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zoom RSS メリークリス豆!「善き人 Good」名古屋でも公開されます。

<<   作成日時 : 2011/12/27 22:36   >>

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豆酢サンタから、局地的なお友達(すんません)に向けてのクリスマス・プレゼントです。

製作から何年も経ってようやく日本で劇場公開される映画って結構あるのですが、ヴィゴ・モーテンセン主演、ヴィセンテ・アモリン監督の作品「善き人 Good」(2008年製作)もそのひとつ。この「善き人(原題Good)」が、年明けにようやく日本で観られるようになりました。2012年1月1日元旦より有楽町スバル座を皮切りに、全国で順次劇場公開されます。名古屋での上映予定がなかなか分からず、やきもきしましたが、矢場町にあるPARCOのセンチュリーシネマで、1月28日から公開されることになりました。

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この「善き人」、2008年に製作、公開されたときは、著名な舞台劇から翻案しているにもかかわらず、批評も一般の観客からの反応も奮いませんでした。

この作品は元々、英国の劇作家C・P・テイラーの遺作である舞台劇を原作としております。テイラー自身は1981年に惜しくも逝去するのですが、彼の「Good」は、同年のロンドン初演を皮切りにブロードウェイや日本でも上演。その変幻自在のストーリー構成や奇抜な演出に注目が集まり、一躍テイラーの名声を高めた作品となりました。
成功した舞台劇が映画化される例は数多いですが、映画のほうが成功するとは必ずしも限りません。舞台独特のセリフやストーリー、演出が、時として映画の表現能力を超えてしまうからです。舞台では許容される表現が、映像では全く意味をなさないなんてことはしょっちゅう起こるのですね。
その種の問題がこの「善き人」でも起こってしまったようです。原作では面白い趣向であった時間軸移動も、今でこそ映画界でも一般的になった手法とはいえ、やはり観客を混乱させることに変わりありません。シリアスなストーリー展開であるにもかかわらず、人を食ったようなコミカルなシーンが唐突に始まったりする奔放な演出も、映像になってしまうと観客を当惑させるだけです。あくまでも個人的な見解ですが、これらは作品の持つテーマの重さを、観客に安易に悟らせまいとする原作者一流の風刺精神の表れではないかとも感じます。つまり、笑えるほど主体性の無い主人公の愚かさは、他ならぬ、この作品を観る無数の観客の本当の姿を反映しているに過ぎないということですね。
一人の善良な人物が、歴史に翻弄されるまま悪に同化してしまうというストーリーそのものも、何より“個”の自立と主体性を重んじる欧米社会では、共感を呼ばない内容でしょう。この主人公の優柔不断な生き様は、大衆が好むヒロイックな人物造型からはかけ離れたものであり、批判の多くの部分はここに集中しているのかもしれません。しかし、彼の姿はある意味とてもリアルで、普遍性も持つのですけれどね。

“個”の自立よりも“和”を重んじる日本人にとっては、「善き人 Good」という反語的なタイトルに込められた本当の意味に恐怖するはず。3.11以降、混迷を極める社会の中で、私は自分自身も“善き人”の1人になってしまっているのではないかと、時折身震いします。

作品の背景や、ストーリーをご覧になりたい方は、映画「善き人」公式サイトへどうぞ。


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絵に描いたような“善き人”ジョン・ハルダー教授は、どうしてナチスに入党する羽目になったのか。どこまでも受動的な男ハルダーを、ヴィゴ・モーテンセン先生(中央の人)がガラス細工のように脆く、危うい演技で表現しておられます。年明けが楽しみでございます。

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