない画家エスメに扮し、こんな優男ぶりを発揮。エスメは、エンジェルに生涯に渡って仕えた忠実な秘書ノラの弟という関係で、エンジェルに引きあわされました。美しい容姿と優しげな雰囲気でエンジェルを一瞬にして虜にしますが、経済的には彼は無一文で、エンジェルに完全に寄生したヒモの状態。しかも、長年の間他所に愛人を作っていて、エンジェルの収入を愛人にせっせと貢いでいたのですから、エンジェルはエスメにとって体の良い金づるでしかなかったわけですね。おまけに、愛人に去られると、エンジェルを置き去りにしてさっさと先立ってしまうし。

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色男で床上手、マナーは上品、恋人としては最高ですが、夫としては本当に酷い男。でも、憎めない。ミヒャが演じると、到底共感できなさそうなキャラクターであっても、不思議なチャームが備わってしまうから困りものですな(笑)。この作品では、ミヒャはまだまだ、黙って座っているより、動いた時の方が数倍演技にキレがあって魅力的でした。


さて、その「エンジェル」のとあるプレミア会場にて、ミヒャも作品のPRに余念がありません。


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「どうもー!ボク、ミヒャエル・ファスベンダーっていいまーす!まだ新人でーす!そんでもって、フランソワ・オゾン監督の“エンジェル”っていうインテリな映画に出演したばっかりでーす!」


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「これっ!これがボク!どうよ、超カッコいいっしょ?かーなーり、イケテルっしょ!ねっねっ!」


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ミヒャ「ほらっ!この人がオゾン監督よ!ここ、ここに名前が書いてあるでしょ?“フランソワ・オゾン”って読むのよー?皆覚えてねー?凄い人なんだから、この人!偉い人なのよー?凄い作品をいっぱい撮ってて、賞もいーっぱい貰ってるんだから!皆もこの映画観てよー?ボク、この人の映画に出られて超幸せなんだからー!!」
オゾン監督「…ちょっ…ちょっとミヒャ君!もっと映画そのものの説明をしなきゃ…って、それは私がやるから手を離せっての、このバカ力が…(焦)」


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ミヒャ「…ふぅ〜(満足げ)。こんなもんでどうッス?監督?」
オゾン監督「……うぜぇよ」


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