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zoom RSS 2011年度、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞受賞結果。追記終了。

<<   作成日時 : 2012/01/11 13:26   >>

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色々考えて、乱立する各種映画賞の中でも、信頼性の高いものの一つ、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞(以下NBR賞)の受賞結果をメモしておきます。なお、NBR賞の成り立ち、及び内容についての解説は、当館内のこの記事で行っておりますので、ここでは改めて繰り返しません。興味のある方はリンク先にてご笑覧あれ。



National Board of Review of Motion Pictures for 2011
ハイライトで強調した部門及び作品は、私が個人的に注目しているもの、あるいは混戦が予想されるものです。

・最優秀男優賞 Best Actor
ジョージ・クルーニー George Clooney 「The Descendants」

・最優秀女優賞 Best Actress
ティルダ・スィントン Tilda Swinton 「We Need to Talk About Kevin」

・最優秀脚色賞 Best Adapted Screenplay
アレクサンダー・ペイン&ナット・ファクソン Alexander Payne and Nat Faxon & Jim Rash 「The Descendants」

・最優秀アニメ映画賞 Best Animated Feature
「ランゴ Rango」

・最優秀監督賞 Best Director
マーティン・スコセッシ Martin Scorsese 「Hugo」

・最優秀ドキュメンタリー映画賞 Best Documentary
「Paradise Lost 3: Purgatory」

・最優秀アンサンブル演技賞 Best Ensemble
「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜 The Help」

・最優秀作品賞 Best Film
「ヒューゴの不思議な発明 Hugo」

・最優秀外国語映画賞 Best Foreign Language Film
「別離 A Separation」

・最優秀オリジナル脚本賞 Best Original Screenplay
ウィル・ライザー Will Reiser 「50/50」

・最優秀助演男優賞 Best Supporting Actor
クリストファー・プラマー Christopher Plummer 「Beginners」

・最優秀助演女優賞 Best Supporting Actress
シェイリーン・ウッドレイ Shailene Woodley 「The Descendants」

・注目すべき演技賞 Breakthrough Performance
フェリシティ・ジョーンズ Felicity Jones 「Like Crazy」

・注目すべき演技賞 Breakthrough Performance
ルーニー・マーラ Rooney Mara 「The Girl with the Dragon Tattoo」

・処女監督賞 Debut Director
J.C. Chandor 「Margin Call」

・NBR Freedom of Expression
「Crime After Crime」

・NBR Freedom of Expression
「Pariah」

・映画製作における業績賞 Special Achievement in Filmmaking
映画「ハリー・ポッター」シリーズ The Harry Potter Franchise - A Distinguished Translation from Book to Film

・スポットライト賞 Spotlight Award
ミヒャエル(マイケル)・ファスベンダー Michael Fassbender (「A Dangerous Method」, 「Jane Eyre」, 「Shame」, 「X-Men: First Class」)

・インディペンデント映画ベスト10 Top 10 Independent Films
(in alphabetical order) 「50/50」, 「Another Earth」, 「Beginners」, 「A Better Life」, 「Cedar Rapids」, 「Margin Call」, 「Shame」, 「Take Shelter」, 「We Need To Talk About Kevin」, 「Win Win」

・ドキュメンタリー映画ベスト5 Top 5 Documentaries
(in alphabetical order) 「Born to be Wild」, 「Buck」, 「George Harrison: Living in the Material World」, 「Project Nim」, 「Senna」

・外国語映画ベスト5 Top 5 Foreign Language Films
(in alphabetical order) 「13 Assassins」, 「Elite Squad: The Enemy Within」, 「Footnote」, 「Le Havre」, 「Point Blank」

・メジャー映画ベスト10 Top 10 Films
(in alphabetical order) 「The Artist」, 「The Descendants」, 「Drive」, 「The Girl with the Dragon Tattoo」, 「Harry Potter and the Deathly Hallows Part 2」, 「The Ides of March」, 「J. Edgar」, 「The Tree of Life」, 「War Horse」

んー、まあこれ以上バランスよく納得のいく選出はできないでしょうね。

主演男優賞は、素顔の頼れる兄貴キャラを封印し、“心底ダメなパパ”役をゆる〜く好演したジョージ・クルーニー兄貴が受賞。個人的な希望としては、オスカーまでこのまま兄貴の独走でいって欲しいもんです。
というのもですね、近年の男優及び女優のオスカー受賞傾向を見ていると、ますます、“実在の人物を演じること”“インパクトのある人物像だと尚良し”“中毒患者を演じること”といった決まりきった方向性に固まっているからなんですね。それだけならまだ仕方ないにしても、いやなのは、その人物の人生がシリアスかつ悲劇的である場合が、特にオスカー選考委員に好まれるという悪循環ループ。従って、オスカー戦線上にいる俳優達の演技は、揃って重くなりがちなのです。もちろん例外はありますし、実在の人物の肖像をなぞっていても、シリアスとユーモアの匙加減が絶妙な、見事な演技に出会えるときもあります。
でも、もうそろそろ、“実在の人物をヘヴィーに演じればオスカー”という方程式以外のオスカー君が見たい。そこで、このジョージ兄貴の“とってもダメな親父”演技です(笑)。肩の力が抜け、良い塩梅に熟成された役者さんならではの、酸いも甘いも噛み分けた余裕。シリアスな役柄を深刻に演じるのは、結構簡単かもしれませんが、ユーモラスなキャラクターにペーソスを滲ませるのは、ある程度経験と年齢を経た人間でないと出来ないと思いますよ。オスカーさんも、たまにはこういう大人の役者の演技を評価しましょうよ。

監督賞と作品賞が、BFIの功労賞授与が決定したマーティン・スコセッシ監督だったのはサプライズ。かつては「ミーン・ストリート」(大好き)「タクシー・ドライバー」等々のぎらついた名作で、映画史に名を刻んだスコセッシ監督も、「ディパーテッド」でついにオスカー像を掲げてから憑き物が落ちたか。ベストセラー児童文学をイマジネーション豊かに再現した作品で、こちらも肩の力が抜けた演出が評価されたようです。こうなると、「Hugo」も劇場で観てみたくなるんだよなあ(笑)。

アカデミー賞における最優秀脚本賞も、ひょっとしたら「50/50 フィフティ・フィフティ」のライザーが受賞するかもしれませんね。今年度は「マネーボール」「ファミリー・ツリー」など、脚色の方で優れた作品が多いですから。それに、今作品もライザー自身の体験を映画化したものですしね。ウィットに富んだ会話はとても良かった。今後の彼の作品にも期待してみたいです。

助演男優賞も混戦が予想されます。この部門は毎年混戦して予想が立てにくいのですが、まずはクリストファー・プラマーが一歩リード。
プラマーは「ビギナーズ」で、ガンに罹患したことが分かった後に息子にセクシャリティをカムアウトする父親を演じています。日本でももうすぐ劇場公開される、このハートウォーミングな好篇で、プラマーは長年クローゼットの扉を固く閉め続けたセクシャル・マイノリティを、実に美しく体現。他の映画賞でも多くのノミネーションを勝ち取っていました。
この作品のテーマは、“自身への枷をはずし、ありのままに生きることの尊さ”。このように書きますとね、必ず“現実はそんな甘っちょろいもんじゃない”と目くじらを立てる方々が出てくるのですが、まあ、ちょっと待った。これからの世の中は、“カミングアウト自体を必要としない社会”“ゲイであろうがバイであろうが、あらゆるセクシャル・マイノリティに対し、全ての人が敬意を持って接するのが当たり前の社会”にならないといけないのですよ。自身のセクシャリティについて長い長い間悩み続けたプラマー演じる老父が、人生最後の時間に自分を解放することによって息子に提示したのは、どんな形であれ愛情を惜しみなく与える幸福であったと思います。全ての愛情の形はそこへ向かっていくのだし、ひいては、そのことが自分自身を許し、他人を許し、全ての人たちを許すことへと繋がっていきます。そうなれば、社会全体がもっと住み易い場所になるでしょうね。この作品を観て、そんな気持ちになった人が1人でも増えれば、それに勝る喜びはないとすら思いますよ。

NBRが注目する今年度の優れたインディペンデント映画10選の中に、「Shame -シェイム-」と「Win Win」が入っていたのは喜ばしいですが、クローネンバーグ監督の「A Dangerous Method」が、インディ映画選の中にもメジャー映画選の中にも見当たらないのはなぜなのでしょう…(涙目)。


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クロ「おい、ミヒャ。別の映画で私の映画以上に目立っちゃダメじゃないか!」
ミヒャ「いえ、ですからね監督、目立とうと思って目立ったわけじゃないんですよ…。行きがかり上、すっぽんぽんにはなってますけど…」
クロ「ほ〜ぅ、では、次に私とコンビを組むときは、潔くすっぽんぽんになってくれるというんだねっ!」
ミヒャ「なぜそういう論理に…(冷や汗)」

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